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こだまの世界

2001年11月下旬号

われわれドイツ人は、ドイツが経済的には巨人だが政治的には小人であることに なれてしまっていました。それがわれわれにはふさわしかったのです…。 今やそのような態度は許されません。

---ゲルハルト・シュレーダー
`The US has made requests, which we will meet'
in The Guardian Weekly, November 8-14 2001.

Capitalism is good. But benevolent capitalism is better!

---Richard Branson,
`Capitalists can learn from the anti-capitalists',
in The Independent, 28/Nov/2001.

Scholars in the humanities are seldom intellectuals: their horizons are too narrow and their standards too high to allow them to comment freely on issues outside their own area of expertise.

---Keith Thomas,
`Scholars should not be ashamed of their calling',
in The Independent, 30/Nov/2001.


主な話題


21/Nov/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

昨日の産経新聞の海山町の住民投票 についての社説は良いことを述べている。

基本的には、防衛、外交と並びエネルギー確保は国の最重要政策である。原発 立地のような重要施策を、結果に責任が持てない一地域の住民の意思にゆだね るのは間違いなのだ。

(11月20日「主張 住民投票では決められぬ」)

たしかに住民投票については、何については住民が決められるか、 決められないかについて議論すべきだし (ある町が空港を作るという決定をしていいかなど)、 場合によっては市(町)議会に対して法的拘束力を持つ 住民投票もあってしかるべきだろう。

しかし、この社説にあるように、 チェルノブイリ以外大規模な事故はないから原発が危なくない、 と言えるかどうかは疑問。

真夜中2 (午前)

納豆ごはん食べる。読書中。

伝言: 「吹聴」は、「すいちょう」ではなく、「ふいちょう」と読みます。

夜明け前

アイデンティティその2

『私という迷宮』、ざっと読んでみたが、ピンとこなかった。 1、2は興味深く読めたが、それ以降はだめ(5もすこし読めた)。 3から独我論に行かずに実存主義に行ってくれると もう少し共感できた気がするが。

いずれにせよ、現在は地に足がついており、 「ホントの自分って何だ」という問いが切実な問いとして響かないので、 今この手の本を読んでも理解できなさそうだ。 精神病の事例はおもしろいが。

他我論とか、今はぜんぜんおもしろくない。 原因は(1)まだ旬が来ていない、(2)哲学は向いてない、 のいずれかと思われる。(2)でないことを祈る。

また、おそらくこの手の議論は、 各人が普遍的な経験を自分勝手な言葉(にならない言葉)で考えているため、 みんなにピンと来る言葉を選ぶのが難しいのだろう。

おれ的に言うと、「ホントの自分探し」にはまる人は、 現実の自分を否定し、 理想としての自分こそがホントの自分であるというプラトン的倒錯 (現実よりも理想に高い実在性を置く) を犯している人が多いのでないかと思うが、 まあ精神科医にでもなって研究してみないと実際のところはわからない。

…。上の無責任でおろかな発言、消してしまいたい衝動に駆られるが、 これも今あるがままのホントの自分ということで、 記録しておくことにする。←こういう文章を書くということは、 やっぱりすこしは揺さぶられたのかもしれない。

アニー・ホール

超名作らしいが、これもダメ。 もう少し年を取ってから観るべきかもしれない。 C+。 詳しくはGreatest Films: Annie Hallを参照のこと。

もう寝る。

昼下がり

やっと起きる。

プレイボーイのサイトがクラッキングされ、 顧客データが漏れたようだ。恐いなあ。

ミック・ジャガーの新アルバムは英国では大外れだったという話。気の毒。

散歩がてら自転車で北大路の某洋書屋に閉店6分前に行ったら、 すでに閉店の看板が出ていた。 くそ。共産主義か。

某スーパーで買物。 さんまに呼ばれていた気がしたので一匹購入。 帰りぎわ、子持ちのししゃもにも声をかけられた気がしたので、 一パック購入。

夜2

うどんを食べたあと、 すこしうたた寝する。 だんだん風邪を引きつつある気がする。

晩ごはんはサンマ、キムチ、みそ汁など。よく食べた。 朝日新聞の関西復興の記事を興味深く読む。

ブライアン・ウィルソン来るのか。

真夜中

銭湯。 長湯できないのは、湯ぶねのお湯の温度が高すぎるからだということに気付く。 風呂屋の陰謀に違いないと確信する。


22/Nov/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

あ、今日からNFか。

つい夜中を浪費してしまう。いや、いつものことだが。

いいかげん、翻訳の推敲に着手せねば。今夜からやろう。うん。

夕方

さっき起きる。某編集長から電話があったにもかかわらず、 実哲研の発送作業をサボってしまう。すいません。

Amazon.co.jpから本とCDが届く。

夕方、四条で某知り合いに会う。清水寺の夜間拝観に行く。 人だかりのものすごさに驚いた。きれいな写真がまったく取れず。 二年坂そばの和食レストランで湯豆腐を食べる。


