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こだまの世界

2003年4月上旬号

現代では、倫理が各所で崩壊しているから、その再建が必要だという声を聞く。 そういう発言をする人は、どこかに倫理性を生み出す教育のノウハウがあって、 それを多くの人が使用すれば、社会全体の倫理性が向上し、規範性の機能が 回復されると信じているらしい。哲学者の中にも、 自分の倫理学がそのような社会の倫理化に寄与すると信じている人もいる。

---加藤尚武

戦後導入した米国流の考え方の皮だけの社会通念は日本を根本から破壊した。 早急に一歩進めて、一段高く広い考え方を形成するとともに、 新しい社会倫理を発掘し掲揚して国民の意識を高めなければ、 言いっ放しの無責任、その時限りの陽炎哲学、 フィーリングだけの丸投げ社会から逸脱する道は全くない。

---西澤潤一

「一般的にいうテロとはちょっと違う感じもするが、 テロかどうかといわれればテロといえる」

---福田康夫官房長官、北朝鮮による日本人拉致事件について

「外交の唯一の目標は国家利益を守ること」

---張軍国際局次長(中国外務省)

This was supposed to be a war of liberation, but the Iraqis are now going to have to be "forced to be free", a delusion that will cost thousands of lives.

---Madeleine Bunting


主な話題

物欲リスト


01/Apr/2003 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

あれ、4月になってしまった。

今日から社会人二年目だっ。

メモ: ベンタムは「古代と現代の比較論争」に関してはとくに何も言っていないと思うが (この論争はベンタムの時代にはすでに古いテーマになっていたのかもしれない)、 基本的には「古かろう悪かろう」という立場だったのだろう。 『統治論断片』の最初にもあらわれているが、「啓蒙主義的進歩史観」 というものにでもコミットしていたのだろう。

`Hume undertook a comparison of ancient and modern society that in effect debunked republican romance about antiquity.' (Haakonssen ed., Hume: Political Writings, p. xxiii)

そうそう、共和主義は古代崇拝のロマン主義者なんだよな。

`the public debt in effect represented a confiscation of the productive power and hence the freedom of action of future generations...' (ibid., p. xxv)

国債の発行は将来の世代から金を借りることになるから、 将来の世代の行動を限定することになる。 これはあれだ、シジウィックとパーフィットの言っている人格の同一性の話に 結びつけると、クレジットカードで買物をすると、 一ヶ月先の自分の行動を限定することになる。 こんなことが許されていいのか。一ヶ月前のオレ、許さん。 …とか考えつつ、また一ヶ月先のオレに借金をしてしまうわけである。 破産しないように気をつけよう。

今日の英語: pockets of resistence

連合軍がイラク軍による反撃を表現するために使っている語。 「散発的な反撃」とでも訳すべきか。 「この地区は占領したけれども、まだpockets of resistenceが残っている」 という風に語られる。

夜明け

あれ、ヒュームを読んでいたら朝になってしまった。

ヒュームの`Of the first principles of government'はおもしろい。 政府はすべて世論に支えられているとし、 国民が政府に服従する主な理由は(1)公共の利益、(2)権力の正当性、(3)所有権の安全 について安定した世論が形成されているからだとする。 支配者から得られる個別の報酬や、支配者への恐怖や尊敬から従うというのは 二次的だとするのだが、この恐怖についての説明は、 ハートによるオースティンの法主権者命令説批判を先取りしていると言える。 ベンタムがこの論文を読んだのかどうか調べること。

ちょっとヒュームは単語の意味が今の用法とずれていて理解するのが難しい。 たとえばjealousyという単語。 ベンタムの頃と比べてもけっこう違うように思う。 両者の違いは時代的なものか、 あるいは地域的なものか、あるいはどちらかが独特なのか。

早朝

`of Civil Liberty'。今日でも民主主義と資本主義の関係、 あるいは民主主義が発展途上国の経済発展のために必要かという 議論がなされるわけだが、ヒュームの時代にも「自由な政府」 が商業化のために必要かとか、 絶対君主政と商業の関係が取りざたされたりしてたのか。 また、これは「自由な政府」の下でしか芸術や学問は発展しないのかどうか という議論にも関係しているようだ。おもしろいなあ。

