PQJ2022は、2022年3月6日、世界14カ国から87チーム、354人を集めて開催されました。
今回でPQJは6回目の開催となります。第5回からはオンライン開催に移行しており、世界中から参加者を集めています。
開会式では、全87チームの紹介がありました。
インドネシア(26チーム)、ベトナム(21チーム)、日本(21チーム)、ラオス(6チーム)、フィリピン(2チーム)、モンゴル(2チーム)、ベルギー(1チーム)、スロベニア(1チーム)、イタリア(1チーム)、エジプト(1チーム)、中国(1チーム)、ミャンマー(1チーム)、バングラデシュ(1チーム)、マレーシア(1チーム)。
世界中からPQJに集ったチームたち。今回、アフリカ大陸から初参加したのはエジプトのチームです。
87チームで行われる予選では、上位30チームが勝ち抜き、準決勝に進みます。そこで勝ち抜いた8チームが決勝で戦い、チャンピオンが決まります。
早速、87チームがオンラインで行われる予選に挑みました。
予選問題は4択で答えますが、早く答えた方が高いポイントがもらえます。
回答中は、不正防止のために、チームメンバーは、顔、両手をカメラに見せておかなければなりません。違反したチームは記録され、3回で失格となります。
PQJは全ての参加者が医学生理学のより深い理解を得ることを目的として、各クイズ直後に必ず詳細な問題解説を行っています。これにより、クイズに正解した人も不正解な人も、学習効果を高めることができます。
生理学、解剖学、免疫学、薬理学などの幅広いジャンルに渡った25問の問題で激しい争いが繰り広げられ、準決勝に進む30チームが決定しました。
この段階でトップに立ったのは、チーム「Dipo Selalu」「pitUItary」「4EV1」です。
準決勝では、並び替え問題などの問題形式も加わり、さらに激しい戦いが繰り広げられました。
個人的に好きなのは、以下のような臨床に直結した問題です。救急外来では、即座に結果がでる血ガス分析から患者さんの状態を判断することが有効であり、医療者としての現場での判断力を鍛えるにぴったりの問題です。
準決勝の結果、決勝に進出したのは、「PTP」「4EV1 」「GHRELIN 」「SMUth muscle」「VICTORIA」「KAMI NO MONEY MONEY」「pitUItary」「Heroes Without capes」の8 チームでした。
決勝では、さらに問題のレベルが上がりました。次は、胃酸の分泌に伴うすべての経路を答えさせる問題。
最終問題は、シャントがPaO2に与える影響についてであり、非常に臨床的示唆に富む問題でした。
もし30%以上のシャントがあれば、100%の酸素を投与しても決してPaO2が100mmHgを超えることがないという恐ろしい事実を計算させるという問題でした。解説のグラフを見れば一目瞭然です。
このようなことは、新型コロナウイルスによるARDSで実際に起こっていることであり、生理学的な思考を臨床的意義が高い分野で発揮するというPQJに意義にのっとった、素晴らしい問題であると言えます。この問題に完全正解したのは、ただ1チーム、PTPでした。
そしてこの正解が決定打となり、見事、チームPTP(Can Tho University of Medicine and Pharmacy, ベトナム)がPQJ2022 チャンピオンとなりました。
準優勝は、ホスト校国際医療福祉大学(日本)の4EV1、3位はインドネシアのpitUItary、4位はインドネシアのHeroes Without Capes、5位は東北大学(日本)のKami no money moneyとなりました。
今年のPQJは、未だ猛威を振るうコロナ禍、ヨーロッパでの戦争の中、世界中の医療系学生が一つの場所に集まり、医療という世界の共通言語を使って、切磋琢磨する。素晴らしい場所になりました。
私、井上は閉会式で以下のスピーチを行いました。
First of all, thank you for every participant for a great performance and congratulations to the winning team.
The covid-19 pandemic has claimed 6 million lives in the world but we are moving towards victory because international efforts realized the novel vaccines and antibody drugs.
It’s so encouraging to see students from all over the world gather and interact with each other.
Finally, I have been in every PQJ and I tell this every time.
In every quiz competition, only one team wins and all the other teams leave as losers. However, even if you lose today, the great deal of knowledge you earn at PQJ will someday help you when you become a helathcare professional.
Thank you very much and I see you all again next year.
Peace to the world!
今回の素晴らしいPQJを開催してくれた国際医療福祉大学の卜部君とスタッフのみなさんに拍手を送ります。
終了後の懇親会では、世界中の参加者達と楽しく会話して、交流を深めました。クイズ以外にも、国際的な交流の機会が豊富にあるのがPQJの良いところです。
これを読んだ医療系学生のみなさん、次のPQJがあなたを待っています。ぜひ参加してみてください。
追記: PQJ2023の開催校を募集しています。興味のある方は、ぜひ井上 (physiologyquiz@gmail.com)までご連絡ください。
PQJ2022 Final Result
1st PTP, Can Tho University of Medicine and Pharmacy(Vietnam)
2nd 4EV1, International University of Health and Welfare(Japan)
3rd pitUItary, University of Indonesia(Indonesia)
4th Heroes Without capes, University of Indonesia(Indonesia)
5th Kami no money money, Tohoku University(Japan)
6th SMUth muscle, Sapporo Medical University(Japan)
7th GHRELIN, Universitas Airlangga(Indonesia)
8th VICTORIA, University of Indonesia(Indonesia)
PQJ事務局長 井上鐘哲
PQJ Secretary-general Kaneaki Inoue