2023年7月より日本行動医学会の理事長に就任しました。宜しくお願いいたします。前期は井上茂理事長の下で副理事長を務めました。その経験を活かし、井上体制で築き上げた組織運営を継承し、自分なりの色も出しながら、本学会のさらなる発展に尽力する所存です。
本学会は1992年に創立され、行動医学に関する研究、臨床、予防、研修活動を推進してきました。その大きな窓口は、年に1回開催される学術総会と、その間で定期的に開催される教育研修会です。教育研修委員会は現在、ウェビナーで定期的に開催しています。まずは、こうした情報発信と交流促進に引き続き力を入れます。
本学会では医学教育を念頭に入れた「行動医学コアカリキュラム」をまとめ、その内容を網羅した教科書「行動医学テキスト」(中外医学社)(第2版)」を発行しています。売れ行きは好調で、第2版が2023年に改訂されました。本学会には行動医学に関する専門家が多く在籍していますので、こうした出版活動や各種ガイドライン作成も鋭意取り組みたいです。
また本学会は、国際行動医学会(International Society of Behavioral Medicine, ISBM)の日本支部でもあります。つまり、本学会に入会すると自動的にISBMの会員となります。一気に国際的な最前線に身を置くことができるので、若手研究者にとっては大きなチャンスです。2年に1回のペースでISBM総会が開催され、ISBMの支部も世界各地で立ち上がっています。そうした会合に参加すると、各国が有している健康問題とその取り組みを肌で感じることができます。こうした国際団体との連携を、さらに強化します。
最後に、本学会は「心理社会行動科学系」「臨床医学系」「社会医学系」の3領域の研究者が集う場であり、その連携が何より大切となります。理事・評議員・会員の皆様の声にしっかりと耳を傾けながら、オープンで公正な組織運営を目指します。私独りでは何もできませんので、皆様のご協力が必要です。なにとぞ宜しくお願いいたします。以上、理事長としての抱負を述べさせて頂きました。
2023年7月吉日