研究組織

分子解析チーム

林 康紀(京都大学) Website

林 康紀

私たちは、シナプス可塑性の基礎となる分子メカニズムに関心を持っています。 特に、シナプスの構造変化をもたらす細胞内シグナル伝達が、可塑性の誘導を越えて長期的にどのように維持されるかに興味があります。この疑問を解決するために、生化学、in vitroおよびin vivoの2光子イメージング、FRET-FLIM、マウス行動実験を組み合わせたアプローチを用いています。

柚崎 通介(慶應大学) Website

柚崎 通介

当研究室では、シナプスの形成と維持に関わる分子メカニズムを解明することで、精神神経疾患の病態解明や新たな治療法の開発に役立つ特異的なシナプスオーガナイザーを開発することを目指しています。私たちは、セレベリン(Cbln)やC1q様ファミリータンパク質など、細胞外細胞足場タンパク質(ESP)と呼ばれる新しいクラスのシナプスオーガナイザーが、回路や活動に依存したシナプス形成に重要な役割を果たすことを発見しました(Yuzaki, Annu Rev Physiol 2018)。近年、内因性ESPの構造要素を組み合わせることで、合成シナプスオーガナイザーCPTXを開発し、小脳失調症、アルツハイマー病、脊髄損傷モデルマウスにおいてシナプス機能、運動協調、空間・文脈記憶、運動量の回復を実現しました。私たちの目標は、中枢神経系だけでなく、腸管や末梢神経系でも新しいESPを発見することで、より多くのシナプスコネクターを開発することです。

神経回路・行動解析チーム

池谷 裕二(東京大学) Website

池谷 裕二

私たちの研究室では、神経細胞やグリア細胞の微小回路における可塑性に着目し、発生から疾患まで幅広い分野を研究対象としています。主な対象は、海馬や扁桃体などの大脳辺縁系と大脳皮質で、記憶や感情などの認知機能や、てんかんや自閉症スペクトラム障害などの機能変調のメカニズムを探っています。そのために、電気生理学、細胞生物学、機能イメージング、行動解析などさまざまな手法を駆使しており、データ解析や神経情報の解読には機械学習も日常的に利用しています。

久保 郁(理化学研究所 脳神経科学研究センター) Website

久保 郁

私たちの研究室では、ゼブラフィッシュをモデルとして、視覚入力が目標指向性のある行動出力を生み出す神経回路機構を研究しています。特に、遺伝的に定義された神経細胞の種類とその回路結合が、視覚誘導行動にどのような役割を果たすかを理解することを目的としています。また、視覚機能が過去の経験によってどのように変化するかについても研究しています。私たちの研究室では、小型で透明なゼブラフィッシュの脳を利用して、行動学、遺伝学、光学的手法により、視覚回路を細胞レベルとネットワークレベルの両方で解析しています。

三國 貴康(新潟大学) Website

三國 貴康

私たちの研究室では、学習と記憶の基礎となるシナプス可塑性の分子・細胞メカニズムを理解することを目的としています。そのために私たちは、マウス脳内の単一ニューロンにおいて数百から数千個のシナプスの活動、強度、分子動態をモニターする新しい技術を開発しています。この技術と、2光子高速ボリュームイメージング、2光子蛍光寿命イメージング、2光子光刺激、ゲノム編集による分子標識・操作技術を組み合わせることで、活動や分子動態の「シングルセルシナプトーム解析」を行い、単一ニューロンでのシナプス可塑性を包括的に理解することを目指します。

米原 圭祐(国立遺伝学研究所) Website

米原 圭祐

私たちは、マウスやサルの視覚系を遺伝子、分子、細胞種、回路、神経処理、行動などマルチスケールで研究することにより、感覚機能創発の普遍原理と多様性、その基盤構造の解明を目指しています。そのために、遺伝学、2光子イメージング、電気生理学、経シナプス標識、単一細胞トランスクリプトミクス、機械学習など、さまざまな技術を組み合わせています。

技術開発チーム

根本 知己(生理学研究所) Website

根本 知己

レーザー光学やナノマテリアルなどの先端技術を駆使して、革新的なバイオイメージング手法を開発しています。特に、多光子励起を含む非線形光学プロセスを用いた独自の超深度・超解像・超高速イメージング法により、生体脳組織や臓器をより低侵襲にin vivo観察・操作する技術を世界に先駆けて実現しています。

海外共同研究機関

アメリカ

Max Planck Florida Institute of Neuroscience
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フランス

Interdisciplinary Institute of Neuroscience – Bordeaux Neurocampus
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