靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

一年の始まり

 日本では、四月から新たな年が始まるような気分が有る。入学式はその最大の理由だろうし、桜の満開がそれを後押ししている。
 また、正月から年が始まるにしても、旧暦のほうが良い、つまり春節こそ本当の正月と考える中国人に、共感する人もいる。新暦の一月一日では、とても初春とは思えない。
 これらは、一年は春から始まるという考えである。
 しかし、純粋に陰陽説に則って考えるならば、陰が極まって一陽が生じる冬至こそが年の始まりに相応しい。一年は冬の真っ直中に始まる。
 だから、『霊枢』順気一日分為四時篇に、冬は井を刺し、春は滎を刺し、夏は輸を刺し、長夏は経を刺し、秋は合を刺すと言っているのは、まったく相応しい。出る所を井と為し、溜まる所を滎と為し、注ぐ所を輸と為し、行く所を経と為し、入る所を合と為すのとも、ぴったりあっている。

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