靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

お言葉ですが

「自分の思い上がりと失敗を誇張して書き,それによってよみての笑いをさそおうとしているのである」というのは確かにその通りであろうが,「フザケ文の調子で書いてある」というのはどうだろう。やっぱり荘重に書いて内容とのギャップで笑わそうとしたのではないか。だとすれば,「余兒時誦唐宋數千言」は「余児たりし時,唐宋数千言を誦し」と訓読するほうが作者の思惑に近く,「我輩ガキの時分より,唐宋二朝の傑作名篇,よみならつたる数千言」と巫山戯たのでは,カラクリの大半を失うのではなかろうか。そもそも荘重そうな漢文は荘重な気分で読まなければならぬ,と思いこんでいるほうが頑ななのであって,喜劇はドタバタしていなければならぬ,と思いこむほうが田舎者なのであって,まじめくさってまじめそうな台詞を吐くほうがよっぽど可笑しい,と知らないわけは無いんだけど。

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