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こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

99年3月下旬号

ドゥアン「スティーヴィー、おまえの心のなかにある、 なすべき正しいことを知っている部分を信じなさい。 それを信じ、それがおまえに命じることをやるのよ」

スティーヴィー「たとえそれがぼくに、 ママとパパの言うことを聞かないようにって命じたとしてもなの?」
(Orson Scott Card, Lost Boys, p. 165)


3月下旬の主な話題


何か一言


03/21/99 (Sunday/dimanche/Sonntag)

昼下がり

雨。これからBMOR読書会。


夕方

BMOR読書会終わり。

一昨日と昨日に買った本。


雨。寒いっす。

ガスの件で某大家さんに電話。 地面すれすれまで腰を低くして頼むと、 修理代は向こうが持ってくれることになった。 感謝っす。


最近日記の更新量が少ないのは何かと忙しいからである。 あまり何もしてないのに、 なぜか時間だけが飛ぶように過ぎていく。

だれかおれの時間を盗んでる奴がいるんじゃなかろうか。 あっ。これもCIAの仕業かっ。


何か一言


03/22/99 (Monday/lundi/Montag)

早朝

雨上がる。ちょっと用事で朝から大学へ。

ところで、なぜ雨が「上がる」というのだろうか。 雨は上がったり下がったりするんだろうか。

あ、辞書を見てみると、「完了する」という意味のようだ。 なるほど、「仕事が上がる」というのと似たような用法なのか。


現在、某異国の地にいたりする。 いや、一応日本なのだが。


何か一言


03/23/99 (Tuesday/mardi/Dienstag)

お昼過ぎ

昨日よく歩いたのでふくらはぎが筋肉痛。い、いたい…。


兄の仕事の手伝い。英文和訳。電子回路の構造に関してちょっと賢くなる。


真夜中

兄の仕事の手伝いの合間に、 フランス語を勉強したり、ラジオ英会話を聴いたり。

今おれがいるところでは「もう一日も終わり」という感じだが、 研究室や某E研では「まだ一日の半分が過ぎたくらい」という感じなのだろうか。


何か一言


03/24/99 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

お昼

昼まで爆睡。

今日も兄の仕事の手伝いをする予定。


(「〜をしばく」という表現がおもしろいと思うので、 しばらく使ってみることにします)

昼下がりに某ファミレスでサラダバーをしばく。満腹。

午後は兄の家でずっと英文和訳。 キーボードをひたすらしばく。


何か一言


03/25/99 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

お昼過ぎ

昨夜、ジャンプとマガジンとサンデーを新品で(!!)買ってしまう。

夜更ししたので今日はお昼に起きる。

今日も兄の仕事の手伝い。

明日は倒大でイギリス哲学会をしばく。


未知の世界の翻訳。 数式やら関数の図表やらが出てきて気絶しそうになる。

今ごろはきっと、 京都の某大学の狭い一室に集まった某would-be倫理学者たちが、 倫理学入門読書会をしばいていることだろう:-)


ようやく翻訳をしばき終わった。 今日はよく労働したっす。

明日のイギリス哲学会の懇親会用に、 兄に名刺を作ってもらった。 名刺を持つのは生まれて初めてだ。 明日、名刺入れと名刺を綴じる用ファイルを買ってこよう。


何か一言


03/26/99 (Friday/vendredi/Freitag)

お昼過ぎ

初めて逃大に来た。

朝、某所で名刺入れを購入。 それから兄夫婦の家に寄って、 ネクタイをきちんと締めてもらう。 一人では、まだうまく結べないのだ:-)