早朝2

`Idea of a perfect commonwealth'もおもしろい。 一度ヒュームの理想の政体を図式化して、ベンタムのそれと比較してみるか。

寝よう。

お昼すぎ

起きる。う〜ん、遅くなったが大学に行こう。 新しい図書館も開いただろうし。

夕方

大学に来る。

図書館は3日から開くとのこと。やられた。

育英会の手続をしなければならないが、面倒なので明日にまわすことにする。 先に学振の書類を書こう。

と思ったが、やはり心配なので電話。 大阪支所に連絡すると、 合理化があったらしく、 免除に関しては東京の本部にかけてくれと言われる。

相談したところ、出すべき書類は:

だそうだ。住所変更も知らせること。 (今日、カード会社に住所変更届を出しておいた)

う〜、面倒だが、さっさとやろう。

夕暮れ

学振の報告書は一応だいたい書けたので、明日送ろう。 住所変更と、証明書発行の手続も一緒にやる。 (返信用封筒を入れること) あと、去年はもらわなかったけど、 学振の方で証明カードのようなものを作ってくれるそうなので、 それも頼むことにする。

さて、帰ろう。

某東急ストアで買物をしてから帰宅。晩ごはんを適当に作る。

眠い。


02/Apr/2003 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昼下がり

昼まで寝ていた。朝食、新聞。

郵便局に行かねば。

昼下がり2

雨。

3時前に書類を作成して近くのスーパーに行ったが、 すでに閉まっていた。2時から3時のあいだに閉まるようだ。

郵便局で学振と某大文学部に書類を発送。某大文学部には慣れない手紙を 書いたので、失礼があったかもしれない。

家に戻って郵便物を見ると、学振から手紙が。開けてみると、 なんと今回は試験的に4月分の給料が3月末に支給されると 書いてある。 いつもは5月に二ヶ月分入るので、いつも金欠に苦しんでいたのだが、 おかげでかなり助かった。

とりあえず、年金やらいろいろ払いに行こう。

夕方

日記の整理をしたり、家計簿をつけたり。

雨。近くのそば屋で天丼セット。

う〜ん、コンピュータが欲しくなってきたな…。

真夜中

風呂。

Dellでコンピュータを注文してしまう。う〜ん。


03/Apr/2003 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

某赤根氏の日記に 反戦運動の一環としての不買運動についての記述があるが、 日本であまり運動の高まりが起こらないのを先日から不思議に思っていた (まあ、新聞などで知るかぎり、世界的にもあまり高まりはないようだが)。 アンチグローバライゼーションの運動のようにマクドやKFCを破壊するよりも、 「マクドに行って『フリーダム・フライではなくフレンチ・フライを下さい』 と言おう」とかいう運動をするといいかもしれない。

ヒュームの勉強。

真夜中2 (午前)

S.D. WarnerとD.W. Livingston編のDavid Hume, Political Writings も買ったので、それのイントロを読む。おもしろかったのは、次の二点。

(1)ヒュームが、こと政治や道徳に関しては、一般の意見に重みを置き、 一般の意見を無視した推論はダメだと考えていたこと。 これはヒュームの理性批判にも通じるようだ。 この一般の意見general opinionは、政治や道徳の議論の基準となるだけでなく、 統治の際に無視できない力ともなる。 後者の意味はベンタムの言う「世論」に近い。

(2)ヒュームが、「現代と古代のどちらが優れているか」 という議論においては一般に現代の方に肩入れしていたこと。 これは、主に商業(経済)と政治の問題で、ヒュームはすでに現代の特色が 活発な経済活動にあることを見抜いており、 そこで彼は「政治は立派、商売は卑しい」という古代以来の通念を排し、 「商売は人々を卑しくするどころか、勤勉の徳を身に付けさせ、 文化の発展をも促す」と主張するに至ったようだ。 なんだかプロ倫を思わせるな。

しかし、現在の問題はみなが個人の経済活動にかかりきりになって、 政治に時間を割く余裕がないことだと言えるのかも。 経済活動と政治活動は両方とも時間がかかるのでどうやって両立させるか というのは頭の痛い問題だ。 いや、代議制民主主義によってある程度、解決されているわけだけど。

