どんな症状かな

  1. 診断プロセス
  2. スクリーニングと健康維持
  3. 腹部の痛み
  4. 酸塩基平衡異常
  5. AIDS/HIV感染症
  6. 貧血
  7. 背中の痛み
  8. 出血性疾患
  9. 胸の痛み
  10. 咳と鼻づまり、呼吸器系感染症
  11. せん妄と認知症
  12. 糖尿病
  13. 急性下痢
  14. 眩暈
  15. 呼吸困難
  16. 排尿障害
  17. 浮腫
  18. 疲労感
  19. 消化管出血
  20. 頭痛
  21. 血尿
  22. 高カルシウム血症
  23. 高血圧症
  24. 低ナトリウム血症および高ナトリウム血症
  25. 低血圧症
  26. 黄疸と肝酵素の異常
  27. 関節痛
  28. 急性腎障害
  29. 発疹
  30. 喉の痛み
  31. 失神
  32. 意図しない体重減少
  33. 喘鳴

B型肝炎の進行と抗原抗体検査(乳幼児感染)

B型肝炎の進行のステージを整理しました

 

B型肝炎の検査、多いのですがこれを少し整理しました

 

B型肝炎治療ガイドライン(第四版2022.6 日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会 編)

学会ガイドライン掲載の図を引用します

 

これを検査の推移が見やすい様に少し整えました(矢印は太いもののみ採用)

 

ガイドラインによると

非活動性キャリアの診断には注意が必要であり、慎重な判断を要する。まず、ALT 値がいくつ以上の場合を異常とするかという問題がある。ALT の正常値についての明らかなコンセンサスは存在せず、国内・海外の臨床研究のほとんどがその施設における基準値を正常値と定義している。欧米において、男性 30 U/L 以下、女性 19 U/L 以下を正常値とするという提案がなされたが 、B 型肝炎における妥当性は検証されていない。近年では治療適応となる ALT の基準値は下がりつつあり、より積極的な治療介入を推奨する傾向にある。一方、わが国においては厚生労働省研究班により、2008 年から ALT 値の治療適応基準が 31 U/L 以上と定義されており 34、本ガイドラインにおいても、慢性肝炎における ALT 正常値を 30 U/L 以下と定義し、31 U/L 以上は異常として治療対象とする。なお、脂肪肝、薬剤、飲酒など、B 型肝炎以外の原因が ALT 値上昇の主因であると判断される場合は、抗ウイルス治療の対象としない。

ガイドラインでは、治療適応のない HBe 抗原セロコンバージョン後の非活動性キャリアを、抗ウイルス治療がなされていない drug free の状態で、以下を満たすものと定義した

  • 1 年以上の観察期間のうち 3 回以上の血液検査で以下のすべてを満たす
    • ①HBe 抗原が持続陰性
    • ②ALT 値が持続正常(30 U/L 以下)
    • ③HBV DNA 量 が 2,000 IU/mL(3.3 LogIU/mL)未満

 

治療対象は次の通り

 

 

ここ4−5年で大きく変わった臨床情報【消化器疾患領域】

はじめに

Twitterでフォローしている @3naiblood さんが「ゆる募:ここ4-5年で大きく変わった臨床情報」とやったところ多くの情報が寄せられました。ご本人がブログで大まかにまとめてくださっています。それを眺めながら、気になるところを調べたものをメモっていこうと思います。


消化器疾患領域

急性膵炎ガイドライン改定(2021)

(蘇生輸液は行うが、volume statusをみて・蛋白分解酵素阻害薬❌広域抗菌薬❌抗潰瘍薬❌・早期経腸栄養)

急性膵炎の初期輸液として,細胞外液(乳酸リンゲル液など)を用いることを推奨する。(推奨度 1,エビデンスレベル C)

軽症から中等症の急性膵炎における RCT(RCT)31)では,ブプレノルフィン(初回投与 0.3 mg 静注,続い て 2.4 mg/日の持続静脈内投与)は除痛効果に優れており,以前より非麻薬性鎮痛薬に指摘されてきた Oddi 括約筋の収縮作用による病態の悪化も認められず,Oddi 括約筋弛緩作用をもつアトロピン硫酸塩の併用も必 要なかったと報告されており,急性膵炎の疼痛コントロールに有用と考えられる。

軽症例に対しては感染性合併症の発生率・死亡率は低く,予防的抗菌薬は必要ない。 推奨度 1,エビデンスレベル A

重症例や壊死性膵炎に対する予防的抗菌薬投与は,発症早期(発症後 72 時間以内)の投与に より生命予後を改善する可能性がある。 推奨度 2,エビデンスレベル B

急性膵炎に対する,蛋白分解酵素阻害薬(ガベキサートメシル酸塩)の経静脈的投与による生命予後や合併症発生に対する明らかな改善効果は証明されていない。重症例に対する大量持続点滴静注の効果については,さらなる検討が必要である。現時点で明確な推奨度を決定できない,エビデンスレベル B

