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こだまの世界

2001年11月中旬号

米国ではこれまでに炭疽菌で3人の男性 --二人の郵便局員とフロリダの新聞の写真記事編集者--が死亡した。 毎年200万人以上のアフリカ人がエイズで死亡している。 この二つの危機では死者の数が大きく異なっている。 両者を結びつけるのは、 彼らを死なせずにすむ薬の特許権--製薬会社が新薬を開発するために投入する膨大な費用を回収できるよう、 彼らに与えられている特許権--をめぐる激しい闘いである。

from `Bitter pill' in The Guardian Weekly, November 1-7 2001.

ミルの言う天才は、「適切な教育によって、程度は不平等であるとしても、 すべての人々が持つことができるもの」である。 ミルは天才の発達に関する古代と近代の影響を比較し、 古代と比べて近代が劣っている点を、 古代ギリシア・ローマの教育を例に出して論じる。 すなわち、 人間の経験が狭く、少しの事実しか観察されなかった時代には、 他人の意見に従わずに物事見つめ、対象そのものを見ざるをえなかったこと、 したがって当時の教育は、知識の詰め込みではなく、 精神が生き生きと前進して知るように、 思考能力を作り上げるための訓練だと言う。 これに対して現代の教育は、 「すべての詰め込み、数学、文学、政治、神学、道徳の詰め込みである」 と言う。 だから子供たちは、すでに知られているすべての知識を丸暗記すればよく、 精神を訓練するという考え方も消滅してしまったと論じる。

---矢島杜夫、『ミル『自由論』の形成』、御茶の水書房、2001年、125-6頁

トクヴィルによれば、 民主主義は活動するのに都合のよい精神的習慣をもたらすが、 この習慣は思考にとってはかならずしも好都合ではないと言う。 なぜなら貴族制社会と異なり、 自らの思考を一点にひきとめ、 集中させることはできないからである。 そこから、高等な諸科学にとって不可欠な知性の深遠な結び付きも見出せず、 長期に亘る研究よりもその時々の研究を巧妙にまとめる手腕だけが重視され、 知性ののろのろとした深遠な働きは低い評価しかなされなくなるという。

---矢島杜夫、同上、25頁

「国家だって? イスラム教では国家なんてないんだよ。 国家に対する忠誠なんてないんだよ。 あるのは神に対する忠誠だけさ」

---タリバン側について戦うためにアフガニタン
に行ったイギリス国籍のイスラム教徒
`It's your obligation as a Muslim to fight',
in The Editor (Guardian supplement), 03/Nov/2001.


主な話題


11/Nov/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

やばっ。寝坊っ。


12/Nov/2001 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

昨日は某阪南大で学会第二日目。遅刻しまいと思っていたが、 予定より約一時間遅れてしまう。 すでに遅刻病が膏肓に入ってしまっているようだ。 わびついでに駅前の某ドーナツ紳士でドーナツを買ってから学会会場へ。

遅刻したがなんとか某氏と某君の発表を聞く。 おつかれさまでした。

お昼を某先輩と某君と食べたあと、『実践哲学研究』 の販売をすこしして、それからシンポジウムに出た。 発表では(思いきり)寝てたが、最後に一つ質問をした。 しかしどうも発表を聞いてなかったせいで的外れになってしまったようだ。 シンポジウム自体は生煮えのまま終わってしまった。残念。

今回の学会では計四回質問をした。 最多質問賞とかもらえないだろうか。 今後は質問の質を高める(簡潔かつ適切な質問を目指す)ことと、 質問の答に対する再質問ができるように努力しよう。

学会のあとは梅田で某知人と食事をし、 それからさらに京都で別の某知人と喫茶店で歓談し、 そのあとようやく下宿に戻った。 充実した週末だったが、 体力がないのでこんな土日が続くとたちまち死んでしまうだろう。

夜明け前

そういえば、 この某阪南大のロゴというかエンブレムは、 心なしか某ピザ小屋の トレードマークと似ていると思うのだが、どうだろうか。

訴訟が起こせるぐらいそっくり
まあ言われてみれば似てると言える
目が悪いんじゃないの

その他のコメント:

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お好み焼きを作ったあと、某知人の論文を読んでいたらこんな時間になってしまった。 もう寝よう。

お昼すぎ

とりあえず起きてみたが、まだ寝たりない。 しかし今日はいろいろ郵便物が届くようだし、 もう起きるか。

今日中に電話代を払うこと。

夕方

ロンドンから送った本が届いた。 まだダンボールを開けていないが、 すべて無事に届いた様子。

あれ、お好み焼きって上から押さえつけるとよくないのか。なるほど。

ちょっとミルの勉強。 やっぱり『自由論』はおもしろい。 堂々たる古典。

真夜中

げ、ニューヨークでまた飛行機墜落した模様。大丈夫か。

夜、買物に行ったあと、夕食をつくる。鮭を焼き、 チンゲンサイを炒めた。ぼーっとしていたらしく、 チンゲンサイににんにくを入れるのを忘れていた。

食後、ダンボールを開けて本を本棚に入れる。 整理するのがめんどう。

某阪南のマーク、そっくりが4通、そこそこ似ているが4通、 似ていないが1通来た(感謝)。一応補足しておくと、 某阪南のマークはあのマットを除けば、 基本的に赤ではなく緑色である。