以上、メモ。

早朝

起きる。朝食。勉強しよう。

今日の英語: SARS

謎の肺炎、重症(Severe)急性(Acute)呼吸器(Respiratory)症候群(Syndrome)。 ウイルスの特定が遅れており(コロナウイルス科の新種という説が強い)、 飛沫感染か、空気感染かもまだわからず、 香港を中心に世界中で恐怖を引き起こしている。すでに2200人が感染し、 80名近くの死者を出している。まだワクチンは開発されていない。 とはいえ、 死亡率は4%ぐらいで、9割は感染から一週間ほどで回復するので (BBC)、 元気な人はあまり心配しなくてもよいかも。

ある香港の高層マンションの住人が隔離されたことが問題になったが、 そこでは13階以上の高層階と東向きの部屋という二つの条件が重なったところ に住む住人に感染が集中しており(毎日新聞)、 共通に使っているエレベータが原因か、 東向きの風が原因かと、さまざまな説が出され、 ミステリー小説のような展開になっている。

新聞。 不謹慎だが、イラク軍は「ハムラビ機械化師団」とか 「ネブカドネザル歩兵師団」とかかっこいい名前が多い。

「正論」ななめ読み。「八木氏によれば、現代の日本では公益と私益の区別が できなくなっている。というより、戦後この方、 『公』は個人を抑圧するものととらえられ、 否定の対象となってきた。その結果、人々の発想から「公」という概念は消え、 自分一人や、自分の周囲の利益を図ることをもってよしとしてきた」。 こないだの学会でも、共和主義の議論がこういう「公」(=愛国心) を強調する流れに合流してしまうのではないかという話が出ていたが、 たしかに「公共哲学」とか「公益主義」とかいうのはナショナリズムの議論と どう違うのか、あるいは同じなのか、しっかり議論する必要があるな。

都知事選に出馬しているドクター中松。 「限られたパイを奪い合い、一部にしわ寄せを強いるのではなく、 発明を通じて都民全体を幸せにする」。 こ、これは重商主義を批判したヒュームと同じ発想では…。

お昼前

郵便局で国民年金と国民健康保険の支払い。 たまっていた2月分と3月分を払う。散財。

買物。野菜や果物を買う。健康。

桜並木がきれいだ。

夕方

お昼、近くのホームセンターでレンジシェルフというのを購入(4000円)。 家で四苦八苦して組み立てる。しかし、 おかげで台所にもいくらかの秩序が生まれたようだ。 あとは本棚とキャビネットだな。

それから少し昼寝。起きてからごはんを作る。鮭の塩焼、ホウレン草のおひたし、 しいたけをグリルトーストで焼いたもの、みそ汁、うずら豆。健康的だ。

あれ、電球が切れた。替えがあったので助かる。 近いうちにもう一つ買っておこう。

来年度の学振特別研究員の募集要項が出たようだ。 書類は全部ネットからダウンロードできる様子。 みなさん、 ここ(が苦心がんばれ)も参考にしてがんばってください。

夜中

晩ごはんは、もやしのサラダ、納豆、その他。

夜、また駒沢駅前のブックオフに行く。 駅前に「香港厨房」という店が開いたようだが、 時期が悪くて気の毒。客はまあ入っているようだったけど。


04/Apr/2003 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

ベンタムがどんな本を読んでいたのかが気になり、 バウリング版全集に収録されている回顧録(Memoir)を昨日から読み出している。 寝食を忘れるほどおもしろいわけではないが、 興味深い記述が多いのでついつい読み進めてしまうが、 こればかりやっているわけにもいかない。 父ミルの政治思想も勉強しよう。

シンガーの翻訳も進めること。

夜明け前

ヨーロッパでも米国製品(コカコーラ、マルボロなど)のボイコットが 始まっているようだ (CNN.com)。 ただし、ボイコットは米国や米国企業ではなく、 自国の経済に大きな損害を与えると警告する人もいるそうだ (たとえばコカコーラなどは当地で人を雇って生産しているので)。

もっとも、 イスラム圏では反米運動の高まりのおかげでメッカコーラが売れているそうである (メッカコーラを知らない人はBBC Newsを参照)。

昼下がり

う、朝に不燃ゴミを出して二度寝したら、寝すぎてしまった。

US musicians rally round the flag (BBC News). 英国、米国で誰が反戦ソングを出し、誰が愛国ソングを出しているかがわかる。 現在米国では、反戦の立場を明らかにしたら人気が急下降し、 愛国的な歌を歌えば世論に支持されるそうだ。

