3月下旬号へ / 4月中旬号へ / 最新号へ

こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

99年4月上旬号

ステップ「結局のところ、 人間はみな、自分が選んだことに対して責任があるんだ。 スティーヴィーがぼくたちの後ろに隠れて、 『だけどぼくはお父さんとお母さんが言ったことをしたんだ!』 って言うことはできないのさ。 彼は神の審判の法廷に立って、 『これがぼくのしたことです。 そしてこれがそれをした理由です』って言わなきゃならないんだ」
(Orson Scott Card, Lost Boys, p. 170)


4月上旬の主な話題


何か一言


04/01/99 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

お昼過ぎ

(すっかり)春。

昨日、夜に某古本屋に寄って何冊か本を購入。 ついでにサンデーも買う。

午前中にガス会社の人が下宿に来る予定だったので、 早起きする。 起きてから待っている間、 書類をしばいたり、 ビジネス英語をしばいたり、 洗濯をしばいたりする。

ガス会社の人は、10時頃に来た。 話がうまい具合に進み、明日修理してくれることになる。 先に頼んだガス会社には断りの電話を入れておいた。 よかったよかった:-)

大学へ。 来る途中、 某所によってインスタントの証明写真を撮る。

某ルネでビジネス英語の4月号のテキストを購入。

レジのおねいさん「本はおびで良かったですか?」

こだま「はい、良かったです」

次に学生部に行って育英会の奨学生番号を教えてもらう。 昨日必死で探したのだが、 どうも奨学生手帳を失くしたらしいのだ。

それから文学部の事務に行って、 いろいろ書類を提出してきた。

気がかりだった書類関係も大体終わり、一安心。


事務に書類を出しに行ったら、 行列ができていたので、 またあとで行くことにして、 文閲に相互利用証をもらいに行く。 やはり問題の階段は封鎖されていた。

文閲で相互利用証をもらって、 本部構内にある工学部建築系図書室なるところへ行ってみる。 うまい具合に本を借り出すことができた。


夕方

今日の読書会の予習をした後、 文閲で本を2冊ほど返却。 それから、 さきほど某君に古本情報を教えてもらったので、 大学のそばの某書店に買物に行く。


あ、そういえば、今日から博士後期課程へ進学したことになる。 まだ《正しいこと》と《正しくないこと》 を区別することもできないふつつか者ですが、 よろしくお願いします。


倫理学入門読書会(「倫理学は宗教にどのように依存しうるか」その1)終わり。

途中で、`belief ascription'という言葉が出てきて問題になったが、 どうもこれは「ある人にある信念を帰すること(すなわち、 「ある人が〜を信じている」と述べること)」ということらしい。 ウェブ上で「信念帰属」とかいう若干かたい訳語を見かけた。

読書会後、某君と某さんと某所で食事。 後輩があまり内容を理解してないとか、 だからなんとかすべきだとか、 いや、ほっておくべきだとか、 いろいろ議論をする。 どしたらいいんでしょうねえ。

え? 他人の心配してないで、自分の勉強をしろ? はい、もっともです。

食事から戻ってきてから、 しばらく読書会のまとめをする。 時間の無駄な気もするけど、 復習をきちんとやらないと、 身に付かない気もする。


真夜中

ところで。 ときどき「こんにちは」や「こんばんは」お。 「こんにち」や「こんばん」 とつずっている人を見かけますが。 それわまちがえだと思うので。やめたほうがいいです、


何か一言


04/02/99 (Friday/vendredi/Freitag)

夕方

夜中に某所でキムチ鍋を食べた後、 下宿に戻り、すぐ寝る。

朝起きてしばらく勉強していると、 ガス会社の人が来る。

部屋で勉強していたかったが、 それもどうかと思って、 結局2時間ぐらいガス会社の人が修理しているのを見守る。 修理を終えたとき、ネジが三つ余っていた:-)

お昼に下宿のそばの某喫茶店でカレーライスのセットを食べ、 再び下宿。風呂に入り、BMOR読書会の予習をする。

昼下がりに大学に行く。途中、雨に濡れる。

さっきまでBMOR読書会。 今日はみんなでホッブズをしばいた。


何か一言


04/03/99 (Saturday/samedi/Sonnabend)

