靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

第三輸ふたたび

 第三輸は第五輸の誤りという説が有るそうです。その説の内容が分からないので、本来は何とも反論のしようが無い。だから、以下は想像しながらの難癖です。
 そもそもここのところの楊上善の注には変なところが多いのだけれど、先ず最初に第三の輸が特別な価値を有していると言っているのは良い。つまり、五蔵にあっては井滎輸経合の三番目の「輸」が即ち原穴となる。ただし、六府にあっては「井滎輸経四穴之後,別立一原」と言い、「六府以第四穴為原」と言う。これがそもそも変で、四穴の後に別に立てるのであれば、第五穴を以て原と為すと言うべきでしょう。本輸の記述からすれば「井滎輸経四穴之後」が「井滎輸三穴之後」の誤りのはずです。
 また、楊上善が第五輸という詞語を用いるのはここだけで、そもそも五輸は五つの輸であって、五番目という意味で言われた箇所は無いはずです。当然、五番目だから大事であるという発想も無さそうです。
 勿論、第五輸であると言っただけで、別に特別に大事だなどとは言ってない、という考え方も有り得ます。「疾高」だから本輸の一番上を指示したんだと。でも、そうだったら「而内者」のほうは「太陰第五輸陰陵泉」で良いとしても、「而外者」のほうは「少陽第六輸陽陵泉」と言うべきではないのか。

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