Gene Reviews著者: Anne Slavotinek, MBBS, PhD.
日本語訳者:佐藤康守(たい矯正歯科)、櫻井晃洋(札幌医科大学医学部遺伝医学)
GeneReviews最終更新日: 2020.9.17. 日本語訳最終更新日: 2024.4.12.
原文: Fryns Syndrome
疾患の特徴
Fryns症候群は、横隔膜欠損(横隔膜のヘルニア・内臓脱出・低形成・無形成)、特徴的顔貌(粗野な顔,眼間開離,広く低い鼻梁と広い鼻尖,長い人中,低位で形態異常を呈する耳,テント状の上口唇の唇紅,広い口,小下顎)、指趾末節骨の短縮(爪も小さい場合あり)、肺低形成、その他の関連奇形(羊水過多,角膜混濁ないし小眼球,口腔顔面裂,腎異形成/腎皮質嚢胞,脳・心血管系・消化器系・性器等の奇形)を特徴とする疾患である。新生児期を越えて生存することは稀である。出生後の成長や精神運動発達に関するデータは多くはないが、重度の発達遅滞と知的障害が多くみられる。
診断・検査
発端者におけるFryns症候群の臨床診断は、6つの要件(横隔膜の欠損,特徴的顔貌,指趾遠位の低形成,肺低形成,関連奇形の少なくとも1つを有すること,常染色体潜性遺伝に一致する家族歴)を満たすことをもって確定可能である。発端者における分子診断は、これを示唆する所見がみられることに加え、分子遺伝学的検査でPIGNの両アレル性病的バリアントが同定されることをもって確定する。
臨床的マネジメント
症状に対する治療:
先天性横隔膜ヘルニアについては、腸の脱出の拡大防止を目的に、出生後速やかに挿管を行った上で、手術や、一般集団に準じた支持療法が行われる。てんかん発作については、経験豊富な神経内科医による抗痙攣薬を用いた標準治療を行う。その他の奇形については、眼科、循環器科、消化器科、腎臓内科、泌尿器科、頭蓋顔面といった方面の専門医への紹介やそちらでの治療が必要になる可能性がある。必要に応じ、摂食、運動、適応、認知、言語の治療を含めた発達サービスを行う。
定期的追跡評価 :
先天性横隔膜ヘルニアの修復が奏功した例については、多職種チーム(小児外科医,専門看護師,心臓病専門医,呼吸器科医,栄養士)による定期的評価が行えるような専門医療機関でフォローアップを行う。てんかん発作を有する例については、臨床的必要性に応じてモニタリングを行う。
発作の新たな出現に関し、評価を行う。発達の進行状況と教育上のニーズに関するモニタリングを行う。必要に応じ、眼科
遺伝カウンセリング
Fryns症候群は常染色体潜性の遺伝形式をとる。罹患者の同胞は、受胎の段階で、罹患者である可能性が25%、無症状の保因者である可能性が50%、罹患者でも保因者でもない可能性が25%である。ヘテロ接合者(保因者)は、無症状である。家系内に存在するPIGNの病的バリアントが特定されている場合は、リスクを有する血族に対する保因者検査や、高リスクの妊娠に関する出生前検査を行うことが可能である。
Linら[2005]によりFryns症候群の診断基準の見直しがなされ、「本疾患を示唆する所見」の項に挙げた6項目(横隔膜欠損,特徴的顔貌,指趾遠位の低形成,肺低形成,最低でも関連奇形のうちの1つを有すること,常染色体潜性遺伝に一致する家族歴)が要件となっている。
注:Fryns症候群の診断基準として、本症候群の最初の報告例と異なる表現型がどの範囲まで許容されるかという点については、論争のあるところである。例えば、四肢の症候が典型的なものと異なるようなもの(裂手,橈側列無形成,四肢短縮,多発性翼状片)をFryns症候群とした報告がみられる一方、これを除外する向きもある。
本疾患を示唆する所見
以下のような臨床所見、検査所見を有する例については、Fryns症候群を疑う必要がある。
臨床症候
部位を問わない(最も多いのは後外側のBochdalek孔ヘルニア)横隔膜ヘルニア、横隔膜からの内臓脱出、重度の横隔膜低形成、横隔膜無形成など
粗野な顔、眼間開離、広く低い鼻梁と広い鼻尖、長い人中、低位で形態異常を呈する耳、テント状の上口唇の唇紅,広い口,小下顎
爪も小さいことがある。
横隔膜ヘルニアに伴ってこれがみられる場合がある。
ただし、わかっている範囲で家族歴陰性だったとしても、本疾患の可能性が排除されるわけではない。
検査所見
先天性横隔膜ヘルニア関連のコピー数バリアント(例えば、15q26.2や8p23.1の欠失、1qトリソミーモザイク[Boneら2017])がみられないこと。
「鑑別診断」の項、ならびにYuら[2012]、Yuら[2020]によるレビューを参照。
診断の確定
発端者におけるFryns症候群の臨床診断は、臨床診断基準[Slavotinek 2004,Linら2005]をもって確定可能で、発端者における分子診断は、これを示唆する所見がみられることに加え、分子遺伝学的検査でPIGNの両アレル性病的バリアントが同定されることをもって確定可能である(表1参照)。