13/Nov/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

う〜ん、ニューヨーク大変だなあ。 実は日曜の朝日新聞に出ていた 「ニューヨーク一人二万円」 旅行に行こうかと思っていたのだが、 一緒に行ってくれる人もいないし、 この様子ではキャンセルされる可能性もあるので、断念することにした。

日記の整理

真夜中2 (午前)

某君がよく食べているチキンラーメンがおいしそうなので、 今日買ってきてさきほど作ってみたが、あまりおいしくない。 これが隣の芝というやつか。

どうやら風呂のガス湯沸かし機が再びイカれた模様(以前、 99年3月末ごろに修理をした)。 明日ガス会社に電話すべし。

夜明け前

しばらくThe Guardian Weeklyを読む。terrorismの定義は難しいという話とか、 英国に移民してくる人々にcitizenshipの授業や英語の授業を強制的に 受けさせるのは自由主義に反するかどうかとか。

お、virgin radioにミック・ジャガーがゲスト出演している。 8年ぶりにソロアルバムが出るらしい。お、ボノとのデュエットもあるようだ。

昼下がり

昨日はラジオから流れてくる「悪魔を憐れむ歌」を聞いているうちに寝てしまった。 朝起きれず、お昼すぎまでコタツで爆睡してしまう。

学校学校。

昼下がり、こないだ英国から送られてきたUtilitasに印刷の問題で 読めないページが多かったので、それを郵便局で送り返したあと、 授業に出席。 わいせつ概念についての発表と、女性の就職問題についての発表。 そのあと下宿に戻る。

うどんを食べながらテレビでニュースを見ていたら、 JTBのニューヨーク2万円のやつは定員300名のところ、 すでに3000人以上の申込があったようだ。さもありなん。

コタツでしばらく寝てしまう。ちょっとノドが痛くなる。 起きてから鮭を焼いて食べる。明日はカレーの予定だが、 米がもうないので買ってくる必要あり。

真夜中

民主党の鳩山代表によると、 「狂牛病」という言葉は牛の権利を侵害しているんだそうだ。 ということは、 もちろん狂犬病は犬の天賦の権利をずっと犯しつづけていることになる。

わ、この鳩山氏の発言は英国でも報道されてるようだ。 英国でもずっと`mad cow disease'だからな。


14/Nov/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

夜明け前

翻訳中。うう、寒い。

某君は風呂を借りに友人宅に行ってしまった。 あ、プライバシーを侵害してしまった。 「行ってしまったというもっぱらのウワサ」と訂正。

Virgin Radioでは最近、 U2の`Walk On'とボノ`What's Goin' On'がよくかかっている。

タブロイド情報なので ホントかウソかわからないが、 マイケル・ジャクソンが先日マディソンスクウェアガーデンでコンサートしたとき、 鼻が一部もげて観客のところに飛んでいったらしい。 それを手に入れた幸運な客は、 きっとオークションで高額な金を手にするだろうとのこと。

早朝

お茶漬を食べる。お好み焼きを作ろうかと思ったが、 寝る前にたらふく食べるのもなんなので、思いなおしてやめる。

お昼

しまった。朝にガス屋が修理に来たらしいが、 寝ていたので気づかなかった。さっき電話で聞いてみると、 ドアベルを鳴らしただけでなく、入口のドアが開いていたので 中に入って名前を呼んだらしいのだが。(電話もしたらしいが、 それはほんとかどうかわからない)

午後にもう一度来てくれるらしいので、死んでも居眠りしないこと。

昼下がり

お好み焼きを作る。ソースと青のりをかけてさあ食べようとすると、 ガス屋が来る。給湯器を買い換える必要があると言われ、げっそりする。 大家さん、払ってくれるのだろうか。お好み焼きはそこそこ。

BBCのビデオクリップを見たいので、RealPlayer8Basicをインストールしてみる。 すると、BBC Radio2やRadio4を聴けることがわかり、喜ぶ。Virgin Radioは 飽きはじめていたので、Radio2が聴けるのはうれしい。

夕方

ああ、Radio2いいなあ。


15/Nov/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

昨日は夕方にちょっと用事で聖護院のあたりに買物にでかける。 それから中央購買部で文房具を購入し、下宿へ。夜は海親子丼。 明日こそはカレー。

夜、英国から送られてきたダンボールに入っていたプリント類を整理する。 いろいろ思い出の品が出てきてしばし涙する(ウソ)。しかし、 こういうプリントを取っておくべきかどうかは考えるところだ。

さらに夜、閉店まぎわの近所の風呂屋へ行く。 350円。なんだあの京都なんとか同業者組合って。カルテルじゃないのか。 風呂代も自由化せよっ。MK、無料風呂屋も作ってくれっ。

急いでいたのでボディソープを忘れてしまう。 仕方ないのでシャンプーで体も洗う :D それにしても大きな風呂は気持ちいい。 風呂の修理については大家さんが「しばらく考えさせてくれ」 と言ってるようなので、当分は風呂屋のお世話になりそうだ。

