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こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

98年9月中旬号

ゴンタザエモン沼袋老人が朗読したドイツ語の詩:
ダス トモネ
ハインリッヒ・ハイネ
イッヒ アッテ アイネ メッチェン アルヒハイデルベルヒ。 ウント ヒトメボレルン ダス メッチェン、 ヤーボール ツレコムシュタット ヤス ホテルン。イッヒ オシタオシテーン ウーバー フートンシーテン、 ウント トリンケン パンティッヒ。 イッヒ フンバルト ディッヒ ノケゾルレン ウーバー マットレス、 ウント ゲザークト コンメコンメ イッヒ モルテ。 アイン ツバイ ドライ クリカエシテット ダス メッチェン ナキダシテン、 イッヒ ヤバイケン ニゲタッテン。 バッテン メッチェン=ムッター ソク コンメ、 ウント セマリケン ハイラーテン。 ……マイン カンプ エンデ。
(『吉里吉里人』、上巻445頁)


9月中旬の主な話題


今月の15日でウェブサイト開設二周年なので、 今年もアンケートを作ってみた。 手のあいたときにお答えください。(09/01/98)


何か一言


09/11/98(Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

ちょっと論理学の勉強。判断の種類について。


ソファで爆睡。うう。よく寝た。うう。勉強せねば。


喫茶店でモーニング。某師匠も来られる。少年誌批評。 積年のコピー代(4ヶ月分くらい)を一括返済する。 今月も倹しく生きる決意を固める。


昼下がり

ベンタムの勉強。


夕方

ベンタム読書会@某研究室、終了。 お邪魔してすみません。


何か一言


09/12/98(Saturday/samedi/Sonnabend)

昼下がり

昨日は夕方にルネ(京大西部の生協)でキムチ冷麺などを食べたあと、 某古本屋に寄ってから (ハヤカワ文庫がごっそり始末されていた!--チェーンの他の店に移動したのだろうか)、 下宿へ戻った。

残ってたごはんをお茶漬けにして食べた後、 一旦寝ようと思って床に就いたのだが、 ウインダムの『さなぎ』を読み始めたら止まらなくなってしまい、 結局真夜中まで起きていた。

明け方に目が覚めて、朝までかかって『さなぎ』を読み終えた。傑作。 ウインダムはこれまで読んだ作品のどれもかなり良く書けている。

それからまたお昼すぎまで寝てしまう。 ビジネス英会話を聴きつつそうめんを食べてから、研究室へ。


夕方

ベンタムの勉強を少し。あ〜、修論修論。 ちょっと某研究室に御邪魔する。


ベンタムの勉強。うう。修論。

ああ、いろいろな〆切が迫ってくる。恐いよ〜。恐いよ〜。


何か一言


09/13/98(Sunday/dimanche/Sonntag)

昼下がり

昨日は、某定食屋で夕ごはんを食べた後、 下宿に戻って勉強。

真夜中に、『スクリーム』を見ようと思い立って、 ビデオ屋さんに行ったのだが、あいにく借り出し中だったので、 代わりに『トレインスポッティング』を借りた。なかなか。

下宿に戻ってそれを見終えてから、睡眠。 お昼過ぎまで寝てしまう。 起きてから、シリアルを食べて風呂で頭を洗って、 ついでに自分で髪を切ったりなんかして、研究室へ。


バンドの練習終わり。それから4人で某所で夕ごはん。 ガーリックライスの大盛りを食べる。うっぷ。


ウインダムの『さなぎ』と、 『トレインスポッティング』の感想。 あまり集中して書かなかったので、変な文章になっている恐れあり。


何か一言


09/14/98(Monday/lundi/Montag)

真夜中

う。ゲーセンに行ってしまった。行かないって宣誓したのに…。 それから、某古本屋に。


今日は、夜明けごろに寝て、午前中に廃品回収車のアナウンスによって起こされる。 シリアル。洗濯。ベンタムの勉強。そうめん。夕方の仮眠。起床。大学へ。


何か一言


09/15/98(Tuesday/mardi/Dienstag)