臨床診断
Fryns症候群の診断基準の見直しがLinら[2005]によって行われ、「本疾患を示唆する所見」に挙げた6つの要件(横隔膜の欠損,特徴的顔貌,指趾遠位の低形成,肺低形成,関連奇形の少なくとも1つを有すること,常染色体潜性遺伝に一致する家族歴)が基準とされている。
分子診断
発端者における分子診断は、これを示唆する所見がみられることに加え、分子遺伝学的検査でPIGNの両アレル性病的バリアント(pathogenicとlikely pathogenicの両方を含む)が同定されることをもって確定する(表1参照)。
注:(1)アメリカ臨床遺伝ゲノム学会(ACMG)/分子病理学会(AMP)のバリアントの解釈に関するガイドラインによると、「pathogenic」のバリアントと「likely pathogenic」のバリアントとは臨床の場では同義であり、ともに診断に供しうるものであると同時に、臨床的な意思決定に使用しうるものとされている[Richardsら2015]。本セクションで「病的バリアント」と言うとき、それは、あらゆるlikely pathogenicのバリアントまでを包含するものと理解されたい。
(2)PIGNに両アレル性の意義不明バリアント(あるいは、PIGNの既知の病的バリアント1つと意義不明バリアント1つ)が同定された場合、それは、本疾患の診断を確定するものでも否定するものでもない。
分子遺伝学的検査のアプローチとしては、表現型に合わせて、遺伝子標的型検査(単一遺伝子検査、マルチ遺伝子パネル)と網羅的ゲノム検査(エクソームシーケンシング,ゲノムシーケンシング)を組み合わせるやり方が考えられる。
遺伝子標的型検査の場合は、臨床医の側で関与が疑われる遺伝子の目星をつけておく必要があるが、網羅的ゲノム検査の場合、その必要はない。「本疾患を示唆する所見」に記載した特徴的所見を有する例については遺伝子標的型検査(「方法1」参照)で診断がつくものと思われるが、表現型からは、その他数多く存在する多発奇形を伴う遺伝性疾患と区別が難しいような例については、ゲノム検査(「方法2」参照)で診断がなされることになろう。
方法1
遺伝子内の小欠失/挿入や、ミスセンス・ナンセンス・スプライス部位バリアントを検出することを目的として、最初にPIGNの配列解析を行う。
注:使用する配列解析の手法によっては、単一エクソン、複数エクソン、遺伝子全体といったサイズの欠失/重複が検出されないことがある。したがって、使用した配列解析の手法でバリアントが1つしか検出されなかったり、全く検出されなかったりした場合は、次のステップとして、エクソン単位あるいは遺伝子全体の欠失や重複を検出するための遺伝子標的型欠失/重複解析を行うことになる。
現況の表現型と直接関係のない遺伝子の意義不明バリアントや病的バリアントの検出を抑えつつ、疾患の遺伝学的原因の特定に最もつながりやすいのは、PIGNその他の関連遺伝子(「鑑別診断」の項を参照)を含むマルチ遺伝子パネルであるように思われる。
注:(1)パネルに含められる遺伝子の内容、ならびに個々の遺伝子について行う検査の診断上の感度については、検査機関によってばらつきがみられ、また、経時的に変更されていく可能性がある。
(2)マルチ遺伝子パネルによっては、このGeneReviewで取り上げている状況と無関係な遺伝子が含まれることがある。
(3)検査機関によっては、パネルの内容が、その機関の定めた定型のパネルであったり、表現型ごとに定めたものの中で臨床医の指定した遺伝子を含む定型のエクソーム解析であったりすることがある。
(4)ある1つのパネルに対して適用される手法には、配列解析、欠失/重複解析、ないしその他の非配列ベースの検査などがある。
マルチ遺伝子パネル検査の基礎的情報についてはここをクリック。
遺伝学的検査をオーダーする臨床医に対する、より詳細な情報についてはここをクリック。
方法2
表現型からは、その他数多く存在する多発奇形を伴う遺伝性疾患と鑑別が難しいような場合は、網羅的ゲノム検査を使用することになろう。その場合は、臨床医の側で関与が疑われる遺伝子の目星をつけておく必要はない。エクソームシーケンシングが最も広く用いられるが、ゲノムシーケンシングを用いることも可能である。
網羅的ゲノム検査の基礎的情報についてはここをクリック。
ゲノム検査をオーダーする臨床医に対する、より詳細な情報についてはここをクリック。
表1:Fryns症候群で用いられる分子遺伝学的検査
遺伝子1 | 方法 | その手法で病的バリアント2が検出される発端者の割合 |
---|---|---|
PIGN | 配列解析3 | 10人4 |
遺伝子標的型欠失/重複解析5 | 1例の報告あり6 | |
