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こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

98年10月上旬号

キャルヴィン博士
「もし行政長官の能力をそなえたロボットが製作された ら、それは行政官として最高のものになるでしょうね。ロボット三原則によれ ば、彼は、人間に危害を加えることはできないし、圧政をしくことも、汚職を 行なうことも、愚行にはしることも、偏見をいだくこともできないのですから ね。」
(『われはロボット』、300頁)


10月上旬の主な話題


何か一言


10/01/98(Thursday/jeudi/Donnerstag)

夜明け

む。10月。

昨日は、朝に一瞬研究室で寝て、それから喫茶店でモーニング。 ジャンプ。マガジン。その後下宿に戻り、 ちょっと勉強してから夕方まで寝た。

起きてから(だったか、寝る前からだったか) ディックの『流れよわが涙、と警官は言った』を読み始める。 彼の作品はどれも彼の狂気がにじみ出ていて、 読んでいるとこっちまで異様な気分になってくる。

それから夕ごはんを食べて勉強。


夜明け前にシャワーを浴び、ついでにラーメンを食べてから、 雨の中、自転車で大学へ。

最後にさらに数通アンケートをいただく。感謝。 集計はちょっと待ってください。


眠い。日記書いたり編集してたりしたらずいぶん時間が経ってしまった。


お昼

うお。 研究室で朝少し寝てモーニングを食べるつもりだったのだが、 うっかりこんな時間まで寝てしまった。 しかも、先輩に起こされてしまう。 「昔も研究室で寝泊りする学生がおったんやけどね」 とか言われてしまう。某先輩のことか…。

失敗失敗。ご飯食べたら勉強しなくちゃ。


昼下がり

某喫茶店でミックスサンドのセット。サンデー。チャンピオン。 銀行に行って家賃の振り込み。 古本屋。 ワンパターンな生活…。

晴れときどき曇り。


スコフィールドの翻訳に謝辞を書いたり。 特に、某文学博士には、 いくら感謝してもしたりないほどの綿密な推敲(校正)をしていただいたので、 懇ろに謝意を表わさないとバチが当たる。 しかし、いいかげんこんなことしてないでレジメを書かないと。 あ、っていっても、もうそろそろ授業か。

ところで、 おれの翻訳はダッシュ(--)が多すぎるな。 今後少し減らすように努力しよう。


某名和先生の授業に出席。


倫理学入門読書会(「普遍的指令主義」その3)終わり。 今回のとこは(も?)難しかった。


夜中

読書会の後、某定食屋へ。 そこで現在文学部4回生の友人に久しぶりに出会う。 昔一緒にバンドをやっていた友人だ。

友人は、卒業や就職(あるいは音楽で食べていくか)など、 今後の方針が決まらずにいろいろ考えている様子だった。 なんだか気の毒に見えたが、まあ、 きっと誰もが通らざるをえない過程なのだろう。 といっても、おれが4回生の時には、院に進む以外考えていなかったから、 悩むことはほとんどなかった。 そうか、おれって悩みを知らない人間だったんだなあ。 あんまり「AかBか」って形で悩むことないしなあ。

しばらく二人で人事消息を話し合ってから、 おれは定食屋を出て某E研に来た。 某師匠が来られている。 某師匠にも久しぶりに会った気がする。

さ、レジメレジメ。


何か一言


10/02/98(Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

某師匠と某所でラーメン。 ごちそうさまでした。


夜明け前

ブーツィー・コリンズやプリンスを聴きながら、 ケリーやハートを精読。 しかし、あんまりこんなことやってないでさっさとレジメを書かねば。ねば。ねば。


倫理学研究室のソファで爆睡。

「いいだよね」というなにげない脱字的表現に味わいを感じる。 わびさびを感じとれる年になったのか:-)


お昼

某所のコンピュータの調子が不調だったので、 午前中一杯時間がつぶれる。つかん。


ベンタム読書会。 昼から夕方にかけて再び、 コンピュータのせいで時間がつぶれる。あかん。


何か一言


10/03/98(Saturday/samedi/Sonnabend)

夜明け

昨日は夜に下宿に戻ってから、 まず入浴。夕ごはん。 それからしばらく寝て、真夜中に目覚めて勉強開始。

明け方になったので研究室へ。 明け方はずいぶん冷えこむようになった。


電子書籍

インターネットで新聞を見ると(最近は過激なニュースが少ない)、 どうやら電子書籍が本格化する様子。 本屋やコンビニでデータの入ったディスクを購入して、 その情報を新書サイズの端末に取りこむことによって読むという形態になるらしい。 端末には、見開きの両面に液晶ディスプレイが付いていて、 ちょうど本のような体裁になるらしい。