夜中

今日はなんだか寒い。

夕方にちょっと御所に行く。 あいにく桜はあまり咲いていなかった。

帰りに某古本屋で買物。

夜、ベンタム読書会。

以前訳したビジネスエシックスの原稿を、某先輩から返してもらう。 某教授に渡す前に、訳語調整など、少し手直ししなければならないらしい。 う〜む、まさに亡霊。

それから一人で某所でキムチ鍋。 『うる星やつら』12, 14巻を読む。


ほんまにやりたいこと

きみと競争したいなんて思てへん
ぶったり、 だましたり、 いやなことしたりなんて
きみのこと単純化したり、 分類したりとか
否定したり、 無視したり、 苦しめたりしたいなんて思てへん
おれ、ほんまのとこな、
きみと仲良うしたいだけやねん

ちゃうねん、きみとけんかしたいなんて思てへんねん
おどかしたり、緊張させたりなんて
きみのこと引きずりおろしたり、 疲れはてさせたりとか
しばりつけたり、 落ちこませたりしたいなんて思てへん
おれ、ほんまはな、
きみと仲良うしたいだけやねん

きみのじゃましたいなんて思てへんて
びっくりさせたり、 傷つけたり、 閉じこめたりなんて
きみのこと分析したり、 分類したりとか
完成させたり、 宣伝したりしたいなんて思てへん
おれ、ほんまはな、
きみと仲良うしたいだけやねん

きみと真面目に顔を突き合わせたいなんて思てへん
追っかけまわしたり、 跡をつけまわしたりなんて
恥かかせたり、 追いだしたりとか
定義してみたり、 限定してみたりしたいなんて思てへんて
おれ、ほんまのとこ、
きみと仲良うしたいだけやねん

きみの家族に会いたいなんて思てへん
きみを混乱させたり、 だましたりなんて
きみのこと選択したり、 解剖したりとか
調査したり、 拒否したりしたいなんて思てへん
おれ、ほんまはな、
きみと仲良うしたいだけやねんて

きみをかつごうなんて思てへん
殺ったり、動揺させたり、見捨てたりなんて
おれと同じふうに感じてほしいなんて思てへん
おれと同じように見たり、 おれみたいになってほしいなんて
おれ、ほんまのとこ、
きみと仲良うなりたいだけやねん

Bob Dylan, All I Really Want to Do

ボブ・ディランは難しい。 誤訳があったらごめん。


何か一言


04/04/99 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中

真夜中、ベンタム読書会のまとめをする。

やることがたくさんあるのでげっそり。 ま、一つずつ片付けていくしかないな。


またエルヴェシウスを読んでみます(p. 16)。

Ces faculte's, que je regarde comme les causes productrices de nos pense'es, et qui nous sont communes avec les animaux, ne nous occasionneroient < fourniraient > cependant qu'un tre`s petit nombre d'ide'es, si elles n'e'toient jointes en nous a` une certaine organisation exterieure.

え〜、難しいっす。ne...queは「だけしかない」。 occasionneroientは条件法現在のようっす。 cependantはhoweverみたいな意味のようっす。 un petit nombre de...で、「小さい数の〜」という意味。 ellesはfaculte'sを受けてるようっす。 certain(e)は、名詞の前にあると「いくつかの、ある」で、 名詞の後ろにあると「確実な」という意味になるそうっす。 e'toient(e'taient)は、e^treの半過去形。 そういえば、反実仮想は、 Si (S')+半過去形, 条件法現在形という風に作るんでした。

そこで、ちょっと怪しいっすが、 「それらの能力は、 わたしがわれわれの思考を生み出す原因として見なしているものであり、 また、われわれにとって動物と共通のものであるが、 しかしながら、 もしそれらが、われわれ自身において、 いくつかの外部の組織と結合されなかったなら、 われわれにほんのいくつかの数の観念しか生みださなかった (提供しなかった)であろう」

Si la nature, au lieu de mains et de doigts flexibles, eu^t termine' nos poignets par un pied de cheval, qui doute que les hommes sans art, sans habitations, sans de'fense contre les animaux, tout occupe's du soin de pourvoir a` leur nourriture et d'e'viter les be^tes fe'roces, ne fussent encore errans dans les fore^ts comme des troupeaux fugitifs?

au lieu deで、in place of。 e^utはavoirの半過去の三人称単数らしい。 しかもなぜか接続法のようだ。 terminerは「〜で(par)終える」。 qui doute que ...は、who doubts that...ということのようだ。 occupe'sはoccuperの過去分詞のようだから、 ここは分詞構文とみるべきだろう。 fussentは、接続法・半過去・3人称複数。 erransはerrer「さまよう」の変化形のようだが、 erran(s)という形の時制はなぞ。