夕方

朝食(?)。新聞。

京都府から来た国保の請求書を持って郵便局に行ったが、 郵便局の場合は府内の郵便局でしか払えないようだ。 来週はじめに銀行に行って払う必要がある。めんどう。

監視衛星は持つが、敵の基地を先制攻撃はできないという現状を、 かつて自民党長老の松野頼三氏は、こうからかったものである。 「おいおい、北朝鮮のミサイル発射を、まさか実況放送したくて監視衛星を 飛ばすのかい?」、と。
(産経本日付、久保紘之「『先制攻撃』の戦略論」)

「国防のための先制攻撃」に反対が強いのは、 侵略との境界があいまいになり、 先制攻撃を認めると、 すべり坂的に侵略戦争を認めることになるという懸念からだろう。 「やられたらやりかえせ」という方針だといいが、 「やられる前にやれ」という方針は、 片方(米国など)が採用するとおそらくはもう一方(北朝鮮など)も 採用することになるので、危険が不必要に高まってしまう。

う〜ん、このあたりはゲーム理論にすでに議論がありそうだから、 調べてみよう。

評論家の櫻田淳氏は、日本はイラク戦争をめぐる主要国の綱引きにあっては、 「抽象的な正義」ではなく「具体的な利益」の中にこそ「現実を見ろ」と 水をさす。…。[国益優先ということに対して]櫻田氏自身は 「政治というのは身もふたもない世界なのであり、 具体的な利益の追求は擁護されるべきなのだ」と涼しい顔だ。
(産経本日付、湯浅博の眼「国益の中に現実見る必要」)

国家は国益を追求する存在なので、国連の方式は必ず窮屈になり…、 保守系の政治家でさえ「国連信仰」とでも言うべき未成熟な国家観を持っている。 …。「日本本位」という言葉を提起したい。自分自身が自分の足で立ち、 自分の決意で切り開くことだ。
(産経本日付、中西輝政「求められる『押し返す保守』」)

産経だけかもしれないが、国益追求を是とするrealismの議論がさかんだ。 国際政治においては抽象的な正義は通用しないので、国益追求を第一原則として 行動すべきだというわけだ。 「道徳は損をする」という主張の典型だと言える。

しかし、国益国益と主張して原則を持たない国が長期的に見て得をするかと言えば、 かならずしもそうではないと思われるので、 「具体的な利益の追求」がどのような戦略を必要とするかが 議論されなければならないだろう。 その結果、結局は国際政治においては道徳的に行為するのが 長期的に見れば得をするということになるかもしれない。

まず「抽象的正義」「国益の追求」がどういう意味なのか、明らかにすること。 2月27日の記述も参照せよ。 内政不干渉の原則と人道的介入とのコンフリクトについても真剣に考えること。 以上メモ。

駒沢大学駅前で寿司を食う。 駒沢大学へは公園を抜けて行くといいようだ。帰りは雨で濡れる。

国益については、国際政治についての教科書でも読んで勉強しよう。

真夜中

ガーディアンを読んだり。今ひとつ調子出ず。


05/Apr/2003 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

ローリングストーンズ、インドではあまり人気がなくチケットが余っているという話 (BBC News)。

リブ・タイラーが結婚したという話 (BBC News)。 ロイストン・ラングドンという歌手と。

以上、芸能ニュース。

風呂。

真夜中2 (午前)

父ミルの勉強。父ミルが明らかにベンタムと異なる点は、 彼がプラトンを好きで、歴史も好きだったこと。

いくらか古本をネットで注文する。

夜明け

リーズのJohn Stuart Mill's On Libertyの第一章を再読。 そういえばここでも言論と行動の自由に関するベンタムとミルの思想の 比較がなされているのだった。二章も読んでみること。

もっと勉強しないととてもD論は書けない。修業修業。

朝食。昨日某マルエツで買った小豆パン。うまい。

激しい雨。寒くなってきた。

あまり標本がないコロッサルスクイッドがニュージランドの南の海で 見つかったそうだ (CNN.com)。 ヴェルヌの海底二万里に出てくるノーチラス号を襲う大王イカよりも 巨大な種だそうで、八本の足には吸盤だけでなく歯もついていて、 深海で発光しながら魚を襲うらしい。ま、まじでこわい。