不明 | なし | 脚注7参照 |
臨床像
「Fryns症候群」という名称が最初に用いられたのは、同胞である2人の死産女児の臨床所見が報告されたときである。この2人には、粗野な顔、角膜混濁、軟口蓋裂、乳頭低形成を伴う小さな胸郭、母指の近位位置異常、末節骨と爪の低形成、肺低形成、両側性の横隔膜後側方部無形成を伴う先天性横隔膜ヘルニア(CDH)がみられた[Frynsら1979]。この2同胞が死産だったため、当初、Fryns症候群は致死性疾患の可能性が高いと考えられていた。しかし、現在はそうではないことがわかっている。ただしFryns症候群は早期死亡例の割合が高いことから、自然経過の把握が容易ではない。それに加え、Fryns症候群の初期の報告例については、染色体解析や、Fryns症候群類似の表現型が現れることが知られているコピー数バリアントに関する臨床検査がなされていないものがあることから、誤診断の可能性が考えられる(「鑑別診断」の項を参照)。
最近になって、Fryns症候群の診断基準を厳密な形で満たした例について、「診断の確定」の項に示した[Linら2005]ようなPIGNの両アレル性バリアントが同定されるに至った[Bradyら2014,McInerney-Leoら2016,Alessandriら2018]。Fryns症候群の表現型を有する例でPIGNの両アレル性病的バリアントが同定されている例は、今のところ10人にとどまっている[Alessandriら2018]ため、Fryns症候群全体の中でこの遺伝子を原因とするものの占める割合はよくわかっていない。また、PIGNのバリアントが同定され、このバリアント関連の表現型が把握できるようになったことで、Fryns症候群の臨床的内容に変更を加える必要があるかどうかという点もよくわかっていない。
本疾患に関連するものとして以下に述べる内容は、Fryns症候群の臨床診断を受けた例、ならびに、PIGNの両アレル性病的バリアントに起因するFryns症候群との分子診断がなされた例[Bradyら2014,McInerney-Leoら2016,Alessandriら2018]の両方を基にしたものである。
表2:Fryns症候群:代表的症候の出現頻度
症候 |
その症候を有する例の割合 | コメント | |
---|---|---|---|
Fryns症候群の臨床診断を受けた例1 | PIGNの両アレル性病的バリアントを有する例2 | ||
羊水過多 | 56% | 6/10 | |
横隔膜ヘルニア | 90%超 | 7/10 | |
構造的脳奇形 | 88% | 3/10 | |
眼の奇形 | 6%超3 | 2/6 | |
心奇形 | 40%超3 | 6/10 | |
消化器奇形 | 15%超3 | 不明 | |
尿路性器奇形 | 25%超3 | 5/10 | |
顔面の形態異常 | 55%超3 | 8/10 | |
末節骨低形成 | 60%超3 | 8/10 | |
発達遅滞 | 生存例少なく不明 | データなし | PIGNの病的バリアントを有する例は10例すべて周産期に死亡 |
出生前の所見
Fryns症候群でみられるCDHその他の奇形が、出生前(通常は第2三半期以降)超音波検査で確認されることはあろうが、出生前の段階でFryns症候群の診断が確定するようなことはほとんどなく[Peronら2014]、適切な細胞遺伝学的検査や分子遺伝学的検査を行うことが必要になる。PIGNのバリアントを有する例でみられる出生前の所見としては、nuchal translucency、重度の隔壁性嚢胞性ヒグローマ、胎児腹水、小さな臍ヘルニア、中等度の高エコー輝度を示す腸、高エコー腎、5パーセンタイル程度の長さの大腿骨などがある[McInerney-Leoら2016]。第2・第3三半期では羊水過多も多く認められ、しばしば「大量(massive)」とされるほどになる[Alessandriら2018]。
生存/予後
Fryns症候群の予後は、現存する奇形に左右され、CDHがある例よりCDHがない例のほうが良好とされている。Fryns症候群については、臨床診断のなされた例であるかPIGNの両アレル性バリアントをもつ例であるかを問わず、いずれにしても新生児期を越えて生存することはあまり多くない。後者については新生児期を越えて生存した例は皆無である。
性差はみられない。
横隔膜の異常/呼吸の問題
Fryns症候群の臨床診断を受けた例の90%超にCDHがみられる[Peronら2014]。片側性で左側のBochdalek孔ヘルニアが最も多くみられる。PIGNの病的バリアントをもつ例について言うと、50%に横隔膜欠損が認められている。肺分葉異常も1例で認められている。
神経学的所見
