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がん医療フォーラム 2023 活用しよう!相談と支え合いの場
開会あいさつ

辻 哲夫さん(公益財団法人 正力厚生会 理事長)
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辻 哲夫さん
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皆さま、ただ今ご紹介いただきました、正力厚生会の理事長をしております辻でございます。11月も終わりに近づきまして、今日もまた冷たい雨が降る寒さが厳しい中で、こうして「がん医療フォーラム2023」を開催いたしましたところ、会場に多くの方々においでいただき、またオンラインで多くの方々に参加いただきましてありがとうございます。

正力厚生会は、がん患者さんとそのご家族を支援するさまざまな事業を行わせていただいております。その設置につきましては、読売新聞社の多大なるご支援をいただきまして、また、さまざまな諸事業、がん患者団体に対する支援もたゆむことなく行い続けることをはじめとして、さまざまな取り組みをさせていただいております。定期的にこのフォーラムも行うということで、今回久しぶりにこのフォーラムを開催しております。

がんは皆さまご存じのとおり、前回(2018年)このフォーラムでも申し上げたと思うのですが、大変多くの方がかかる病気です。前回は日本国民の半分ぐらいがかかると申したのですが、今日調べてみたところ、男性は65%で3分の2、女性は50%ですから半分以上がかかります。高齢化の影響はあると思いますが、本当に身近な病気になっております。しかしながら、がんは死に直結する病気で、これまで怖い病気だと認識されてきました。一方、治療技術が年々関係者のご努力により大変進んでおりまして、これも今日調べましたら、男性は死亡率が26%で4人に1人、女性は18%でおおむね6人に1人ということで、以前私は丸めて3分の1と申し上げたのですが、大幅に減っています。
しかしながら、がんがわれわれの日常生活にとって怖い病気であることには変わりはなく、生活上の不安あるいは仕事をする上での不安、さまざまな悩みを抱えて、患者さんやそのご家族が苦労しているというのも現実です。どのような治療を受けられるのかということをはじめ、今日もいろいろなお話がありますが、世間にはあらゆるがんに関する情報があふれています。一言でいえば、正しいがん情報と信頼できる相談先が重要です。

このがん医療フォーラムも第1回は、治療技術がこれほど進んでいるということが話題でした。しかし、今お話ししたような状況を背景にいたしまして、現在では、ご本人とご家族に対して正しい質の高い情報が届き、さらにはその悩みを共有し、あるいは励まし合う、こういう仕組み、すなわち病気を治すだけではなく、患者さんとご家族を支える体制、これを社会全体でいかに構築するのかということが重要な課題になっているといえると思います。

そこで本日はこうした課題について、拠点病院のがん相談支援センター、患者団体あるいは企業などの、がん患者支援現場で活躍されてきた方々にご登壇いただき、講演とパネルディスカッションで議論を深めていただきたいと考えております。
そして本日の取り組みの様子は、これも恒例のことで、後日12月12日と聞いておりますが、読売新聞紙上に紹介されると伺っております。このことによって、より多くの方々にこの課題の重要性が伝わって、安心して暮らしやすい国づくり、その一助となることを願って私のあいさつとさせていただきます。本日はどうぞ皆さまよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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掲載日:2024年01月09日
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