準実在論

(じゅんじつざいろん quasi-realism)

`[Q]uasi-realism': the enterprise of showing how much of the apparently `realist' appearance of ordinary moral thought is explicable and justifiable on an anti-realist picture.'

---Simon Blackburn


メタ倫理学において、 サイモン・ブラックバーンが提唱している立場。

ブラックバーンはマッキーと同様に価値の実在性を 否定するが、 マッキーの錯誤説のように人々の一見して実在論的な思考を誤りとみなすことはせず、 《一見実在論にコミットしているように見える人々の道徳的な思考や発話は、 適切な解釈をほどこせば、価値を世界に投影されたものと見る立場(投影説)か らでも過不足なく説明し、正当化することができる》という立場を取る。 これが準実在論である。 彼はこれによって、反実在論的世界観と、 人々の実在論的な道徳的思考との調停を試みている。

さらに詳しくは、児玉によるブラックバーンの論文の要約を見よ。

13/Oct/2003


参考文献


上の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Tue Jan 15 02:02:09 2002