真夜中2 (午前)

翻訳中。あとちょっと。

昨日から不注意で二度も使用中のコンピュータの電源を切ってしまっている。 ちょっと気をつけよう。

英国で買ったメカニカルタッチの英語キーボードは、 この部屋にほこりが多いせいか最近反応が鈍くなり、 キーを押すのにかなりの力を入れないといけなくなっていたので、 しばらく引退してもらうことにした。 かわりにこないだ買ったUSBの日本語キーボードを使うことにする。 このキーボードはちょっとタッチが気にいらないが(音もしないし)、 まあすぐに慣れるだろう。

夜明け前

さ、寒いっ。

朝食を食べたあと、 ごみの日なのでこないだ空けたダンボール箱5箱を細かくちぎってポリ袋に入れ、 玄関の外に出しておく。大量のダンボールをちぎるのには一苦労した。

お昼

さてすこし寝ようかと思ったところで母から電話があり、 京都駅に出てこいと言われる。 はじめて某駅の自転車置場を使ってみた。 ちょっと下まで降りるのが面倒だが、 降りるとそこは駅なのでまあ便利といえば便利。

お好み焼きを食べたいという母と一緒に京都駅周辺を徘徊するが、 朝早すぎてまだ開いている店がない。しかたないので某漬物屋で お茶漬とか漬物丼とかを食べる。いや、おいしかったが。 昨日買った八つ橋を渡す。しかし母も年を取った。 ついこないだまでほんの小さな子供で、 家の庭を走り回っていたのに(ウソ)。

某ソフマップとか無印に寄ってこようと思っていたが、 すっかり忘れて下宿に戻ってきてしまう。おれも年を取った。

寝ないと死にそうなのでちょっと寝る。

起きる。ふとんに入って寝たが、すこし風邪気味のようだ。

ちょっとギターを弾いたあと、某ディスカウントストアに行き、 米その他を購入。米ってパンと比べてずっと保存性が高いとか考えたり。 いや、 パンも自分で作ればしばらく置いておけるので同じくらい便利なんだろうけど。

フランスの箴言家ラ・ロシュフコーによれば、 「感謝は新たな好意を受けたいという秘かな願いに過ぎない」らしい。 バガぬがしでんでねえ。そういう場合もあることは認めるが、 経験的にはそうでない場合もある。と思う。

もう一つ、 「われわれは親友の不幸に何か不快ではないものを見いだす」。 これはドイツ語ではSchadenfreudeと言われ、 英語はこの語をドイツ語から借用している。 友人の不幸を喜ぶ場合、その友人は親友ではないと思うのだが、 これについてはちょっと人生経験が足りないかもしれない。 きっとロシュフコーには親友が100人くらいいたんだろう。

夜2

翻訳あとちょっと。下の一文は訳すのが難しい。ヘルプ。 インターネットは、 ニュースのカスタマイズなどによって自分の欲しい記事しか 読まなくてすむようにできるため、 視野が偏狭になってしまう、という文脈。 直訳すると「問題は、個々人は容易に彼らがすでにそうであるところのものに ますますなっていくということである」。 どうこれをわかりやすくするにはどうすべきか。

`The problem is that individuals are facilitated in becoming more and more what they already are.'

訳:

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夜3

BBC2を聞いていると、 英国でも学校での体罰が許されるかどうかが話題になっているようだ。 この掲示板で熱心に議論されている。


16/Nov/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

ツナカレー(辛口)を作る。ほんとに辛い。ルーを箱ごと使ったので (ただし箱はちゃんと捨てた)、 数日間は食べ物のことについて悩まなくてよさそうだ。

真夜中2 (午前)

『自由論』を読んでいたら眠くなったのでテレビをつけると こないだのニューヨークのチャリティコンサートがやっていたので それを見ていたら眠くなったのですこしうたた寝をする。 眠りぎわに見たちょっと恐い夢ですぐに目が覚め、 ポールマッカートニーのイエスタデイ、レットイットビーなどを観る。 Whoのボーカルのロジャーダルトリー(だっけ)は、 最近ビートたけしに似てきたようだ。

目が覚めてしまったので再び『自由論』を読もう。

先の翻訳については、 身内と覚しき人から試訳が二つ送られてきたので感謝しながら掲載しておく。 よければもうすこし試訳を送ってください。

`The problem is that individuals are facilitated in becoming more and more what they already are.'

こだまの直訳: 問題は、個々人は容易に彼らがすでにそうであるところのものに ますますなっていくということである。

匿名訳1: 個人は容易くだんだん元来の自分になっていくということである。

匿名訳2: 問題は、個々人の既存の視野がインターネット環境によって増々偏狭化 される[してしまうことにある(児玉による訂正)]。

匿名訳2の「既存の視野(what they already are)」というのはうまい。 おれは「これまでの自分」というのを考えていたが、これだと 「ますますこれまでの自分になる」という訳になり、 それが良いことなのか悪いことなのかわからない (これは「自分になる」ことは良いことだという通念があるせいだろう)。 そこでむしろこの訳のように「既存の視野が偏狭化」すると訳したり、 「すでに持っている偏見(バイアス)がますます強められる」 などのようにwhat they already areを意訳してしまった方が 文意が通じると思われる。が、どうだろうか?