母に駅まで送ってもらい、 某線で池袋へ。 車内で関東語のフィールドワークをする。

「ちょっとケンタは高いよねー」

「そうよね〜、ちょっとね〜。 ケンタはねー。高校生はあまり行かないよねー」

「マックはクーポンとかあるからー、安くなるじゃん」

「モスは〜?」

「ううん、モスはあまり使わないのー」

池袋で丸の内線に乗り換えて、 本郷三丁目で降りる。

駅からすぐだと聞いていたので、 簡単に見つかるかと思って少し歩いたところ、 あにはからんや、全然見つからない。

この不況で逃大もつぶれちゃったのかと思い、 もう帰ろうかとも考えたが、 駅前の地図を見てもう一度探してみることにした。

すると、あら不思議、今度はすぐに見つけられた。 「赤門はやっぱり赤かった」とかなんとかつぶやきながら、 赤門から大学に入る。

歩いてくる途中で気づいたのだが、 どうも今日は卒業式らしい。 赤門のところにもテレビカメラを持った人が数人立っていた。

今思えば、このときに何かおかしいことに気づくべきだったのだ。

大学に来れば、イギリス哲学会の立て看板が出ているだろうと思って、 大学構内のどの校舎が会場なのかを全然調べないできたのだが、 ところがそうした看板が全然出ていない。 あるのは「学士会入会」とかいう卒業生向けの看板だけ。

なんて傲慢な大学だとかいろいろ心中憤激しながら学内を歩き回って、 数十分の間、会場を探した。経済学部、教育学部、法学部、文学部、 (卒業生だらけの)安田講堂、山上会館…。

…ない。ない。ない。ないーっ。

いくら探しまわっても、 イギリス哲学会のイの字も見当たらないので、 恥を忍んで某師匠の携帯に電話することにした。 山上会館の公衆電話を使う。

某師匠にいろいろ探ってもらったところ、 法文館でやってるらしい。 あれ。何かおかしい。 法文館ならさっき行ったぞ。

しかし見過ごしたのかと思って、 もう一度安田講堂そばの法文館へ。 けれども、あるのはやはり卒業生と卒業生向けの看板ばかりで、 イギリス哲学会のイギの字もない。 文学部の事務に聞いても、 今日学会があるという話は聞いてないと言う。

しばらく法学部と文学部の建物を行ったり来たりしたすえ、 ようやく次の結論に辿りついた。

「ここが逃大でないか、あるいは、 イギリス哲学会のある日が今日でないかのいずれかである」

実はここは観光地「逃大村」でした、 とかいうシャレかとも思ったが、 やはり後者の可能性が高いと思って、 某師匠にもう一度連絡し、 イギリス哲学会に来てるはずの某先輩の携帯の電話番号を教えてもらった。

さっそく某先輩に連絡。

「あの、イギリス哲学会っていつでしたっけ?」

土曜日と日曜日だよ」

「えっ」

「え、もしかして今日と思ってたの?」

「え〜、逃大きちゃいましたよ〜」

「アッハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「しかもスーツ着てですよ〜。すんごいバカみたいですよね」

「アッハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか〜」

「アッハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「あっれー、おっかしいなあ、現倫研が日曜だから、 イギリス哲学会は金、土だと思ってたのに」

「いや、現倫研は日曜日にやるけど、イギリス哲学会とぶつかるんだよ」

「え、そうなんですか、全然知らなかったっす」

「しょうがないねー。せっかくだし逃大歩き回ってみたら」

「ええ、そうします。では」

というわけで、今、法文館の外でこの文章を書いている。 う〜む。さんざんな逃大初体験だったなあ。くそ。 もうしばらくそこらを歩いてから、家に戻ろう。くそ。 兄夫婦や母にも笑われるだろうなあ。くそくそくそ。

教訓: 学会に行くときは日程を確認しましょう


夕方に母の家に戻ってくる。 チャンピオン(新品)買う。

3時間ほど寝て、兄の家で夕ごはんをごちそうになる。

おれの寝てる間に雨が降りだしたらしい。


何か一言


03/27/99 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中

兄の家で、翻訳の見直し。もうそろそろ帰る予定。

今日こそはイギリス哲学会に行く。


何か一言


03/29/99 (Monday/lundi/Montag)

早朝

寒い。今日上洛予定。

ロストボーイズ』読了。

某イギリス哲学会の様子についてはまた。


昼下がり

新幹線の中。もうすぐ京都。

お昼前に兄と家を出て、 車で駅まで送ってもらい、 電車を乗り継いで東京駅へ。 車内ではフランス語の勉強。

東京駅で、 某同居人と倫理学研究室と某E研用におみやげを買ってから、 新幹線へ。 買ったおみやげの一つの「あべかわもち」 が静岡名物であることに気づいたのは、 新幹線が名古屋を出た後だった:-)

