RStudioの基本的な使い方・設定

RStudioの基本的な使い方および設定についてまとめていきます。

画面の説明

インストール直後のRStudioの画面は、大きく3つに分かれています。「Console」は単独で、それら以外のペインは、Tools > Global Options > Pane Layoutで2つの区画に自由にアレンジできます。そこに「Source」ペインを開くことで、4つの区画に分けられますが、配置はほとんど自由に変更できます。

RStudioの画面

Sourceペインの表示

クリックするボタン

左図にある左端のボタンをクリックまたはFile > New Fileとして、「R Script」や「R Notebook」、「R Markdown」などを選択します。

R Script
一般的なRのスクリプトファイルで拡張子は「.R」。
コードとコメントを記述できる。
R Markdown
コードとコメントだけでなく、コードの出力や文章も一緒に記述できるファイルで、拡張子は「.Rmd」。
ドキュメントの生成能力が高く、HTML、ワード、PDF(ただし、別途TeXのシステムのインストールが必要)など様々な出力が可能となっている。
R Notebook
RStudio上でインタラクティブに出力が表示可能なノートブック。
ちょっとした解析などをまとめるときにはこちらの方が手軽で便利。
拡張子はこちらも「.Rmd」。

各ペインの紹介

各ペイン名の後の括弧には移動のためのショートカットキーを記述しています。

Source(Ctrl+1)
Rのコードやコメントを書きためたものをソースコードと呼び(*)、ソースコードを表示するペイン。
Console(Ctrl+2)
直接コマンドを入力・実行したり、Sourceペインに書きためたコードをRで実行したりするペイン。
Sourceペインのコマンド行で、「Ctrl+Enter」とするとコマンドが実行される。
Help(Ctrl+3)
関数などのヘルプを表示するペイン。
History(Ctrl+4)
過去に実行したコマンドを記録しておくペイン。
Files(Ctrl+5)
ワーキングディレクトリにあるファイルを表示するペイン。
Plots(Ctrl+6)
図を表示するペイン。100枚分まで記録できる。
Packages(Ctrl+7)
インストールされているパッケージを表示するペイン。このペインからパッケージのインストールアップデートが可能になっている。
Environment(Ctrl+8)
読み込んだデータセットや作成した変数など、現在のワークスペース上にある環境を表示するペイン。

*: Rに限らず、一般にプログラミング言語のコードを書きためたものをソースコードと呼ぶ。R Markdownでは、普通の文章も一緒に書き連ねることができます。

Global Options

Tools > Global Optionsで、RStudioのさまざまな設定を行います。全てを説明するのは大変なので、自分が行っている設定のうち、実際にやっておかないと本当に困る項目だけを記述しておきます。

General
「Save workspace to .RData on exit:」は「Never」としています。
Code
Savingタブでは、「Default text encoding」を「UTF-8」にしています。
Packages
「CRAN Mirror」を「Japan(Tokyo)[https]」にしています。

プロジェクトの作成・利用

プロジェクト
一連の統計解析で共有することになるいくつかのファイル群をまとめて扱い、ワーキングディレクトリや履歴も一緒に保存してくれるもの

「なぜRStudioを使うのか?」と言われると、「プロジェクトを管理してくれるから」と答えるほど、RStudioを利用する上で、重要な機能です。Gitとの連携やR Markdownの利用といったRStudioの便利機能のほとんどが「プロジェクト」を利用することを前提にしています。

プロジェクトの作成

  1. 複数のプロジェクトをまとめるフォルダを作成しておく。
  2. RStudioのウィンドウの右上にある「Project: (None)」をクリック > 「New Project」を選択、
    または「File」 > 「New Project」を選択
  3. 「New Directory」を選択
  4. 「Empty Project」を選択
  5. 「Directory name」にプロジェクトの名前を記入し、「Create project as subdirectory of」に最初に作成したフォルダを選択し、Create Projectをクリックする。
  6. RStudioのウィンドウの右上にある「Project: (None)」が「project名」になっていれば成功

プロジェクトフォルダを使いやすくする

ここに書かれてあることは、個人的に使いやすくするためのメモです。

  1. データ用フォルダ「data」をプロジェクトフォルダの中に作成する。

いくらプロジェクトがフォルダでまとまっていても、データファイルとスクリプトファイルは分けていた方が見やすくなります。かといって、スクリプトファイルまでフォルダに入れていくとせっかくのプロジェクトが使いにくくなります。データだけでも分けておくと少しだけフォルダの見通しがよくなります。

プロジェクトの利用

プロジェクトは、RStudioが管理しやすいように作られたフォルダです。RStudioを使うのであれば、気軽に使っていきましょう。個人的には、「メモ集」、「講義資料」、「論文や学会発表」など、それなりに小さな単位でプロジェクトを小分けに作っています。

プロジェクトを利用するメリット

gitとの連携
Rのスクリプトはテキストファイルですので、gitでの管理は非常に相性がいいです。RStudioからもgitを操作することができます。
Rマークダウン
Rマークダウンを使って、レポート形式(HTML、Word、PDF)に出力する際は、プロジェクトを作っていないとうまくいかない場合がよくあります。
ワーキングディレクトリの切り替え
プロジェクトは右上のプルダウンから簡単に切り替えが可能です。プロジェクトを切り替えると、同時にワーキングディレクトリも切り替えられるのは便利です。

ちょっとした小技

RStudioのちょっとした小技を紹介しておきます。

func(dat[val.1 > 0])

上のコマンドに対して、以下の通りの小技が利用できます。自分で試して、実感してみてください。かなりコーディングが楽になると思います。

括弧の外側でダブルクリック→括弧を含めた引数全体が選択されます。
( や [ の前、または ) や ] の後ろでダブルクリックすると、 () や [] を含めた引数全体が選択されます。
[ の前をダブルクリックすると、 [val.1 > 0] が選択されます。
括弧の内側でダブルクリック→括弧を含まない引数全体が選択されます。
( や [ の後ろ、または ) や ] の前でダブルクリックすると、 () や [] を含まない引数全体が選択されます。
[ の後ろをダブルクリックした場合、 val.1 > 0 が選択される。
オブジェクトの上でダブルクリック→オブジェクト名だけが選択されます。
val.1のように間にピリオドが入ったようなオブジェクトでも大丈夫です。
括弧で囲む
オブジェクトを選択した状態で、 ( や [ を入力すると、選択範囲を () や [] で囲ってくれます。
トリプルクリック以上
トリプルクリックは行全体を選択します。
クリック×4はファイル全体を選択します。