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KODAMA'S (NEW) WORLD

多田逸郎[四方田が通っていた中学校の音楽教師]は日本で有数のリコーダー演 奏者であり、授業の始めにかならず生徒たちを起立させ、「真に偉大な音楽と は」と尋ねるのだった。するとわたしたちは命じられた通りに「バッハ!ヘン デル!テレマン!」と、声を揃えてこたえなければいけなかった。(中略)。彼 はあるときには一言「エレキ、くたばれ」といい、それを生徒たちに復唱させ た。わたしたちは声を大きくして応じた。「エレキ、くたばれ!エレキ、くた ばれ!」

---四方田犬彦『ハイスクール1968』


昨日 / 明日 / 2016年8月 / 最新 / はてな

この日の出来事


20/Aug/2016 (Saturday)

散髪など

少しゆっくりめに起きる。花に水やり、朝食、朝刊。 まだまだオリンピック。

朝のうちに散髪に行こう。

夜中

午前中、散髪に行く。うとうと。それからしばらく自宅でもうとうとする。

お昼を食べたあと、昼下がりに明日の地蔵盆の手伝い。1時間ほどで終わる。

夕方、少し来週の研究会の準備。それから娘と一時間ほど鴨川沿いで遊ぶ。 夕方も暑いがまだまし。

夜、夕食。娘が寝そうなのですぐにシャワー。しかし、娘はなかなか寝ない。

今日は早く寝て、明日早く起きよう(できれば…)。


20/Aug/2013 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

某翻訳、飲み会など

少し遅めに起床。シャワー、シリアル、朝刊、洗濯。

朝、大学へ。某君に手伝ってもらっていろいろ雑用。お昼は百万遍でタイカレー。

昼下がり、某氏来訪。今後の研究について相談させてもらう。それから夕方ま で某翻訳の推敲作業など。終わらず。

夜、某氏らと百万遍でお好み焼き。夜中、某所で二次会。いろいろ英語と日本 語で話す。それから帰宅。漫画喫茶に行こうかと思ったが、よく考えた結果、 行くべきでないと判断してシャワー。もう寝るべし。


20/Aug/2012 (Monday/lundi/Montag)

ひさしぶりの保育園

定時起床。娘とシャワー、朝食。

娘を二週間ぶりに保育園に連れていく。ひさしぶりで忘れていたようで、到着 したら泣きわめいていた。あとで聞くと、一日大変だったらしい。

(それはそれとして)午前中は本三駅前の某喫茶店で雑用。某OD生の博論草稿を 読む作業など。

おにぎりを買ってお昼前に大学へ。お昼はランチョンセミナー。『新聞研究』 の2007年の生命倫理特集を読んでお勉強。

午後、某妻とオンラインで某翻訳をしたり、いろいろ相談をしたり。月末〆切 の論文はまったく書けず。やばい。

夕方、25分ほどプールで泳ぐ。茗荷谷から歩いて帰宅。よく汗をかく。

夜、某娘を少し外で歩かせる練習をしてから夕食。

夜中、娘にシャワーを浴びせ、食器を洗う。それからしばらく週アス。

真夜中、再び某博士論文の草稿を読む作業。もう寝よう。


20/Aug/2011 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中

本日は 夏風邪気味で 自宅警備

昨晩はDVDでロマン・ポランスキー監督の 『オリバー・ツイスト』を見た (ディケンズの勉強中)。 ストーリーは他愛ないと言えば他愛ないが、 波瀾万丈で万人が楽しめるようになっている。 キャラクターは個性的だが人間的な深みがないものの、 役者がみな秀逸。主人公が一番謎だが、 どういう環境に置かれても敬虔さ、純真さが重要だということだろうか。B-

朝、一度ゴミを出しに起きたあと、二度寝。お昼前まで寝てしまう。シャワー、 シリアル。本日も涼しい。ちょっと風邪気味。

お昼すぎ、某娘が寝ている間に少し翻訳の作業。 知らないうちに高校野球が終わっていた。

昼下がり、遅めのお昼を食べてから、夕方に二階の和室で昼寝。

夜、散歩がてら某娘を連れて郵便ポストに郵便物を入れてくる。 それから夕食。

夜中、雑用と娘の沐浴と食器洗い。あっという間に一日が終わる。

真夜中、少しだけ某原稿を進める。


20/Aug/2010 (Friday/vendredi/Freitag)

朝、比較的早起きしてシリアル、朝刊。合宿の準備。シャワー。

お昼ごろに家を出て、お昼過ぎに東京駅から踊り子号に乗って伊豆高原へ。 少し涼しい。

夕方にホテルにチェックイン。しばらく雑用。少し散歩。

そのあと、某氏らも到着。まず温泉に。夜、夕食。刺身とビールなど。

夜中、研究会。合宿に出席していない方々の原稿を先に検討する(欠席裁判)。

真夜中、酒を飲みながら少し歓談。明日も早いので日付が変わるころに散会。

(はてなブログより転記)


20/Aug/2009 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中

朝、定時起床。ゴミ出し、シャワー、朝食。

午前中は、九段下に行き、某会議に出席。 緊張したが、なんとか無事に終了。 だんだん会議にも慣れてきた発言できるようになってきたが、 今日は一番最初に紹介されたため、「紹介されたら立って挨拶する」 というルールを知らず、恥ずかしい思いをした。は、ははははは…。

