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ご挨拶

認知神経科学会 理事長 杉下 守弘 人の思惟は外から内へ向かうといわれている。西洋哲学は物質の世界に注意を払ったタレスやヘレクレイトスに始まり、やがてソフィストといわれる人々により、外的に物の世界を注視するよりも、むしろ内的に己れ自身の本性や思想を注視するようになった。そしてそれは「汝自身を知れ」と主張するソクラテスに継承された。科学もまた外から内へとその歩みを進めている。20世紀までの科学は木や石そして星など外的事物について多くのことを解明した。21世紀の科学は外的事物から「人間の精神」への傾斜を深めていくと思われる。19世紀初頭に始まる大脳部分損傷症例の研究は脳と精神の関係について多くのことを明らかにしてきた。さらに、1980年代後半に始まった陽電子放出断層撮影法(PET)、1990年代に登場した機能的磁気共鳴画像法(機能的MRI)などにより脳と精神の関連がさらに明らかになると期待されている。

  このような時期にあたり、脳と精神の関連を明らかにすることを目的とする「認知神経科学会」(Japanese Society of Cognitive Neuroscience)の意義は大きい。認知神経科学(cognitive neuroscience)という用語は精神あるいは心の神経科学という意味であり、1980年代後半から多用されるようになってきた。21世紀を視界にとらえたこの用語にふさわしい内容を盛り込んだ学会になることを望みたい。

  学会が取り扱う内容は、大脳損傷例の病巣と症状を関連づけていく神経心理学の研究はもとより、機能的MRI、PET、脳波、脳磁図などにより、脳と精神の関連を明らかにしていく研究である。そして、脳と精神の関連という問題を究明していく上で有用な心理学、脳解剖学、神経学、精神医学、リハビリテーション学の研究も包括していきたい。また、認知神経科学は研究のための研究ではなく、実際の臨床に還元できる実学である必要がある。リハビリテーションや教育への応用も視界に入いるよう願っている。

認知神経科学会 理事長 杉下 守弘

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