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こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

99年3月中旬号

ステップ「彼らは知っておくべきだね、 おれは第一には父親であって、 コンピュータのマニュアル作りの仕事は第八番目なのさ」
(Orson Scott Card, Lost Boys, p. 23)


3月中旬の主な話題


何か一言


03/11/99 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

昼下がり

朝、JR京都駅にて母に会う。 お昼前から大学。フランス語の勉強。


フランス語奮闘記19: 条件法過去形、 時称の照応、不定詞節、接続法現在形

死ぬ。たいへん。動詞の語形変化が多すぎる。 英語は時代を下るにつれてどんどん簡単になったようだけど、 フランス語やドイツ語はギリシア語やラテン語ほどではないにせよ、 まだまだ複雑。もっと簡素化してくれんものか。

ま、とにかくあともう一回。


『普遍文法』 (Grammaire Generale et Raisonnee)の続き(p. 6)。 少々わからずともどんどん進むべし。

Car comme la bouche est l'organe qui les forme, on a veu qu'il y en auoit de si simples, qu'ils n'auoient besoin que de sa seule ouuerture, pour se faire entendre & pour former vne voix distincte, d'ou` vient qu'on les a appellez voyelles.

わ、長いっす。`car'は「なぜなら」、`comme'も「〜なので(as)」、 `bouche'は「口、唇」。 `qui les forme'の`les'は前文の`sons'を指しているに違いない。

`veu'は`vu'のことのようだ。 `auoit'は`avoir'の三人称単数半過去形`avait'のことだろう。 `en'は何を受けてるんだろうか。

`si...que...'で「とても〜なので〜である」という意味のようだ。 `avoir ... de besoin'で「〜が必要だ」だが、 ここもなんか複雑。むむ〜。 あ、`ne...que'「〜しかない」という意味か。

`de la` vient [d'ou` vient] que...'で、「それが〜の理由である」 という意味らしい。`that's why ...'ということだな。

というわけで。 「口がそれらの音を形作る器官であるからして、 人はそれらの音の一部が非常に単純で、 その音を聞こえるようにしたりはっきりした声を出したりするには 口を開くことしか必要ないことを理解する。 そういうわけでそれらは母音と呼ばれる」

う〜む。やっぱり`il y en auoit de si simples'のあたりが謎だが、 だいたいこんな話をしてるに違いない。

前回のところは、数人の方に情報をもらったが、 まだ理解できないとこがあるので、またしばらくしてから考えてみる。 情報感謝。


あれ、フランス語のやつ、 ネットスケープで見ると斜体と太字だらけでうっとうしいな。 斜体や太字を使うのはもうちょっと控えて直接モニタに下線でも引こう:-)


夕方

某E研に行ってバイト代をもらう。感謝。

それから中央食堂で遅い昼ごはん。 トーフル対策の本を読みながら食事。

お金に少し余裕ができたので、 5月にもう一回トーフルを受けるか。


倫理学入門読書会(「進化の重要性」その2)終わり。

現在の社会生物学においては、 人間は「利他的」であるとされる。 カッコが付いているのは、 彼らの言う利他主義が、 《正しいがゆえに、他人に私心のない親切な行為をする》 という普通の意味の利他主義ではなく、 《人間(ないし人間の遺伝子)は、 自分の利益をより大きくするための手段として、 ある程度の利他性を生得的に備えている》 という意味であることを表わすためである。 そしてこの意味での「利他主義」は、 アリなどの社会的昆虫だけでなく、 犬や類人猿にも見られ、 経験的に実証されつつあると言える。

読書会が終わってから、 みなで某定食屋へ。 いろいろ耳よりな情報を得る。

悪銭が手に入ってしまったので、 某くんに夕ごはんをおごる。


真夜中

某E研でモーニングを読んだり、雑用をしたり。 明日の読書会の準備をしなきゃ。


何か一言


03/12/99 (Friday/vendredi/Freitag)

