靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

羊頭狗肉

羊頭狗肉の意味は誰しも知っているわけで,それが中国の古い言葉であるからには,中国でも古くからヒツジの肉は上等,イヌの肉は下等というのが常識だったわけだけど,魯智深が行脚の僧を装って,煮込み肉を肴に酒を飲もうとしたときに,イヌ肉だから坊さんは喰わないだろうと思われて出してもらえなかったのは,あっちのほうに効くものという連想らしいから,羊頭をかかげた店で狗肉を供されて,かえってニコニコという場合だってあるだろう。
そもそも多くの日本人は,ヒツジは臭い,と敬遠する。どっちをかかげたって同じこと。羊頭牛肉とでもいわなきゃ。だけどそれでは逆の意味になるから,牛頭羊肉ですかね。でも,中国人にとってはそれこそ「すきずき」だろう。牛頭狗肉としたところでやっぱり,愛好家には通じない。

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