自称コンピュータ嫌いの某師匠は、 電子書籍も音声(による文字)入力もどちらもロクなものができるわけがない、 まともなものができるにはまだまだ時間がかかる、 というようなことを言われていた気がするが、 おれは(あまり技術的なことに詳しくないから)もう少し楽観的である。 あと10年もすれば、 大学からも図書館からもわが下宿からも紙の本はすがたを消し、 部屋の空間をより有効利用できるようになるのではないだろうか。 (いや、10年じゃそこまでは無理か)

以下は、電子書籍の端末に期待すること。

語句検索や書き込み機能などが可能であるためには、 (音声入力にならないかぎり) コンピュータと接続可能であるか、 キーボードが接続可能であるかしなければならないだろう。 しかし、どちらかというと、キーボードがなくても、 付属の鉛筆みたいな装置で直接ディスプレイに書き込んだものが認識される、 というシステムが標準的に装備されていることが望ましい(無理か)。

う〜ん、こんなのが小学1年生の進学祝いのプレゼントになったりする日は まだまだ先だろうか。


お昼

3つの椅子で爆睡。正午の鐘で目覚める。 が、よほど眠かったらしく、 コンピュータに向かいつつ再びしばらくの間意識を失なう。


昼下がり

某喫茶店でヒュームの『人性論』を読みながらミックスサンドのセット。

ディレンマ

ところで、 「金がないので奨学金が入る日が一刻も早く来てほしい」という欲求と、 「発表の準備がまだなので、レジメ提出日および発表の日が ちょっとでも遅くなってほしい」という欲求が、 つまり早く時間が経ってほしいという欲求と遅く経ってほしいという欲求が、 耐えがたいディレンマを構成している。

ディレンマ(両刀論法)とは、平たく言うと、 三段論法の一種で、 ある事態に対処する二つの選択肢があって、 そのいずれかが選ばれなくてはならない、 という形式の推論である。ちっとも平たくないか。 普通、選択肢は二つともロクでもないもので、 どっちに転んでも不幸な結果になる場合が多い。

有名な例を二、三挙げる。多少脚色してある。

ある建物が火事になっている。その一室にいるある人は考える。 もしこの部屋に留まるならば、おれは火に焼かれて死ぬだろう。 一方、もしこの窓から飛び降りるならば、 おれは首の骨を折ってやはり死ぬだろう。 しかし、おれはこの部屋に留まるか、窓から飛び降りるかするしかない。 すると、おれは結局死ぬということだ」

ある受験生は考える。 「もしおれが合格する運命なら、勉強しなくても合格する。 もしおれが不合格となる運命なら、勉強しても無駄である。 ところで、おれは合格する運命になるか、 不合格となる運命にあるかのいずれかである。 そこで、おれはいずれにせよ勉強しなくてよい、ということだ」

そこで、おれの場合は、 「もし時間が早く経つならば、発表の準備ができずに困った事態になる。 一方、もし時間が遅く経つならば、奨学金が入らないので これまた困った事態になる。 ところで、おれは時間が早く経ってほしいと願うか、 遅く経ってほしいと願うかのいずれかである。 すると結局、おれは困った事態になることを願っていることになる」 と形式的に述べられるだろう。

もちろん、心を無にして、何も願わなければ問題はないのだが、 願望や心配は往々にして心に繰り返し現われてくるものである。


夕方

ベンタム読書会のまとめ。 まだ全然勉強していないのにすでに夕方。 疲れたよう。


10月におれの姉の個展 が東京は銀座の某画廊であるらしい。 時間がある人は行ってみるべし。


まず、レジメの参考文献の欄を作ろうと思って:-)、 おれのサイトにある ベンタム参考文献を久しぶりに更新したり。あほか。


腹減った。

多少恥ずかしいが、 見て楽しむ人、(他山の石として)参考にする人もいるかも知れないので、 修論の草稿 をオンラインでお届けしたい。 来週の火曜日のレジメ提出日を目前にして、 いかに進んでないかがわかるであろう。 声援求む。


何か一言


10/04/98(Sunday/dimanche/Sonntag)

お昼前

う。某E研の鍵がない。どうも下宿に置いてきたらしい。 というわけで倫理学研究室にやってくる。

昨日は某古本屋に寄った後、 帰宅。シャワーを浴びてから爆睡。 朝起きてからごはんを炊いたが、 ラーメンを食べたら満腹になったので、 タッパーにつめて研究室に持って来る。 純然たる日の丸弁当。うう。


