靈蘭之室 茶餘酒後

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逆順肥瘦

『太素』卷9脉行同異
歧伯曰:衝脉者,十二經之海也,與少陰之大胳起於腎下,出於氣街,循陰股内廉,耶入膕中,循脛骨内廉,並少陰之經,下入内踝之後,入足下;其別者,耶入踝,出屬、跗上,入大指之間,注諸胳以温足脛,此脉之常動者也。
【楊】少陰正經,從足心上内踝之後,上行循脛向腎。衝脉起於腎下,與少陰大胳下行出氣街,循脛入内踝,後下入足下。按『逆順肥瘦』「少陰獨下」中云:「注少陰太胳。」若爾,則衝脉共少陰常動也。若取與少陰大胳俱下,則是衝脉常動,少陰不能動也。

最初に思ったのは,「少陰獨下」の下の「中」は「注」の誤りではないか,でしたが,よく考えてみると,『太素』に逆順肥瘦なんて篇は有ったかね。そこで調べてみると,少陰だけが下るという経文は,『太素』では巻10の衝脈に有りました。

黄帝曰:少陰之脉獨下行,何也?
歧伯曰:不然。
【楊】齊下腎間動氣,人之生命,是十二經脉根本。此衝脉血海,是五藏六府十二經脉之海也,滲於諸陽,灌於諸精,故五藏六府皆稟而有之,是則齊下動氣在於胞也。衝脉起於胞中,爲經脉海,當知衝脉從動氣生,上下行者爲衝脉也。其下行者,雖注少陰大胳下行,然不是少陰脉,故曰不然也。
夫衝脉者,五藏六府之海也,五藏六府皆稟焉。其上者,出於頏顙,滲諸陽,灌諸精;
【楊】衝脉,氣滲諸陽,血灌諸精。精者,目中五藏之精。
其下者,注少陰之大胳,出之於氣街,循陰股内廉,入膕中,伏行䯒骨内,下至内踝之屬而別;其下者,並於少陰之經,滲三陰;其前者,伏行出跗屬,下循跗入大指間,滲諸胳而温肌肉,故別胳結則跗上不動,不動則厥,厥則寒矣。
【楊】脛骨與跗骨相連之處曰屬也。至此分爲二道:一道後而下者,並少陰經,循於小胳,滲入三陰之中;其前而下者,至跗屬,循跗下入大指間,滲入諸陽胳,温於足脛肌肉。故衝脉之胳,結約不通,則跗上衝脉不動,不動則腎氣不行,失逆名厥,故足寒也。

で,「注少陰太胳」に相当する句は,経文として有ります。従って「中」は「中」で良いことが分かりました。問題は逆順肥瘦のほうで,『太素』には,と言っても現存する抄本中にはということですが,そんな篇は無い。衝脈という篇に在って,その篇は『霊枢』では逆順肥瘦に相当します。つまり,楊上善は『霊枢』の篇名で引用しているみたいなんです。変じゃないんですかね。それはまあ,引用書の中に本輸というのは有ります。でも『太素』にも本輸という篇は有ります。九巻本輸と九巻終始というのも有ります。でも,これは書名を冠しています。

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