日本内経医学会 | Japan Daikei -Huangdi's Inner Canon- Medicine Study Group

Learning Classics

鍼灸古典を学ぶ

鍼灸の古典を勉強したい方へ。 『素問』『霊枢』を中心に、すぐ臨床に役立つかどうかだけで判断せず、古典そのものを読むためのページです。 日本内経医学会は、『素問』『霊枢』を中心とする黄帝内経・鍼灸古典・医古文を学ぶための会です。 鍼灸古典の勉強会や講座を探している方の入口としても使えます。 初めての方も、読み直したい方も、講座・内経誌・図書・検索ページを使って、自分の学びの入口を選べます。

まず考えること

鍼灸古典の勉強は、まず本文そのものを読むところから始まります

古典の勉強というと、漢文、版本、注釈、医学史まで一度に必要に見えます。 けれども最初は、「言葉を拾う」「章の流れを見る」「一字一句を確かめる」という小さな入口で十分です。 日本内経医学会では、すぐ臨床に役立つかどうかだけで古典を選別せず、本文・版本・注釈・医史学を丁寧に読む姿勢を大切にしています。

学び方

古典は、臨床におもねらず読むことから始まります

『素問』『霊枢』は、鍼灸や東洋医学の根にある古典ですが、現代語の解説書のように一直線には読めません。 章ごとに問題意識が違い、語句の意味も時代や注釈によって揺れます。 だからこそ、まず本文と注釈を丁寧に読み、すぐ使える結論を急がず、少しずつ読み解くことが大切です。

本会の古典教育では、翻訳や訓読にも解釈が含まれることを前提に、原文のニュアンスや錯簡・衍文・誤写などを確かめながら、原典・原文へ向かう姿勢を重視しています。 古典を読むことは、すぐに答えを得るためではなく、古い本文の成り立ち、語句、注釈、歴史的背景を確かめるための長い仕事でもあります。

日本内経医学会では、日曜講座、分科会、内経誌、図書、公開資料、動画、談話室などを通じて、 古典を一人で抱え込まずに学べる入口を用意しています。

『素問』と『霊枢』

鍼灸古典の中心にある二つの入口

『素問』『霊枢』は、黄帝内経を考えるときに避けて通れない古典です。 厳密な書誌や成立論は一筋縄ではありません。学習の入口としても、すぐ治療法へ結びつける前に、二つの書物がどのような問題を扱い、どのような言葉で組み立てられているかを見ることが大切です。

素問

『素問』

後漢時代にまとめられた東洋医学の原典・・・とされています。 生命の本質である泰素について人の身体の健康と病と治療と死をテーマに、黄帝と臣下との問答を通して解き明かそうとした論説集です。 2000年前の書物ですが、現在に至る東洋医学の根本であることは確かで、『素問』と『霊枢』を読まずして東洋医学は語ることなかれ・・・です。

『素問』八十一篇の目次を見る
01 上古天真論
02 四気調神大論
03 生気通天論
04 金匱真言論
05 陰陽応象大論
06 陰陽離合論
07 陰陽別論
08 霊蘭秘典論
09 六節蔵象論
10 五蔵生成
11 五蔵別論
12 異法方宜論
13 移精変気論
14 湯液醪醴論
15 玉版論要
16 診要経終論
17 脈要精微論
18 平人気象論
19 玉機真蔵論
20 三部九候論
21 経脈別論
22 蔵気法時論
23 宣明五気
24 血気形志
25 宝命全形論
26 八正神明論
27 離合真邪論
28 通評虚実論
29 太陰陽明論
30 陽明脈解
31 熱論
32 刺熱
33 評熱病論
34 逆調論
35 瘧論
36 刺瘧
37 気厥論
38 咳論
39 挙痛論
40 腹中論
41 刺腰痛論
42 風論
43 痺論
44 痿論
45 厥論
46 病能論
47 奇病論
48 大奇論
49 脈解
50 刺要論
51 刺斉論
52 刺禁論
53 刺志論
54 針解
55 長刺節論
56 皮部論
57 経絡論
58 気穴論
59 気府論
60 骨空論
61 水熱穴論
62 調経論
63 繆刺論
64 四時刺逆従論
65 標本病伝論
66 天元紀大論
67 五運行大論
68 六微旨大論
69 気交変大論
70 五常政大論
71 六元正紀大論
72 刺法論
73 本病論
74 至真要大論
75 著至教論
76 示従容論
77 疏五過論
78 徴四失論
79 陰陽類論
80 方盛衰論
81 解精微論

