トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

59Taikaihoukoku

第59回東海公衆衛生学会学術大会の報告

(印刷用PDFファイルのダウンロードはこちら)

 1. 大会の概要


平成25年7月20日(土)静岡県掛川市徳育保健センター・小笠医師会館に於いて、大会長を松井三郎掛川市長、『健康を支え、守るための社会環境の整備』をメインテーマとして開催した。事務局は、実行委員長の尾島俊之浜松医科大学健康社会医学講座教授、事務局長の松下きみ子掛川市健康福祉部保健予防課長を中心に、掛川市が運営を、浜松医大が学術を担当した。また、特別講演は、静岡県主催による地域保健従事者研修を兼ねて実施した。大会参加者は216名であり、内訳は、学会員91名、非学会員39名、その他86名、地域別では愛知県56名、名古屋市26名、岐阜県17名、静岡県106名、三重県8名、その他3名であった。
午前は、一般演題発表を行った。口演発表では、『保健活動・予防活動』『メンタルヘルス・発達障がい』『疫学』『感染・医療事故・医療廃棄物』の4分科会について2会場で16題の発表が行われた。大学からの発表が9題、行政機関等からの発表が7題であった。示説発表では、1会場で16題の発表が行われた。大学からの発表が11題、行政機関等からの発表が5題であった。口演発表、示説発表ともに、活動実践者、研究者が集い、互いの立場から活発な議論が展開された。
午後は、総会、特別講演、シンポジウムを行った。特別講演は、東京都健康長寿医療センターの藤原佳典氏に、『世代間交流を通じたソーシャルキャピタルの醸成〜Win-Winの地域づくりへ〜』(座長:鶴田憲一静岡県理事)と題してご講演頂いた。世代間交流の背景から実践例までわかりやすくお話し頂き、参加者にとって、地域づくりにおける世代間交流の持つ意義や重要性について学ぶとともに、今後の実践活動への展開について多くの示唆を得る貴重な機会となった。
シンポジウムは『健康を支え、守るための社会環境の整備』(座長:渋谷いづみ愛知県豊川保健所長、尾島実行委員長)をテーマに、4県1市の5人のシンポジストからご発表頂いた。榛葉馨氏(掛川市健康福祉部地域医療推進課)から「『ふくしあ』の多職種連携による在宅支援〜地域医療と地域包括ケアシステム構築に関わる取り組み〜」、木村ゆかり氏(岐阜県多治見市市民健康部保健センター)から「親育ち4・3・6・3たじみプラン〜地域で育てる親子の絆〜」、松井康晴氏(名古屋市健康福祉局健康部健康増進課)から「がん対策の推進〜企業・団体との連携による普及啓発〜」、長嶋ゆかり氏(愛知県尾張旭市健康福祉部健康課)から「健康都市尾張旭市『協働』をテーマとした地域保健活動」、山本惠一氏(京セラドキュメントソリューションズ(株)玉城工場玉城総務部)から「労働安全衛生マネジメントシステムに基づく安全衛生活動」についてご発表頂いた。公衆衛生、産業衛生におけるシステム構築や理念に基づいた活動、親子保健、がん対策における、絆、連携を重視した取り組みは、それぞれの活動理念と担当者の熱意を基盤として、活動の成果とさらなる展開を期待させるものであった。質疑応答では「首長の関わり」に関する質問に対して、松井大会長より「首長のリーダーシップと決断が大切。それにより職員が積極的に良い形で展開できる」との回答があった。
日本公衆衛生学会から助成金の支援を頂くとともに、大会当日は大会事務局スタッフのみならず、静岡県、愛知県ボランティア、学会事務局関係者等多くの方々の支援を得て大会を終了した。



 2. 参加者へのアンケート調査結果


47名から回答を得た。大会全体の評価は「良かった」79%、「普通」19%、「良くなかった」0%(無回答2%)と概ね良好であり、公衆衛生活動・研究に対する「知識」が向上したと回答した者が91%、「意欲」が向上85%、「自信」が向上74%等であった。回答者の約半数が本学会の学会員、約4割が日本公衆衛生学会の学会員であり、日本公衆衛生学会の認定専門家、あるいは認定を目指している者が約2割であった。

Logoに使った写真の使用については東海4県の観光連盟などの許可をいただいています