昼下がり

わ。また寝坊だっ。

あれ、またUSBキーボードが使えなくなった。 ドライバを再インストールしようとすると、 「デバイスをインストール中にエラーが発生しました。 関数ドライバがこのデバイス インスタンスに指定されなかったため、 インストールが失敗しました」と警告される。う〜ん。

キーボードの件は重症そうなので、とりあえず某エレコムにファクスで 質問を送っておいた。某授業には出れず。すいません。

某育英会にも電話して、もう一度返還免除手続について質問する。 学振DC1も免除職になっているから、 すぐに免除届と学振からの証明書を送れとのこと。 卒業後二年以内に就職すれば、学部生のときの奨学金も返済が免除されるらしいが、 これはどうなるか。あ、後者については来年春に猶予願を出すこと。

それからちょっと大学に行き、翻訳の第一稿のプリントアウトをする。 さっさと終わらせるべし。

ルネに行き、本を買う。Windows XPが出ていたので買いたくなったが、 科研費もないしまだ重大なバグがあるかもしれないので来年までガマンする ことにする。


17/Nov/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

昨夜はミルの勉強をすこしした。夕食はカレー。

夜中に風呂屋に歩いて行ったら休業日なのであせる。 走って別の風呂屋に行くと、閉まる直前だったが入れてくれる。 つかのまのあいだ、一人で男風呂を占有する。 ここは水曜日休業なので注意。

都立大、科学技術大、保健科学大、都立短大が統合し、 05年度から新しく開学するらしい。 おもしろいのは「人格形成のために」入学時点での 全寮制を考えていること。 ロンドンで寮で暮らしてみて、 寮生活は他の研究分野の学生と知り合ったり、 共同生活の楽しみや苦労を知るのに適していることがわかったので、 この提案は大賛成。まあいろいろ問題がでてくると思うが。

明日から清水寺が夜間特別拝観だそうだ(12月2日まで、9時半までやってる)。 ちょっと行ってみるか。

おかしい。もうこんな時間だ。だれかに時間を盗まれてる気がする。

先の翻訳について、 もう一つ試訳が送られてきた。感謝。

`The problem is that individuals are facilitated in becoming more and more what they already are.'

こだまの直訳: 問題は、個々人は容易に彼らがすでにそうであるところのものに ますますなっていくということである。

匿名訳3: 問題は、個々人の現在のあり方が、[インターネット環境によって] より一層強化され易いということである。

こっちの方が匿名訳2にくらべると、 原文に即しているが、 「現在のあり方がより一層強化される」というのがやはり少しわかりにくい (文脈から明らかになる可能性もあるが)。否定的なニュアンスを出すために、 「問題は、個々人の現在のあり方が、 インターネット環境によって促進されることで、 ますます強化されてしまう、 ということである」などとするといいかもしれない。こんなもんかな?

夜明け前

まじめにミルの勉強。ひさしぶりに勉強するのがおもしろい。 やっぱり勉強会がないと勉強しないんだよなあ。 授業というのは受動的なものなので予習することがあまりない。 また、自分の興味にあったおもしろい授業というのもまれだ。 他方、学会発表というのも勉強する動機にはなるが、 準備にしろ発表にしろかなり苦労するので、 あまり「おもしろい」とは言えない。 自分で授業するようになるとどうかな。 授業の内容や学生の質にもよるが、 うまくいけば勉強会の半分ぐらいは楽しめるのかもしれない。

ん、上の記述には「他の人に楽しんでもらう」という観点が 欠けてるんじゃないかって? たしかに、そっちの方面でも努力する必要はあるが、 やはりまず自分が楽しめないとダメだと思う。 が、そういう発想がそもそもダメなのかも。

上で引用した矢島杜夫の本はすごい。 思想史の本はあまり読まないのでよく知らないが、 きっと思想史のお手本のような本なのではないか。 あるいはこの種の質の良い本が思想史の分野では 石ころのようにごろごろしているのだろうか (哲学の分野では明らかにダイヤモンドか金のレベルである)。 あえて一つ難を言うとすれば、 ベンタムについての記述が少ないということか。 出版の自由、世論の役割、宗教観のあたりでもうすこし両者の比較が あってもよいように思う。

早朝

熱心に勉強していると朝になってしまう。すこし寝るべし。

お昼

やば。コタツを切って寝てた。これは風邪を引いたかもしれない。 う〜、ぶるぶる震える。

ん、また黒インクが切れてしまった。どういうことだ?