昼食をとってから、お昼すぎに研究室に戻ってくる。 午後は、某院生の指導と、某氏とレポートの採点の仕事など。

夜、有楽町に移動して、某妻とタイ料理。 そのあと、映画館で『ハリー・ポッター6』 を鑑賞。テンポがよかったのであっという間に終わった。それなり。 映像はきれいだった。B-。

それから帰宅。シャワー。新聞を読んだらもう寝る時間だ。


20/Aug/2008 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中

早朝に目覚める。ゴミ出しをしてから二度寝。少し遅目に起きる。シャワー、朝食、朝刊。 ズボンにアイロンをかけてから大学へ。某勉強会の準備。

お昼は某氏とかつお刺定食。

お昼すぎから夕方まで某勉強会の準備。夕方、30分ほどプールで泳ぐ。 そのあと、某氏と勉強会の打ち合わせ。

夜、某インフル勉強会。2時間ほど。いろいろ勉強になる。

夜中、某氏と本三で夕食。ビール二杯。日付が変わる直前に帰宅。もう寝よう。


20/Aug/2007 (Monday/lundi/Montag)

昨晩はアニメ版の『時をかける少女』を観てから寝る。 青春映画のせいか、今ひとつのめりこめず。映像はそれなり。C+

朝、なかなか起きられず。シャワー、朝食。 そのまま大学へ(ちょっと遅刻)。 早起きしないと心に余裕がなくなる気がするので、 今日から心を入れかえて早寝早起きすることにしよう。

今日も暑いな。

夜中

午前中はたまってた雑用を片付ける。 お昼は書籍部で買物をしたあと、第二食堂で。 空いているかと思ったが、テーブルは8割方うまっていた。新聞を少し読む。

午後も雑用したり、新聞を読んだり。夕方、某氏と某打ち合わせ。 それからジムでトレーニング。20分で3.5キロほど走ったあと、 筋トレ。汗だくになる。

夜、帰宅して夕食。疲れてしばらく動けず。夕刊読む。

眠い。今日こそは早く寝よう。

真夜中

コーヒー牛乳を買いに近くのスーパーに行ったり、本を読んだり。

ところで、2003年3月ごろから真面目に(というか、偏執狂的に)家計簿を付けている。 (そういえば、それ以前もExcelで付けていた気がする。 あ、2000年から2002年はExcelファイルが残っているな。 一度始めると止められない例の一つ。)

今、つれづれに過去の「成績」を見ていると、一応、 毎年収入が支出を上回っているのだが、2003年と2005年の収支がひどくて、 2003年は約21万円の黒字、2005年はなんと約12万円の黒字。 2003年10月に定職に就いたのに(それ以前は学振)、ほとんど貯金ゼロの世界だ。

この話を某妻にしたら、「それを知っていたら、たぶん結婚しなかった」 と冷たく言われてしまった。さらに、 もうすぐ「能力に応じて働き、必要に応じて妻が小遣いを出す」 という管理社会が到来するわよ、と予告までされた。ぶるぶる。


20/Aug/2006 (Sunday/dimanche/Sonntag)

お昼

お昼前に起きる。

昼下がり

まじめにベンタムの勉強。がんばれ。

夕方、少し寝たあと、お昼にシリアルを食べて以来何も食べていなかったので、 某ハンバーガー屋で夕食。それから大学に来て、いくつか雑用。

真夜中

夜、上野に行き、某喫茶店でしばらく勉強。 そのあと、某ディスカウントストアでいろいろ買物してから、 汗だくになって帰宅。よく歩いた。

今日もほとんど人と口を聞かなかった。酒も飲まず。 このように、好きな時間に勉強して、好きな時間に食事をして、 好きな時間に漫画喫茶に行き、 夜明けごろに眠りに就く生活はかなり楽しいわけだが、 やっぱりこれでは社会性が失われていく気がする。

ここで一句。

とうきょうにいてもひとり

真夜中2

カップラーメン。翻訳を少しと、ベンタムの勉強。そろそろ寝ないと。

夜明け前

まだ起きてる。もう寝よう。

今日のニュース


20/Aug/2005 (Saturday/samedi/Sonnabend)

今日も早起き。朝食と洗濯のあと、大学へ。

某入門コース三日目。今日は責任者なので、しっかりやらねば。

夜中

某入門コース三日目、無事終了。朝から晩までのハードスケジュールだったが、 無事に終わってよかった。某名誉教授の講演もおもしろかった。 一月以上前から準備した甲斐もあってか、受講生の反応も上々。 懇親会でも歓談できてよかった。 力を合わせるとこんなに良いコースも作れるんだなあと実感。 ん、ちょっと誉めすぎたか。 気を引き締めて、明日の最終日もがんばろう。

真夜中

帰宅。眠い。早起きして普通の生活をすると、 こんな感じなんだろうなあ。 いや、もっと早起きの人もいるんだろうけど。 怠惰な学生生活が長かったから、 早起きする人生には戻れそうもない…(というのは甘えか)。

今日のニュース。


20/Aug/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

早朝

夜中、 大学で酒を飲みながらロード・オブ・ザ・リング2』 を見る。extended editionだったせいか、 4時間近くえんえんと続き、いささか食傷気味になる。 あの二重人格のゴラムの演技には魅かれるものがあったが、 あとは戦闘シーンもそれなりであんまり。 やはりトールキンの小説を読んでないとはまれないのかもしれない。 B-。