23/Nov/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

英国のVH1という音楽チャンネル(ケーブルかな?)の約25万人以上の視聴者によって 選ばれた ロック名盤100のリスト。 U2がビートルズを蹴落として一位になっていることが時代の流れを象徴しているそうだ。 ツェッペリン(2枚目)が57位というのは低すぎないか?

真夜中 (午前)

キムチうどん。なんでもキムチを入れる男。

忍びよるボケの進行をくいとめるために、星座を勉強することにした。 星座を見つけようチェーロ・ステラート 88星座完全ガイドjava applet 星座早見盤星座早見盤などを参考にする。

オリオン座、こいぬ座、おおいぬ座

南の空に見える冬の大三角形。 オリオン座のベテルギウス(赤)、 こいぬ座のプロキオン(すこし黄色)、 おおいぬ座のシリウス(青白)。

オリオンは巨人の猟師で、妻のアルテミス(狩りの女神)の兄アポロンの陰謀で、 アルテミスの放った矢で死んだやつ。

おおいぬはレラプスという名の駿足の犬で、キツネを追いかけていたらしいが、 今はオリオンと一緒にうさぎを追いかけていることになっているようだ。

こいぬのメランポスは、 主人のアクタイオンが狩猟中、 泉で水浴びするアルテミスの裸を偶然見てしまい、 怒った女神によって主人が鹿に変化させられたことに気付かずに殺してしまい、 誉めてもらうべき主人が見つからずに涙ぐんでいる姿。 この話を二つの星から想像しないといけないらしい。

オリオン座はよく見えるが、こいぬ座はプロキオンしか見えない。 おおいぬ座もよく見えるのはシリウスだけ。 ベテルギウスの左上に見えるやたら明るい星は木星のようだ。

夜明け前

ベルベット・ゴールドマイン Velvet Goldmine

70年代英国グラムロックのあり方を描いた映画。 ハデな演出の音楽とホモな世界が狂い咲き、 散っていく様子が回想的に描かれていく。

デヴィッド・ボウイとイギー・ポップの関係が元ネタのようだ。 ちょっと長いうえに、 オチなしで終わっているので、 ユアン・マグレガーかグラムロックが好きじゃないと見るに耐えない映画だと思う。 まあ音楽は好きなので、C+。

夕方まで寝てしまう。なんということだ。

夜2

子持ちシシャモ食べる。魚を焼くと、 もっとベジタリアンになるべきかどうか考えてしまう。 時間のあるときに真剣に考えてみよう。

最近よくかかっているロビーウィリアムズとニコールキッドマンのデュエット。 もとはフランクシナトラの曲らしい。

Something Stupid

ぼくは順番待ちさ
きみに時間ができるまで
二人で夜を過ごす時間をね

どこかにダンスに行けたなら
ぼくの運さえよかったら
きみはさよならを言わないかも

そのあと二人で寄り道さ
静かで小さな場所へ行き
お酒をいくらか飲んだりね

だけどすべては台無しさ
ぼくがバカなことを言って
「愛してる」とかね

きみの目を見ればわかる
ありふれたセリフは大嫌いだって
同じセリフは昨夜も聞いたって

きみにはキザなセリフでも
ぼくにはまじめなセリフなんだ
こんな気持ちははじめてさ

ぼくは毎日練習してる
気の利いたセリフを言って
気持ちをうまく伝えようって

だけど待つことにするよ
夜も遅くなり
きみと二人になれるまで

時はほどよく
きみの香りはぼくを満たし
星は赤く夜は青い

だけどすべては台無しさ
ぼくがバカなことを言って
「愛してる」とかね
「愛してる」とかね

Sung by Robbie Williams / Nicole Kidman

夜3

そういえば、 今朝BBC Radio 2ではスージークアトロによるラジオ番組がやっていた。

おうし座

昨夜はオリオン座、大いぬ座、子いぬ座、および冬の大三角形 (ベテルギウス、シリウス、プロキオン)を覚えたので、 次はおうし座。

おうし座の中心的な星はオレンジ色の アルデバラン。 オリオン座の真ん中の三点を右に辿っていくと見つかる。 アルデバランの右上にはプレヤデス星団(日本では昴)があり、 これが牛の肩にあたる。