自由主義読書会

カレーを食べたあと、 某宅にて自由主義読書会。 記念すべき第1回目はミル『自由論』の第2章の表現の自由と、 第3章の行為の自由(伝統に従わず個性的な生き方をする自由) について勉強した。 本気で悪魔の代弁者を演じる反功利主義者が二人いるので、 いろいろ議論になり、 4時間近く勉強していたがあっという間に終わってしまった。 次回は第4章と第5章の予定。

反功利主義者の議論についてはもっと真剣に考える必要あり。 ミルじゃないけど、どちら立場にも真理があると考えて、 反論のもっともな部分を理解する必要がある。

寝不足なので、ちょっと寝てから新聞を読み翻訳の手直しをしよう。

夜2

3時間ほど爆睡する。新聞。

ノーベル賞受賞者の利根川氏が大学改革について 「教授たちが大学院生らを自分の仕事の手伝いに使うばかりで、 独創性を秘めた若い研究者を育てる努力をほとんどしていない。 才能を発揮する機会を奪っている」と述べたそうだ (朝日)。

まあよく聞く話だが、これをミル的に言えば、 院生は教授たちのくびきから逃れ、 自由にトンデモ研究をできる環境に置かれなければ独創性(個性)を 発揮できないということになる。

他の時代においては、彼らが単に大衆と異なった行動をとるだけでなく、 大衆よりすぐれた行動をとるのでないかぎり、 彼らのそのような行為にはなんの利点もなかった。 [人々の画一化が進んだ]現代においては、 単に人々に同調しないという例を示すこと、 単に慣習にひざを屈することを拒否することそれ自体が、 一つの貢献となるのである。---J・S・ミル

関嘉彦責任編集、『ベンサム、J.S.ミル(世界の名著49)』、中央公論社、1979年、292頁


18/Nov/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

お好み焼き作る。お好み焼き粉100g、水100gに対してキャベツ3枚は 多すぎたようだ。かといって2枚だと少ないので、 2枚半ぐらいがちょうどよさそう。

食事をしながら某君と話していて 「アゴラとしての銭湯」という論文でも書いてみようか、と思い立つ。 題名は「英国のパブ、日本の銭湯」でもなんでもいいが、 とにかく、地域の共同体の活性化を計り、 地方の民主主義を促進する議論の場としての銭湯の役割を見直し、 市民は少なくとも三日に一回は銭湯に行かなければならないと主張する。 銭湯組合から表彰されて一年分の入浴回数券とかもらえないだろうか。

先の翻訳について、 さらにも一つ試訳が送られてきた。 ありがとうございます。

`The problem is that individuals are facilitated in becoming more and more what they already are.'

こだまの直訳: 問題は、個々人は容易に彼らがすでにそうであるところのものに ますますなっていくということである。

匿名訳4: 問題は、個々人の既得の性向が、[インターネット環境によって] ますます助 長され易いということである。

「性向」という言葉はなかなかいいと思う。「偏向」とか「バイアス」 とかにするとちょっと原文から離れてしまうが、「性向」はつかずはなれず (ってなんだ?)でうまいと思う。「既得」というのもalreadyの訳として 「既存」よりも具合がいい感じがする(うまく説明できないが)。 ただちょっと「既得の性向」とやると語感がかたくなる感じだ。 が、「既得の性向がますます強まってしまう」ならまあふつうに読める気もする。

…なんか「気がする」とか「感じだ」としか言えずうまく説明できないところが おれの限界だな。日本語に対する感覚をもっと養うべし。

真夜中2 (午前)

翻訳に見直しを始めるはずが、新聞などを読んでいたらあっというまに 夜明け前になってしまう。 kyoto-u.comの掲示板を読んでいたらなぜか鬱になったり。

たしかに全寮制にすると、 いろいろ問題がでてくると思う。 あと麻雀とか。 授業で多忙になるようにするとこの弊害はある程度減るのかもしれない。 しかし、 まあこういったことは寮生活しなくても起きることだし、 むしろこういうことは弊害と考えないで、 社会勉強の一部と捉える方がいいかもしれない。 恋愛、妊娠中絶、友情、ホモ、鬱、自殺などコミの全寮制。 もちろん寮に風呂はなく、みな銭湯に行かなければならない :D

起きたら自転車に乗って散歩にでかけるつもり。 起きれたら、だが。

夜明け前

今まで気づかなかったが、 バングラデシュで研究中の某氏が彼の地から 日記を 更新している。便通の調子が気になるところ。

そういえば書き忘れていたが、 早ければ来年初頭から電話加入権なしに固定電話が使えるサービスが、 NTT西日本、東日本で始まるそうだ (朝日)。

ただし、 料金は電話加入権に入っている人よりも月640円余分に払わないといけないらしく、 正規に72000円払って加入権を購入した場合と比べると、 9年4ヶ月までは加入権を買わない方が安いが、 それ以上使う場合は加入権を買った方が安いらしい。

すでに権利を買った人から返還請求が起きる可能性があると書いてあるが、 おれみたいに中古で安く買った人間も大勢いるだろうし、 なかなかうまくいかないだろうと思う。 そりゃ、72000円もらえたら喜ぶが。

早朝

う〜ん、けっきょく翻訳の手直しに着手できなかった。 が、もう寝る。

さっきチキンラーメンを食べたが、やはりあまりうまくない。

昼下がり

う〜ん、案の定寝すぎた。

カレーをようやく食べ終える。

ちょっと自転車で散歩に行ってきた。 近くの山のふもとを東にすこし行くと宝が池駅のそばに出たので、 宝が池→修学院→一条寺というコースで戻ってきた。 小雨が降ったりやんだりしていたせいか、 東の空にきれいに半円を描いた出ていた