それからDVDを返しに行き(また借りてしまった…)、 某スーパーで買物をしてから帰宅。新聞も読んだのでもう寝よう。

真夜中

お昼に某氏からの電話で起きる。急いでシャワーを浴びたあと、某氏らと蕎麦。

昼下がりは無為に過ごす。夕方は椅子を並べて寝てしまう。

夜、ジムに行きワークアウト。今日も貧血で倒れそうになる。 もうちょっと力を抜いてやらないと、行く気をなくしてしまう。 いや、それよりもまず、よく食べないと。ジムに行く前は炭水化物(糖質)、 行ったあとはタンパク質を摂ること。

それから某氏らと集会室で食事。食後、DVDレコーダーの説明書を見て、 四苦八苦しながらなんとか使えるようになる。説明書を読むのはたいへんだ。

眠い。そういえば、ジムのエアロバイクで汗をかきながら、 「木も見て森も見る」という諺を思いついた。 しかし、あとでGoogleで調べてみると、すでに24件あった…。 同時に、「井の中の蛙、大海を知る」というのも考えついたが、 やはりすでに210件ほどあった。 太陽のもと、新しいものは何一つない。


20/Aug/2003 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

早朝

早寝早起き。眠い。

朝食。イラクの国連現地本部が爆破されたそうだ。 戦後復興のために尽力しているさなかに亡くなった人々に合掌。 が、それよりも気になるのは、国連の権威の失墜だ。 イラクの反米勢力からすると、 国連が米国寄りなことが気にくわないようだが、 米国から愛想づかされ、イラクからも攻撃されるとなると、 今後国連はどうなるのか。

某ドトールで新聞。東アジア共同体の話とか。EUと比べて難しいのは、 各国の経済的発展の格差もさることながら、 EU以上に宗教的な多様性があることや 社会主義国家を抱えていることだろう。

なぜ左利きのことを`southpaw'(南の腕)と呼ぶのかと思ったら、 これは大リーグの球場の作り方から由来するスラングだそうだ(英辞郎など参照)。 どういうことかと言うと、 打者が夕方の日差し、つまり西日に目が眩まないよう東向きに構え、 したがって投手は西方向に投げるように球場が作られているため (少なくともシカゴの球場はそうらしい)、 投手は西を向いたときに左腕が南側にあることになる、 そこでサウスポーなんだそうだ。

へー。

昼下がり

勉強。お昼は炊きこみごはん。

夕暮れ

寝てた。

洗濯物を取り入れると、蚊に侵入され、数ヶ所刺される。

真夜中

『ターミネーター』を見てしまう。 サイボーグになったターミネーターの動きなど、 特撮の技術は少し古いが、内容はやはりおもしろい。 すごいSF。 主演女優がアンジェリーナ・ジョリーだったらどうだったろう、とか。 3も見てみるか。

晩ごはん。タラのムニエル、モロヘイヤ、もずく、その他。

遊んでいる場合じゃない。勉強しよう。

Irak : les Nations unies frappées au cœur

(Iraq: The United Nations struck at the heart [core])

Un attentat au camion piégé a ravagé le siège des Nations unies dans la capitale irakienne, mardi.
(trans: A terrorist attack in a truck loaded with bombs ravaged the headquarter of the United Nations in Iraqi capital, Tuesday.)

Parmi les 24 morts (selon un bilan provisoire), figure le représentant spécial de l'ONU en Irak, le Brésilien Sergio Vieira de Mello.
(trans: Among the 24 dead (according to a provisional number), figures the special representation of the UN in Iraq, the Brasilian Sergio Vieira de Mello.)

Notre envoyée spéciale, Mouna Naïm, était dans le bâtiment. Son récit.
(trans: Our special envoy, Mouna Naïm, was in the building. [This is] Her story.)

A New York, l'ONU s'interroge sur son role en Irak.
(trans: In New York, the UN asks itself over its role in Iraq.)

Cette attaque a provoqué une indignation considérable dans le monde.
(trans: This attack provoked a considerable indignation in the world.)

(from Le Monde)


20/Aug/2002 (Tuesday/mardi/Dienstag)

お昼

起きる。シャワー。ヨーグルト。

真夜中

お昼は二子玉川駅構内のそば屋で。安くてうまい(B-)。 夕方、再び千石へ行き、香港映画を観る。 そのあと、巣鴨で夕食。イタリアン。F。 下宿に戻ってくるとパタンと寝てしまう。

玻璃の城

1997年の元日、ロンドンで香港人のカップルが交通事故で死亡。 男の息子と女の娘が遺体を確認に来たところ、 死んだ二人は不倫の関係であることがわかり、 彼らが所有していた香港の家を処分するために息子と娘は香港に行き、 そこで親の恋物語を辿るうちに、彼ら自身も恋に落ちてしまう、という内容。

