靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

公平に見て

自決命令が出ていたとすれば無惨であるに違いないが,命令されもしないのに自決しなければ無惨なことになると思いこんで自決していたとしたら,なおさら無惨である。
強制的に従軍慰安婦にしていたのは非道であるに違いないが,強制的に鉄砲を担がされて憎くもない人を殺しに行かされたのが非道でないわけではない。前者のほうが後者よりもさらに非道であるとしたら,戦後の社会に受け入れてもらえたかどうかも関わってくる。白い眼で見ていた同胞たちも,非道でないわけではない。
拉致事件は解決済みとする主張に納得できるわけがないが,戦後処理問題は解決済みとする主張にだって納得できるわけがないだろう。
仲間の釈放を求めて人質を取り,あまつさえ殺害することを許せるわけがないが,爆弾、銃弾を雨霰と注がれる人たちに,傷つける人と,その傷を癒しにくる人は別だと言い,とにかく話を聞けと叫んだって,多分無理であろう。彼らにしてみれば仲間だって同様に生命の危機に瀕している,一刻の猶予もならない。残念ながら,彼らの危惧も多分当たっている。許せるわけがないだろう。

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