PIGNに病的バリアントを有する例でこれまでにみられている構造的脳奇形としては、脳梁の菲薄化や短縮、小脳虫部低形成、嗅球無形成などがある。
眼の所見
Fryns症候群に関係するものとしてこれまでに報告されている眼の所見としては、角膜内皮の異常に起因すると思われる角膜中央/傍中央部の混濁、小眼球、Bowman層の不整、水晶体後嚢の肥厚、網膜異形成などがある[Cursiefenら2000]。PIGNの病的バリアントを有する例では、角膜混濁と白内障の報告がみられる。
心所見
Fryns症候群の臨床診断を受けた例について言うと、心室中隔欠損が最も多くみられる心奇形であるが、心房中隔欠損や大動脈奇形の報告もみられる。PIGNの病的バリアントを有する例については、Fallot四徴、心室中隔欠損、動脈管開存、大動脈騎乗、肺動脈幹低形成、食道の後方を通る右鎖骨下動脈走行異常がこれまでに報告されている。また、肺動脈弁狭窄と肺動脈幹狭窄を伴う軽度の右室低形成、膜性部心室中隔欠損、左鎖骨下動脈より遠位に起始をもつ右鎖骨下動脈異常を有する1胎児例がある。
消化器所見
PIGNの病的バリアントを有する例で、臍ヘルニアや腸回転異常などの腹部の異常がみられている。また、肛門奇形がFryns症候群の臨床診断を受けた例で報告されているが、PIGNの病的バリアントを有する例については、今のところ報告例はない。
尿路性器所見
PIGNの病的バリアントを有する例で、これまでに腎盂拡張、分節性腎異形成、小陰茎、停留精巣が報告されている。また、Fryns症候群の臨床診断を受けた例で、尿道下裂と双角子宮がみられた例があるものの、これはPIGNの病的バリアントを有する例では今のところ報告されていない。
顔面の形態異常
Fryns症候群の臨床診断を受けた例で最も特徴的にみられる顔面症候としては、粗野な顔、角膜混濁を伴う眼間開離、上向きの鼻孔を伴う広く平坦な鼻梁、形態異常を伴って低位にある耳介、大きな口、小下顎などがある。PIGNの病的バリアントを有する例の顔面症候としては、眼間開離、小さな鼻、平坦な鼻梁、上向きの鼻孔、長い人中、大きな口、低位で小さく形態異常などを伴う耳介を伴う粗野な顔がこれまでに報告されている。口唇裂口蓋裂の報告もみられる。軽度の腋窩翼状片と左踵部に付着した滑膜嚢胞を呈した1胎児例が存在する[Bradyら2014]。
骨格所見
小さな爪と短い指趾末節骨がしばしばみられ、これがFryns症候群の診断上、有用な所見となっている。PIGNの病的バリアントを有する例については、短指症(第5指に最も顕著にみられる)、短趾症、小さい爪ないし爪の欠損が報告されている。片側性の彎足の報告もみられる。PIGNの病的バリアントが確認済の1男性で、左足の乏趾症(第3趾列から第5趾列までの欠損)、欠損していない足趾の低形成、足趾の爪の欠損が報告されている[Bradyら2014]が、これらはFryns症候群の典型所見ではないと考えられている。爪の欠損は、すべての例でみられるわけではない[McInerney-Leoら2016]。
発達
Fryns症候群の臨床診断を受けている例では、これまでに、軽度障害から重度の知的障害に至るまで、さまざまな幅の発達遅滞が報告されている。PIGNの病的バリアントに起因するFryns症候群については、生存そのものが難しいため、発達の経過はわかっていない。
遺伝型-表現型相関
PIGN関連Fryns症候群については、今のところ遺伝型-表現型相関は明らかになっていない。
頻度
フランス人集団において、100,000生産児中の7人にFryns症候群がみられた[Ayméら1989]ということであるが、この発生頻度の数字は、多くの遺伝学的検査手法が開発される前のものである。発生頻度に関するより新しい数字は公表されていない。
Fryns症候群は、先天性横隔膜ヘルニア(CDH)のみられる常染色体潜性疾患としては最も多いものである可能性がある(「先天性横隔膜ヘルニア概説」のGeneReviewを参照されたい)。CDHを有する罹患者の大規模コホートで、Fryns症候群の発生頻度を推定したものが存在する。
PIGN関連Fryns症候群罹患者の中には、Réunion島その他のインド洋諸島に共通祖先をもつ例があり、遺伝子内の病的欠失の創始者効果である可能性が高いものと考えられている[Alessandriら2018](「分子遺伝学」の項を参照)。
PIGNの両アレル性病的バリアントに起因して、多発先天奇形-筋緊張低下-けいれん症候群(multiple congenital anomalies-hypotonia-seizure syndrome;MCAHS1)(OMIM 614080)も生じうることがわかっている。
MCAHS1とFryns症候群は、羊水過多、高い口蓋・平坦な鼻梁・耳介奇形を伴う粗野な顔、短い指節骨と小さな爪、尿路性器・消化器・心臓の奇形といった点を共有する。