19/Nov/2001 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

昨夜は、CD-Rを一枚焼くのに4時間近くかかってしまった。 ドライバやソフトをインストールしたりするのに手間取った。

それから銭湯に行き、銭湯ってコンピュータも本もないし、 もの考えるのに適しているな、これからは閨房哲学じゃなくて銭湯哲学だな、 いや、ヨクジョー哲学か、などと考えながら湯ぶねにつかり、 のぼせるくらい暖まってから下宿に戻ってきた。

それから海親子丼(しいたけ入り。そろそろ売りに出せそう)を作り、 ようやく一息つく。とある高校生が「入試の小論文で出そうなので アイデンティティについて教えてください」とメイルしてきたので、 今夜はそれに答えなければならない。アイデンティティねえ。

真夜中2 (午前)

アイデンティティ書簡

というわけで今まで、 これまで考えたこともなかったアイデンティティの問題について考えていた。 せっかく書いたのでメイルの内容を以下に転載しておこう。 あ、3.のあたりは某君に少し助言をもらった。 したがって、 そこらへんの議論のいいかげんさの責任はぜんぶ彼にある :)

某大学受験生 wrote:

> 大学の推薦試験の小論文を書くためにいろいろ小論文を書いて勉強していた
> のですが、アイデンティティの題目の小論文だけあまり意味がわからず、全
> 然書けません。実は推薦試験が****にあります。それまでに何とかアイデン
> ティティについて知識を持っておきたいと思います。できれば早めにお返事
> をメールでいただけたらと思います。本当にすみません。よろしくお願いし
> ます。

某大学受験生 wrote:

> 小論文のタイトルは「自己と他者のかかわりについて」です。
> この小論とは別に、先生からもアイデンティティの題目での小論はよく出る
> から勉強しときなさいって言われたからでもあります。

1. アイデンティティ: 自分であること、自分らしさ、ホントの自分

まず、アイデンティティの意味ですが、一般に自分のアイデンティティとは、 自分が何者であるか、という意味です。「お前誰やねん?」と訊かれて、「お れは云々だ」というときの、うんぬんの部分があなたのアイデンティティです。 だから、自分の身元を明らかにする免許証や学生証はまとめてIDカード、すな わちidentity (identification) cardと呼ばれます。

しかし、IDカードに書いてあるのは自分の社会的身分(高校生、大学生、会社 員)ですが、この小論文で問題になるようなアイデンティティというのは、 「他人から見て自分が誰か」という意味でのアイデンティティではなく、「自 分にとって自分は何者か」という意味でのアイデンティティです。たとえば、 ぼくがビートたけしは誰かと訊かれたら「お笑い芸人」と答えるでしょうけれ ど、本人は自分のことを映画監督兼俳優と思っているかもしれないし、もっと 違う仕方で自分のことを理解しているかもしれません。同様に、ぼくにとって は、クリントンは助平な元米国大統領ですが、本人は、世界平和のために努力し た立派な米国大統領兼良き夫だと思っているかもしれません。この二つ目の意 味でのアイデンティティは、「ホントの自分」とか、「自分らしさ」という風 な言葉で理解できると思います。「おれ、昼間は日雇い労働してるけど、ミュー ジシャン志望やねん」というような人は、社会的なアイデンティティは日雇い 労働者だけど、自分的にはミュージシャンの卵なわけです。ここまでついてき てくれたでしょうか。

2. アイデンティティの喪失、危機、脆弱性

さて、そこでこのアイデンティティのなにが問題かというと、今日ではこの 「自分らしさ」「ほんとの自分」としてのアイデンティティが見つけにくくなっ ている、と言われてるんですね、とくに社会学とか教育学で。下にインターネッ トで「アイデンティティ、喪失、危機」というキーワードで検索したページを いくつかコピーしておいたので見てくれたらわかりますが、 要するに今日の流動的な社会では、 「私は何々社の課長です」とか「私はだれだれの妻(彼女)です」 という形で自分を「定義」するだけではすまされないわけです。 なぜなら、こういう形で自分を定義すると、いざ会社を首になったり、夫ある いは彼氏と別れたりしたときに、「いったい自分は何者なんだろう」という深 刻な自己喪失感に陥ってしまう危険があるからです。

こういう「おれってなんだろう」「おれが生きてて何の価値があるんだろう」 とかいう疑問を持つことを、アイデンティティが危機に陥っているという風に 言います。大学に入るまで一生懸命勉強してきたけれど、大学に入ったとたん 目標を喪失して引きこもりになってしまうとか、今まで尽くしてきた彼女に振 られてこれからどうしたらいいのかわからずとりあえず首をつってしまうとか いうのも、まあアイデンティティの喪失状態にあると言えるでしょう。ほかに も、街のアイデンティティの喪失、帰国子女のアイデンティティの危機なんて ことも言われたりしますが、これがどういうことかちょっと考えてみてくださ い。

