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代表挨拶

小林潤

この度、ラオス保健研究コンソーシアムの小林潤前代表(琉球大学)の後任として四代目代表に就任いたしました、国立国際医療研究センター研究所 熱帯医学・マラリア研究部の石上盛敏と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。ラオス保健研究コンソーシアムは、2003年に初代代表・門司和彦教授(現長崎大学)のご尽力によりラオスの保健研究の能力強化を目的に設立されました。現在の本団体の目的は、ラオスで保健分野に関わる研究とプロジェクトに従事される日本の研究者・保健医療従事者と、ラオスのカウンターパートとの作業負担を軽減し、より効率的な方法で研究とプロジェクトを実施することに寄与することです。

設立から20年が経過し、ラオスの保健研究の能力は飛躍的に向上いたしました。そしてその分野もより多様化して参りました。設立当初は感染症と母子保健が主な研究テーマでしたが、現在は思春期保健、栄養改善、医療の質向上、生活習慣病、看護教育、救急救命、小児外科、保健システム・保健財政等多岐に渡っています。また取り残されがちな僻地に暮らす少数民族の健康改善にも注目が集まっています。これらの活動は、日本の研究者・医療従事者、NGO、NPO、JICAプロジェクト等の貢献が大きいと言えます。

近年、ラオスには保健医療分野に限らず、多くのドナーが入っています。各国ドナーが、それぞれラオス側に協力を要請します。その結果、ラオス側が通常業務の他にドナー対応で、忙殺される場面が見受けられます。今後はよりドナー間での連携を密にし、ラオス側の負担を軽減することも大事です。またラオス側にやらされている感を与えないように、研究やプロジェクトを立案する初期段階から、積極的にラオス側の意見を取り込み、一緒に計画を立案することが重要だと考えます。これによりオーナーシップの尊重が実現すると考えております。一方でラオスは依然として財政面では厳しい状況が続いています。保健医療分野の研究を継続的に実施していくためには、ラオスの研究者が外部資金を獲得できることが重要です。本団体は引き続き、ラオスの研究者人材の育成を支援していきたいと考えております。

また2007年よりラオスでは、熱帯・公衆衛生研究所(Lao Tropical and Public Health Institute)が中心となって、毎年、国家保健研究フォーラム(National Health Research Forum: NHRF)を開催しています。本団体はこのフォーラムの開催を積極的にサポートして参りました。2019年の開催を最後に、COVID-19パンデミックの影響に伴いNHRFは開催されておりませんが、2024年には開催されると聞いております。皆様の参加を心よりお待ちしています。

ラオスでの保健研究が今後も発展を続けるよう、会員の皆さまのご協力ご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年1月15日
石上 盛敏

連絡先
ラオス保健研究コンソーシアム事務局
特定非営利活動法人ISAPH 佐藤 優,安東 久雄
mail : jclaohealthresearch@gmail.com

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