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事例紹介

Aさん 70歳代,女性,病名:大腿骨頭壊死症,術式:片側THA

Aさんは、住宅改修によってご自宅の居室間の仕切りや段差をなくし、ワンフロアに近い生活空間をつくられていました。室内のあらゆる場所に椅子を点在させることで、どこででも「安全に椅子座ができる」生活環境が実現されています。椅子座できる場所は、トイレや浴室を含めて合計 11カ所です。

このような積極的な住宅改修の背景には、Aさんの入院中の辛い脱臼経験が活かされていました。「二度と脱臼したくない」というAさんの強い思いが、「絶対に床座しない」「絶対にしゃがみ込まない」環境をつくられたのです。

また、室内に点在された椅子や家具に沿うような形で、Aさんの日々の導線が展開されており、これらは歩行時のちょっとした支えとしても役立つものになっていました。

ご自宅の間取り

ポイント1 身支度

一人掛けのソファでは、オットマンに両足をのせて、あぐらの状態で靴下をはきます。足趾の爪切りも同様の要領で行います。

ポイント2 食事・更衣・休息

ダイニングのテーブルと椅子は、一日のほとんどの時間を過ごす場所です。椅子座面の高さは、小柄なAさんの身体にあわせて調節されています。また、日常的に使用するものは、座ったままでも手が届く範囲に常備されていました。

ポイント3 トイレ

便器の両サイドには手台が取り付けられていて、立ち上がりの動作を助ける仕組みになっています。

ポイント4 身支度

浴槽の高さに浴用椅子の座面の高さを合わせることで、安全・安楽に浴槽内に移動することができていました。また、動作にも十分に注意し、常に健康な足から先に移動することを心がけておられます。

浴槽の中でも椅子を使用され、安全に椅子座できる場を確保されています。

〈参考文献〉 
佐藤政枝,川口孝泰,嶋田寿子,谷和子,中山昌美:人工股関節全置換術を受けた患者の環境移行に関する研究,日本看護研究学会雑誌,28(2),41-50,2005,図3を改変

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