学術集会長挨拶

 

ご挨拶

学術集会長  田中瞳

新潟青陵大学看護学部・大学院看護学研究科

 2024年は大きな災害と事故による波乱の幕開けとなりました。お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表します。また、被災者された皆様はいまだ不自由な生活を送られていることに心からお見舞い申し上げます。 この度、日本アディクション看護学会第23回学術集会を新潟青陵大学を会場に開催することになりました。

アディクションにつながる因子は、私たちの暮らしのなかにあります。それらは必ずしも特別なものではなく、生活の利便性や潤いをもたらす側面も持っています。同時に様々な依存の対象にもなりえます。生活環境や社会的な状況は、アディクションのリスクに大きな影響を与えます。物質産業、ギャンブル産業、エンターテインメントが行う魅力的なマーケティングは、依存を助長することがあります。産業、暮らし、アディクションは相互に関連し合い、社会全体に影響を与える複雑な関係を持っています。
そこで第23回学術集会ではメインテーマを「暮らしとアディクション」としました。このテーマの下に、4つの小テーマでプログラムを構成して開催いたします。
第1は知識の共有です。アディクションは依存症と言われますが、それに関する最新の研究や実践事例を共有し、看護師や関連職種の皆様の知識を深めることです。
第2はアディクションに悩む方々の支援に関する専門的な知識や技術を学ぶ機会を提供することです。それによりアディクション支援の実践のための具体的な知識や技術に触れ、看護師や各職種の専門性を向上させ、現場での看護の質・支援の質を向上させることです。
第3は看護職だけでなく、広く関連する職種や専門職の皆様方の交流の促進と情報交換、協力関係の基盤作りを進めることにより、アディクションとその支援のためのネットワーク構築に取り組むことです。
第4はアディクションに対する人々の理解を深め、社会全体の意識を高めるための啓発活動を行うことです。
このような趣旨のもと、ご参加の皆様がアディクション支援に関する理解を深め、日頃の実践あるいは研究にお役に立ていただける機会にすべく、準備を進めています。特別講演Ⅰではさいがた医療センターの佐久間寛之先生に「もう一度依存症を再定義する」というテーマで、特別講演Ⅱでは新潟医療福祉大学の野村照幸先生に「強みを拓くクライシス・プラン」というテーマでご講演いただきます。教育講演では昭和大学横浜北部病院の前田愛先生に精神看護専門看護師のお立場からお話しいただきます。新潟だからこそのプログラムとして、新潟大学日本酒学センターの平田大先生、麒麟山酒造の斉藤俊太郎先生に日本酒に関するご当地講演をしていただきます。その他にも3つのシンポジウム、教育セミナー、指定交流集会、参加型企画としてのしゃべり場など、充実したプログラムを用意しています。
会期は2025年8月30日(土)・31日(日)、会場は新潟青陵大学(新潟県新潟市)です。新潟では2024年7月、佐渡金銀山が世界遺産に登録されることが決定しました。暑い時期の開催ですが、アディクション支援について参加者の皆様で熱い議論が行われることを期待し、歴史・文化・自然と魅力満点の新潟で主催者一同、皆様をお待ちしております。