教授挨拶

今、実感として求められている理念を挙げるとすれば、「美しさ」よりも「たくましさ」ではないかと思います。  

 杏林大学脳神経外科学教室の活動をまとめたHPをご覧いただきありがとうございます。冒頭に当たりまして、皆様方の本教室に対する日頃のあたたかいご支援に感謝申し上げますとともに、本年も従来と変わらぬご指導をお願い申し上げます。

  昨今の我が国の医療をめぐる情勢は、、、と書き出しますと、その先を読まずして少子高齢化と人口減少、日本経済のさらなる縮小、保険診療のマイナス改定、医療介護総合確保推進法の制定と地域医療構想の旗印の下での病床再編など、懸案・課題が止めどもなく想起されてまいります。さらに広く目を外へ向ければ世界情勢はますます混沌としており、日々のニュースでこのような時代に生きていかなければならないことをしばしば思い知らされるのが日常化しています。しかし愚痴ばかりつぶやいていても生産的ではありません。診療・教育・研究を使命とする大学の脳神経外科教室としましては、目の前の患者さん一人一人に最善の治療を行い、次世代の医療者を育成しつつ新たな情報発信を地道に続けていくこと以外に王道は無いと認識しています。
 2015年の杏林大学脳神経外科学教室すべての活動がこのHPに凝集されております。従来より当教室の中核的疾患と位置付けて取り組んでまいりました脳卒中診療は、一昨年の平野照之脳卒中医学教室教授の着任が世界的な急性期血栓回収療法のブレイクスルーと機を一にしたこともあり、大きなインパクトがありました。国内屈指の包括的脳卒中センターを目指して、引き続き全力を挙げて取り組んでまいる所存です。脳腫瘍手術は年間90件程度でしたが、永根基雄教授の指導力のもと多くの化学療法が絶え間なく遂行されており、国内の悪性脳腫瘍治療の拠点の一つに成長したものと思います。
教室を担当して13年目となりましたが、例年、本欄で述べさせていただいておりますように、診療の姿勢や教室のあり方に杏林大学と塩川の個性を反映させるとすれば、やはり根本の理念には「誠実さ」しかないのではないかと考えています。「まごころの医療」を実践し、これを将来にわたり持続できる体制を文化として構築するのが変わらぬ教室のミッションであると認識しています。
終わりにあたり皆様方のご健勝を祈念し、本年も私ども杏林大学脳神経外科教室へのご指導、ご鞭撻を賜りたく重ねてお願い申し上げる次第です。


2016年1月 塩川 芳昭

杏林大学医学部 脳神経外科 教室主任・診療科長 塩川芳昭

 

こちらもご覧ください

脳神経外科速報2007年12月
脳神経外科2010年9月
鉄門だより 2012年1月

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