研究概要

研究班設立の経緯

「日本再興戦略(2013年6月14日閣議決定)」に基づき、2015年4月に、日本の医療分野の研究開発の司令塔として日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development: AMED、末松誠理事長)が設立されました。AMEDは、2015年から、最新の網羅的遺伝子解析技術を用いて、未診断のままになっている小児・成人それぞれの患者さんに対して遺伝学的解析結果等を含めた総合的な診断を提供する研究事業、「未診断疾患イニチアチブ(Initiatives on Rare and Undiagnosed Diseases: IRUD)」を開始しました。

この事業を通じて、それまで診断が不明であった患者さんの中から、CDC42遺伝子の異常によって起こる新しい疾患(武内・小崎症候群 Takenouchi-Kosaki syndrome (OMIM #616737) )が見つかりました。

AMEDは、IRUD研究事業の成果のさらなる発展を目的とした新たな研究分野として、「未診断疾患イニシアチブの成果を発展させる研究(IRUD Beyond)」を設定しました。この中で、IRUDを通じて確立された疾患に対しての治療を目指す研究事業として、私たちは、是非、本疾患の治療に向けての研究の推進に役立ちたいと考え、研究チームを組織したところ、AMEDより採択を受けました。

研究事業の目的

武内・小崎症候群について、細胞や試験管を用いた実験や疾患モデル動物を用いた研究を行い、CDC42阻害薬による治療開発に向けた非臨床Proof of Concept確立を目指します。

治療に向けての研究

治療に向けての研究 (クリックで拡大)