お昼前

昨日は某所に寄ってから下宿へ。

ビジネス英語を2日分聞いたあと、 トーフルの申込書なんかを書いてからさっさと寝る。

そういえば、 前回トーフルの試験会場の第一希望に某ノートル○ム女学院(だっけ?)を書いたが、 よく見るとその回(4月17日)はそこは会場ではなかった。 しまった。情欲に目が眩んだ:-) 今回は某同○社(近い方)と某立○館を希望しておいた。

朝9時に起きる。風呂。洗濯。 風呂場のマイコン(っていうのか?)の湯温表示のところが、 先日からお湯を出すと点滅するので、ガス屋に電話する。 明日来てもらうことに。

それから某喫茶店でモーニング。チャンピオン。 大学に来る前に東一条の郵便局でトーフルの振込をやる。 自転車のカギが見当たず郵便局を出たり入ったりして恥ずかしい思いをする。

倫理学研究室へ。学割も申請せねば。

さ、予習予習。


昼下がり

ベンタム読書会終わり。 読書会が始まる前に急いで中央食堂に行って烏賊と帆立の中華丼をかっくらう。 忙し。


BMOR読書会終わり。

う。学割の申請書を書いてたのに出す時間がなかった。くそ。

親戚に電話を入れる。入学おめでとうと言う。 何一つ受験の手伝いをしなくてすいません。

疲れた。 一日にできることってそんなに多くない。


なぜあなたは生きているのか

そくらっち「…どうか、ごるぎあっす、 わたしに答えてください」

ごるぎあっす「いぇーい」

そくらっち「聞くところによると、ひとがあなたにどんな質問をするとしても、 あなたはそれに答えてやると公言しておられる、ということですが、 それは本当でしょうか」

ごるぎあっす「いぇーい。ざっつとぅるー、べいべー。 長い年月になるが、いまだかつてだれ一人、このわたしに向っては、 何一つ目新しい質問をしたことはなかったぜ。いぇーい」

ぽろっす「いぇーっす」

そくらっち「では、ごるぎあっす、 答えてください。なぜあなたは生きているのでしょうか」

ごるぎあっす 「なぜわたしは生きているのかだって? いぇーい。 ざっつぁぶぇりーぶぇりーぐっどくえすちょん。いぇーい」

ぽろっす「いぇーっす」

ごるぎあっす「しかしだね、そくらっち、君は気づいているかね、 その問いは意味があいまいだということを?」

そくらっち「それはどういうことなのでしょう、ごるぎあっす」

ごるぎあっす「君はあいかわらずだね、そくらっち。 わかっていることを知らんぷりして。 そうやって人に答えさせようとするんだね」

ぽろっす「明らかにそうっす。きたないっす」

そくらっち「いやいや、ごるぎあっす。 ぼくはほんとうにあなたの言っていることがわからないのです。 どうかわたしに説明してみせてください」

ごるぎあっす「では、教えてあげよう。いぇーい。 『なぜわたしは生きているのか』という問いはこのように理解できないかね、 すなわち『何が原因でわたしは生きているのか』と」

そくらっち「たしかにそう理解できます」

ぽろっす「そうっす」

ごるぎあっす「いぇーい。しかしまた、 『なぜわたしは生きているのか』という問いは 次のように問うているようにも考えられないかね、 すなわち、『何によって(何を手段として) わたしは生きているのか』と」

そくらっち「そうも考えられますね」

ごるぎあっす「いぇーい。しかしさらにまた、 『なぜわたしは生きているのか』という問いは 次のようにも理解できないだろうか。 すなわち、『何のためにわたしは生きているのか』と」