英語の題は『ガラスの街』というもので、香港のことを指しているようだ (「城」も「街」を指すそうだ)。 ニューヨークから香港に初めてきた男の息子は、 すっかりアメリカナイズされているので、 はじめは香港や香港人を嫌っていたが、 香港の女性と香港の歴史を知るにつれて、 香港を受けいれるようになる。 最後は香港の中国返還のシーンで終わる、ノスタルジックな作品。 監督のメイベル・チャンは古き良き香港をフィルムに残しておきたかったそうだが、 そういう感じの、愛情を持って美しい香港を写した映画だと思う。 映像も音楽も演技もそこそこいいが、 ラブ・ストーリーがありきたりなので、C+。

机に向かっている時間…8.0hr
今日の勉強時間…0hr
マルクス係数…0


20/Aug/2001 (Monday/lundi/Montag)

というわけでニューヨークに行ってきた。以下は簡単な旅行記。 写真はここ

ニューヨーク旅行記

Day One: Heathrow to JFK

法哲学の試験が終わったあと、急いで荷物をまとめ、 某シンガポール人と一緒にヒースローへ。 空港に着いてしばらくしてから、 姉夫妻のためにイタリアで買っておいたキアンティを忘れて来たことに気付き、 地団駄を踏む。 しかたがないので空港の売店でワインを買う。

飛行機はヴァージン・アトランティック。 ロンドンからニューヨークは約8時間。 夏の時差はロンドンが5時間早い。 疲れていたが機内ではなぜか眠れず、 新聞を読んだりShrekを見たりする。

夜9時すぎにJFKに無事到着。空港まで姉夫妻が迎えに来てくれる。 マンハッタンまでタクシーで行き、姉夫妻のフラットに到着。 フラットでは姉が飼っている二匹の猫に挨拶する。 疲れていたので、近くの喫茶店でコーヒーを飲んだあと、そそくさと就寝。


英国にいるあいだにあらかじめインターネットで注文し、 姉夫婦のところで預かっておいてもらった本を受けとる。


Day Two: Grand Central Station, Times Square, etc.

[chrysler]

翌朝は早起きして、マンハッタンの中心部を散策。 ユニオン・スクウェアのあたりから北進して、 マディソン・スクウェア・ガーデン、 グランドセントラル駅、 ブライアンパーク、 ロックフェラーセンター、 タイムズスクエア(有益なインフォがある)などの名所を訪ずれる。

気温は30度ちょっと(華氏84-8度)と蒸し暑い。

[chinatown]

お昼すぎに地下鉄に乗り、チャイナタウンで姉に会って昼食。 そのあとリトルイタリー、ソーホーなどをすこし歩いたあと、 姉のフラットに戻って昼寝。

夜は近くの日本食料品店で材料を買い、 フラットで夕食。 買物をして店を出たとたんに大雨が降りだしたので、 一時間ほどそばの本屋で時間をつぶした。


Day Three: Empire State Building, Central Park, Metropolitan Museum, etc.

[empire]

エンパイア・ステート・ビルディングに上るために、 この日も早起きする。 9時にチケットを売り出すので、 8時すぎから並べば最初に上ることができる。 ちなみにエンパイア・ステートとはニューヨーク州の異名のようだ。

96階からの見晴らしはすばらしく、思った以上に楽しめた。 ただし、スカイライドという体感フィルムは、 ユニヴァーサルスタジオに代表される悪趣味なアメリカ文化を具現化した ひどい見せ物だった。

[central park]

そのあとてくてくと歩いてセントラルパークに行き、サラダを食べる。 ニューヨークもロンドンと同様、公園にリスが住んでいる。 しかし、ニューヨークのリスはロンドンのリスに比べると、若干人間嫌いのようだ。

[metropolitan]

それからきつい日差しの中、公園内をえんえんと歩き、メトロポリタン美術館に到着。 二階のヨーロッパ絵画を中心に見学。ダヴィドの「ソクラテスの死」の他、 ドガやドラクロワ、アングル、レンブラントなどの作品が見れる。

そういえば、館内の作品を説明するオーディオCDを借りたが、 説明されている作品の数が少ないのであまり役に立たなかった。

[street]

夜は姉の作った短編映画が近くの映画館で上映されるというので、 それを見に行く。なかなか好評だったようだ。

そのあと姉夫妻と一緒に某日本料理屋で食事をする。 ロンドンにいたときは日本料理はほとんど食べなかったが、 ロンドンに比べるとニューヨークの日本料理屋は(すくなくとも外見は) 本物っぽいし、値段もロンドンほど高くないようなので、食指が動く。 デザートには近くの台湾喫茶店でタロー(タロ芋)入りの泡泡茶を飲む。おいしい。


Day Four: Bookstores, Chelsea, etc.

[taco bell]

四日目はいろいろ本屋を回る。 まず5th通りにあるバーンズ・アンド・ノーブル(新本と古本)に行き、 次にブロードウェイにある巨大な古本屋ストランドで一冊本を買う。

お昼はタコベルでブリトーを買い、マディソン・スクウェア・ガーデンで食事。 タコベルで食べるのは高校のときの留学以来だったが、 いかんせんベジタリアン料理しか食べられないので、 タコスを買うことができなかった。無念。

[nyu]

