診尺
- 医経
- by shenquzhai
- 2010/03/15
『霊枢』論疾診尺篇に,
まず後のほうを検討する。「麄」は「麤」の異体字で,つまり「粗」と同じだが,ここでは「廉」の形近の誤りであろう。『甲乙』にはそうなっている。「蟲」を多紀元簡は「熱」の誤りではないかという。だとすると,「腸」もまた「腹」の形近の誤りではないか。「腸」の異体字に「膓」という書き方がある。つまり「腹中有熱」である。
それにしても,脈診で寸口を関(茎状突起)で区切って身体を配当するのは,『難経』が初めであり,『素問』、『霊枢』には寸口の脈だけを診て病の所在する部位を知ろうとするのことは未だ無いように思う。してみると,尺膚診で上肢に身体を配当しようとする試みのほうが早いことにはならないか。肘関節が腰より上で,腕関節が腰より下で,肘から腕は腰そのものや腹……?
肘所獨熱者,腰以上熱;手所獨熱者,腰以下熱。肘前獨熱者,膺前熱;肘後獨熱者,肩背熱。臂中獨熱者,腰腹熱;肘後麄以下三四寸熱者,腸中有蟲。とある。
臂中獨熱者,腰腹熱;は対を為すと考えたい。
肘後麄以下三四寸熱者,腸中有蟲。
まず後のほうを検討する。「麄」は「麤」の異体字で,つまり「粗」と同じだが,ここでは「廉」の形近の誤りであろう。『甲乙』にはそうなっている。「蟲」を多紀元簡は「熱」の誤りではないかという。だとすると,「腸」もまた「腹」の形近の誤りではないか。「腸」の異体字に「膓」という書き方がある。つまり「腹中有熱」である。
臂中 獨熱者,腰腹熱;「臂」を普通の漢和辞典は肩から腕までと説くが,『説文』には「手上也」とある。だったらより詳しくいうときは二の腕ではないか。肘の後廉以下三四寸と上下に対になる。「腰腹熱」の「腹」は衍文かもしれない。ただし,腰と腹は上下の関係ではなく,前後の関係のはずである。臂中は肘から腕までの中ほどの陰側,肘後廉以下三四寸はそのあたりの陽側というつもりかもしれない。しかし,そうすると肘の前後で膺前と肩背を判断しようとする話とは逆になってしまう。
肘後廉以下三四寸熱者,腹中有熱。
それにしても,脈診で寸口を関(茎状突起)で区切って身体を配当するのは,『難経』が初めであり,『素問』、『霊枢』には寸口の脈だけを診て病の所在する部位を知ろうとするのことは未だ無いように思う。してみると,尺膚診で上肢に身体を配当しようとする試みのほうが早いことにはならないか。肘関節が腰より上で,腕関節が腰より下で,肘から腕は腰そのものや腹……?
Comments
肘で腰以上,その前なら膺(むね),後なら肩背で,つまり腰以上,
手で腰以下,この後文の掌とか,魚の白肉が悩ましいけれど,こちらは腰以下に腰あたりも含めて,掌の腹中とか魚の白肉の胃中の中は内部で,手は甲で外部,とご都合主義を繰り広げて,
臂は『霊枢』経筋篇を盾にとって,『説文』に反逆して,肘関節と腕関節の間ということに……。
あ,それから肘の後廉以下三四寸のところが熱するのは,やっぱり腸中に虫がいるのかも知れない。
①うで。かいな。(ア)肩のつけねのところからひじまで。にのうで。(イ)肩から手首まで。②ひじ(ひぢ) ③動物の前足。
と載っていました。