そくらっち「その通りです、ごるぎあっす、 いや、あなたのその質問の分析ぶりには全く感心しますよ」

ごるぎあっす「いぇーい。さんきゅーべいべー。 わたしとしては、そくらっち、相当うまくやっているつもりだぜ」

ぽろっす「いぇーっす」

ごるぎあっす「そこでだね、そくらっちよ、 君の質問はこれまでに挙げられた三つのうちのどれなのだろうか、 すなわち『何が原因でわたしは生きているのか』なのか、 あるいは『何によってわたしは生きているのか』なのか、 それとも『何のためにわたしは生きているのか』なのか」

そくらっち「ごるぎあっす、ヘラの女神に誓っていいますが、 ぼくとしては、もしあなたさえよければ、 その三つのすべての問いに関してあなたに答えてもらいたいものです」

ごるぎあっす「おーけーべいべー。 それではそのリクエストにお答えすることにしよう、そくらっち、 いぇーい。えぶりばでぃはっぴー?」

ぽろっす「いぇーっす、はっぴーっす」

ごるぎあっす「いぇーい」

そくらっち「では、ごるぎあっす、どうか簡潔に答えてください、 何が原因であなたは生きているのでしょうか?」

ごるぎあっす「それはだね、そくらっち、 わたしの父と母が手をにぎってだね、 いぇーい、あうぉなほーるじょはーん」

ぽろっす「ちなみに邦題は『抱きしめたい』っす。いぇーっす」

ごるぎあっす「いぇーい」

そくらっち「…それでは、ごるぎあっす、二つ目の問いはどうでしょう、 何によってあなたは生きているのでしょうか?」

ごるぎあっす「それはだね、飲み食いすることによってだ。 そうすることで、 この体の中にともっている火を消さないようにしているのだ。 かもべべらいまいふぁいあ、かもべべらいまいふぁいあ、いぇーい」

ぽろっす「ふぁいあみーっふぁいあみーっ」

ごるぎあっす「あいふぁいあゆーっあいふぁいあゆーっ」

(中略)

そくらっち「…では、最後にもう一つ答えてください、 ごるぎあっす、何のためにあなたは生きているのですか?」

ごるぎあっす「それはだね、そくらっち、 わたしは一番優れた目的のために生きているのだよ、 それはまた一番正しく一番真なる目的でもあるのだ。 そしてその目的のために生きる人は、 必ず名声を勝ちとり、多くの子に恵まれることになるのだ。いぇーい」

そくらっち「ごるぎあっす、してその一番優れた目的とは何なのですか? どうかぼくにわかるように簡単に言ってください」

ごるぎあっす「それはだね…」

時間が来たので続きはまた。たぶん。


何か一言


03/13/99 (Saturday/samedi/Sonnabend)

昼下がり

昨夜、 先日購入したオーソン・スコット・カードのLost Boysを (いわゆる)ペーパーバック版で読み始める。 SFを原書で読むのは初めての経験なのだが、 これがなかなかおもしろい。 勉強のためにもこれからは原書で読むべきか。 (と、なんでもすぐに勉強に結びつけてしまう)

朝、昨日頼んだガス会社の人が来る。 聞くと、今のところガスもれなどはないが、 風呂の外にあるガス湯沸し器が不完全燃焼してるので、 近いうちに装置の中身を全部取り換える必要があるとのこと。

お昼過ぎに某喫茶店へ。 ミックスサンドのセット。 プレイボーイ。


某君が風邪で欠席のため、ロック読書会は中止。


夕方

某E研で雑用。

ぐわ。14ページの論文(両面で7枚)を100部コピーしてたら、 途中でソートし忘れていることに気づいた。 すでに80部近くコピーされていたが、 とても手動でソートする気にはなれなかったので、 それらはミスコピーにして最初からやり直すことにした。

(7枚*80部=560枚)

…紙の神様、ごめんなさい。


街頭アンケート 「あなたは何のために生きてるっすか?」

こんにちは、リポーターのこだまっす。 今日は狂徒大学近辺でアンケートを行なってみたっす。 質問は「あなたは何のために生きてるっすか?」っす。 以下は回答順に並べてあるっす。