昼下がり

昨日は、某所で買物をしてから下宿へ。 夕ごはんは、 さつまいも入りみそ汁(ちょっと薄かった)。 野菜炒め。冷奴など。 食後にアイスクリーム。くずまんじゅう。

それから勉強。

真夜中に寝て、明け方にふと目覚める。 すぐに寝ようと思ったのだが、 修論のことを考えていると冷汗が出てきたので、 すこしベンタムの勉強。

ベンタムによれば、 「あることが義務である」という主張と、 「あることが行なうべきである」という主張は、 別の外在的基準によって裏付けられるものであるため、 両者をはっきりと区別しなければならない。 しかし、『イングランド法註釈』において、 ブラックストーンは両者を混同しており、 そのことはベンタムの『統治論断片』における批判の一つとなっている。 この点をきちんと論じている論文にまだお目にかかったことがないので、 もうちょっと掘り下げて論じてみたいのだが、 う〜ん、まだちょっと目算が立たない。 とりあえずレジメ書くか。それとも二次文献を漁るべきか。

それから昼寝。ずいぶん寝てしまった。 参考文献の引き写しみたいな中途半端なレジメを皆の前で読んでいる夢を見た。 恐るべし。

起きてから研究室。いろいろ持ち帰る準備。 今後は下宿に活動の舞台を移すつもり。

大先生からCGIを使ったメイルが来て驚く。ううむ。


夕方

某E研で倫理学入門読書会の予習。やたらと蒸し暑い。


う。またゲーセンへ。 それから某古本屋へ。

腹減った。


あ。今日でちょうど二周年か。 アンケートまだの方、 よかったらお答えください。


09/16/98(Wednesday/mercredi/Mittwoch)

お昼

昨日は、某お好み焼き屋にて夕ごはん。 それから下宿で勉強。 真夜中になったので寝ようと思ったが、 ジョー・ホールドマンの『終わりなき戦い』 を読み出したせいで夜明けまで起きていた。

眠かったが午前中に起床。喫茶店。ルネでビジネス英語のテキスト購入。 某E研。 途中、雨に降られる。


何か一言


09/17/98(Thursday/jeudi/Donnerstag)

夕方

昨日は、某所で買物をしてから、昼下がりに下宿へ。 それから、 アンソニー・クイントンのUtilitarian Ethicsを読んで批判の文章を書く。 もしかしたらこれが論文の前書きあるいは一部になるかも。 いきあたりばったりだなあ。 しかし、人の批判をする文章を書くのは楽しい。 ベンタムの解説をしようとするからだめなんで (まだベンタム離れできていないからたいした批判ができない)、 どんどんベンタム研究者の解釈にけちをつけていけば良いのだ。

しばらく仮眠した後、夕ごはん。 うどん(失敗--薄すぎ)。 かぼちゃの煮付け(薄い)。 大根と昆布のサラダ(大失敗)。 等々。 今回の夕ごはんはずいぶんまずかった。うう。

真夜中すぎまで勉強して、お昼過ぎまで爆睡。寝すぎ。 それから昼下がりまでかかって 『終わりなき戦い』読了。 風呂、喫茶店、某E研。


真夜中

倫理学入門読書会(「普遍的指令主義」その2)終わり。 その後、 某師匠大人についていって夕ごはんをごちそうしてもらう。 感謝。


何か一言


09/18/98(Friday/vendredi/Freitag)

お昼

昨夜は某E研に御邪魔した後、下宿へ。 夜半まで勉強して睡眠。 指名手配犯に人質にされて銃をつきつけられるという恐い夢で目が覚める。 某郵便局で速達を受けとり、 喫茶店に寄ってから登校。


お昼過ぎ

あはは。「おれも脱ぐからおまえも脱げ」 ってのは笑えるなあ(朝日新聞の記事: 東京都葛飾区の中学教諭のセクハラ発言)。 「おれも脱ぐから」は理由になってないっつーの。 この推論は、省略三段論法で、詳しく書くと、

となってると思うんだけど、 この「おれがやることはすべて、おまえもやるべきだ」って隠れた前提はなんなんだ。 おれも死ぬからおまえも死ね。 おれが飲むからおまえも飲め。 おれがタバコ吸うからおまえもタバコ吸え。 …あ、だんだん腹が立ってきた。 おれとおまえは欲求(選好)の対象が違うんだっての。 変な平等主義の形でおまえの欲求をおれに押しつけるなっ。がああっ。

夕方

某E研でベンタム読書会。

ところで、さきほどの「おれも脱ぐからおまえも脱げ」に対しては、 「おれも服着てるからおまえも服を着てろ」と応答できる。 (朝日新聞のサイトのニュース速報のとこにあったんだけど、 今見るともうないみたい)


何か一言


09/19/98(Saturday/samedi/Sonnabend)