というわけで、 「もし自然が、柔軟な手と手首の代わりに、 われわれの手首の先を馬の足にしてしまっていたなら、 技術もなく、住居もなく、 動物に対する防御手段もなく、 自分に食物をもたらし、狂暴なけものを避けることを心配することに 完全にかかりっきりの人間が、 逃亡する群れのように再び森の中を彷い歩くだろうと思わない人がいようか?」


早朝

某本と某本をコピー。しんどい。死ぬ。


早朝からお昼過ぎまで爆睡。

夕方からバンドの練習。 ベース1時間遅刻(寝坊)。 ギター来ず。

練習が終わってから、 いつも行く某喫茶店の横の定食屋へ。 おいしくて安いというので、 バンドの連中は気にいったようだった。

日中は暖かかったが、夜になってまた寒くなった。 風邪を引かないようにせねば。


真夜中

ビジネスエシックスの訳の推敲。めんどう。 そういえば、フリードマンのもあったんだ。


何か一言


04/05/99 (Monday/lundi/Montag)

夕方

下宿に戻る前に、某古本屋に寄って買物をして、 さらに某所でラーメンを食べる。

ビジネス英会話を2日分聴いたあと、 風呂に入り、それからお昼過ぎまで爆睡。

銀行に家賃を振り込みに行った後、 某喫茶店でピラフセット。ジャンプ。

大学に来て、図書館で借りていた本を返しに行く。 工学部で借りたスクラーの本一冊と、 文閲で借りていた 『ポールロワイヤル論理学』一冊。

研究室に戻ってくるときに、 例の死体があった階段を使ってみる。 花束が置いてなかったら何があったのかわからないほど、 普通だった。


夕方が長くなった。

ビジネスエシックスの推敲。 ああ、これもまた楽しからずや…。


ビジネスエシックスの推敲、半分終わり。 疲れたのであとは明日。


何か一言


04/06/99 (Tuesday/mardi/Dienstag)

昨夜、久しぶりにカレーうどんなるものを食べる。 「かやくうどん」を注文したつもりだったのだが。 ひょっとすると、 「かやくうどん」と「カレーうどん」は、 「父」と「お父さん」のように、 同一の対象を指示する言葉なのだろうか。


朝、某喫茶店でモーニング。プレイボーイ。

昼、下宿でBMOR読書会の予習をしていると、 豪雨になる(かみなり付き)。 しばらくすると嘘みたいに止む。

昼下がりに再び大学。 まず郵便局で書類を送り、 それからBMOR読書会。まだホッブズ。

中央生協で「カニ玉サラダ丼」とかぼちゃの煮付けを食べたあと、 BMOR読書会のまとめ。 それが終わったころに、 「某E研に寿司の残りがあるよ」 と某師匠から電話があったので、 ありがたく頂戴する。 また働きます。


何か一言


04/07/99 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中

しんどかったので、帰って少し寝る。

それから、某所に寄って古本を買い、 再び研究室へ。

それにしても、おれの生活って毎日一緒だなあ。 いやはや。 おれも海賊にでもなって冒険してみたいよ。 すぐ死ぬだろうけど:-)


お腹が減ったので、 某所でキムチ鍋。 『七夕の国』第4巻を読む。 『寄生獣』ほど強烈な印象を与える作品ではないが、 物語はよく練られていると思う。 次回作に期待(なんちゃって)。


ビジネスエシックスの推敲、とりあえず終わり。 これで肩の荷が一つ降りた。

しかし、実はまだシジウィックの翻訳の推敲とかいう、 大変やっかいな肩の荷もあるんだけど…。


8階の研究室の窓を開けて遠くを見ていると、 つい窓から飛び出したい衝動に駆られて、 足がなんだか落ちつかない感じになる。 しかし、当面のところ自殺する予定はないので、 本当に飛び降りて死んでしまった場合は、 他殺の線で調査するように:-)


夕方

朝、某喫茶店でモーニング。 サンデー。

下宿に戻り、風呂を入れている間に、 ビジネス英語を聴きながら散髪(マルチタスク)。 髪が短くなってから後ろの方の髪を切るのは初めてだったので、 失敗している可能性が高い。

