靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

簡体字本太素

学苑出版社から中医古籍校注釈訳叢書の一冊として,またまた『黄帝内経太素(附黄帝内経明堂)』というのが出ましたね。点校者は李雲さんです。
しかしこの人,どういう神経の人なんですかね。2000年8月に王洪図さんと連名で『黄帝内経太素』増補点校を出し,2005年5月にはその修訂版を出し,2006年3月には銭超塵さんと連名で『黄帝内経太素新校正』を出し,2007年6月には自分の名前で点校を出す。たゆまぬ努力と言えば聞こえは良いけれど,今度の本なんかは実のところ『黄帝内経太素新校正』の簡体字版にして脚注省略版に過ぎないんじゃないか。まあ,自分だって校正者の一方なんですから,問題無いと言えば無いんですがね。当然のことだけれど,私がしつこく指摘した「状態の良い影印を見れば分かるはずの誤り」はそのままです。
でも,私は購入しましたし,人にも勧めますよ。これにBLOG「太素を読む会」の情報を書き込んで真っ赤にすれば,携行にも適した現在のところ一番ましな『太素』にはなる。
ことわっておきますが,『黄帝内経太素新校正』の代用にはなりません。衍誤奪倒を訂正するに際して,理由説明は一切省略してますからね。そうでもしなけりゃ『明堂』も附けてA5版456頁という訳にはいきません。

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