学会長挨拶
第35回東北作業療法学会in山形
学会長 椿野 幸子
(山形市立病院済生館)
学会テーマ:作業療法の可能性
厚生労働省による日本人の平均寿命(2023年簡易生命表)は女性87歳、男性81歳。医療技術の進歩や生活水準の向上により、男女ともに平均寿命は伸長傾向にあります。急速に高齢化が進む状況のなか、厚生労働省は2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的とし、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。
日々の生活の中で活動と参加を継続すること、環境調整・自助具の活用等により安全で安心な生活を保つことにより、対象者の自立した生活を支援することは対象者の可能性を広げ、自分らしい暮らしを長く続けることにつながると考えます。
日常生活活動・心身機能及び能力の維持・向上へのアプローチ、環境調整により、“そのひとらしい生活”が継続できるよう支援する作業療法は、地域包括ケアシステムに尽力できる職種の一つになります。
これから、作業療法士の関わりは大きく広がる可能性をもっていると信じます。その可能性を広げるためには、医学的知識と技術の更新が必要不可欠であり、さらに対象者との関わり、多職種との協働の中でコミュニケーション力、プレゼンテーション力が重要と考えます。
本学会のテーマは「作業療法の可能性」としました。活動と参加・自助具の活用・最新の脳卒中治療・コミュニケーション・プレゼンテーション力の向上と、作業療法の可能性をさらに広げるために有益な講演を企画しております。
参加者の方々がさまざまな知見に触れ、作業療法について語り、未来に思いを馳せ、交流を深める機会にしたいと思っております。
やまぎん県民ホールにて2025年7月12日(土)・13日(日)に開催します第35回東北作業療法学会にご支援・ご協力の程、よろしくお願い申しあげます。
令和6年(2024年)12月吉日