ヒスタミン H2 受容体拮抗薬(シメチジン)には,急性膵炎に対する直接的な有効性は認めら れない。膵炎合併症発生率は改善せず,疼痛の持続期間を増悪させる恐れがあるため,消化 管出血のリスク等がなければ使用すべきではない。 推奨度 2,エビデンスレベル A

軽症例では,中心静脈栄養を行うことは推奨されない。 推奨度 1,エビデンスレベル B

重症例でも,完全静脈栄養(経口または経腸栄養を併施しない)は可能な限り回避すべきで ある。 推奨度 1,エビデンスレベル B

・DAAの登場でC型肝炎がなおる時代になった。

C型肝炎治療ガイドライン

・ピロリ陰性の胃底線型胃がんへの注目。

 

ここ4-5年で大きく変わった臨床情報【循環器・腎臓・糖尿病・呼吸器疾患領域】

はじめに

Twitterでフォローしている @3naiblood さんが「ゆる募:ここ4-5年で大きく変わった臨床情報」とやったところ多くの情報が寄せられました。ご本人がブログで大まかにまとめてくださっています。それを眺めながら、気になるところを調べたものをメモっていこうと思います。


【循環器・腎臓・糖尿病領域】

・SGLT2iが心不全と腎不全のくすりになった。

・副作用のeuglycemic DKA(正常血糖糖尿病性ケトアシドーシス)に注意。

・1年以上安定している虚血性心疾患合併心房細動はOAC(OAC: 経口抗凝固薬)単剤投与が標準治療になった。(血栓高リスクを有する場合は除く)

・ 弁置換術をされた方の心房細動は今までは全て弁膜症性心房細動と定義されていたのが生体弁の場合は非弁膜症性心房細動と定義されるようになった(DOACが使用可能)

・ARNIの登場;(angiotensin receptor-neprilysin inhibitor);「エンレスト®錠」(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物「エンレスト」)効能効果は「慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る」

・CKDや透析患者の腎性貧血に対する経口薬(HIF-PH阻害薬)の登場

・持続血糖モニターの進歩。インスリンポンプの進歩。--これはその通り

・GLP-1製剤が増えて、インスリンとの合剤や経口薬ができた。ーーリンク先に飛ばそう


心不全の治療

ステージCでEF<40%で薬物治療

・ 基本薬がACE阻害薬かARB +ベータブロッカー+MRA(ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト)

・ ACE阻害薬かARB → ARNI (サクビトリルバルサルタン、エンレスト)

上記に加えてSGLT2阻害薬 (〜フロジン)

心不全のステージ

とりあえずACCF/AHAのステージング

Aはリスク因子ありの状態

Bは無症状

Cは有症状

Dは治療抵抗性

 

正常血糖ケトアシドーシス

こちらのリンクの記述がわかりやすいです

 

虚血性心疾患合併心房細動

 

機械弁への置換がなされた患者さんの心房細動はワルファリンが推奨

 

エンレスト

4. 効能又は効果

〈エンレスト錠50mg・100mg・200mg〉

慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

〈エンレスト錠100mg・200mg〉

高血圧症

5. 効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬から切り替えて投与すること。[2.2 参照],[8.1 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]〈慢性心不全〉

〈高血圧症〉

    1. **5.3 過度な血圧低下のおそれ等があり、原則として本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。

 

CKDや透析患者の腎性貧血に対する経口薬(HIF-PH阻害薬)の登場

わが国では世界に先駆けて HIF-PH 阻害薬が透析患者の腎性貧血の治療薬として 2019 年 11 月 20 日に発売され,2020 年 8 月 26 日には別の HIF-PH 阻害薬 2 剤が保存期の慢性腎臓病患者の腎性貧血治療薬として最初の薬価収載を受けている。

HIF-PH阻害薬(○○デュスタット)

5剤がPMDAのホームページで検索できる

エナロイ錠2mg / エナロ…
製造販売元/日本たばこ産業株式会社販売元/鳥居薬品株式会社更新日:2021年12月01日処方箋医薬品
エベレンゾ錠20mg / エ…
製造販売/アステラス製薬株式会社提携/FibroGenInc.更新日:2021年10月13日処方箋医薬品
ダーブロック錠1mg / ダ…
製造販売元/グラクソ・スミスクライン株式会社販売元/協和キリン株式会社更新日:2021年12月17日処方箋医薬品
バフセオ錠150mg / バフ…
製造販売元/田辺三菱製薬株式会社更新日:2021年09月01日処方箋医薬品
マスーレッド錠5mg / マ…
製造販売元/バイエル薬品株式会社更新日:2021年04月22日処方箋医薬品

日本腎臓学会のrecommendation

1 )どのような患者に使用することが望ましいか(ESAからの切り替えも含め)