おうし座はフェニキア王の娘エウロパをものにしようとしたゼウスが 化身した白い牛の姿。 ゼウスは油断したエウロパをひっさらってクレタ島に行き、 三人の子供をもうけた。

夜4

日記の整理


24/Nov/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

風呂に行こうと星を見上げながら歩いていたら、 犬のフンをふんづけてしまった。 失意のうちに風呂屋に行くと、本日休業だった (先週も同じ目に遭ってるのに学習していない)。

風呂に行こうと思ってかえって不潔になってしまうとはどういうことなんだろう。 とにかく明日は早目に風呂に行こう。

ビデオを返却するついでに新たに三本借りた。

撤去された自転車を代行して引き取りに行ってくれる業者(Bicycle Support Kyoto)の方からメイルが来る。 どのぐらいもうかっているのかわからないが、 がんばってください。 もうかったらついでに四条のあたりに駐輪場を作ってください。 一日100円でサービスがよければみんな泊めます。

吉野屋が狂牛病の影響で売上が落ちているので、 ふたたび250円セールスを始めるとのこと。 売れなければ値段を下げるという心意気がすばらしい (おれは食べに行かないが)。 銭湯も大人200円、学生100円にしてくれ。

ごはん、みそ汁、納豆、キムチを食べる。

The Sunの笑える記事によると、 英国ではミックジャガーの新アルバムは まだ2324枚しか売れてないらしい。がんばれミック。

真夜中2 (午前)

すこし翻訳の手直しをする。えらい。あっぱれだ。この調子でがんばれ。

外に出てアルデバランの位置を確認。すこし上に土星があるようだ。 ただし昴は見えず。ふたご座のカストルとポルックスも見つける。

ファイト・クラブ

ただのケンカ映画かと思っていたら、 二重人格を扱ったSF映画。

主人公はさえない不眠症の会社員。 彼はある日飛行機の機内でタイラー(ブラッド・ピット)というアウトローに出会い、 二人でファイトクラブというアンダーグラウンドのボクシングクラブを結成。 タイラーは、 物質文明にどっぷりと漬かり薬やセラピーで心の安息を得ようとしていた主人公に、 「リアル」であることを教える。 やがてタイラーはクラブのメンバーを訓練し、 私設軍隊を機動してテロ的行為をくりかえすようになる。 主人公は突如消えた彼を探して全米を渡りあるくうちに、 やがて彼が自分自身の別人格でしかないことに気付く。 つまり、タイラーは自分の理想の人格が分裂した存在だったのだ。 主人公はタイラーが作った巨大なテロ計画を阻止しようとするが… という内容。

よくできた映画。伏線もよく張ってある。 社会風刺も効いていて、お手本のようなSF映画。 難を言えばちょっとヒロインの印象が弱いのと、 終わり方にブラックさが足りないかもしれない。 しかし全体的には非常に良くできている。B+。

お昼すぎ

メリーに首ったけ (There's Something About Mary)

キャメロン・ディアズの魅力爆発の恋愛コメディ。 下ネタ系の冗談はまったく笑えなかったが、 犬を使った冗談は大いに笑えた。 要所要所でシンガーがギターを持って現れるというアイディアもよい。 高校時代の恋愛が成就するという話は出来すぎという感じもするが、 まあそういうところにケチをつける映画ではないだろう。 B。

さて、寝よう。

起きる。時間がめちゃくちゃだ。


25/Nov/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

昨夜、買物の帰りに星を見上げながら自転車に乗っていたら、 あやうく前から来た自転車と正面衝突しそうになった。 移動中に星を見るのはもうやめよう。

風呂屋にも無事行った。 背中いっぱいに刺青が入った人を見る。

ふたご座

冬の大三角形の上方に見えるふたご座の中心的な星は カストルとポルックス。 右上に見える兄のカストルは2等星で、 下に見える弟のポルックスは1等星。 これは、 白鳥に姿を変えたゼウスがスパルタ王の妻レダに子を孕ませたとき、 カストルは人間として生まれたがポルックスは神性を持った不死の体を持って うまれたからだそうだ。

