靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

右手に酒杯

 晋の畢卓が、「一手に蟹螯を持ち、一手に酒盃を持ちて、酒池中に拍浮すれば、一生を了るにたる」と云ったと『世説新語』に載っていて、天晴れ酒飲みの蟹好きの名言と思っていたけれど、『酒牌』の解説によると、『晋書』の畢卓の伝には「得酒滿數百斛船,四時甘味置兩頭,右手持酒杯,左手持蟹螯,拍浮酒船中,便足了一生矣。」とあるらしい。「右手に酒杯を持ち」なんですね。
 酣酣斎酒牌にはもう一つ別の話が使われている。畢卓が吏部郎だったとき、隣の同僚の家が新たに酒を醸したのを知り、夜間忍び込んで盗み飲みをして、案の定、酒庫の番人に縛られた。朝になって、隣の畢吏部であるのがわかったから、釈放されたのだけれど、今度は主人を甕の側まで引っ張っていって、べろんべろんになるまで一緒に飲んだ。

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