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こだまの世界

2003年9月中旬号

他人も同じことを経験し、その経験の記録を残したということを知らないまま 人生を送るほど孤独なことはありません。 自分の私的な経験に思考の枠組を与え、また慰めになる考えを与えるために、 大人であれば誰でも、ヨブ、オルフェウス、キルケ、 ルツ、リア王、イエス、金の子牛、ホーリーグレイル、アンチゴネについて 考えることができる必要があります。

---Helen Vendler

最初にかれ[人間]がやったのは、自分自身の人格性の諸要素を 外的事物に投映することだった。 それからギリシア人の想像力がそれらの要素をおし拡げて、 完全に人間的な個性を有する擬人的神々をつくりあげた。 だがギリシア人の知性は、遅かれ早かれ、そのような神々が実在しない ことを発見しなければならなかった。 かくして神話は自分自身を追い越して、 精神的世界が存在するということそのことを信じがたいものにした。

---F.M. コーンフォード


主な話題


11/Sep/2003 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

早朝

早寝早起き。

昼下がり

お昼前に有楽町に行き、某ベンタムな方々と書評について相談。 そのあと丸ビルに行き、ベトナム料理を食べる。 丸ビルのまわりに牛のオブジェがたくさんあったが、 丸ビルの一周年記念なんだそうだ。 しかし、なぜ牛なんだろうか。

それから自由ヶ丘に戻ってきて某スタバへ。 たまっていた新聞を読む。

英国から始まったビッグイシューの日本版が今日から大阪市内で ホームレスの人々によって販売されるそうだ。

あれ、リーフェンシュタールも死んだそうだ。享年101歳。合掌。

夕方

帰宅して、某科研費の書類を郵便局で発送する。 それから近くのスーパーで買物をしてから戻ってくる。

親切な知り合いが教えてくれたところによると、 近く関東南部を震源地とする地震が起きるそうだ。 チェーンメイルのデマかと思ったが、 今週号の週刊朝日 に載っているというから、 ある程度信頼のできる情報なのだろう。 なんでも16日、17日を中心に±2日の誤差で起きそうだというから、 14日から19日まで注意していないといけないことになる。 まあ用心するに越したことはないから、 とりあえず非常食と懐中電灯ぐらいは用意するようにしておこう。 (さっきペットボトルの水を買っておいた)

神戸市北区の某ホテルで撮った写真を二枚。 ホテル近辺の写真と、 ホテルの部屋の写真。 二日目は雲が低くてきれいだった。

エルヴィスのベスト・アルバムが また出るようだが、 これに入っているリミックスされた`Rubberneckin''という曲がかなり強力だ。 また英国などでシングルチャートの一位になるんじゃないだろうか。 アルバムをつい注文してしまった。

ついでにもう二枚写真を。 ホテルの写真と、 ホテル近辺の写真(その2)

某用語集用に「功利主義」の項を600字で書き、メールしておく。

この調子で毎日「読み、書き、話す」を実行しなければならない。

真夜中

夜ごはんは野菜餃子、モロヘイヤのおひたし、もずくなど。 10時からのNHKのニュースを見たり、新聞を読んでいたらもうこんな時間。 何をやってるんだっ。


12/Sep/2003 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

うう、眠い。

真夜中2 (午前)

いろいろあってまだ起きてる。が、もう寝るべし。

お昼

遅寝遅起き。郵便配達に起こされる。

が届く。郵送料込みで36ドル。

朝食(らしきもの)。パン、ヨーグルト、牛乳。 たまっていた食器も洗う。

今日は大学に行かないといけない。いろいろ勉強もしなければ。

ひさしぶりに脳死・臓器移植が行なわれるようだ (毎日)。 1997年10月に臓器移植法が施行されてからこれで24件目。

昼下がり

というわけで大学に来る。

ひさしぶりにNorah Jonesを聴くと、やはり良い。 そろそろ新しいアルバム作ってないのかな。 また、ひさしぶりにFresh Creamを聴くと、 これまたブッとんでいて良い。う〜ん、すごいなあ。

生協購買部に行くと、2時に閉まったようだ。

昼下がり2

あ、ヘッドフォンが壊れた。 最近よく見かけるクリップタイプのやつなのだが、 右のスピーカーと左のスピーカーをつなげているヒモの中にある コードが切れかけているようだ。う〜ん、 一年間使ったようだし、 そろそろ寿命だったか。