それからグリニッジヴィレッジをすこし歩いたあと、NYU近辺を散策。 NYUの本屋を見かけたので、 どんな哲学の教科書を使っているのかを調べたりする。

強い日差しの中、えんえんと歩いたので、 近くのワシントン・スクウェアでしばし休憩。 それから姉のスタジオを見学にチェルシーへ。 姉の作品を見せてもらう。

それから姉夫婦と一緒にアメリカンダイナーで 夕食をとったあと、 近くの映画館でPlanet of the Apesを見る。 ティム・バートン監督による同名の映画のリメイク。 役者の演技は今ひとつだったが、 話はまとまっており、 全体的にはまあよくできていた。 ただ、いかんせんネタが古く、 こじんまりしている観がある。C+。

映画のあと、チェルシーにある大きな食料品店を見学してから地下鉄に乗って帰宅。 洗濯をしてから寝る。


Day Five: Wall Street, Brooklyn Bridge, Gothic at Limelight

[wall street]

五日目はマンハッタン南部を見学に行く。 ニューヨーク証券取引所や連邦準備銀行のあるウォール街を歩いたあと、 ワールド・トレード・センターやワールド・フィナンシャル・センターを訪れる。 お昼は「大吉」という寿司チェーン店で。

ウォール街は完全な観光地で、 ひょっとしてここはディズニーランドの一部で、 ここで仕事している人はみな役者なのではないか、と思わせるほどだった。

[brooklyn bridge]

それから市役所前を通ってブルックリン橋へ。暑いなか、 橋の真ん中までえんえんと歩く。 ここからもビジネス街を一望できる。

[metro]

夕方は地下鉄に乗って中心部に戻り、 Macy'sで涼んだあと、ストランド古本屋でさらに本を買う。


[gothic]

夜は姉のフラットで素麺を作って食べる。 真夜中、姉夫婦と一緒にゴシックを聴きにライムライトへ。 ライムライトは教会をライブハウスに改装した建物。 ゴシックといってもクラシック音楽ではなく、 黒ずくめの衣装を着て演奏する毒々しい音楽のこと(メタルでもないようだ)。 建物もオーディエンスも異様な雰囲気のライブハウスだったが、 見聞を広げるいい経験になった。と思う。


Day Six: The Statue of Liberty, Harlem, Chelsea

[liberty]

ニューヨーク最終日。早起きして再びマンハッタン最南端に行き、 自由の女神像とエリス島を見学するためにフェリーに乗る。

すでに長蛇の列ができていたので、自由の女神像の頭部には昇らず。

売店で買ったフレンチフライがうまい。アメリカにいることを実感する。

[registory room]

同じフェリーに乗ってエリス島にも行く。 ここは19世紀終わりから20世紀初頭にかけて移民の入国管理をしていたところ。 戦後朽ちるままになっていたが、1990年に博物館が開館したらしい。

当時の様子を写真から構成した映像や、 個々人の移民の歴史に照明を当てた展示、 またエリス島から入国した移民の名前を記した記念碑など、 興味ぶかい展示が数多くあり、 予想外に楽しめた。

自由の女神像を見に行くときには、 ここも省略せずに行くことを勧める。

[harlem]

それから地下鉄に乗ってチェルシーに行き、姉夫妻と合流、 地下鉄で北上してハーレムへ。

Sylvia'sという超有名らしいレストランに予約を入れたあと、 しばらく町を散歩する。ハーレムは危険な地域として有名だが、 クリントンがオフィスをここに置くことを選んだことに象徴されるように、 最近は町の再生化が進んでいて以前ほど危険ではなくなったそうだ。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの`Up to Lexington, 125 (one-two-five)' にも行ってみたかったが、 あいにくハーレム東部ではなく西部に来たので訪ずれることはかなわず。

[sylvia's]

アポロ・シアターの前で写真を撮ったあと、 上記のレストランで食事。 メニューにはガンボとかキャットフィッシュとか南部な料理が並んでいる。 バンドによるライブ演奏を聴きながらおいしい食事を楽しむ。

[chelsea]

それからまたチェルシーに戻り、フリーマーケットに少しだけ顔を出す。

姉のために本を買うときに、ちょっとまけてもらう。 バーゲンが成立し、両者が満足する。自由市場の原理だ。

[bar]

夜はインド南部の料理を食べる。 ここもおいしい。姉夫婦におごってもらう。感謝。

そのあと姉の友人の誕生日だというのでみなでバーに行きすこしだけ飲む。 明日の帰国準備があるので早々に退散させてもらう。


Day Seven: Back to London

夜明け前に起き、タクシーに乗ってJFKヘ。 空港内の店が7時すぎから開きはじめたので、 残りのドルを使ってしまおうとしたが、 搭乗のアナウンスがかかったので何も買えず。

機内では最初の30分ほど寝ただけで、 あとはずっと映画を見ていた。

Spy Kidsはスパイ夫婦の子供がスパイとして活躍する話。 金を出して映画館に見に行かなくてよかった。C。

Blowはジョニー・デップ主演の70年代の麻薬ディーラーの話。 暗くてなかなか良いが、盛り上がりに欠ける。 同種の映画ではBoogie Nightsの方がよいと思う。C+。

機内販売ですこしおみやげを購入。 値段はドルで書かれているものと思っていたら、 ポンドだったので高い買物になってしまう。

[chinatown in london]