というわけっす。みなさんいろいろな展望をお持ちのようっす。 ディスプレイに向かっているあなたは何のために生きてるっすか? リポーターはこだまでしたっす。では。


真夜中

夜、某助教授が寿司の出前をとられたので、 おこぼれにあずかる。ごちそうさまでした。


今度のFINEのワークショップで 発表するために某国から日本に一時帰国されている 某先輩にお会いした。 今日日本に到着したということ。 元気そうで何よりっす。


何か一言


03/14/99 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中

う。 某君 はドイツ語だけでなくフランス語も勉強している模様。 おれも負けずにがんばらねば。


お昼前

研究室のソファで爆睡。 ソファの端の手すり(っていうのか?)のところに頭を置いて寝たら、 頚動脈が押さえつけられていたらしく、 夜中に目が覚めたとき、後頭部のあたりが少し痺れていた。 死ななくて良かった。

朝起きてからフランス語の勉強。


フランス語奮闘記20: 接続法(続き)、 単純過去形、分詞、ジェロンディフ

一応終わり。万歳。

このテキストはなかなか良かったが、 練習問題がないのが難点だ。 他のテキストを使って復習しなければなるまいて。 特に、動詞の変化や人称代名詞など、 適当にしか見てこなかったので、 しっかり暗記することにしよう。 あと、発音も。 せっかくCD付きのテキストを買ったんだし。

全然関係ないが、米ソ冷戦のときに使われた「デタント」というのは、 フランス語の`(la) de'tant'で、「ゆるみ、緊張の緩和」という意味のようだ。 ちなみに、よく似た語に「デカンショ」というのがあるが、 これはもともとは盆踊りの唄の一部で、「どっこいしょ」が訛ったものらしい。 学部一回生のときに某塾の先輩に教えてもらったが、 これが大学では(いや、おそらく「旧制高校では」か)、 「デカルト、カント、ショーペンハウエル(を読むべし)」という意味になるらしい。 もちろん、「デタント」とは何の関係もないことは言うまでもない:-)


さらに『普遍文法』 (Grammaire Generale et Raisonnee)の続き(pp. 6-7)。

Et on a aussi veu, qu'il y en auoit d'autres qui de'pendant de l'application particuliere de quelqu'vne de ses parties, comme des dents, des le'vres, de la langue, du palais; ne pouuoient neanmoins faire vn son parfait, que par l'ouuerture mesme de la bouche, c'est a` dire, par leur vnion auec ces premiers sons, & a` cause de cela on les appelle consonnes.

う。また長いな。

`qui de'pendant ...'の部分は、de'pendantを形容詞と考えると動詞がないので、 これはde'pendreの三人称複数現在形(de'pendent)の古い形と考えた方がいいと思う。

`quelqu'une de ...'は「〜の何人か、いくつか」という意味。 ここでは後者だろう。

`la dent'は「歯」、`la le'vre'は「唇」、`la langue'は「舌」、 `le palais'は「口蓋」。

セミコロンのとこまでを訳すと、大体こんな感じだと思う。 「そして、また、次のことも看取された。 すなわち、(音の)他のものは、 歯、唇、舌、口蓋といった部分のいくつかを 特定の仕方で用いることに左右される」 う〜む、わかりにくい訳だ。

後半は、`neanmoins'は「にもかかわらず、それでも」(neverthelessだろうか)、 `parfait'は「完全な」、 `mesme'は(しばらく考えたが)`me'me'で、 名詞の後に来ると「〜でさえ、〜そのもの」 という意味になるそうだ(ドイツ語のselbstみたいなものか)。

`a` cause de...'で「〜のために、〜のせいで」という意味。 `par'はどうやら前置詞ではなく、 `parer'(飾る、付与する、整える)という動詞らしい。