勉強は捗らず。主に書類作成などで時間がつぶれる。

真夜中

帰宅。夜、横浜駅のリトル・イタリーでピザ。 電車で戻ってきてから某スタバで一服し、 帰宅。暑い。眠い。


13/Sep/2003 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼

遅寝遅起き。朝食はトーストとサラダ。野菜を食べよう。

真夜中

さきほど帰宅。

今日はお昼すぎに渋谷に行き、 まず駅前の某ビックカメラで新しいヘッドフォンを買う。 しかし、コードの巻取りができないタイプだったので、 からまりやすくて面倒。しまった。

次に、東急文化村に行き、夏目雅子展を見る。 彼女の母親らしきものも見た気がする。

それからサブウェイで一服したあと、 『名もなきアフリカの地で』を見るために急いで銀座に行ったが、 上映時間に間に合わなかったので、 しばらく丸の内カフェやら丸ビルやら牛やらを見ながら夕暮れまで散歩する。

日が暮れたころに銀座に戻り、 『名もなきアフリカの地で』を見る。

あらすじ: ナチスの迫害を逃がれるためにケニアにやってきたユダヤ人一家の物語。 弁護士だった父は職(役割)を失ったためにすっかり自信を喪失するが、 英国軍の軍隊に入って「男らしさ」を取り戻す。 美しい母は最初はまったく様子の違うアフリカを軽蔑していたが、 その差別意識がドイツ人のユダヤ人に対するものと同じであることを悟り、 文化の違いを尊重しアフリカを愛するようになる。 娘は、そんな父と母の関係を横目に見ながら、 一番アフリカに溶け込み、英国、ドイツ、アフリカの文化を吸収した人間へと 育っていく。やがて戦争が終わり、家族はドイツに戻るべきか、 愛するケニアに留まるべきか、決断を迫られることになる…。

大河ドラマのようなゆったりとしたテンポで話が進むが、 とくに退屈することもなく最後まで見られた。 脇役の料理人が非常にいい味を出している。 映像も凝ってはいないが、美しい。 夫婦愛、戦争、文化間の交流など、 いろいろなテーマがからまっていて考えさせられる。 B。

夜は銀座でラーメンを食べて帰宅。


14/Sep/2003 (Sunday/dimanche/Sonntag)

お昼

お昼前に起きる。 洗濯、朝食(ごはんとゆば、生麩、もずく)。

夜中

お昼すぎに家を出て、 電車を乗り継ぎ五反田へ。 喫茶店でしばらく時間をつぶしたあと、 『ラブ・アクチュアリー』 という映画の試写会に行く。

ロンドンを舞台にして、 さまざまな愛をかたちを描く物語。 ラブ・ロマンスというよりは、 ヒューマン・ドラマとかいうジャンルになるんだろう。 ヒュー・グラントやコリン・ファースの他にも、 ローワン・アトキンソンなどが出ていて、コメディの部分も良い。 クリスマス映画として、かなり心温まる作品。B++。

ちょっとアンケートを書かされたあと、解放される。 大崎なんとかシティというところで夕食(ヴェトナム料理)を食べたが、 ここは日曜日なのにガラガラだった。 どこもかしこもが丸ビルのように成功しているわけではないということか。

電車に乗って戻ってきて、某スタバでしばらく新聞を読んでから、帰宅。


15/Sep/2003 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

知らなかったが、 サン・レコードのサム・フィリップスも最近(7月30日)亡くなっていたんだな。 享年80才。合掌。

なんか最近、この日記は死亡記事ばかりだな。 自分が死なないように注意しよう。

お昼

遅寝遅起き。敬老の日。

さて、週末もちょっとは勉強せねば。

昼下がり

なぜかブルデューとか勉強している。

お昼はそば、生麩、玉ネギのサラダなど。

昼下がりから丸の内カフェで某翻訳に関する会合。 またしても遅刻してしまう。 丸の内カフェは最近の密談の場となっている。

それからしばらく自由ヶ丘の周辺をうろついてから、 雨が降り出したころに帰宅。

夜2

あ、阪神が優勝してる。

夕食はゴーヤチャンプルーもどき、もずく、サラダ、キムチなど。

夜中

しばらく呆ける。

生きているあいだは家族にあげることはできるが、 他人に譲ったり、売ったりすることはできない。 死んだときには家族にあげることはできないが、 他人に譲ることはできる。 ただし、特定の誰かを指定したり、売ったりすることはできない。 こういうものを、身体の自己所有権という発想で 正当化することはできるのだろうか。


16/Sep/2003 (Tuesday/mardi/Dienstag)

