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年会長挨拶


 この度、2023年9月9日(土)・10日(日)の2日間、昭和大学旗の台キャンパスにおいて、日本社会薬学会第41年会を開催する運びとなりました。
 本年会のメインテーマを「社会と薬~変化を取り入れ、革新していく~」とさせていただきました。6年制となって初めての薬学教育モデル・コアカリキュラムでは「C18 薬学と社会」、平成25年度改定版では「B薬学と社会」の表記でしたが、令和4年度改訂版では「B 社会と薬学」の表記となりました。変化し続ける未来の社会や地域を見据え、多様な時代の変化や予測困難な出来事に柔軟に対応し、社会のニーズに応えられる医療人としての薬剤師が必要とされ、薬学から視た社会ではなく、社会からの求めに応えるための薬学を学ぶ必要性が体現化された出来事ではないかと思っております。
 我が国は、人口減少、少子高齢化、都市と地方の社会構造の変化等の社会課題を抱えているなか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって社会課題の影響が深刻化しました。また、今後、新たな感染症のパンデミックや大規模自然災害が発生した際に、医療の維持・継続を可能とする強靱性(レジリエンス)を有する医療システムを構築する必要があります。そして、この数年の間に、社会全体のデジタル化が急速に進みました。人々のニーズやライフスタイルの多様化、ウェルビーイング志向の高まり、デジタルネイティブ世代と他の世代との情報格差(デジタルデバイド)の発生など、急速に社会環境は変化しています。本年会において、今まさに起きている急速な社会環境の変化のなか、健康で豊かな生活に貢献するために薬の専門家に求められる課題を共有し、いかに変化し、何を実現できるのかなど幅広く議論していきたいと思います。
 プログラムとして、特別講演、特別企画、シンポジウム、学生を対象としたフリートーク会の開催を計画しています。特別講演では、川上純一先生(浜松医科大学医学部付属病院 薬剤部長)に「社会と薬、新時代に活躍する薬剤師:医療DX・創薬イノベーション・働き方改革の視点から」をご講演いただきます。特別企画「社会薬学への思い」では、新体制となった日本社会薬学会の会長および副会長の社会薬学への思いをフロアと共有し、学会として目指す方向性や新たな展開 について意見交換を行いたいと考えています。シンポジウムとして、シンポジウム1「薬局の新しいカタチ」、シンポジウム2「社会における薬・薬剤師の影響をどのように測定するか?」、シンポジウム3「新たなneedsに取り組む薬剤師のpower」を企画しております。また、新たに学生対象としたイベントとして、将来のビジョンを抱き目標に向かって薬学部で学んで欲しいとの思いから、ロールモデルとなる薬剤師との出会いの場を設けることとしました。各専門領域で活躍している若手薬剤師と気軽に話すことができる「学生あつまれ!フリートーク会」を開催いたします。
 奮ってご参加いただけますよう、何卒宜しくお願いいたします。
 皆様とお会いできることを楽しみしております。

2023年4月

 

日本社会薬学会第41年会
年会長  岸本 桂子
(昭和大学 薬学部 社会健康薬学講座 社会薬学部門)


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