新幹線では名古屋あたりまで爆睡し、 それからまたフランス語の勉強。

いろいろ用事があるので、 京都に着いたら、まずバスで学校に行く予定。

なんとも実りの少ない旅行だったなあ。 ほとんどどこにも行かなかったし。 ま、帰省と思えばいいか。


夕方

さっき戻ってきた。

文閲で督促してた本があったので、 JR京都駅からバスで百万遍に来て、 重い荷物をかかえながら大学へ。


それから研究室に来て、 おみやげを置いたあと、 某E研にも顔を出す。 某秘書さんしかいなかったので、 彼女におみやげを渡す。 「いや、静岡名物って書いてますけど、一応東京駅で買ったんす」

某秘書さんがそろそろ帰る時間だったので、 ついでに送ってもらえませんかと頼むと送ってくれると言う。 研究室でモーニングを読みながら時間をつぶした後、 下宿の前まで車で送ってもらう。感謝感激。

下宿に戻ると、TOEFLの書類が来ていた。 げ。会場が立○館になってる。くそ。 (あ、立○館に恨みがあるわけじゃないっす。ちょっと遠いので)

それからまた大学へ。 途中、某喫茶店に寄ってピラフセット。 ジャンプ。あっ、うすた京介が新連載。やった。 最近どの少年誌にも彼のネタをパクった (というか圧倒的な影響を受けたというか) 作品が多かったからなあ。 途中で投げ出さずにがんばってほしいものである。

あ、途中某古本屋にも寄る。


何か一言


03/30/99 (Tuesday/mardi/Dienstag)

夕方

昨日、某古本屋でも買物をする。

睡眠不足だったせいか、 夜中に寝て、昼下がりまで爆睡。

それから大学へ。 文学部事務で修士課程終了証書をもらってから某E研へ。 本棚の整理と机の配置変えを手伝う。

その後、某師匠とルネへ。 前に修理に出していたMDウォークマンのヘッドフォンの部分をもらう。 交換で800円。ついでに中央購買部に行って、 名刺ファイルと卒業証書を入れる用の筒などを購入する。

いやはや、おれもついに文学修士か。いや、何の役に立つのかしらないが。


某所で夕食。焼さば定食。 プレイボーイを2週間分とスペリオールを読む。

「院生研究費」とかなんとかいうお金で、 コピー用紙が大量に入ったので、院生のみなで山分けする。


何か一言


03/31/99 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中

某E研にいたら、某師匠が来たので、 新しく入ったプリンタの設定をしに倫理学研究室へ。

文学部新館の事務の辺りに警官がうようよしてるのでびっくり。 某師匠が事情を聴いたところによると、 どうも文学部新館内で変死体が見つかったらしい。

ま、そんなことはどうでもいいことだからと、 某師匠と一緒にレーザープリンタの設定をするが、 ネットワーク設定がうまくいかない。 仕方ないので結局、 Windowsの方はプリンタケーブルを使って接続した。

もう帰ろうか、というときに、 警察が倫理学研究室にも事情聴取にやってくる。 住所やら電話番号やら、 7時ごろに何か不審な人物を見なかったか、 とか聞かれる。 小心なのですべて正直に答える。

それからまた某E研へ。 新館の外には「立入禁止」のテープが貼られている。 今夜帰ることはできるのだろうか。

ま、やっぱりそんなことはどうでもいいことなんで、 ちょっとフランス語を勉強しようっと。


フランス語の勉強をするつもりで、 つい兄にもらったヴァーチャファイターに熱中してしまう。

お腹が減ったので、某所にてキムチ鍋定食。 『うる星やつら』ワイド版13巻。

出ていくときに見ると、まだ警察が数人、外に立っている。 警察犬まで連れてきてるところを見ると、 相当深刻な事件なんだろうか。


夜明け前

フランス語の勉強。 付属のCDを聴きながら発音の練習をしているが、 なかなか聴きとれない。大変。


じゃ、ちょっとエルヴェシウスのテキストを読んでみましょう(p. 15)。

DISCOURS I.
DE L'ESPRIT EN LUI-ME^ME.

CHAPRITRE PREMIER

「第一論文『精神それ自体について』第一章」 てな具合でしょうか。

ところでこの本は不思議なことに目次(TABLE SOMMAIRE)が本の最後に付いています。 フランス語の本は大体そうなんでしょうか。 そういえば、『普遍文法』も同様のようです。

On dispute tous les jours sur ce qu'on doit appeller Esprit: chacun dit son mot; personne n'attache les me^mes ide'es a` ce mot, et tout le monde parle sans s'entendre.