ロンドンには夕暮れに到着する。帰りは6時間ぐらいで済んだようだ。

お腹がへっていたので、帰る前にチャイナタウンに寄り、夜食を食べる。

ひさしぶりのロンドンはニューヨークに比べて静かでひんやりとしていた。 旅行中に某シンガポール人と二つの都市の長短について議論をしていたが、 やはり長く住んでいるロンドンの方が落ち着く。 しかし、 もしニューヨーク大学に留学していたらきっと逆のことを言っていただろう。

(あ、今思いだしたが、コロンビア大学を見学するのを忘れていた)

今回、宿を提供し観光に付き合ってくれた姉夫婦に感謝。


20/Aug/2000 (Sunday/dimanche/Sonntag)

今日は半日くらい寝ていた。

夕方はフラットの連中とインド料理屋へ。 ビュッフェ形式で安いのはいいが、 辛いしあまりうまくもない。

夜は日本の安楽死の勉強。 オランダでは毎年3000人が安楽死で死ぬそうだが、 日本では何人くらい死ぬんだろう。 尊厳死と安楽死の違いもよくわからない。


08/20/99 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

とりあえず1000字ほど書いたので一段落(いいのか?)。

某所でチャンピオンなどを購入し、 三度某所へ。今回は煮こみうどん。 『加治隆介の議』5巻から7巻まで。

さすがに体調が悪くなってきた。


お昼前

下宿でシャワーを浴びてしばらく寝てシャワーを浴びてから再び大学へ。 途中、某喫茶店でモーニングを食べてくる。プレイボーイ。

うう。体調が。


昼下がり

雷がバリバリ言ってて恐い。


夕方

某所でキムチ鍋。『加治隆介の議』8〜9巻まで。 う〜む、やはり戦争とか自営態とかについてもよく考えないといけないよなあ。


内容はともかく、1500字ほどになったのでペースダウン。のろのろのろ。 一応、公開してしまおう。ご批判乞う。 また、まだ全然できてないが、 権利論用語集というのも作ってみた。


08/20/98(Thursday/jeudi/Donnerstag)

夕方

うわ。寝まくり。

昨日は夕ごはんを食べた後、いろいろ読書。 夕ごはんは、 「なめたけとねぎのスパゲティ」 「トマトとサニーレタスのサラダ」 など。

明け方に眠りはじめ、昼下がりまで寝てしまう。

そういえば、引越そうと思って、 大阪市内にある9階立てのマンションの9階の部屋を見に行く、 というリアルな夢を見た。

最初はすっかり引越すつもりだったのだが、 行ってみると、エレベータで9階まで昇ってから部屋に辿りつくまでに、 縄を使って屋上に出て、それからまた縄を使って9階に降りなきゃいけない、 などというめちゃくちゃな造りになっている。

部屋はいい部屋なんだけど、よく考えると学校からも遠いし、 建物の造りも奇妙だし、今の下宿でやっぱり十分だってんで、 人の良い大家さんに断わったところ、 このところ不景気で部屋が空いているせいか、 名残り惜しそうに、他の住人も呼んでパーティを開いてくれる。 しかし、おれは早々に切り上げて、 荷物をまとめてマンションを出て帰ってきた。

ここらへんで目が覚めた気がする。なんだったんだろうか。

起きてから、シャワーを浴びて外に出る。もう夕方。 喫茶店に寄ってから研究室へ。


某師匠の手伝いを少々。


Y先輩の頼みごと

そういえば、昨夜10時10分前に、下宿に電話がかかってきた。

「もしもし、夜分恐れいります。 京都大学倫理学研究室のYですが、 あの、こだまさとしさんいらっしゃいますでしょうか」

Y先輩(♂)である。

「あ、Yさんですか。こだまです」

「あ、こだま? 今ひま?」

(いやな予感)「ええ、一応ひまですけど…」

「あんな、これはちょっと大変頼みにくいお願いやねんけどな、 聞いてくれる?」

(またか)「いや、内容によりますけど、どういうことなんですか」

「あの、こだまのとこ、ビデオある?」

「はあ、一応あります」

「あのな、大変頼みにくいんやけど、10時からな、 ある番組があるからな、それを録ってくれへんかな」

(何やそれ)「え、何ていう番組ですか」

「あの、『ハッピー○ニア』っていうドラマやねんけどな」

(くだらん!)「…。あの、最近某氏にテレビもらってビデオつなげたばっかりで、 今うちに空のテープないですし、時間もないから他の人に頼んでくれません?」

「いや、それがな、おれがこんなこと頼めんの、 おまえとK嬢だけやねん」

「じゃあ、K嬢に…」

「いや、K嬢のとこ電話したんやけどな、留守電やねんこれが」

(ほんまか)「ああ、それじゃ仕方ないですねえ。 うちにもビデオテープがないですから」

「そばにローソンあるやろ」

「いや、こっからは結構遠くて」(と嘘を付く)

「頼むわ、こだま。頼めんのはおまえしかおらへんねん」

(頼まれると弱い)「仕方ないですねえ。 それじゃ急いでなんとかしてみます」

といってガチャッと電話を切って、 急いでGパンを履いて自転車でローソンに行ってビデオテープを買ってきた。 報酬をいくらもらおうかと考えながら。

戻ってきてビデオの用意を完了し、録画状態にしたところでまた電話。

「もしもし、どうやった?」

「ええ、なんとかなりましたよ」

「ほんま? ようやった、こだま! おまえは最高や!」

(こいつなあ)「いや、ほめても何もでませんよ。 それより、いくらいただきましょうかねえ」

「え、いや、それはまたじっくり相談ということでやなあ」

「まあ、ビデオテープ代と合わせて2000円ぐらいですか」

「まあまあ。それはまた相談ということで」

「何言ってるんですか」

「2000円? ちょっと高いなあ」

「何をまた。すごい苦労したんですよ。このぐらいは当然です」 (Y先輩は金持ちなのでせびる)