そこで。 「しかしこれらは完全な音を作ることはできず、 それは口の開きそのものを整える、 すなわち最初の音との結合を整える。 そしてこれがその音が子音と呼ばれる所以である」

「最初の音との結合…」のあたりはよくわからん。誤訳か。


どうでもいいのだが、 `genkyou'という語を見るたびに、 「現況」ではなく、「元凶」という漢字が思い出されてしまう。 いや、けっして他意はないのだが。ないってば。

しかし験(げん)が悪いので、別名にすることをお勧めしたい。

最近やたらと先輩・後輩の日記類にリンクを貼らせていただいているが、 これもけっして他意はない。ないってば。


お昼

わ。某先輩にいろんな本をおみやげにもらってしまった。 感激。ありがとうございます。


お昼過ぎ

フランス語の勉強がひとくぎりついたので、 まとめて一ページにしておいた。 今後も更新するつもり。

このテキストをやり始めてからちょうど一ヶ月。 うう。よくがんばったっす。


昼下がりに、某師匠の論文の草稿を受け取った後、 某君と某所で食事。 オムライスのLを食べて気分が悪くなる。

某君に、某古本屋でいろいろCDが出てると聞いたので、 店を出て彼と別れた後、早速行ってくる。

それから、某通を通って下宿に戻る途中、 古本屋を見かけたので店頭に並べてある本を一冊購入する。

下宿に戻り、某師匠の草稿を読んでから風呂に入ると、 もうバンドの練習の時間になったので急いで再び大学へ。

某師匠に草稿を手渡した後、 すぐにバンドの練習。 二週間ぶりにギターを弾く。 これではいかんってば。

終わってから百万遍の某所で食事。 雨が降っていたので途中のローソンでビニール傘を購入。

食後、みなとわかれて某E研へ。 先ほど某秘書さんから電話があり、 明日の朝、ぼくと某君を車に乗せて行ってくれるとのこと。 感謝感謝。

さて、疲れたが何か勉強するか。


真夜中

疲れたので勉強する気になれない。 英語の直訳でもしよう。

個人は権利を持っており、 いかなる人あるいは集団も(個人の権利を侵害することなく) 個人になすことが許されないことがらがある。 これらの権利は非常に強くてさまざまなことがらにまで及ぶものであるため、 国家やその役人がやってよいことは--もしあるとすれば--何か、 という問いが生じる。 個人の権利は国家の存在する余地をどの程度残すのか? 国家の本性、国家の正当な役目、そして国家の正当化根拠が --もしあるとすれば--この書の中心的な関心事である; 広範で多様な種類の話題がわれわれの研究の過程で問題になる。

国家に関するわれわれの主要な結論は、 最小国家、すなわち、暴力、窃盗、詐欺からの保護、契約の施行、 等々といった狭い役目に限定された国家は、正当化されるということであり; それより広範な国家は、 人々の、ある事柄をするよう強制されない権利を侵害することになり、 それゆえ正当化されないということであり; そして最小国家は正しいと同時に人を鼓舞するものであるということである。 この結論に含意される二つの特筆すべきことは、 国家はその強制的機構を用いてある市民に他の市民を援助させること、 あるいは人々の活動を、 彼ら自身の善ないし保護のために禁止することは 許されないということである。

Robert Nozick, Anarchy, State, and Utopia, Basic Books, 1974, p. ix.