昼下がり

昼下がりに起き、雨のなか急いで某銀行に行ってちょっとお金を引き出し、 それから某スーパーで買物をしてから帰宅。荒んだ天候だ。

今日の英語: the symptom not the cause

ある出来事が、別の出来事の原因であるというよりは、 その結果(徴候、表徴)であるということ。 因果関係がひっくり返って理解されていることを指摘するときに用いる。

たとえば、「麻薬の使用が流行していることが、社会の荒廃を生み出した」 という意見に対して、 「麻薬の使用は社会の荒廃のsymptomであって、causeではない」、 すなわち、社会の荒廃は麻薬の濫用によって引き起こされたのではなく、 むしろ社会の荒廃によって麻薬の濫用が引き起こされたのだ、 と指摘する場合に用いられる。

夕方

イラク戦、クライマックスに近付きつつあるようだ。 バグダッドは簡単に陥落するのか。

夕方2

部屋の掃除。また放送大学で経済学史入門がやっているので見る。 新古典派理論の完全均衡モデル。個人の効用の最大化、企業の利潤最大化。 独占、寡占。

経済学の勉強をしてみたり。

夕食。野菜炒め。食べすぎて動けなくなる。

アフガンで政府側の人物の暗殺があったようだ。

真夜中

少し寝る。

真夜中2

「貧乏人は、一家の独立を支えうる望みが、ほとんど、 またはまったくないのに、結婚する」--マルサス


06/Apr/2003 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

脱線に脱線が重なり、ミルの`Chapters on Socialism'を読む。 利己的な人間性が教育によって変更できるかという話と、 所有権概念の可変性という話がおもしろい。

真夜中2 (午前)

ロス・ハリソンが『統治論断片』に書いている解説を読む。 キーワードは、啓蒙、フィクション、契約論批判、定義(パラフレイシス)、 邪悪な利害関心、その他。第二版を出版するときに書かれた序文(出版されず)は 1822年というベンタムが『憲法典』を書いていたころのものなので、 これもちゃんと読むこと。

今日はけっこう勉強した。眠いので寝よう。

夜明け

寝れないので新聞を読んだり。

そういえば、スミスの時代には農業、製造業、商業があったが、 観光業というのはまだなかったんだな。 今は重要な外貨獲得の手段の一つだもんな。 今回の肺炎さわぎで中国や香港は痛手を蒙っているそうだけど。

3時間ほど寝る。

今日から新しく始まったアトムを見てしまう。

お昼

天気がいいので、こないだ人から教えてもらった呑川緑道を桜新町まで ずっと自転車で上っていってみる。桜がきれいなので散歩している人が多い。 呑川には鴨もいた。弁当屋があったので、たけのこ弁当を買って道端で食べた。

平和だ。

昼下がり、少し寝る。夕方に近くの某ユニクロに初めて行き、 スウェットシャツとズボンのセットと、 ジーンズ地の白いズボンを買う。

ズボンの丈を合わせてもらっているあいだに都立大の近く薬局に行き、 ハンドクリームを購入。桜がきれい。

真夜中

晩ごはんは、さわらの塩焼、めかぶ、えのきのバター炒め。 えのきはバターが多すぎたので次は気をつけること。

そのあと、散歩がてら自転車で駒沢駅前の某マルエツまで行き、買物。 夜遅くまでやっているので便利。


07/Apr/2003 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

疲れているのでとりあえず風呂に入る。

新型肺炎SARSの研究で、 一部の個人によって感染が大規模に広められている可能性がある という説が出てきているようだ。 WHOはそのような個人を`super spreaders'と表現している (CNN.com)。

ちょっと表現の仕方が難しいのでわかりにくいが、 このsuper spreadersは意図的に病気を広めているわけではなく、 おそらくは体質か何かが原因となって、 まわりへの感染を容易にしていると思われる。 う〜ん、こわいな。

真夜中2 (午前)

父ミルの勉強。 「権力」について考えるが、たいした進展はなし。 メモ: フーコーやらアレントやらハバーマスらを読まないといけないようだ。 ベンタム的にはpowerはfictious entityでパラフラーシスを要する。 『統治論断片』の第5章の注(108頁以降)、IPML第16章の205-7の注、 『法一般論』などを参照せよ。