昨日の夜は、某師匠と某所でお好み焼き。 今後の倫理学の展望について熱く語る。


ハードボイルドな物語

下宿に戻ってシャワーを浴びていたら、 浴室の壁に巨大な黒い物体がごそごそ。

何だ? まさか…。

眼鏡を外していたので、不吉な思いを胸によぎらせながら、 近づいて目を凝らしてみると、誰あろう、やはりにっくきゴキブリ。 扉のところに張りついているので、彼(女)が死ぬか、 おれが当分浴室から出ないかのいずれか(選言判断)である。 当然両者が共に真であることはありえない。あるはずがないのである。

などと考えながら、臨戦状態のままとりあえず手早く体を流す。 途中、彼(女)はこそこそと上に這い上がって逃げようとするので、 シャワーの水を手に受け、それをぴぴぴっとかけてくい止める。

さて、ようやく準備ができたので、おれはお湯を熱くし、 風呂の椅子の上に立った。 しばらく深呼吸して精神を統一したあと、 意を決しておもむろに彼(女)をシャワー攻撃。 予定は彼(女)を排水口に追い詰め、そこで溺死させるか、 だめな場合は外の洗面所にある洗剤を使ってとどめを刺すかである。

第一段階は成功。彼(女)は一瞬飛びそうになったが、 ずるずるずると下に落ち、 シャワーの水圧にこらえ切れず、 流されて排水口の上に釘付けになった。 しかし、 1分ほど水攻めにしていたが、 あまり死ぬ様子はない。 仕方ないので最終手段とばかりに、 シャワーを排水口に向けたまま扉を開け手を伸ばして洗剤を手にとる。

くく。くくくく。くっくくくくくくく。もうこれでこっちのものだ。 きさまに明日はない。残念だがここで死んでもらおうか。

とさすがに口には出さないものの、 心の中でセリフをつぶやいて(洗剤の)引き金を押す。 プシュ。 泡が出る種類の洗剤なので、一撃では死なない。 プシュ。プシュ。 プシュプシュ。 プシュプシュプシュ。 プシュプシュプシュプシュプシュプシュ。 …。

人差指が疲れるまでしばらく連射した後で様子を見ると、 彼(女)はもはや呼吸をしていないようだ。 蘇生する可能性がないかどうか30秒ほどじっと様子を見て死亡を確認した後、 おれはシャワーを止め、大手を振って浴室から出た。

……。空しい。すべては空しい。 バスタオルで身体を拭きながら、 おれは彼(女)のために南無阿弥陀仏を三度唱えた。 もちろん心の中でだが。


それから勉強。

真夜中に、ふと思い立って、 『スクリーム』を借りようとビデオ屋さんに行ってみたが、 また貸出中だったので、 代わりに『死霊のえじき』を借りた。 夜明けまでかかって観たが、恐かった。観るんじゃなかった。 あまりに恐かったので、部屋の一階の窓を全部閉めたが、 すぐに暑くなったので少し開けた。恐い。

それから昼下がりまで爆睡。 起きてから夕方までローゼン氏の功利原理に関する見解について検討。 レジメを書く前に、あと、ハートとケリーの見解について考えなくては。 しかし、そろそろ科哲の夏休みの宿題に手をつけなくてはならない。うう。

その後、ビデオ返却。ちょっとゲーセン(不調)。某E研。


う。一時間遅れでバンドの練習に行ったと思ったら、 すでに一時間前に終わっていた。う。まずい。


何か一言


09/20/98(Sunday/dimanche/Sonntag)

夜中

昨日は、下宿に戻ってから夕ごはん。 にらともやしのたまご炒め。 大根とさつまいものみそ汁。 お豆さん(ひじき入)など。 科哲のレポートのために相対性理論の入門書をパラパラ読む。

夜明けまで科哲の勉強をして、 その後お昼前までかかって、 ハインラインの『銀河市民』を読了。 昼下がりまで睡眠。 洗濯物を干して、大学でバンドの練習。

バンドの練習の後、 みんなと四条の「バドワイザーカーニヴァル」というところで夕ごはん。 ここは、アメリカンスタイルの居酒屋で、 バドワイザーの水着をつけているいわゆるバドガールなる女性たちが ウェイトレスをしている。 また、外国人のバンドの生演奏もある。

その後、友達と二人で三条のゲーセンに寄り、 別れてから京阪で大学へ。無一文になる。

さ、勉強しなくちゃ。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Nov 5 21:51:56 JST 2015