判断能力

(はんだんのうりょく competence, competency)

「判断能力と自己決定権は表裏一体であって、判断能力のない者に自己決定権 はない。日本の自称リベラリストは子どもの自己決定権を原則として認めて、 その上で補助的な貢献が必要だと考えている。欧米のリベラリストは、原則と して子供には判断能力を認めないが、判断能力の限界が流動的であることを認 めるという方向に変わってきている。」

---加藤尚武、『応用倫理学のすすめ』、1994年、53頁


患者や被験者の同意または拒否が有効とみなされるための必要条件。 能力、対応能力、意思決定能力、有能性、 理性的決断力などとも訳される。

患者がインフォームド・コンセントを 行なうためには、患者はまず判断能力があるとみなされる必要がある。 そして、判断能力が欠如している(incompetent)とみなされる患者は、 自己決定することを認められず、 そうした患者の治療を行なうためには、 代理人による代理決定が行なわれる必要がある。 これが「判断能力はインフォーム・コンセントの門番」 と言われるゆえんである。

判断能力の基準は一様ではないが、一般に、 (1) 選択ないし意志の表明ができること、 (2) 合理的な推論が行なえること などが必要とされる。

より詳しくは、COMPETENCYに関する問題分析 のページを参照せよ。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Mon Aug 12 10:11:08 JST 2013