食器を洗う。パンを焼く。

夕方

う、寝すぎた。朝に燃えるゴミを出してから夕方まで二度寝してしまった。 銀行に行くはずだったのに。社会人失格。

バグダッド侵攻が続いているが、 まだWMD(大量破壊兵器)が見つかっていないようだ。 これを受けて、米政府は「フセイン政権打倒が先」という方針に変更したとのこと (朝日)。 まあたぶん見つかるんだろうが、 見つからないと査察継続を主張したフランスやドイツにとって有利な展開になる。

関西倫理学会の『倫理学研究』も来ていた。

晩ごはんは駒沢大学駅前の某大戸屋で。いくら丼を食べたら気分が悪くなった。 買物をしてから帰宅。

風呂、洗濯。


08/Apr/2003 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

徳と腐敗についてもっと勉強する必要がある。 マキャヴェリも。

しかし、自分はいったい何をやろうとしているのか。 思想史やってる人と同じことをやっても勝てないわけだから、 「哲学・倫理学的エッジ」が必要となる。 が、このエッジとは何か。 分析力? 分析力ないしなあ。

真夜中2 (午前)

ピューリタニズムについても勉強せよ。 レットウィンのThe Pursuit of Certaintyを読みはじめる。 `To Mill, as to the early Christian puritans, man was a corrupt and fallen being, who had to struggle constantly against the sin within him' (p. xvi)という一文が気になる。

真夜中3 (午前)

ちょっと寝て、起きてしまう。

う、地震。

夜明け

あれ、世界の名著の『マキャベリ』を持っていないことに気付いた。 古本屋で探すか。

早朝

昨日からShirley LetwinのThe Pursuit of Certaintyを読んでいるが、 これが非常におもしろい。文体もよい(文学者?と思わせる)。 ヒュームと父ミルに対する宗教(カルヴィニズム)の影響については たいへん勉強になった。

ちょっと駒沢公園まで散歩に行く。 天候が崩れそうで、風が強かったが、桜吹雪がきれいだった。

お昼前

自由ヶ丘駅前の銀行に行き、 払い損ねていた京都市の国民健康保険料を納付する。 これで京都市とは縁が切れた。はず。

ついでに某東急ストアで買物。100円ショップが臨時に開設されていたので、 ふとんばさみ、小物入れ、その他を購入。一階で食料品も購入してから帰宅。

コンピュータは週末に来そうだ。あとは本棚だな。安く手に入らないかな。

お昼

新聞を読む。眠い。

お昼すぎ

レトウィンの本をさらに読む。ベンタムのところ。おもしろい。

昼下がり

近くのスーパーに野菜と果物を買いに行く。 自転車に乗りながら、 「ベンタムはクイーンズ・スクエア・プレースの隠遁者と呼ばれていたそうけど、 オレはさしずめ八雲のひきこもりだな」とか何とか考える。

そういえば、今朝散歩しているときに気付いたが、 二軒隣の家からは世田谷区になるようだ。 目黒区と世田谷区のほぼ境界線上に住んでいることになる。

そうめんとブロッコリを作る。うまい。

そろそろ寝ないと体を壊してしまう。

4時間ほど寝て、海親子丼とニラもやし炒めを作って食べる。 味が今ひとつ。

小さいハエが自然発生しているようだ。気をつけよう。


09/Apr/2003 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

昨夜は晩ごはんを食べたあと、また寝てしまう。

起きたので勉強しよう。

夜明け前

勉強中。レトウィン。ベンタムの寛容論について書いてある。 日倫の論文を書く前にこれも読むべきだったと激しく後悔。

D論を書く前にもっと文献を読まなければ。 いや、時間がないので書きながら読むべきか。とにかくがんばれ。

夜明け

そういえば、 最近はメモ用にiEditを 使っているが、なかなか便利。 たぶんD論の準備はこのソフトでやるんじゃないかと思う。

あんまりこういうメモを使うのはうまくなくて、 学部生のころにも「京大カード」を使ってすぐに挫折したけど、 このソフトはなかなか使える。 フリーだし、すぐにHTML化できるのがよい。 ダイアグラムやリンクの貼り方について勉強すれば、 もっと便利になりそうだ。