MCAHS1は、横隔膜ヘルニアがみられないことと症候の程度が軽いことでFryns症候群と鑑別可能である[Alessandriら2018]。
MCAHS1関連のPIGNの病的バリアントは、知られているもののほぼすべてがミスセンスバリアントか、ミスセンス/機能喪失の複合型バリアントである。
一方、Fryns症候群関連のPIGNの病的バリアントは、いずれも機能喪失が予測されるものである[McInerney-Leoら2016,Alessandriら2018]。
複雑な先天性横隔膜ヘルニア(CDH)を伴う疾患群は、Fryns症候群に類似することがあるものの、それぞれの疾患の示す奇形のパターン、ならびに、Fryns症候群に特徴的な爪や指趾の症候を欠くことで、Fryns症候群と鑑別可能である。表3を参照されたい。
表3:複雑な先天性横隔膜ヘルニアを伴い、Fryns症候群との鑑別診断に関係してくる単一遺伝子疾患
遺伝子 | 鑑別対象疾患 | 遺伝形式 | 先天性横隔膜ヘルニア1 | 他の特徴的症候 |
---|---|---|---|---|
GPC3 GPC4 2 |
Simpson-Golabi-Behmel症候群1型(SGBS1) | XL | 稀 |
|
EFNB1 | 頭蓋前頭鼻症候群(CFNS)(OMIM 304110) | XL | 稀(CFNSでは男女とも生じうる) | 冠状縫合早期癒合症,顔の奇形(眼間開離・広い鼻尖),骨格奇形 |
PORCN | 巣状皮膚低形成(Goltz症候群) | XL | 稀 | 皮膚の線状の色素沈着,脂肪ヘルニア,小眼球をはじめとする眼の奇形,小さな歯,指趾の奇形 |
BRD4 HDAC8 NIPBL 4 RAD21 SMC1A SMC3 |
Cornelia de Lange症候群(CdLS) | AD XL |
稀 | 顔面奇形(高い眉ないし眉毛癒合・長い睫毛・上向きの鼻孔を伴う短い鼻・小さな歯と空隙歯列),小頭症,発育不全,多毛症,上肢欠損,知的障害,自閉症の症候,自傷行動 |
WT1 | WT1疾患(Denys-Drash症候群,Frasier症候群,Meacham症候群を含む)5 | AD | 稀 | 尿路性器奇形,Wilms腫瘍,腎症,糸球体症,性発達障害 |
FBN1 | Marfan症候群 | AD | 稀 | 筋骨格・心臓・眼の奇形。 早期発症のMarfan症候群では横隔膜性内臓脱出や横隔膜ヘルニアがみられる場合あり6。 |
NR2F2 | 先天性心疾患,多発型4(OMIM 615779) | AD | 多様 | Fryns症候群類似の頭蓋顔面奇形,心血管奇形,性器低形成もしくは停留精巣,重度の出生前発育不全,知的障害,内反尖足,舟底足,単一臍帯動脈 |
LRP2 | Donnai-Barrow症候群 | AR | 主要症候 | 顔の奇形(眼間開離・大泉門開大),高度近視・網膜剥離・進行性視力喪失・虹彩コロボーマ・感音性聾,脳梁無形成,臍帯ヘルニア,知的障害 |
RARB STRA6 |
Matthew-Wood症候群(PDAC症候群;症候群性小眼球症)(OMIM 615524,601186) | AR AD |
主要症候 |
|
AD=常染色体顕性;AR=常染色体潜性;PDAC=肺低形成/無形成(P),横隔膜ヘルニア/内臓脱出(D),無眼球/小眼球(A),心奇形(C);XL=X連鎖性
表4:先天性横隔膜ヘルニアに加えて大きな奇形/顔面の形態異常が現れる染色体異常
染色体異常 | そこにある中心的遺伝子 | 顔面の表現型 | 先天性横隔膜ヘルニア以外の臨床的特徴 |
---|---|---|---|
Pallister-Killian症候群(PKS)1(12pテトラソミーモザイク)(OMIM 601803) |
|
|
|
Del 15q26.2(OMIM 142340) | NR2F2 5 | Fryns症候群類似の頭蓋顔面奇形 | 先天性心疾患,性器低形成あるいは停留精巣,重度の出生前発育不全,知的障害,内反尖足,舟底足,単一臍帯動脈 |
Del 8p23.1(OMIM 22400) | GATA4 SOX7 5 |
軽度の顔面奇形 | 先天性心疾患(例えば、内臓心房錯位),腎奇形,知的障害 |
Del 8q22-q23 | ZFPM2 5 | 眼瞼狭小,眼間開離,内眼角開離,平坦な頰骨部,薄い上口唇唇紅,下向きの口角,顔面の運動低下 | 言語無発達,小頭症,てんかん発作,発育遅延を伴う知的障害6 |
Del 1q41-q42(OMIM 612530) | HLX DISP 5 |
四肢奇形(例えば、彎足),口唇裂口蓋裂,てんかん発作,知的障害 | |
Del 15q24(OMIM 613406) | 特徴的頭蓋顔面症候 | 手足の奇形,発育遅延,顕著な言語発達遅延を伴う知的障害 | |