昼も夜もずっと

昼間一緒にいるだけじゃ満足できない
ねえ、きみと一日中いたいんだ
ぼくの気分がいいのはきみのそばにいるときだけだから

ねえ、きみと一日中いたいんだ
昼も夜もずっと
昼も夜もずっと
昼も夜もずっと

きみとぼくは永く続くはず
一年中、一日中、一晩中きみのもの
ぼくを絶対一人にしないで
ぼくの気分がいいのはきみのそばにいるときだけだから

ねえ、きみと一日中いたいんだ
昼も夜もずっと
昼も夜もずっと
昼も夜もずっと

All Day and All of the Night, Words and Music by the Kinks

ちょっと怖い歌詞ですねえ。 いや、こんなことしてる場合じゃなかった。


お昼過ぎ

勉強。ようやく集中力が高まりつつある。 しかし、その分疲れるようだ。


昼下がり

昼は(日の丸)弁当。 ふりかけをかけたり、のりをかけたり、お茶漬けにしたりして、 一合分のごはんをなんとか食べきる。


バンドの練習終わり。終わった後、みんなで某うどん屋へ。 別れてから某E研に来た。

夕方、バンドの前に下宿に戻ったら、鍵は無事見つかった。 部屋の掃除をする。


何か一言


10/05/98(Monday/lundi/Montag)

真夜中

う、うわああああ。 し、〆切が近づいてくるよぅ。 おれの背後から忍び寄ってくるよぅ。 頼むから来ないでくれよぅ。 あああ。恐いよぅ。恐いよぅ。 なんでもっと早くから準備しなかったんだよぅ。 あああ。昔のおれのばか。ばがばがばが。

などと考えつつ、少し寝てしまう。 起きたら今日になる寸前。 それから必死にレジメを書き進める。 やはり書き出すとなかなか時間がかかる。 しかもレジメなのについつい完全な文章として書いてしまうし。 ちゃんとしたレジメを書きたいんだけどなあ。 あ、そうか、要約の部分と引用の部分を残して他は削除したものを みなに配ればいいのか。 よし、今回はその方針で行ってみよう。

それにしても腹が減った。 最近、飢えというものを切実に感じられるようになった。


早朝

眠い。ずいぶん勉強した気がするが、まだまだ終わっていない。 大丈夫なんだろうか(だめな気がする)。


夕方

早朝に下宿に戻って寝る。 起きたらお昼過ぎだったので、 寝過したかと思って一瞬びっくりしたが、 寝たのが朝だったことを思い出してほっとした。

それから、寝るまえに洗濯機を回しておいたので、 洗濯物を干す。ヒュームの勉強を少し。 今回のレジメで引用したからには、 多少前後の文脈ぐらいは知っておかねばならない。

ラーメンを作るのがめんどうだったので、 冷蔵庫にあった栗ようかんをもぐもぐ。 それでいいのか。

ビジネス英会話を聴きながら研究室へ行き、 何冊か本を抱えて某E研へ。

さて、勉強勉強。腹減ったなあ。


ぼくも綿棒のせいで病院送りになったことが何度かあるので、 なるべく耳かきで済ますようにしている。 そもそも綿棒というのは、ちょっと太すぎるのではないかと思うのだが、 もっと細くしたらしたで、 きっと鼓膜を破ったりするやつが出てくるのだろう。 (ん? 鼓膜までまっすぐに届くのか?)


必死にレジメ書き。 あかん、考えるのがめんどうになってきた。


何か一言


10/06/98(Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中

中秋の名月らしい。

夜に下宿に戻って洗濯物を取る。 夕ごはん。 食後、しばらく休憩して、 再び某E研へ。

う。 ビジネス英会話って、10月からは今年4月からの再放送なのか。 テキスト買って損した。

さあさあさあ、勉強せねば。


科哲の予習をしてからレジメを書こうと思っていたのだが、 予習が終わらないうちに研究室のソファで寝てしまった。 なぜこうなるのか。時間はたっぷりあったはずなのに。


お昼

喫茶店でモーニングを食べてから 科哲の授業へ。


夕方

3コマ目と4コマ目の授業に出席。 某助教授の授業は、 B. アンダーソンの『想像の共同体』を基にした考察。

演習発表は、 某君のヒュームの所有論と因果論との話。 テーマはとてもおもしろそうだが、 よくよく気をつけないと、 範囲が広くなりすぎて収拾がつかなくなる可能性があるんじゃないかな。