3. 生きがい、自分探し、自分らしさと他人との関係

というわけで、アイデンティティとは「ホントの自分」のことで、この「ホン トの自分」を見つけるのが今日の社会では難しいというのがここまでの話です。 じゃあ「ホントの自分」を見つけるにはどうしたらいいのか、というのが最後 の問題になります。子育てを終わった女性や、会社勤めを終えた男性が、生き がいを失い、むなしさを感じて新興宗教に走る、なんてのは「ホントの自分」 を見つける旅に出たと考えられますが、これが賢明な選択なのかどうかは一概 には言えません。大学に入った自分がどういう風に「ホントの自分」を探すの か、ということについて自分でよく考え、小論文に書くといいでしょう。

結論へ至るヒントとしては、ここで視点を変えて、アイデンティティと他人と の関係について考察することです。今まで「自分」ばかりに照明が当たってま したが、「自分らしさ」(自分の性格や人格)というものは、ひとりでにできる ものではなく、親や友人との交流によって形成されるものです。親が反面教師 になったり、友人の真似をして同じ音楽を聴くようになったり。それに、やは り「ホントの自分」の大きな部分は、「だれそれの娘としての私」とか「だれ それとだれそれを親友に持つ私」というように、家族や友人抜きには語れませ ん。つまり、「自分らしさ」というのは他人との関係抜きには語れないという ことです。だから、「ホントの自分」を見つけるひとつの有効な方法としては、 家族や友人との関係について見直し、安定した人間関係を築いていくことだと 言えるでしょう。(家庭が崩壊したり、恋人がつぎつぎに変わっていったり、 引越し続きだったりすると、アイデンティティの危機に陥りやすいというのは 想像できる話ですよね)

4. まとめ

もう一度まとめておくと、(1)アイデンティティというのは自分にとっての自 分、「ホントの自分」のことで、(2)社会が流動化している今日においてはこ の「ホントの自分」を見つけるのが大変なので、(3)他人事と思わずに大学に 入ったら他人(友人や家族)との関係を見直しつつ、「自分探し」を真剣に行な う必要がある。…なんて書いたらまあ合格点はもらえるんじゃないでしょうか。 (3)についてはもうちょっと自分で、あるいは友達や先生と相談してよく考え てください。また、「今日の社会においてはアイデンティティの確立が難しい と言われるが、それはなぜなのか説明せよ」なんて設問も考えられますので、 下の引用なども参考にして考えてみてください。

参考にしたウェブサイト

http://risya3.hus.osaka-u.ac.jp/ikemoto/ol.htm

E・Hエリクソンによりますと、「アイデンティティ」とは、『「自分はこの 点が他人より優れている」という一般的な優越性あるいは長所の意識です。こ の優越性は、周囲の人間あるいは社会が決めている人間一般の一般的な価値』 であり、『もう一つは役割関係です。たとえば自分が父親ならば、家族の中で 父親の役割をきちんと果たしている、あるいは子供であれば、いい子供として の役割を果たしているというようなことです。ある社会の中で、自分が立派な 社会的役割を果たしているということ』(「自分」を生きるための思想入門  竹田青嗣芸文社より抜粋)により確立され、安定される心性だそうです。

http://www.nichigai.co.jp/newhp/dcs/sample/dcs09.html

"アイデンティティ","identity","自我によって統合されたパーソナリティー と社会・文化との相互作用を捉える概念。精神分析学者・エリクソンによって 広められ、自己同一性、自我同一性、主体性・帰属意識などと訳される。青年 期はアイデンティティの危機の時代で、自己探求のための猶予(モラトリアム) が必要とされる。近年は「私という感覚(I-ness)」という用語も使われている。

http://www.page.sannet.ne.jp/keikoaquavita/crisis.htm

熟年離婚の急増に深くかかわる共通の問題
(1) 人生の選択に迷える女性たち(女性の結婚観の多様化)
(2) コミュニケーションの欠如
(3) 子供の自立だけを求め、妻のアイデンティティは消失
(4) 男らしさ、女らしさという刷り込まれた性差による意識のずれ
及び男性、女性のライフスタイルからの生活観・異性観・結婚観の違い
これらの問題が夫の定年・子供の自立をきっかけに表面化してくる。その時妻 は今までの自分を振り返り、アイデンティティのなさに気づき失望し、この先 どう生きるかについて心の葛藤が起きる。平均寿命80年から生れた子供抜きの 時代30年というまだあまり経験したことのない時代の中では、夫婦に選択が迫 られ、ここまでどういう人生を送ってきたかが問われるときである。

とくに、現代女性は夫、家庭、仕事、職場…といった自分以外の何かに本当の 意味で深くかかわることに充足と安定を得にくく、それらへの帰属意識が生き がいになるような社会条件にあまり恵まれていない。かつては、「いえ」が1 つの社会を意味する時代では、女性が妻になり、母になることはそれなりの社 会地位を意味していた。また戦後の高度経済成長の時は、男は外で働き、女は 家庭を守るという役割分担によって、豊かな生活を共通の目的として、あるわ く組みの中で協力し合ってきた。そのなかでは、一人前の社会的女性として一 定の役割・帰属意識があった。しかし、現代は結婚しても核家族であり、また 働いていても女性は仕事の上であくまで補助的な役割が多く、強い帰属意識は 持てない。夫ともお互いの結婚観のずれから子供に自分の社会意識を同一化し てしまい、子供に全てを賭けてもいずれ母親からは離れるのである。

http://www.nifty.ne.jp/forum/fcomedy/about/ura/opening024.html

なんでそれほど、正統な学問が大衆の尊敬をかちえられなくなったのか。逆に 言えば、単なる雑事の記録に過ぎない(と、言えば言える)当会議室のような大 衆文化研究が、昨今大きな脚光を浴びはじめているのか。それは、たぶん21 世紀に向けて、最大の問題として提起されなければならない、われわれ個人の アイデンティティ危機にカンケイしているのである。