Del 4p16.3(OMIM 194190) | FGFRL1 5 | Wolf-Hirschhorn症候群関連の特徴的顔面奇形 | 骨格奇形,知的障害,発育遅延 |
Del 22q11.2 | 22q11.2欠失症候群関連の特徴的顔面奇形,口蓋裂 |
|
|
Del 17q12 |
|
顔面奇形(「17q12反復性欠失症候群」のGeneReviewを参照) |
若年発症成人型糖尿病(MODY),嚢胞性腎疾患,膵・肝の異常,大頭症,知的障害8 |
今のところ、Fryns症候群の臨床的管理に関する公表済のガイドラインは存在しない。
最初の診断に続いて行う評価
Fryns症候群罹患者については、疾患の範囲やニーズを把握するため、診断に至る過程ですでに実施済でなければ、表5にまとめたような評価を行うことが推奨される。
表5:Fryns症候群罹患者の最初の診断後に行うことが推奨される評価
系/懸念事項 | 評価 | コメント |
---|---|---|
先天性横隔膜ヘルニア | 胸部と腹部のX線写真 | |
神経 |
|
|
眼 | 眼底検査を含む眼科的検査 | |
心血管 | 心エコー | |
消化器 | 腸回転異常の評価を目的に、上部消化管画像検査 | |
尿路生殖器 | 腎超音波検査 | |
耳/鼻/喉 | 口蓋裂の疑いがある場合は、耳鼻咽喉科医ないし頭蓋顔面チームによる評価 | |
発達 | 発達評価 |
|
遺伝カウンセリング | 遺伝の専門医療職1が行う。 | 医学的、個人的な意思決定の用に資するべく、本人や家族に対し、Fryns症候群の本質、遺伝形式、そのもつ意味についての情報提供を行う。 |
家族への支援/情報資源 | 以下に関する評価
|
症候に対する治療
表6:Fryns症候群罹患者の症候に対する治療
症候/懸念事項 | 治療 | 考慮事項/その他 |
---|---|---|
先天性横隔膜ヘルニア(CDH) | CDHを有する新生児については、腸の脱出の拡大防止のため、即座に挿管を行う必要がある。 「先天性横隔膜ヘルニア概説」のGeneReviewを併せて参照。 |
Fryns症候群でみられるCDHについては、出生前の外科的修復が行える可能性がある。子宮切開胎児内視鏡下気管閉塞術と従来法との比較対照試験で、生存率の改善は認められなかった。経皮的胎児鏡下気管閉塞術の評価は、現在も継続中である[Losty 2014]。 |
てんかん発作 | 経験豊富な神経内科医による抗痙攣薬を用いた標準治療 | |
白内障/その他の眼の奇形 | 眼科医による管理 | |
先天性心疾患 | 小児心臓病専門医による管理 | |
消化器奇形 | 小児消化器科医と小児外科医による外科的修復 | |
腎尿路生殖器奇形 | 小児腎臓内科医ないし泌尿器科医による管理 | |
口蓋裂 | 頭蓋顔面チームによる管理 | |
発達遅滞 | 必要に応じ、摂食、運動、適応、認知、言語などの発達サービス |
定期的追跡評価
表7:Fryns症候群罹患者で推奨される定期的追跡評価
系/懸念事項 | 評価 | 実施頻度 |
---|---|---|
先天性横隔膜ヘルニアの修復術奏功後 | 小児外科医、専門看護師、心臓病専門医、呼吸器科医、栄養士による評価 | 専門家の推奨に従った頻度で |
神経 | てんかん発作を有する例については、臨床的必要性に応じたモニタリング;新たな発作の出現状況に関する評価 | 来院ごと |
発達 | 発達の進行状況、ならびに教育上のニーズに関するモニタリング | |
眼の奇形 | 眼科的評価 | 必要に応じ |
先天性心疾患 | 心臓病専門医によるフォローアップ | |
消化器奇形 | 消化器科医によるフォローアップ | |
尿路性器奇形 | 腎臓内科医あるいは小児泌尿器科医によるフォローアップ | |
口蓋裂 | 頭蓋顔面の専門家によるフォローアップ |
リスクを有する血縁者の評価
リスクを有する血縁者に対して行う遺伝カウンセリングを目的とした検査関連の事項については、「遺伝カウンセリング」の項を参照されたい。
妊娠に関する管理
妊娠時の管理は、特定された奇形の内容に従って進められる。ある1つの文献レビューの出した結論は、出生前の介入戦略の1つとして胎児鏡下気管閉塞術を行うことで、重症のCDHを有する例の生存率を高められる可能性があるというものであった[Cundyら2014]。ただし、これまでにこの手法が応用されたのは単発性のCDHに対してであって、Fryns症候群に対してではない。
研究段階の治療
先天性横隔膜ヘルニアの管理に関しては、現在、数多くの治療法が評価を受けている段階である。
さまざまな疾患・状況に対して進行中の臨床試験に関する情報については、アメリカの「Clinical Trials.gov」、ならびにヨーロッパの「EU Clinical Trials Register」を参照されたい。