霊枢

『霊枢』

『素問』の兄弟のような書物です。 元々は『針経』という書名であったように、特に鍼による治療術についての論文集で構成されているような、いないような。 読めば読むほど味が出てくるスルメの様なもので、一度読んだだけではおそらく何もわかっていないことは確かです。

『霊枢』八十一篇の目次を見る
01 九鍼十二原
02 本輸
03 小鍼解
04 邪気蔵府病形
05 根結
06 寿夭剛柔
07 官鍼
08 本神
09 終始
10 経脈
11 経別
12 経水
13 経筋
14 骨度
15 五十営
16 営気
17 脈度
18 営衛生会
19 四時気
20 五邪
21 寒熱病
22 癲狂
23 熱病
24 厥病
25 病本
26 雑病
27 周痺
28 口問
29 師伝
30 決気
31 腸胃
32 平人絶穀
33 海論
34 五乱
35 脹論
36 五癃津液別
37 五閲五使
38 逆順肥痩
39 血絡論
40 陰陽清濁
41 陰陽繋日月
42 病伝
43 淫邪発夢
44 順気一日分為四時
45 外揣
46 五変
47 本蔵
48 禁服
49 五色
50 論勇
51 背腧
52 衛気
53 論痛
54 天年
55 逆順
56 五味
57 水脹
58 賊風
59 衛気失常
60 玉版
61 五禁
62 動輸
63 五味論
64 陰陽二十五人
65 五音五味
66 百病始生
67 行鍼
68 上膈
69 憂恚無言
70 寒熱
71 邪客
72 通天
73 官能
74 論疾診尺
75 刺節真邪
76 衛気行
77 九宮八風
78 九鍼論
79 歳露論
80 大惑論
81 癰疽

携える古典

持ち歩ける『素問』『霊枢』という考え方

初代会長・島田隆司先生の言葉として、鍼灸師たるもの出かけるときには常に鍼と艾、そして『素問』『霊枢』の二書を携えておくものだ、と語ったことが伝えられています。 この言葉には、古典を本棚にしまっておくのではなく、学びの日々のそばに置いておくべきものとして考える姿勢が表れています。

日本内経医学会で『素問』と『霊枢』をコンパクトな本として作ったことにも、必要なときに開き、持ち歩き、読み返せる古典にしたいという思いが重なっています。 このページでいう「鍼灸古典を学ぶ」とは、鍼・艾・本文を身近に置きながらも、古典をすぐ臨床に従属させず、本文そのものに向き合う学びを指しています。

別建てで考える

「臨床と古典」は別建てで考える

古典と臨床の関係についても、本会では学と術を切り離さず、 しかし特定穴の暗記や即効的な応用だけに古典を回収しない視点を大切にしています。 ここで大切なのは、臨床に役立ちそうだから古典を都合よく読むのではなく、まず古典を正しく読むという順番です。

本会の基本姿勢は、臨床におもねらず、本文・版本・注釈・医史学を丁寧に学ぶことです。 その積み重ねの先に、臨床との接点をあらためて考える余地が開かれます。 そのため、このページでは「古典そのものを読む学び」と「臨床と古典の関係」を分けて扱います。

黄帝内経

『素問』と『霊枢』だけに閉じない学び

一般には黄帝内経といえば『素問』と『霊枢』が思い浮かびます。 しかし当会では、いわゆる『内経』および『内経』系の古医籍、注釈、関連資料まで含めて、 古典医学を広く読み解く姿勢を大切にしています。

「鍼灸 古典 勉強」という入口から来た方には、まず『素問』『霊枢』を手がかりにしつつ、 経脈、刺法、病症、養生、版本、注釈、医史学へ少しずつ視野を広げることをおすすめします。 古典の言葉を、現代の都合に合わせて急いで読み替えず、まず古典として正確に読むことが、日本内経医学会の学びの軸です。

学びの入口

目的に合わせて入口を選ぶ

古典を読み始めたい、講座で学びたい、資料を探したいなど、目的ごとに進みやすいページをまとめました。

基礎から

第一クラス

医古文や訓読の基礎に触れながら、古典を読むための土台を作るクラスです。 漢文に不安がある方は、まず第一クラスで言葉の読み方に慣れると、本文を読む見通しが立てやすくなります。

『素問』『霊枢』

第二クラス

『素問』講義と『霊枢』講義を通じて、本文の解釈を深めるクラスです。 鍼灸古典を継続して勉強し、『素問』『霊枢』の本文を読み進めたい方には、中心的な入口になります。