腎性貧血は十分な鉄補充の後,ESA もしくは HIF-PH 阻害薬を用いて管理する。保存期 CKD のターゲットヘモグロビンは 11~13 g?dL,透析期 CKD のターゲットヘモグロビンは 10~12?dL を参考値として,個々の症例の病態に応じた目標 Hb 値を定め治療する。ESA と HIF-PH 阻害薬の選択は,個々の患者の状態や嗜好,通院頻度,ポリファーマシーや服薬アドヒアランス等に応じて,医師が判断する。

ん?【個々の患者の状態云々に応じて医師が判断する】とうことは、学会としては特にESA(Epoの類)との使い分けを判断するような基準はないということか。まぁ透析に入っている人なら透析の際に一緒に投与できるのではないかとおもったり、実際にはどうなんでしょうかね。

GLP-1受容体作動薬(とインスリンの合剤)

 

気管支喘息治療ガイドライン ミニマムエッセンス

インダカテロール酢酸塩・グリコピロニウム臭化物・モメタゾンフランカルボン酸エステル (エナジア)とかいうICS/LAMA/LABAのトリプル吸入ができた。

●長期管理薬(コントローラー)の使用に関する注意点
①吸入ステロイド薬(ICS):最も効果的な抗炎症薬である。副作用は、口腔・咽頭カンジダ症、嗄声などで全身性の副作用は少ない。妊娠自体に影響しない。喘息患者の呼吸器感染症の頻度を上げる証拠はない。最大呼気位(最大限呼出したところ)から最大吸気位(最大限吸入したところ)まで吸入し、約10秒間息こらえをしてゆっくり吐き出す。デバイス毎に吸入の強さが適切となるように指導する(はやく深く:フルタイド®ロタディスク®・ディスカス®、アドエア®ディスカス®/深く力強く:パルミコート®、シムビコート®、アズマネックス®/ゆっくり:キュバール®、オルベスコ®、フルタイド®エアゾール、アドエア®エアゾール)。
②長時間作用性β2刺激薬(LABA):吸入薬、貼付薬、経口薬があり、必ずICSと併用する(単独使用は禁忌)。ICSにLABAを併用すると相乗効果が得られる。
③吸入ステロイド薬/長時間作用性吸入β2刺激薬配合剤:ICSとLABAを個別に吸入するよりも有効性が高い。アドヒアランスを向上させてLABAの単独使用を防ぐ。
④ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA):気管支拡張作用と抗炎症作用を有し、ICSに併用すると有効性が高い。アレルギー性鼻炎合併喘息、運動誘発喘息、アスピリン喘息患者の管理において有用である。
⑤テオフィリン徐放製剤:気管支拡張作用を有する。ICSとの併用で相乗効果が得られる。副作用や過剰投与(中毒)を回避するには100mg錠を2~3回/日で開始し、効果が不十分なら保険診療上の常用量である200mgを2回/日まで増量する。重症例では、専門医と相談の上さらに500~600mg/日へと100mg単位(分2~3)で増量できる(レセプト上の詳記を必要とする場合がある)。血中濃度は5~15μg/mLが目標であるが、患者によっては適正な血中濃度でも、それ以下でも中毒症状が生じることがあるので400mg/日の時点で血中濃度のモニタリングをする。
⑥抗IgE抗体(オマリズマブ):高用量ICSと複数の気管支拡張薬の併用下でもコントロール不十分で総血清IgE値が30~700 IU/mL、通年性吸入抗原が証明されている場合に投与する。約60%で奏効するとされる。4か月間投与後に効果判定を行う。

糖尿病治療ガイドラインへのリンク

目次
本ガイドラインの読み方
「糖尿病診療ガイドライン2019」策定に関する委員会
序文
「糖尿病診療ガイドライン2019」策定にあたって / 利益相反に関して
本書の構成 / CQ・Q一覧
CQ・ステートメント・推奨グレード一覧
略語一覧
診療ガイドライン策定の方法論
1.糖尿病診断の指針
2.糖尿病治療の目標と指針
3.食事療法
4.運動療法
5.血糖降下薬による治療(インスリンを除く)
6.インスリンによる治療
7.糖尿病自己管理教育と療養支援
8.糖尿病網膜症
9.糖尿病(性)腎症
10.糖尿病(性)神経障害
11.糖尿病(性)足病変
12.糖尿病(性)大血管症
13.糖尿病と歯周病
14.肥満を伴う糖尿病(メタボリックシンドロームを含む)
15.糖尿病に合併した高血圧
16.糖尿病に合併した脂質異常症
17.妊婦の糖代謝異常
18.小児・思春期における糖尿病
19.高齢者の糖尿病(認知症を含む)
20.糖尿病における急性代謝失調・シックデイ(感染症を含む)
21.2型糖尿病の発症予防
付録 1.糖尿病と癌
付録 2.糖尿病と骨代謝
付録 3.膵臓・膵島移植
付録 4.日本における大規模臨床試験
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