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第53回大会報告一覧 印刷用PDFファイル【地域保健】
【地域保健】(一般演題示説H)まとめ
座長:中山 治(三重県津保健福祉事務所)
H−1「肥満およびメタボリックシンドローム構成要素と前立腺特異抗原地植(PSA値)」との関連
近年日本でも増加傾向にある前立腺がんと肥満の関連を、前立腺がんのマーカーであるPSA値とこれまた最近注目されているメタボリックシンドロームとの関連から解析しようとしたものである。結果的には高度肥満者の比率が高い欧米の一部の研究のようには、これらの間に関連は認められなかったが、がん臨床の最前線から現今の健康づくりの最大の課題であるメタボリックシンドロームとの関連の解析を試みた演題が出されたことは、当学会の幅の広がりを示すものと心強く感じた次第である。
H−2「東海地震発生時における保健所の役割について〜地域との連携の試み〜」
日頃から地域の医師会、病院等との関係が深く、一方では防災担当部局と同じ行政機関であるという保健所の強みを最大限に発揮させるべく連携の強化、体制の確認を試みた報告であったが、改めて保健所には多くの関係機関があることとその連携を維持することの重要性を認識させられた。いつ起こってもおかしくないと言われている東海地震であるが、学会の10日余前には新潟県中越沖地震が発生し、東海地方からも保健師等が応援に派遣されている時期でもあって切迫感を一層強く感じた報告であった。
H−3「川合浄水場の新ろ過池におけるマンガン除去対策」
マンガン濃度の高い原水を利用する浄水場におけるマンガン除去対策の試みの報告で、ろ過砂に酸化マンガンをコーティングしたマンガン砂の使用を最小限にしてコストを抑えながらも、マンガン砂の前処理とpH調整によって最大限の除去効果を得ている。安全な水の確保は公衆衛生の原点であるが、関係者の地道な、かつ科学的な取り組みがそれを支えていることを改めて認識させられた。
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