かつては国家が担っていた、または出身地、出身校、所属する共同体が代替し ていた、個人の主体性保持が、価値観の多様化、情報伝達、人の移動手段の進 歩、文化の混交などにより、すでにその能力を失って久しい。現代、そして近 い未来は、個人一人々々が、そのアイデンティティを、己れの責任において己 れで確保しなければならない時代なのである。

…てなことを書いてメイルした。どうだろうか。

推薦入試合格
推薦入試不合格
合格どころか、 このネタで新書が一冊書けます
いや、 こんな陳腐なこと書くようじゃそもそも推薦されないでしょう

その他のコメント:

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お昼すぎ

さっき起きた。昨夜の流星は気づいたときにはすでに終わっていた。

ハリー・ポッターは12月1日からか。これは映画館に観に行こう。

昼下がり

ネットで新聞に目を通したあと、 うどんを食べる。

あれ、スモーキーロビンソンって、よく見ると郷ひろみに似てるんだな。

夕方

散歩がてら歩いて郵便局へ。ついでに北大路の本屋にも寄る。 『日本の論点』を買うべきかもしれない。

CCRの6枚組ボックスセットがもうすぐ出るらしい。欲しいな。

そういえば高野橋が復活していた。

炊きこみご飯を食べる。 めんどくさがらずにニンジンを切って入れるべきだったと反省。

すべての教えを教師と本から得ている人は、たとえ詰めこみ勉強に甘んじるという、 陥りやすい誘惑を免れるとしても、 ある説の両面をきかなければならぬという立場にはいない。 したがって、両面を知るということは、 思想家たちのあいだでさえ、ごくまれにしか達成されることではない。 そして、だれもが自分の意見を擁護して言うことのうちでも、 もっとも弱い部分は、人が反対者への返答のつもりで述べていることなのである。

関嘉彦責任編集、『ベンサム、J.S.ミル(世界の名著49)』、中央公論社、1979年、266頁

ん、これは以前も引用した気がするな。


20/Nov/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

あかん、無気力。ビデオでも借りてきて観よう。

真夜中2 (午前)

というわけでビデオを借りてきた。ウディ・アレンなんかも借りてみたが、 ちょっと芸術的な映画を観る気分ではないので、 友人に勧められた『キューブ』を観てみよう。

BBC Radio 2でミックジャガーのインタビュー。 新しいソロアルバムについて。 アルバムはどうも今いちっぽい。

夜明け前

キューブIQ (The Room Game)

大学を移って教師と同級生にいじめられた富豪の息子マイケルが、 自宅でパーティを開くと誘って彼らを閉じこめる、という話。 スリルがあるというよりは、これでもかという復讐になすがままに なる連中を観ていると胸が気持ち悪くなる。 オチは、 「一見道徳的にふるまっているように見える人が一番得をする」 ということか。展開が平坦だし、後味の悪い映画。C。

夜明け前に星空を見に外に出てみたが、 星は微動だにしていなかった。くそう。

あ、これは『キューブ』という映画ではないのか。しまった。 どうりで駄作のはずだ。

早朝

英国でもやはり電車に自転車を載せることができた。 ただしロンドンの地下鉄は別だが。 日本でも場所によってはありそうなものだが、まったくないのだろうか。

京都でもマイクロスクーターを使うという手はある。 あと、ローラーブレードとか。 河原町通りの車道をローラーブレードですいすい走ってたりしたら、 それはそれでかっこいいと思う。 それで市バスかトラックにはねられたりするともっとかっこいいかも :)

そんなこと書いてないでもう寝よう。

昼下がりに起きてうどんを食べたあと、大学へ。 個人情報保護法案についての発表を聞く。

授業後、実哲研の発送作業をし、 そのあと某助教授に寿司をごちそうになる。感謝。

某ルネで本を購入。

真夜中

銭湯に行ってきた。長湯ができない性質なので、 がんばってみるが風呂場にいるのはせいぜい30分ぐらいだと思う。 サウナもあのムっとした空気がおそろしくて入れない。 たぶん3分ぐらいで死ぬと思う。

上で書いた電車と自転車の関係については、 自転車持ち込み列車記事というサイトを教えてもらった。 私鉄の熊本電鉄他、いろいろ条件付きではあるものの、 自転車をそのまま載せてよい電車が日本にもあるようだ。 情報感謝。

そういえば今日、他大学から研究室に訪問にきていた学生がいた。 いろいろな大学の研究室を見てまわるなんて感心だと思う。 四回生のおれにはちょっとできなかっただろう。 今のおれならついでに寿司も喰っていくが :)


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Jul 28 07:37:42 2000