もういっちょ。

正義っつうのはやなあ、社会制度における第一の徳や。 ちょうど真理っつうのが思想体系における第一の徳みたいなもんやがな。 ある理論がどんだけうつくしゅうて経済的やったとしてもや、 もしそれが真理に反しとったらゴミ箱に捨てるか変更を加えるかせなあかんやろ; それとおんなじで、 法律や制度がどんだけ効率的でうまく整備されとったとしてもや、 もし正義に反しとったら改革するか廃止せなあかん。 一人一人の人間は正義にもとづいた不可侵性を持っとってやなあ、 社会全体のうぇるふぇあ(福祉)でさえそれに優先することはまかりならんのや。 せやからやな、正義は認めへんねんで、 ある人たちが自由を失なうことが、 他の人たちがよりおっきい善を共有することによって正当化されるなんてことは。 正義は許さへんねんで、 少数者に押しつけられる犠牲よりも、 多数者によって亨受される利益の総計がよりおっきくなることの方が 重要やなんてことは。 せやから、正義のある社会ではやな、 平等な市民権を持った人の自由権(りばてぃーず)はや、 もういごかへんもんとみなされるわけや; 正義によって守られてる権利はやな、 政治の取り引きとか社会の利益の計算の対象なんかにはならへんのんや。 われわれが間違っとる理論に甘んじんのが許されんのは、 それよりましなんがない場合だけやわな; それとおんなじでやな、不正義が大目に見られんのは、 その不正義がそれよりもっとごっつい不正義を避けんのに必要な場合だけやがな。 真理と正義は人間の活動の第一の徳やから妥協は許されへんのんや。

John Rawls, A Theory of Justice, Belknap Harvard, 1971, pp. 3-4.

う〜む。某君の子供はきっと「真理」と「正義」と名付けられるに違いない:-)


何か一言


03/15/99 (Monday/lundi/Montag)

真夜中

研究室に一人。 しんどいのであまり頭を使わなくて済むビジネス英会話を二日分聴く。

それにしてもなぜこんなに疲れているのだろう。 さては病気にかかったか?


早朝

ソファで爆睡。とりあえず元気になったが、眠い。

まだ雨が降っているようだ。暗雲垂れこめる。


何か一言


03/16/99 (Tuesday/mardi/Dienstag)

夕方

ようやくワークショップが終わって大学に戻ってくる。

発表された方、裏方をされた方、見に来られた方、 ホテルの方、みなさんお疲れさまでした。 っておれが言うことでもないか。


疲労困憊。体調悪し。 睡眠不足と、うすら寒い会場で居眠りしたのがよくなかったらしい。

というわけでワークショップの詳細はまた。(たぶん)


あ、昨日某所で買った古本。ついでにジャンプも買った。


倫理学入門読書会の訳を作る。しんどい。


何か一言


03/17/99 (Wednesday/mecredi/Mittwoch)

お昼前

半日寝る。おかげで復活。

ぼくはあまり日本語変換ソフトにこだわらない方だと思う。 べつにMS-IMEだろうがことえりだろうがなんでも不満なく使っている。 適応度が高いのかもしれん。生存競争に勝ち残れるかも:-)

といっても、やはりSKKに慣れてしまったので、 これが一番便利だ。 他の日本語変換ソフトを使っているときでも、 漢字を出そうと思ってついシフトキーを触ってしまい、きぃーっとなる。 …いや、別にしゃれじゃないっす。


大学に来る前に某喫茶店でモーニング。サンデー。 アイスカフェオレを頼む。もう春である。

ついでに某ルネで注文しておいた本を受けとる。 今回はインターネットで注文してから約一ヶ月で届いた。

さらについでに某文学部の事務に学割も出しておく。 受けとりは金曜日。


昼下がり

BMOR読書会の予習。某所でシュークリームをいただいてきたり。

最近忙しさにかまけてフランス語の勉強をさぼっているが、 以前メイルで教えてもらったところによると、 c'est-a-direというのは「すなわち」という意味なんだそうだ。 なるほど、これを英語に訳するとthat is to sayとなるわけだな。 (とホッブズの『リヴァイアサン』を読んでいて思った)