早朝

早寝早起き。三連休はひたすら呆けていたので、 今日から気分を一新して勉強しよう。

昨日の夜から一気に涼しくなった。

お昼すぎ

午前中は某ドトールで邦語論文を一本読んでコメントを作成。 某ブックオフで数冊買物をしてから戻ってくる。

ここで寝てはいけない。

昼下がり

某ブックオフで買ってきた公共選択理論についての本などをパラパラ読む。

踊る…』(ポンポコリンでもマハラジャでもない、 大捜査線である、念のため)にあった官僚主義と現場主義の対立と言えば、 現場の知識を持たない政府(官僚)による市場統制を 徹底的に批判したハイエクがいる。

そうか、織田裕二はハイエク主義者だったのか。

いや、しかし、彼は優秀な上司がいればうまく行くという結論に達していた ようなので、ハイエクというよりも、 啓蒙専制君主の崇拝者だったのかもしれない。

あっという間に夜。

夕ごはんは海親子丼ともずく、オクラのおひたし。

名古屋市内のビルで爆発さわぎがあったようだ。 自爆テロかと思ったら、 何かよくわからない理由(給料の未払い?)で灯油に火をつけて ビルのワンフロアを爆発させてしまったようだ。 巻き添えをくらって死傷した人が気の毒。

夜中

ちょっと寝てしまう。しかし、おかげで頭がすっきりした。もう少しだけ勉強。

真夜中

夜も勉強。一生懸命勉強すると、一日はとても短い。


17/Sep/2003 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

早朝

早寝早起き。シャワー、洗濯、朝食。

さて、今日も勉強がんばろう。

お昼すぎ

午前中は某ドトールで新聞、マッキー。

先日の試写会で見た映画の中で、 エマ・トンプソンの名演技の後でかかっていたジョニ・ミッチェルの歌が 忘れられないので、ちょっと訳しておいた。 日本語タイトルは「青春の光と影」というそうだ。

Both Sides, Now

重なりあっては流れる天使の髪
空に浮かぶアイスクリームのお城
羽毛でできた峡谷がいっぱい
そんな風に雲を見てきた

けど今では雲は太陽をさえぎるだけ
人びとの上に雨と雪を降らせる
もっとたくさんのことをしたかったのに
雲に邪魔をされてしまった

わたしは雲をどちら側からも見た
上からも下からも
だけどどうやら、それは雲の幻想だったみたい
わたしは思い出した
ほんとは雲のことをちっとも知らないって

お月さまと六月と観覧車
くるくる踊って目の回る感じ
夢物語がすべて現実になるような
そんな風に愛を見てきた

だけど今では愛もただのお芝居にすぎない
退場するときは笑いものにされる
もし本気なら、知られないように注意して
気持ちを隠しておくことよ

わたしは愛をどちら側からも見た
与える側からも受けとる側からも
だけどどうやら、それは愛の幻想だったみたい
わたしは思い出した
ほんとは愛のことをちっとも知らないって

涙を流したり恐れを抱いたり誇りに思ったり
大きな声で「愛してる」と言ったり
夢と計画とサーカスの観客
そんな風に人生を見てきた

だけど今では昔の友人の態度が変わり
頭を横に振ってこう言う
きみは変わったね、って
そうね、たしかに何かを失なったわ
けど代わりに何かを手に入れたのよ
毎日の生活の中でね

わたしは人生をどちら側からも見た
勝つ側からも負ける側からも
だけどどうやら、それは人生の幻想だったみたい
わたしは思い出した
ほんとは人生のことをちっとも知らないって

わたしは人生をどちら側からも見た
勝つ側からも負ける側からも
だけどどうやら、それは人生の幻想だったみたい
わたしは思い出した
ほんとは人生のことをちっとも知らないって

---Joni Mitchell

夕方

ちょっと寝てた。 これからまた勉強すべし。

夜中

某スタバで勉強。ノートパソコンの電源を忘れたので、 バッテリが切れたところで戻ってくる。買物をしてから帰宅。

真夜中

遅い夜ごはんは、海親子丼。

勉強するつもりが…。


18/Sep/2003 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

早朝

早寝早起き。朝食。

さて、勉強勉強。

お昼すぎ

午前中は某ドトールでブラックバーンの勉強。 某氏に教えてもらったインタビュー記事を読んで、 簡単にまとめてみた。 この記事はおもしろいが、 インタビューからの書き起こしが不正確なところがあり、 かなりわかりにくい部分がある。