「よっしゃ、わかった。2000円で手を打とう」

「ありがとうございます」

「そしたらまた研究室にビデオ取りに行くからおいといてな」

「はい。じゃあ」

と言って、電話を切った。 しかし、こんなことを頼む方も頼む方だし、 頼みを聞く方も聞く方だなあ。 まあ、金をもらえないんだったら、 よっぽど恩のある人じゃないかぎり、 こんなことやらないだろうけどさ。


某師匠と某定食屋にて食事。 クリントン大統領は辞任すべきかどうか、 とか、そもそも不倫っていうのはどのくらい行なわれているのか、 とか。 ごちそうしてもらう。感謝。

それからゲーセンに。ばかばか。もう行くのやめよっと。 勉強勉強。


真夜中

勉強進まず。あかん。


08/20/97(Wednesday/mercredi/Mittwoch)

・夜・

・今日はお昼過ぎに起きた。トーストを食べながら筒井康隆の『アフリカの爆 弾』を最後まで読んでその後風呂に入った。たまには頭を洗わないと研究室の 皆に嫌われる。

・さあ学校に行こうと昼下がりに家を出る。駅に行く途中、あまり安くない靴 の安売りの店で新しい靴を買う。サイズを試したかったのだが、はだしにサン ダルをはいて来ていたので気が引けてそのまま買う。

・阪急に乗って高槻で特急に乗り換える。割とごそっと降りたので空いている 二人座席に一人だけで座れた。ロック読書会の予習をしようと思って勉強を始 める。

・するとあろうことか、二つ前の座席を向い合わせにして座っている小学生く らいの兄妹が足の臭さを競い出したのだ。

「いやあん、おにいちゃんくさあい」

「防臭の靴やのになあ」

・などと大声でわめきながらお互いに足を上げてかぎ合っているのだ。母親も いるのにただ一緒に笑うばかりで注意もしない。合席していたおばあさんは露 骨に嫌な顔をして席を代った。

・とはいえ二つ前の席のことなのでさすがにぼくのところには臭ってこないは ずなのであるが、何故かバルサンの香りが漂っている気がしてロックの文章を 集中して読めない。

・するとぼくの後ろか斜め後ろか、あるいはもう少し遠い席で携帯電話の呼出 し音が鳴り始めた。

「プルルルルルル。プルルルルルル」

・しかし電話の持ち主は熟睡しているのか、それともよほど嫌いな相手からか かって来ているのか、一向に出る気配が無い。しばらくしたら切れたが、3秒 も立たない内に再び呼出し音が鳴り始めた。そしてこれはなんとぼくが烏丸で 降りるまで延々と続いたのである。

・いいかげん頭に来始めていたが、とにかく集中しようと思って再びロックを 読み出すと、今度は先ほどのガキどもが小さいキーホルダー型のゲームをやり だした。

「ピコーンピコーン…ドガガガガ」

「あっあっ、やられたぁっ」

「へたくそだなぁ、貸してみ」

「いやぁ、まだぁ」

・などと再び大声でわめきだす。あの手のゲームには消音用のスイッチか何か が付いていると思うのだが、彼らは消音もせずそのままやっている。あの耳に 着く電子音が列車内に鳴り響く。

「ピコーンピコーンピコーン…ドガガガガ」

・携帯電話も負けてはいない。

「プルルル、プルルルル…プルルルル、プルルルル」

・仕方がないのでぼくは指で耳栓をしながらロックを読み出した。「知覚は感 官が影響を受けるだけでなく、その運動が精神にまで伝達されて新しい観念が 生み出されて初めて知覚となる…」

・すると、ゲームをやっている兄妹の近くの席に座っていたスーツ姿の若い男 がいきなり立ち上り、子供からゲームを取り上げ床に叩き付けた。

「いいかげんにしろっ。あんたこの子らの親やろっ。子供が他人に迷惑かけん ようにちゃんとしつけろよっ。それに一体誰やっ。さっきからずっと携帯鳴ら し続けてんのはっ。はよ出えやっ。それにそもそも電車の中ではスイッチ切る のがマナーやろうがっ」

・と一気にまくし立てた。その兄妹の母親は彼の大声にしばらく呆然としてい たが、彼が喋り終わるのが早いか、ヒステリックに叫びだした。

「きいっ。何するんです。うちの子のおもちゃ勝手に壊して。うちの子ら楽し く遊んでたのにっ。みんな乗ってる電車なんだから何をしようがわたしらの勝 手でしょっ。気に入らんのやったら向こう行ったらいいやんか。どうしてくれ んの、この子のおもちゃっ。弁償よ弁償っ。きいっ」

「プルルルル、プルルルル」

「ななな何やてこのアマっ。だだ誰の金でこの電車動いてると思ってんねん。 おお俺ら男が毎日汗水垂らして働いてるおかげでやなっ…」

「プルルルル、プルルルル」

・などと口論を始めた。途中までは良かったのだが、もう男の方もめろめろで ある。他の人々は皆寝てるか、寝たふりをしている。ぼくは再び耳に栓をして ロックを読み始めた。