文閲に行く。 エルヴェシウスの『精神論』の原書を借りようと思ったが、 誰かが借りっぱなしだったので、やむなく督促した。


夕方

BMOR読書会終わり。

休憩がてら、『90分でわかるカント』を読む。 こんな文章があった。カントファンは読んで涙してもらいたい。

カントが生きているあいだ、 妹たちはずっとケーニヒスベルクに住んでいた。 ケーニヒスベルクは当時、わずか人口五万人の小さな街にすぎない。 それなのに、カントは結局、二五年以上ものあいだ、 妹たちの誰とも会わなかった。

たまりかねた一人がカントのもとを訪れると、 カントは相手が誰なのかすら、分からなかったという。 妹が名乗ると、今度は居合わせた人たちに、 妹の教養のなさを詫びたという。 カントがようやく手にした教授の地位を鼻にかけていたわけではない。 よく知られているように、 カントは「馬鹿」に我慢ができなかったのである。 たとえ身内であっても、「馬鹿」は許せなかった。 ただそれだけなのだ。 (18-9頁)


夕方に中央食堂で少しごはんを食べる。

それから勉強もせずに 哲学・倫理学用語集の作成に熱中する。 時間がなかったからいいかげんな説明をしてしまったが、 だんだんきちんとしたものにするつもり。たぶん。


何か一言


03/18/99 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

夕方

やっと今大学に来た。これからすぐに倫理学入門読書会。

う〜。勉強せねば。


倫理学入門読書会(「進化の重要性」その3)終わり。

第4節「生物学的契約」。 進化論的倫理は社会契約説と似ているが、 多くの道徳理論と違って《各人に対する等しい義務》を想定せず、 自分に近しい人々に対してより大きな義務を持つことを認める。 また、このような道徳義務の正当化に関しては、 《どうしてわれわれはこのような道徳義務を持つと考えるようになったか》 という発生論的説明を与えるだけで、 合理的な基礎づけはできない、とする。

なんかようわからんす。


昨夜は、いつものように某所に寄り、 マガジンの他に以下のものを買った。

今日は、夕方に研究室に来ると某君が古本情報を教えてくれたので、 読書会が始まる前に、 大学側の某書店に寄って古本を買ってきた。

このごろお金の使い方が荒いので(といってもたかが知れているのだが)、 そろそろ財布の中が心配になってきた。


何か一言


03/19/99 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

あ〜。なんだか調子悪い。勉強もはかどらないし。下宿に戻るか。


といいつつ、少し勉強。BMOR読書会のまとめ。

しかし本当にそろそろ下宿に戻ろう。また明日。


昼下がり

昨日は夜中に某古本屋に行ったついでに、 某所でキムチ鍋を食べる。 『あずみ』第13巻、 『うる星やつら』ワイド版第10巻を読む。

下宿に戻ると某氏から『アルジャーノンに花束を』 の中篇版のコピーが届いていたので(感謝!)、つい読む。 長編を先に読んでいたので、あまり感動しなかったが、 たしかにこちらの方がよくまとまっていて一気に読ませる。

それからお昼過ぎまで寝る。 起きてからビジネス英会話を聴き、 風呂に入って大学へ。

途中、某喫茶店でピラフのセット。 チャンピオン。 事務で学割ももらってくる。

さっきMDウォークマンのヘッドフォンが壊れた。 リモコンから耳の方に出ているコードの結合部分がもろいんだよな。


夕方

生協の組合本部とかいうとこに行って、更新手続きを済ませる。 新しいカードは送ってきてくれるんだそうだ。

ついでにルネに行ってMDウォークマンのヘッドフォンの修理も頼む。 これも一週間後ぐらいに連絡が来るとのこと。


某助教授と某師匠が学生たちのために慰労会を催してくれる。 某所で鍋をお腹一杯食べる。感謝感謝。

今夜は兄が下宿に泊まりに来る予定なので、二次会は遠慮させてもらった。


何か一言


03/20/99 (Saturday/samedi/Sonnabend)

某用事で日本橋へ。人のコンピュータを買う手伝いをする。

なんか今日はやたらと寒い。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Apr 2 00:25:25 JST 1999