日程

日曜講座の年間予定

日曜講座、分科会、催しものをカレンダーで確認できます。 受講を考えるときは、まず日程を見ておくと参加の予定を立てやすくなります。

テーマ別

分科会

天回医簡、文字学、粗読の会など、特定テーマで学べる場です。 講座とは違う角度から古典に触れたいときの入口になります。

読む・調べる・見る

講座以外の学びの道具

鍼灸古典の勉強は、講座だけで完結しません。 気になる語句や人物、章名、関連資料を調べながら、少しずつ自分の地図を作っていくことが大切です。 ひとつの語句が、版本、注釈、医史学、そして場合によっては臨床の問題へと広がることがあります。

探す

内経誌目次検索

人物名、キーワード、カテゴリから、内経誌のどの号にどのような記事があるかを探せます。 「素問」「霊枢」「経脈」「鍼灸」などの語句から調べる入口として使えます。

過去記事

談話室検索

談話室の投稿から、古典、版本、データベース、医史学、研究メモなどを検索できます。 研究の周辺情報を拾う入口として便利です。

外部研究

論文検索

研究テーマやキーワードから、CiNii、J-STAGE、国立国会図書館サーチなどの検索入口へ進めます。 古典研究を外部資料へ広げたいときに使います。

迷ったら

よくある質問

漢文が読めない、どの講座を選べばよいか、内経誌はどこから読むかなど、学び始める前の不安を確認できます。

Q&A

鍼灸古典を学ぶ前によくある質問

質問を押すと回答が開きます。

Q. 鍼灸の古典はどこから勉強すればよいですか。

最初は『素問』『霊枢』がどのような書物かを知り、講座や資料で本文の読み方に慣れるのがおすすめです。 いきなり全体を通読しようとするより、章ごと、語句ごとに読み、内経誌や談話室検索で関連する記事を探すと続けやすくなります。

Q. 『素問』講座や『霊枢』講座はありますか。

日曜講座の第二クラスでは、『素問』講義と『霊枢』講義を中心に、本文と注釈を読み進めます。 素問講座・霊枢講座を探している方は、まず第二クラスの内容をご確認ください。 すぐに講読へ入るのが不安な方は、第一クラスで医古文や訓読の基礎に触れてから進むと、黄帝内経の読み方がつかみやすくなります。

Q. 『素問』と『霊枢』はどう違いますか。

大きく言えば、『素問』は身体観、病理、養生、治療論などを広く論じ、『霊枢』は経脈、刺法、鍼灸の実践に近い議論を多く含む書物として読まれます。 ただし両者は切り離して読むものではなく、本文・注釈・成立背景を確かめながら互いに関係づけて理解していく古典です。

Q. 『素問』や『霊枢』の読み方を知りたいときは、何を見ればよいですか。

まずはこのページの八十一篇の目次で全体像を見て、気になる篇名から入るのも一つの方法です。 『素問』目次と『霊枢』目次を並べて見ると、二書の違いや重なりも追いやすくなります。 そのうえで、内経誌目次検索や談話室検索を使うと、「経脈」「営気」「刺法」などのキーワードから関連する論考や過去記事を探せます。

Q. 医古文講座や東洋医学の漢文を学ぶ入口はありますか。

第一クラスでは、医古文を読むための土台づくりや、東洋医学の漢文に慣れるための学びを扱います。 『素問』『霊枢』を読む前に、漢字、語法、訓読、注釈の見方を少しずつ身につけたい方に向いています。

Q. 『素問』や『霊枢』の影印・資料は見られますか。

公開しているもの、販売しているもの、会員向けのものを分けて案内しています。 『霊枢』影印や『霊枢講義』、関連図書、内経誌の目次検索を組み合わせると、本文と資料を行き来しながら調べられます。

Q. 漢文が苦手でも参加できますか。

参加できます。 最初から漢文をすらすら読める必要はありません。 講座や分科会では、本文の読み方、語句の意味、医学的な背景を確認しながら進めます。 不安な方は、まず第一クラスや学び方Q&Aから確認してみてください。

Q. 鍼灸師が古典を勉強する意味はありますか。

日本内経医学会では、古典をすぐ臨床に役立つ技術としてだけ読むのではなく、まず古典そのものとして丁寧に読むことを大切にしています。 その積み重ねが、鍼灸師にとっても、東洋医学を学ぶ人にとっても、身体観や治療観を深く考える土台になります。