「遺伝カウンセリングは個人や家族に対して遺伝性疾患の本質,遺伝,健康上の影響などの情報を提供し,彼らが医療上あるいは個人的な決断を下すのを援助するプロセスである.以下の項目では遺伝的なリスク評価や家族の遺伝学的状況を明らかにするための家族歴の評価,遺伝学的検査について論じる.この項は個々の当事者が直面しうる個人的あるいは文化的、倫理的な問題に言及しようと意図するものではないし,遺伝専門家へのコンサルトの代用となるものでもない.」
遺伝形式
PIGNの病的バリアントに起因するFryns症候群は、常染色体潜性の遺伝形式をとる。
家族構成員のリスク
発端者の両親
発端者の同胞
発端者の子
Fryns症候群罹患者が生殖にまで至った例は、これまで知られていない。
他の家族構成員
他の血族の有するリスクは、発端者の母親の状況によって変わってくる。仮に母親もOFD1の病的バリアントを有していた発端者の両親の同胞は、いずれも、Fryns症候群関連の病的バリアントの保因者であることに関し、50%のリスクを有する。
保因者の特定
家系内に存在するPIGNの両アレル性病的バリアントが両方とも同定されている場合は、リスクを有する血縁者に対し保因者検査を行うことが可能である。
関連する遺伝カウンセリング上の諸事項
家族計画
DNAバンキング
検査の手法や、遺伝子・病原メカニズム・疾患等に対するわれわれの理解は、将来、より進歩していくことが予想される。そのため、分子診断の確定していない(すなわち、原因となった病原メカニズムが未解明の)発端者のDNAについては、保存しておくことを検討すべきである。
詳しくは、Huangら[2022]を参照されたい。
出生前検査ならびに着床前遺伝学的検査
先験的に高リスクの妊娠 ― Fryns症候群の同胞が現にある場合
分子遺伝学的検査
家系内の罹患者の有するPIGNの病的バリアントが両アレルとも同定されている場合は、出生前検査や着床前遺伝学的検査が可能である。
超音波検査
Fryns症候群の診断には、これまで、二次元・三次元の超音波検査、ならびに胎児MRIが用いられてきた。しかし、最新の三次元スキャンを用いれば、顔面の特徴をより詳細に評価できる可能性がある。Fryns症候群の診断を示唆する横隔膜ヘルニアと肺低形成以外の超音波所見としては、第2、第3三半期における羊水過多、nuchal translucency/嚢胞性ヒグローマ、エコー源性腸管、エコー源性腎、心奇形、腎嚢胞、水尿管、脳室拡大/水頭症、脳梁無形成、Dandy-Walker奇形などがある。
こうしたことから、心エコーを用いた胎児の超音波診査、ならびに成長パラメーター・羊水レベルの測定が推奨される。横隔膜欠損の存否を確認したり、他の奇形の有無を調べたりする上では、胎児MRIも検討対象になりうる。それでも、先行して現れた初発例がない場合は、妊娠中のFryns症候群は見逃されることがありうる[Peronら2014]。
先験的に高リスクの妊娠 ― Fryns症候群の可能性をもつ同胞がある場合
染色体解析
同胞が、Fryns症候群の可能性も含めたCDHその他の大きな奇形/顔面の形態異常を伴う染色体異常症候群をもつ可能性が否定できないような場合は、胎児細胞について染色体解析とCMAの両方を行うことになろう。
先験的に低リスクの妊娠 ― Fryns症候群の家族歴がない場合
ルーチンで行われる出生前超音波検査で横隔膜ヘルニアその他の奇形が見つかり、もともとFryns症候群に関して高リスクとは考えられていなかった胎児にFryns症候群の可能性が生じるようなことがある。そうした場合は、核型解析(12p同腕染色体や、Pallister-Killian症候群を引き起こす12pテトラソミーに関する評価を行う)を含めた染色体解析と、CMA(その他の染色体異常の有無を調べる)(「先験的に高リスクの妊娠 ― Fryns症候群の可能性をもつ同胞がある場合」の項を参照)の両方を行うことが強く推奨される。それでも、Fryns症候群の診断の確定となると、出生前にこれを行うことはなかなか難しく[Peronら2014]、詳しい身体的診査や画像診断が可能になる時期を待つことになろう。
GeneReviewsスタッフは、この疾患を持つ患者および家族に役立つ以下の疾患特異的な支援団体/上部支援団体/登録を選択した。GeneReviewsは、他の組織によって提供される情報には責任をもたない。選択基準における情報については、ここをクリック。
分子遺伝学
分子遺伝学とOMIMの表の情報はGeneReviewsの他の場所の情報とは異なるかもしれない。表は、より最新の情報を含むことがある。
表A:Fryns症候群:遺伝子とデータベース