え〜、「人は議論する、毎日、人が精神と呼ぶに (doitはdevoirで、「〜に違いない」)違いないものについて: (chacunは誰でも)誰でもその(motはword)語を口にする; (personneはneと共に用いてno one)誰もその語に同じ観念を付与しないので、 人はみな理解しあうことなく喋るのである」。

s'entendreは代名動詞で「理解しあう」という意味になると、 さっき入門書で学んだ。

Pour pouvoir donner une ide'e juste et pre'cise de ce mot Esprit et des differentes acceptions dans lesquelles on le prend, il faut d'abord conside'rer l'Esprit en lui-me^me.

え〜、「精神という語にぴったり正確な観念を 与えることができるために、 そして(lesquellesはlequelでwhich)人がそれを使う(acceptionはmeaning) (desはsome)いくつかの意味を与えることができるために、 (d'abordはfirstly)まず精神それ自体について考えなくてはならない」。

Ou l'on regarde l'Esprit comme l'effet de la faculte' de penser (et l'Esprit n'est en ce sens, que l'assemblage des pense'es d'un homme); ou` l'on le considere comme la faculte' me^me de penser.

え〜、「人が精神を(effetはeffect)思考の能力の結果のようにみなす場合 (また、精神は感覚でできているわけではなく、 ある人の思考の集合にすぎない); 人はそれを思考の能力そのものと考える」。

あれ、意味がよくわからんぞ。誤訳っぽい。

Pour savoir ce que c'est que l'Esprit, pris dans cette derniere signification, il faut connoitre quelles sont les causes productrices de nos ide'es.

え〜、「(prisはprendreの過去分詞形)(derniereはlast) この最後の意味での精神というものを知るために、 何がわれわれの観念を生み出す原因なのかを知る必要がある」。

Nous avons en nous deux faculte's, ou, si j'ose le dire, deux puissances passive, dont l'existence est ge'ne'ralement et distinctement reconnue.

え〜、「われわれは二つの能力を自分で持っている、 すなわちそれらは、(oseはdare)もし大胆にも言わせてもらうならば、 (puissanceも能力)受動的能力であり、 (dontはof which)その存在は(reconnueはreconnaitreの過去分詞で公認の) 一般に、そして明晰に、認められている」。

う〜ん、ここで終わると切れが悪いんで、も少し。

L'une est la facule' de recevoir les impressions diffe'rentes que font sur nous les objets exte'rieurs; on la nomme sensibilite' physique.

「一つは、(あ、facule'はfaculte'の間違いのようだ) (fontはfaireの三人称複数形)さまざまな印象を受け取る能力であり、 それらの印象は外部の対象をわれわれの上に刻印する; 人はその能力を身体的感覚と名付ける」。

L'autre est la faculte' de conserver l'impression que ces objets ont faite sur nous; on l'appelle Me'moire: et la me'moire n'est autre chose qu'une sensation continue'e, mais affoiblie.

「もう一つは、そうした対象がわれわれの上に刻印した印象を保存する能力であり; 人はそれを記憶と呼ぶ: そして、記憶とは継続する感覚に他ならず、ただaffoiblieなものである」。

わ。affoiblieが辞書にない。くそ。


早朝

わ。夜が明けてしまった。 もうしばらく勉強してから、 某喫茶店に寄って、下宿に戻るか。


う。 名刺をファイルに入れていると何か強烈なを感じてしまった。 名刺集めに凝りそう…。


朝、某喫茶店でモーニング。マガジン。 昨日の事件が朝日新聞の朝刊に「文学部殺人?」とかいう見出しで載っていた。

それから下宿へ。天気がよく、桜もきれい。春だなあ。

下宿でお昼ごろから夕方まで爆睡する。

起きてから、イエローページを調べて、 こないだとは別のガス会社に電話。 前の会社は、 3月30日に修理を頼んでおいたのに、 4月中旬にしかできないというので、 ちょっと他の店にも当たってみよう、という魂胆。 うまくいくといいが。

風呂に入ってから、某所と某所で買物をして大学に。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sun Apr 11 21:39:07 JST 1999