カストルが戦場で敵の矢に倒れたとき、 死にたくても死ねない弟はゼウスに死なせてくれと頼む。 兄弟愛に打たれたゼウスはふたりを星座にする、という話。

真夜中2 (午前)

すこし寝てしまう。キムチ雑炊。

新しい日本イギリス哲学会のサイト

夜明け前

BBC Radio 2でフレディ・マーキュリーの生前のインタビュー・テープを用いた 番組をやっている。彼がエイズで死んだ話は泣ける。 こないだエイズで死んだ南アの少年(Nkosi Johnson)も泣けたが、 やはりこれまで死んだ人のうちで一番悲しかったのはこの人だろう。

ちょっと翻訳の推敲。えらい。がんばれ。

ビデオを見たいところだが、 ちょっと風邪を引きそうなのでもう寝ることにする。 起きたらNFに行ってみようかな。

起きたら日が暮れつつあった。 この生活はいかんな。

インターネットエクスプローラとリアルプレーヤはあいかわらず相性が悪い気がする。 IEがときどきフリーズしてしまう。 しかし、Windows 2000は安定しているみたいなので、 再起動しなくてももう一度IEを立ち上げるだけで大丈夫のようだ。

どうでもいいが、スーパーカミオカンデって競馬の馬の名前のようだ。

夜2

ぎょしゃ座

ふたご座の右、おうし座の上にある五角形。 中心的な星は一等星のカペラ。 カペラとは子山羊のことで、 星座はおじいさんのエリクトニウスが子山羊を抱いている姿。

女神アテナの息子、足の不自由なエリクトニウスは四輪車を発明し、 戦争で活躍した、という話。

夜3

どうも東京方面の哲学・経済学研究者のあいだにコンピュータウィルスが 先日から蔓延しているらしく、 某先生から「ウィルスを完全に撤去しました」 というメイルが添付ファイル付きで送られてきた(こわい)。 この調子だと東京方面の研究者のコンピュータはかなりやられているかもしれない。 日本の哲学研究が数年遅れる可能性が… :)

テレビでやっていた『NYPD第15分署』を観てしまう。 日本のなんとかデカみたいな内容。C-。


26/Nov/2001 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

L.A. Confidential

これもロサンジェルス版「なんとかデカ」だが、 さっきみたニューヨーク版「なんとかデカ」 の10倍良くできた映画。

物語はよくある警察内部の腐敗の話で、 マフィアと警察上層部がからんだ巨大な陰謀を ラッセル・クロウ演じる動物的な刑事とガイ・パース演じるエリート刑事のコンビが 謎解いていく。 ケヴィン・スペイシーやジェイムズ・クロムウェルなどの脇役も非常に良い味を出していて、 テレビドラマを一シリーズ分ぐらい見たような気になる。

ラッセル・クロウが演じていた激情的な役柄もよいが、 この事件を通して人間的に成長したガイ・パースの役の方に共感。 キム・ベイシンガーはアカデミー助演女優賞を獲得したらしいが、 どこらへんがよかったのか不明。 『レザボワ・ドッグズ』 をもっとシリアスで緻密なプロットにしたような、かっこいい映画。 B+。

すこし翻訳の手直しをする。えらい。今夜もがんばれ。

朝散歩に行こうかと思ったが、 寒そうだし眠いのでやめる。不健康。

朝2

と思ったが、天気がいいのでやはり散歩をしてきた。 社会との接点を失わないためにも毎日すこしずつ散歩をするようにしよう。

これは近くの神社で撮った写真。 水子供養専門の神社らしい。

目覚めたらとっぷり日が暮れていた。

憲法についての毎日の社説。 兵役を義務にすると国内外の批判が大きいだろうから、 社会奉仕を国民の義務にするという案はよいように思える。 外国で兵役の代わりに社会奉仕が選べるところでは、 実際どのようにやっているんだろう。調べてみる必要あり。