それから風呂。洗濯機をかけてから数時間寝る。

昼下がりに起き出してきて、洗濯物を干し、大学へ。 寒いので皮ジャンを着る。

さて行くかと思って外に出たら、 電柱にMDウォークマンのコードがひっかかり、 止め具のところ(服などにリモコンを挟む部分)がふっとんだ。ぐあ。

止め具の部品がばらばらになってしまったので、 目を皿にしてアスファルトの地面を探索すると、 幸いなことに数分で全部の部品が見つかる。

しかし。 下宿の門のところで組み立てていると、 なんと、バネの部分が指からすり抜けた拍子に、 フタのしてある溝のすきまに落ちてしまう。 そして、当然のごとく、溝のフタは重くて持ち上がらないのだった。

あまりのついてなさに、 これは神の試練なのだろうか、 と道端でしばらく頭を抱えた。

(教訓: フタをしてある溝のそばには近寄らないこと)

しばらく悪あがきをしてみたが、ついにあきらめてしまった。 くそ。くそ。

だ、だいたい、ウォークマンもそうだったが、 いったいなぜコードがあれほど長いのか。 日本人の体型を考えろ。 あ〜くそ、いまいましい。 死ね死ね死んでしまえ。くそ。くそ。

というわけで、腹を立てつつ大学へ。 バイトをしようと思って情報研に行くと、 まだ仕事はないと言われて、 ますます……

いや、ここらへんでやめておきましょう。


某E研で情報資料集の仕事。ピザを食べさせてもらう。感謝。


わ。体調くずしたみたい。気分悪い。 寒かったから皮ジャン着てきたのに。

やはりこれも試練なのだろうか。


何か一言


04/08/99 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

夕方

久しぶりに風邪を引いて寝こむ。 お腹を下すわ、熱が出るわでけっこう苦しんだ。 しかたないので、今日は夕方まで横になっていた。

夕方に某E研に来て、昨日のバイト代をもらう。感謝。


倫理学入門読書会終わり。頭痛が。死にそう。


何か一言


04/09/99 (Friday/vendredi/Freitag)

夕方

昨日は、 みなで某所で食事をしたあと、下宿に戻った。 読書会に出たせいか、体調は悪化。

水道代とかを某同居人に払わなくてはならかったが、 細かいお金がなかったので、 某古本屋に行って買物をする。

それからまた下宿に戻ってきて、お昼まで眠る。 起きてもまだ調子が悪い。 熱は下がったようだが、頭痛がひどい。 (といっても、後から考えると、 どうもこの頭痛は、寝過ぎが原因だったようだが)

お昼に起きて、BMOR読書会の予習。 予習が済んでから、シャワーをさっと浴びて、大学へ。 途中、某喫茶店でピラフのセット。チャンピオン。

今日は入学式だったらしく、スーツ姿の若者が道に溢れていた。 研究室に行く前に、事務で学生証と学生便覧をもらったが、 そこにも人が溢れていた。春である。

それからBMOR読書会。まだホッブズ。

読書会の後、便覧を見ながら、どの授業に出ようかと少し頭を悩ます。


あ、某教授が新しい文章を書かれたのでひまな人は見てもらいたい。 教育論コソボ問題


昨日の倫理学入門読書会(「倫理学は宗教にどのように依存しうるか」その2) のまとめ。


何か一言


04/10/99 (Saturday/samedi/Sonnabend)

台風かと思うほどの強風と雨。 それでも選挙カーが路上でわめいているのは、 えらいというべきか、 うっとうしいというべきか。


昨夜も、某古本屋に寄って買物。

熱は下がっていたが、まだお腹の調子が悪いので、 しばらく本を読んだ後に、おとなしく寝る。

午前中にいったん起きるが、本を読んでまた寝てしまう。 次に起きると夕方。しかも外は暴風雨になっている。

某所でバイトする約束をしていた気もしたが、 仕方ないので、雨が止むまで本を読んで過ごす。 学生便覧と一緒にもらった留学用の奨学金一覧にも目を通す。 いくつかは資料請求すべきか。

雨風が一瞬止んだすきを狙って大学に。 来たはいいが、今度は下宿に戻れなくなりそうだ。


めずらしく、某先輩と二人で夕食。 傘を差して某定食屋まで歩いていき、 海老フライ弁当を食べる。

食事をしながら、 留学のこと、 宗教と倫理のこと(←読書会のネタ)など、 いろいろ話す。


何か一言

your name:

subject:

body:

/


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Apr 22 01:56:35 LMT 1999