遺伝子 | 染色体上の座位 | タンパク質 | Locus-Specificデータベース | HGMD | ClinVar |
---|---|---|---|---|---|
PIGN | 18q21.33 | グリコシルホスファチジルイノシトールエタノールアミンリン酸基転移酵素1 | PIGN @ LOVD | PIGN | PIGN |
データは、以下の標準資料から作成したものである。遺伝子についてはHGNCから、染色体上の座位についてはOMIMから、タンパク質についてはUniProtから。リンクが張られているデータベース(Locus-Specific,HGMD,ClinVar)の説明についてはこちらをクリック。
表B:Fryns症候群関連のOMIMエントリー(内容の閲覧はOMIMへ)
229850 | FRYNS SYNDROME; FRNS |
606097 | PHOSPHATIDYLINOSITOL GLYCAN ANCHOR BIOSYNTHESIS CLASS N PROTEIN; PIGN |
分子レベルの病原
PIGNは、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)の生合成を担うタンパク質ファミリーの1つである。GPIは、細胞膜の脂質二重層の外葉にタンパク質を固定することで、シグナル伝達、細胞接着、抗原提示などの幅広い細胞機能の遂行を可能にする働きをする[Bradyら2014,McInerney-Leoら2016,Kinoshita 2020]。PIGNは、GPI-エタノールアミン転移酵素Ⅰ(ETⅠ)をコードし、EtNPをホスファチジルエタノールアミンから最初のα4結合マンノースの2位に転移し、Manα6(EtNP)2ManαGlcN-(アシル)ホスファチジルイノシトールを生成する[Hongら1999]。PIGN、ならびにGPIアンカーの生合成に関与するその他の遺伝子の病的バリアントによって生じるGPIアンカータンパク質(GPI-AP)の形成不全により、GPI-APの細胞内局在に問題が生じ、結果的に細胞機能に障害が生じる[Bradyら2014,Kinoshita 2020]。GPI-APの形成不全は同時に、Wntシグナル伝達、ヘッジホッグシグナル伝達、BMPシグナル伝達などの発生の上で重要なシグナル伝達経路にも障害を及ぼす可能性がある[McInerney-Leoら2016,ならびにそこにある参考文献]。
疾患の発症メカニズム
PIGNのバリアントに起因して生じたFryns症候群は、機能喪失型の成り立ちと考えられる。病的バリアントとしては、遺伝子内欠失、スプライス部位バリアント、トランケーション型タンパク質に至ったりヌルアレルになったりすることが予測されるフレームシフトバリアントなどがある。
表8:PIGNの注目すべき病的バリアント
参照配列 | DNAヌクレオチドの変化 | 予測されるタンパク質の変化 | コメント[参考文献] |
---|---|---|---|
NM_176787.5 NP_789744.1 |
c.421dup | p.Ile141AsnfsTer10 | ホモ接合[Alessandriら2018] |
c.694A>T | p.Lys232Ter | ホモ接合[McInerney-Leoら2016] | |
NM_176787.5 | c.1574+1G>A | -- | ホモ接合[Bradyら2014] |
c.1674+1G>C | -- | 複合ヘテロ接合1[McInerney-Leoら2016] | |
NM_176787.5 NP_789744.1 |
c.1966C>T | p.Glu656Ter | 複合ヘテロ接合1[McInerney-Leoら2016] |
GRCh37 | Chr18:59819870_59824934の欠失2 | 脚注3参照 | ホモ接合;Réunion島その他のインド洋諸島における創始者効果と思われる[Alessandriら2018]。 |
上記のバリアントは報告者の記載をそのまま載せたもので、GeneReviewsのスタッフが独自に変異の分類を検証したものではない。GeneReviewsは、Human Genome Variation Society(varnomen.hgvs.org)の標準命名規則に準拠している。命名規則の説明については、Quick Referenceを参照のこと。
Gene Reviews著者: Anne Slavotinek, MBBS, PhD.
日本語訳者:佐藤康守(たい矯正歯科)、櫻井晃洋(札幌医科大学医学部遺伝医学)
GeneReviews最終更新日: 2020.9.17. 日本語訳最終更新日: 2024.4.12.[in present]
原文: Fryns Syndrome