日本臨床皮膚科医会
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皮膚の病気

さまざまなひふの病気について、症状などをわかりやすく解説しています
痒みとストレス

 多くの皮膚疾患に痒みはつきものですが、痒みがあるとつい掻きたくなるものです。
でも、掻いたり擦ったり(掻破行動)すると皮膚は傷みます。痒みも強くなるのでまた掻きたくなり、皮膚はますます傷むことになります。この痒みと掻破の悪循環がアトピー性皮膚炎をはじめとする様々な皮膚病を悪化させる大きな原因となっています。
 また、我々は、いらいらすると頭を掻いたり、緊張すると顔を擦ったりすることがあります。このように心の状態によっても掻破行動が起こることがあります。ストレスが、痒み=掻きたい衝動と密接に関係していることがあるのです。
 掻くと気持ちがいい、気分がすっきりするといった快感が掻破行動に拍車をかけます。しだいに、帰宅後に決まってしばらく掻かなくては居られないというように習慣化して、それが病み付きになって止まらなくなってしまうこともあります。掻破行動に依存症のようになってしまうのです。このような掻破行動はアトピー性皮膚炎やニキビなどの発症や悪化原因となります。掻く事で皮疹がひどく悪化すると、それもまたストレスとなります。このようなストレスと掻破の悪循環や習慣化が皮膚の病気に関係していることは決して稀なことではありません。
 毎日お風呂でふやけた足の裏の皮を剥き出すと止まらないなどという人もいます。痒くて眠れないといって皮膚科を訪れる人も少なくありません。でもよく話をうかがってみると、実は家庭や仕事の悩みで苦しんでいることが多いのです。日本人は勤勉でひたすら頑張ることを善とするところがあります。弱いことは恥であるという感覚があるようです。でも、人は疲れたらちょっと休み、落ち込んだときには弱音を吐いて人に優しくしてもらうといったことで、また元気を取り戻せるのです。時にはちょっと疲れているのかなと気持ちに目を向けて、「あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ」と自分を責め立てていることをひとつでも減らしてみてはいかがでしょう。

(東京都支部 小林 美咲)


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