買物をしてから帰宅。腹減った。

昼食は某ファーストキッチンでジャンク(ほんとにジャンク)。

昼下がりから駒場で某メタ倫理の勉強会。ブラックバーンの続き。 インタビュー記事も読んで少し見通しがよくなったが、 まだまだわからないところが多い。困った…。

それからまっすぐ帰宅。

夜中

夜、海親子丼、モロヘイヤのおひたし、もずくを食べてからしばらく寝てしまう。

なんとか起きて、勉強をしようと努力中。


19/Sep/2003 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

先日、以前に作ったブラックバーンのハンドアウトに、 修正を施したり、いくらか補足的なコメントをしたりしたのだが、 間違って古いファイルで上書きをしたため、 プリントアウトしていたハンドアウトからもう一度打ち込まなければならなくなった。 それで今まで打ち込んでいたわけだが、時間の無駄。 今度からもっと気をつけよう。

早寝早起き。

朝食、洗濯、ゴミ出し、シャワー、掃除。 布団を干し、タオルケットなども洗濯。 なので、喫茶店には行かず。

お昼

ブラックバーンの勉強。 わかったつもりでも、いざ書いてみるとまだまだ修業が足りないことがわかる。

野中氏の発言はどこがおかしいのか

本日付の産経抄に、 『週刊文春』における野中・元官房長官の発言が載っている。 「なぜ息子をタレントにしたのでしょう。もし、 自衛隊の隊員がイラクで死んだ時、その親は首相の息子を 見てどう感じるでしょうか。私はあえて言います。 自衛隊の海外派兵が必要だと思うなら、 安全だというのなら、まず息子を自衛隊に入れて、 行かせる覚悟を見せなさい」。

これに対する産経抄のコメントは、 彼は「公」と「私」をごっちゃにしている、 というもの。すなわち、公人としての小泉首相の役目と、 私人(父親)としての首相の役目をごっちゃにしているということ。

しかし、野中氏がそのように考えたのは、 「自分の発言と行動は一致しているべきだ」 とか、「他人に指示する前に自分が率先して見本を見せるべきだ」 (「隗よりはじめよ」) という常識が存在するからだろう。 東電の社長が節電を呼びかけるなら、 やはり私人としても節電していないと非難されるだろうし、 息子にも節電を求めるべきだろう。 とすれば、正確には「私人」「公人」という区別ではなく、 父親が息子を強制してよいかどうか、ということかもしれない。 もうちょっと正確に言うなら、自衛隊への参加は任意であり、 首相の息子にも選ぶ自由があるので、 父親が自分の政治的信念に基づいて息子をモノのように扱い、 自衛隊に強制するのはおかしいということか。

また、明らかに「タレントなんて軽佻浮薄な仕事は、 平和を守るという自衛隊の仕事に劣る」という価値判断が働いている。

昼下がり、某大学に行き、書類に印鑑を押してくる。

それからまたバスと電車に乗り、神保町へ。 某先生の授業が今日から再開したので、 だいぶ遅刻したもののなんとか出席する。 マクダウエル。ブラックバーンとの争いの一因は、 自然科学の理解の仕方にもあるようだ。

そのあと、渋谷でカレーを食べ、自由ヶ丘の某東急ストアで買物をしてから帰宅。 眠い。

メモ。今日の産経の「トラビアの泉」で使われている「閑話休題」の用法がおかしい。 閑話休題は脱線していた議論を本論に戻すときに使われるのであり、 脱線するときに使うのではない。 と思ったが、この文章はどの部分が脱線で、 どの部分が本論かよくわからないので、 ひょっとするとこのままで正しいのかもしれない。


20/Sep/2003 (Saturday/samedi/Sonnabend)

夕方

早寝超遅起き。扇風機をつけっぱなしにするとよく寝られないようだ。

お昼ごろに地震があったので一度起きたが、ニュースを見て大丈夫そうだと 思い、また寝てしまう。

これから勉強する予定。

夕方

小泉首相、自民党総裁に再選。

雨が続くと思ったら、台風15号の影響で前線の活動が活発化してるんだそうだ。

新聞を読み、ちょっとごはんを食べる。

雨のせいで喫茶店にも行けず、 なかなか勉強する気にならず。怠惰。

真夜中

夜、このままではいけないと思い、某スタバに行き勉強。 新聞を少し読み、ブラックバーン。

月末あたりに、いろいろ〆切があるので憂鬱。逃避せずにがんばれ。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Tue Sep 13 12:03:25 JST 2005