ベンタムや父ミルが使っていた「備忘録」 っていうのはただのノートだったのかな。

早朝

う〜ん、レトウィンおもしろいなあ。

朝食を食べたあと、ちょっと寝ようと思うが、寝つけないので少し散歩。 ついでにダンボールを捨てる(資源ゴミの日)。 戻ってきてから布団を干す。

そういえば昨日、皿を一枚割ってしまった。気をつけよう。

朝2

新聞。今日の産経はすごい。 高校教科書検定を受けて、かなり徹底的なチェックがなされている。 第一面の「歴史なお自虐的トーン」に続き、 11面では「『北朝鮮拉致』記述一冊もなし」「皇族を呼び捨て」などの見出しが 躍っている。「昭和天皇の崩御を『死去』とするなど、 皇族に敬語を使わない表記が目立つ」、 「第一学習社・日本史Aは『皇太子夫妻』『明仁皇太子(現天皇)』 『正田美智子』と呼び捨てにしている」など。こ、こわい。

さらに、「桐原書店・英語IIは『ジェンダーステレオタイプ』と題した英文を 掲載、『ピンク色は女の子、青色は男の子』は固定観念だとして疑問を呈している」、 「教育出版・国語表現II[に掲載されている落合恵美子の文章で]は… 『家族の多様化が起こり、 独身で家族をつくらない人や、子供をもたない人も少しずつ増えている』ことを 『家族の自然な変化』と表現」など。 産経の手にかかると、かなり普通の表現もヘイトスピーチか何かのように つるしあげられてしまう。

しかし、 産経を読んでいると教科書が激しいイデオロギー闘争の場であることがよくわかって おもしろい。

お昼前

放送大学で政治学入門。身分制議会を伴う君主政から代表民主政へ、とか。 米国の代議員は地域代表、英国の代議員は国民代表という傾向がある。

フトンにカビが生えかけていたような気がする。 換気をよくして、フトンを頻繁に干すように心掛けよう。

寝てた。完全に昼夜が逆転している。

夜2

バグダッドのイラク政権が崩壊しつつある模様。 市民の一部が「フセインは神の敵」と叫び、略奪が始まっているそうだ。

夜3

ちょっと近くのホームセンターに行き、食器洗い用の手袋を購入。

晩ごはん。チンゲン菜のニンニク炒め、その他。チンゲン菜は今ひとつ。 かたくり粉が必要なのかな?

英国で新年度の予算案が発表されたようだ (BBC News)。 毎年盛り上がっている。

夜中

風呂。オーウェンの勉強。


10/Apr/2003 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

オーウェン。

なんか寒いな。

夜明け

3時間ほど寝て起きる。だんだん朝型の生活になってきた?

バグダッド陥落。戦争が始まって約20日で首都を制圧したことになる。 今後の展開は?

早朝

朝食。今後の展開は?

イラク南部のバスラでも無政府状態になっている模様。ホッブズ。

早朝2

新聞。

ロックの『統治論』を読みながら、そうめん食べる。洗濯。 天気は良いが風が強い。早急な一般化かもしれないが、 京都は風が吹かず、台風も来ないが、 こちらは風が強いし、台風も来るようだ。地震もよく来る。

朝2

燃えるゴミを出す。

オーウェン。なぜプラトンを含めた社会主義者は、 国民が着るべきユニフォームを考案するのだろうか。 資本主義的な奢侈に対する反動か、 あるいは集団の一体感を強めるためか。 しかし、 資本主義から見れば、強制的な個性の抑圧、一様化と映るだろう。

お昼前

近くのスーパーで買物。 いつも買っていた伊予柑がなくなっていた。 季節が終わったということだろうか。 グレープフルーツその他を買う。

ヴァン・モリソンの`Have I told you lately'、いいなあ。 こういうのがよくなってくるというのは、メロウになったということか。 しかし、クラッシュの`Should I stay or should I go'にもはまってるわけだが。

お昼すぎ

オーウェン。ニューハーモニーの崩壊の過程はあまりに痛々しい。 ミルが言うように、社会主義はみなが聖人にならないとできないようだ。

夕方

昼夜の逆転を直すために、少しだけ昼寝をするつもりだったが、 爆睡してしまった。あかん。

ブリティッシュ・エアウェイズとフランス航空が、 コンコルドの運行を完全に止めるそうだ(BBC News)。 2000年の事故以来、もうけが出なくなったというのが主たる理由。

近くで寿司。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed Sep 14 06:14:54 JST 2016