レジメを提出。 昼休みが終わる寸前にプリントアウトして、 3コマ目が終わったときにコピーし、 4コマ目の終わりに提出。 ウェブで見れるのをそのまま提出したら、 B4で7枚になってしまった。うう。 今回はちゃんとレジメ形式にするつもりだったのに。

疲れた。


何か一言


10/07/98(Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中

昨日。 夕方、 某E研から下宿へ移動。

下宿に戻る途中、修論の構成に若干の手を加えるべきことを悟り、 現在の草稿を放棄して草稿その5を書く決意をする。

『天声人語2』をちょっと読んでから真夜中まで爆睡。 起きてから条件反射的に学校へ。習慣とはおそろしい。


随分遅めの晩ごはん。 某定食屋のおばさんに、ずいぶんやせたねえ、と言われた。 そうなのだろうか。 自分ではわからないが、 知らぬ間に厚みのない二次元の世界へと移行しつつあるのかも知れない。

ちなみに、 某師匠の読んでるWEB日記(10月7日現在)の中で、
39.は、 最近ついに日記も書き出して立派な成虫へと変態 した某後輩のページ、
40.は、アメリカでご活躍中の某先輩のページ、
41.は、ぼく同様(たぶんそれ以上)修論で忙しい某同輩のページ
である。 もちろん、
13.は、 昨日修論の中間発表をして現在は安眠してるであろう某同輩のページ
である。 某師匠とおれも含め、同じ研究室に日記書きが実に6人もいるというのは、 ギネスに申請すべき事柄なんじゃなかろうか。


夜明け前

レジメ書き。ようやく調子が乗ってきたが、眠くもなってきた。うう。


早朝

気持ちの良い朝。散歩でもしてくるか。


某師匠が働かれている。 ぼくはなぜか机の上にあったデジカメ を持って、東館を探索。 いくつか写真を取ってみた。 時間のある人はどうぞ。

なかなかデジカメってはまるなあ。


何か一言


10/08/98(Thursday/jeudi/Donnerstag)

昼下がり

わあ。寝すぎた。

昨日は、遠いところへ旅立たれる某師匠を見送ってから喫茶店に寄った後、 下宿へ。昼ぐらいから夕方まで寝る。雨。

起きてから入浴し、それから久しぶりに某スーパーで買物。 夕ごはん: にんにくと唐辛子のスパゲティ(やや塩っぱすぎ)、 レタスと大根のサラダ、かぼちゃの煮付け、茄子のバター炒め、その他。

後かたづけをしてから、しばらく勉強。

勉強が終わってから、 ちょっと寝るつもりで爆睡。 昼下がりまで延々と寝てしまう。 疲れてたのか。

起きてから喫茶店に寄り、チャンピオンを読んで研究室へ。勉強勉強。


5コマ目の名和先生の授業に出たあと、 倫理学入門読書会に出席(「普遍的指令主義その4」)。 ようやくヘアを読み終えた。次はコールバーグの話。

それからみなで某定食屋へ。 カウンターに一列に座っていたので、 しゃべりにくかった。

その後某E研へ。 デジカメが気に入ったらしい某君も来る。


天候不良のため、野菜が高くなっているらしい。 うう。今年の冬はさつまいもとかぼちゃだけしか食べれないかも。

昨日の写真は、一部に喜ばれたようだが、 大事な作品を展示し忘れていたので、 追加しておく。 重かったらごめんなさい。


何か一言


10/09/98(Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

買ってきたカップラーメンにお湯を入れたので、 できるまでの間に日記を更新しておこう。

さきほど椅子に座ったまましばらく眠ってしまい、 起きてからケリーの勉強。 それから某古本屋(収穫なし)と某コンビニに行ってきた。 戻ってきてまたケリーの勉強。 急がないとやばい。

そういえば、昨日、某ローゼン氏が京都に来られていたときに 撮った写真を、中央大の某先生が送ってきてくれたので、 二人に感謝状をメイルで送っておいた。 ついでに、ローゼン氏には修論に関係する質問もしておく。 抜け目がない:-)

あ、ラーメンがのびてしまう。


早朝

ケリーの勉強。 この人の議論にもいろいろ無理があるな。

休憩がてら、 また写真を撮ってきた。 しかし、ネタが尽きたのでたぶんこれでもう終わり。


何か一言


10/10/98(Saturday/samedi/Sonnabend)