「え〜みなさま大変長らくお待たせしました。この電車は間もなく大宮に到着 します…」

・ああ、助かった、やっとこのイカれた連中からおさらば出来る、と思いなが らぼくは車内放送を天からのお告げか何かのようにありがたく聞いた。しかし 今日の車掌はダミ声だし音も大きいしなんだかうるさいなあ。

「…大宮の次は烏丸まで止まりません。烏丸の次は河原町まで止まりません。 ちなみに大宮の一つ手前の駅は西院です。その前は西京極でその前は桂、その 前は…」

・わああ、車掌までおかしくなった。

「プルルルル、プルルルル」

「弁償してよ、ねぇ、弁償しなさいよ。きい」

「え〜長岡天神の前は…」

「大体女子供が俺らと一緒の電車に乗るのが間違ってるんだ。俺ら企業戦士の ための電車を阪急は用意すべきだ…」

「プルルルル、プルルルル」

「なむあみだぶつなむあみだぶつ…」


・う〜ん、ここまで破綻してしまうとオチが付けられないなあ、などと考えな がらぼくは烏丸駅を出て自転車に乗って学校へと向かいだした。ああ暑い暑い。

・学校に着いてしばらくすると、○るたさんがやってきた。これからロック読 書会なのである。つ○たさんはぼくの足元を見て言った。

「こだまくん、もう最近はすっかりサンダルになって、靴を全然はかないんで すね」

「いやいや、今日新しい靴を買ったんですよ……あっ、靴がないっ」

・がーん。道中ばかなことを考えていたためにどっかで靴を忘れて来たっ。 4515円がっっ。

「ちょちょっとごめんなさい、ロック読書会もうちょっと後にしてくれますか」

「ええいいですけど…」

・ぼくは研究室を飛び出して再び自転車に乗り烏丸駅に向けて走り出した。確 か自転車にカギを差すときに隣のバイクに何か荷物を置いたような気がする… たぶんそれだっ。それに違いないっ。そうであってくれっ。

・ぼろいチャリで車道を飛ばす飛ばす。信号は可能な限り無視。足と尻の筋肉 が痛くなって来る。汗がボトボトたれる。目がかすんでくる。

・「あるあるあるあるあるっ」などとぶつぶつ言いながら、三条河原町の人混 みの中を通り、寺町通りを抜け、烏丸のいつも自転車を置いている小さな横道 に近付く。角を曲がる。

・あ、あのバイクだっ、あのバイクの上に紺色の靴の入った白いビニール袋 が……無いっ。

「おう嫉妬っ」

・などと英語で下品な言葉を五六回発して、ぼくはがっくりうなだれた。4515 円がぁ…。それに良く考えたらバイクの上に置いたのはカバンだったのだ。

・ぼとぼと汗をたらしながら、仕方無い、だめだろうけど一応阪急にも聞いて みるか、つってももし靴があったとしてもとても梅田まで取りに行く気はせん けど…などと考えてぼくは力無く自転車をこぎだした。

・最初は烏丸駅に行こうかと思ったが、終点の河原町駅に行った方がある確率 は高いかと思い直して、ぼとぼと汗をたらしながら車と人であふれる四条通り を河原町へと向かった。

・阪急百貨店の前に自転車を置いて地下に降り、改札の横にある部屋にいる駅 員に近付いて尋ねる。

「あ、あの、4時頃の特急に新しい靴を置き忘れたんですけど」

「何色ですか」

「紺色です」

「どんな入れものに入ってましたか」

「ええと、白いビニール袋です」

「ちょっとお待ち下さい」

・とどこかに電話をかける。するとしばらくして、

「それらしきものを預ってますので、サービスセンターの方に行って見て来て 下さい」

と言われる。え、サービスセンターってもしかして梅田の?と思っていると、

「サービスセンターはここをまっすぐ行って階段を降りてまたずっとまっすぐ 行って…」

と丁寧に教えてくれた。河原町駅のサービスセンターなのだ。やった。あった のだっ。4515円っ。

・ペコペコとお礼をしてからスキップしてサービスセンターに向かう。これを 読んでいる人の中には「行ってみると実はぼくのではなかった」という展開を 期待している人も少なからずいるだろうが、ところがどっこい、運命の女神は 常日頃から善い行ないをしているこだまくんを裏切らんのだよ。さっきはちょっ と裏切られた気もしたが。

・サービスセンターに入ると目の前に白いビニール袋がある。あ、これぼくの です、ありがとうございます、御迷惑をおかけして申し訳ありませんでした、 御恩は一生忘れませんなどと言って、一応住所と名前だけ書いて靴を受け取っ て来た。駅を出て、やっぱり阪急はサービスが良いよなあ、悪口書いたら罰が 当たるよなぁ、などと考えながらぼくは再び汗をだらだら流しながら自転車で 大学へ向かった。


・んで、その後ロック読書会。こんなこと書いてる場合じゃない、早くシジ ウィックをやらねば。


Satoshi KODAMA
email: satoshikodama-tky[at]umin.ac.jp
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Last modified: Fri Sep 2 13:48:20 JST 2016