夜更け

昨日は喫茶店でモーニングを食べてから下宿へ。 洗濯機を回した後、お昼から夕方まで爆睡。

起きてから洗濯物を干し、ケリーの勉強の続き。

夕ごはんを作って食べた後、 また眠くなってしまったので、しばらく寝て、 起きてから勉強。

それからラーメンを作って食べ、某E研へ。


早朝

総人(総合人間学部、旧教養)の 折田先生像 がすでになくなっているという話を耳にしたので、 散歩がてら見に行ったところ、ほんとになくなっていた。驚き。 最近は総人にめったに行かないので、今まで気付かなかった。 それにしてもいったいどこに行ったんだろう。

総人は正面左側にきれいな建物が建ったせいか、 以前のアナーキーな雰囲気が薄らいでしまった感じがした。 裏手が吉田寮へと通じているあのE号館で語学の授業を受けていた頃がなつかしい。

いや、なつかしいというか、あまりにも昔の話のような気がする。 ほとんど他人の記憶みたいだ。 それもそのはず、日記を書き始める以前の話だもんな。 WEB日記を書き始める前は、 いったい何をしていたのだろうと不思議になってしまう。 そもそも人格はあったのだろうか。


最近、下宿で寝る前に、 以前に買った『天声人語』を読んでいる。 戦後しばらくの間に書かれたものの中には、 時代を反映したおもしろい文章が多い。 短い文章なので寝る前に読むのに好都合である。 次の文は、結論が時代を感じさせる。 果して論者の主張は正しいだろうか。

元号廃止と紀元考 *2・14 (1950)

元号を今年いっぱいで廃止しようとの法案が参議院の文部委員会で練られている。 来年から二十世紀の後半期に入るのだから時期としてもちょうどよいだろう。 日本には元号と神武紀元と西暦の三つが雑居していて、 世界史の理解に大きな妨げとなっている。 明治維新は今から何年前か、 西暦ならすぐわかることだが、明治、大正、昭和の元号では容易につかめない。

元号は大化の改新で西暦六四五年に初めて採用され、 天皇一世に八回も改元があったこともある。 明治いらい皇室典範で一世一元とされて今日に至ったが、 天皇とともに年代を起算することは、 豊臣時代、 徳川時代などと支配者の名によって歴史を分類することと共にもうやめてもよかろう。 紀元の起こりは、明治五年十一月、 太陽暦の採用で同年十二月三日を明治六年一月一日とすると共に、 太政官布告によって、その年を紀元二五三三年としてものだそうだが、 神武紀元に大きなサバをよんであること今さらいうまでもなく、 これも名実ともに速やかに廃止すべきだ。

西暦は六世紀のなかばころから用いられ始めた。 キリスト降誕と伝えられる年とは四年ほどずれているが、 はじめは十二月二十五日から起算したのを、 一六九一年、 法王インノセント十二世が七日遅らして 翌年一月一日を紀元元年にしたのだといわれる。 紀元には中国に孔子紀、黄帝紀、帝堯紀などがあり、 アレキサンダー紀元、ユダヤ紀元、 ローマ紀元、ペルシャ紀元、回教紀元など世界中では五十種ほどあるそうだ。

諸紀元の由来はとにかくとして、 西暦はいま世界的に通用しているのだから、 日本を含めての世界史の理解にはこれを用いるのが合理的であり便利である。 神武紀元や昭和年号を捨てたからとて今さら"国威"を失墜することにもなるまい。

(荒垣秀雄、『天声人語2』、朝日新聞社、1981年、18-19頁)


お昼過ぎ

朝方眠くなったので、椅子を三つ並べてその上に寝たら、 延々と寝てしまった。すごい。

ciceroにログインしようとすると、全然入れない。 電源が落ちたのか、ネットワークが使えなくなっているのか確かめに研究室へ。 ciceroは落ちてないので、 文学部東館のネットワークに問題が起きたのかも知れない。 う。レジメが書けん。 いざというときのために端末のハードディスクの方にもセーブしとかなきゃな。


昼下がり

お金をもらいに銀行へ。祝日なので休みかと思ってドキドキして行ったが、 幸いATMは使えた。偉いぞ患銀。

それからちょっとゲーセンへ。いかんいかんいかん。

ciceroにログインできないのは、 どうも文学部東館のネットワークに問題があるようだ。 というわけで研究室に来て勉強。


夕方

研究室で熱心に勉強。

う。なぜか餃子が食べたくなってきた。


ん? 某E研に戻ってきたら、すんなりciceroにログインできたぞ。 なんだったんだろう。


鈴虫が遠くで鳴いているようだ。


あ、 そうですか。 折田先生は総人の図書館の地下にいらっしゃいますか。 R.I.P.


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sat Oct 8 01:56:52 JST 2005