英国で選ばれた映画ベスト100。 といっても参加したのは2万人ぐらいらしいが。 ユージュアル・サスペクツ観ないとな。ゴッドファーザーも。

真夜中

お好み焼きを作って食べたあと、銭湯へ。 明日はみんなデートなのか、やたらと混んでいた。 こないだ見た刺青の男と舎弟もいた。

某君に教えてもらったが、 来月立命にマーサ・ヌスバウムが講演に来るようだ。

カシオペア座

よく知られているM字型の星座。 これを用いて北極星を見つけられることは小学生か中学生の理科で習う。

カシオペアはエチオピアの王ケフェウスの妻。 自分の美貌と娘の美貌を自慢したため、 ポセイドンの孫娘のネレイドという妖精たちの怒りを買う。 その結果カシオペアは椅子にはりつけられたまま北の空をぐるぐる回るハメになり、 娘のアンドロメダはいけにえとして化物くじらに差し出される。 しかし、彼女が危機一発でペガサスに乗ったペルセウスによって助けられることは アングルの絵にもある通り。 このあたりの星座はすべて秋の星座なんだそうだ。


27/Nov/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

『自由論』を読んだあと、しばらくうたた寝する。 時間がめちゃくちゃだ。

今日は某ルネに行くことと、某国民年金を二ヶ月分払うこと。

昨夜のニュースステーションを見て思ったこと。 都市に住む人間の勝手な言い分と非難されそうだが、 「均衡ある国土開発」と称して全国津々浦々に高速道路を作る(全長1万4000キロ) のはおかしい。

たしかに、どんな山奥でもJRが走っていて、郵便局とコンビニがあり、 しかも高速が走っていたら便利には違いない。 しかし、高速が走っていない田舎に住みたい人間や環境破壊についてはどうなるのか。 すべての山奥に住む人間が「ここにも高速が走ってくれないと、 基本的人権が保証されない」と考えているはずがない。 あらゆるところに「高速」道路が走っていて高速なアクセスが保証されるよりも、 都市と田舎で住み分けした方がよい。

ん、あんまり説得力がないな。もうちょっと勉強しよう。

そういえば、時間のあるうちに歯医者に行かなければ。

BBC Radio 2が試験的にWindows Media Player用のファイルも準備しだしたようだ。

早朝

翻訳の推敲をする。えらい。この調子で引き続きがんばれ。

まだ起きてる。

ヒトクローンと オサマビンラディンの関係についての記事。 すこし笑える。

お昼すぎ

しんどい。

法学部図書館に行くとちょうど昼休みがはじまってしまったので某中央生協で買物する。急須買う。 まだ時間があったので某ルネで本を見るが買わず。

法学部図書館に行く。ひさしぶり。法学の雑誌は月一冊発行されている。 しかも特集を組んでいる。なんて熱心なんだ。倫理学や哲学とは大違いではないか。 これは層の厚さの違いなのか、研究者一人一人の勤勉さの違いなのか、 はたまた「法学は浅薄だから論文なんて一月に二本でも三本でも書けるが、 哲学は高尚だから論文はがんばっても五年に一本しか書けない」 とかいうような理由によるのだろうか。 なんてことを考えながら雑誌を二冊借りて研究室でコピー。

昼下がり

買物をしてから下宿に戻る。今日はカレーの予定。

郵便局で国民年金を二ヶ月分払う。 3月まで二ヶ月分ずつ払わなければならない。 生きていくのはたいへんだ。

NTTから電話代の請求書も来る。 電話はほとんど使ってないのに基本料とADSL使用料(および工事料) だけで一万円近くする。 生きていくのはたいへんだ。

カレーを作る。10人分。ニンジンとタマネギを大量に投入。 食べてみるとすこし味が薄い。 水を入れすぎたのか、ルーが底にはりついているのか。

しんどいのでこれから少し寝る。 しかし、科研費の書類作成、 翻訳の推敲、新聞、生命倫理学読書会の準備、 星座の勉強などがあるので、 けっして朝まで寝てはいけない。


28/Nov/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

ちょっと寝た。メイルを書いたり電話をしたりカレーを食べていたりしたら すでにこんな時間。勉強せねば。

寒いが外に出て星を見る。 オリオン座のまわりの星座で目ぼしいものはだいたいわかるようになった。 他の方向の星は建物が邪魔で見えにくいため、覚えるべきかどうか思案中。

おおぐま座

腰から尻尾にかけては北斗七星

狩猟の女神アルテミスに仕える美しい精霊カリストは 処女の誓いを立てていたが、 例によってゼウスに狙われてやられてしまう。 その結果カリストはアルカスという息子を孕み、 そのことに腹を立てたアルテミスあるいはヘラが、 カリストを熊に変えてしまう。

それから十数年。 アルカスが立派な若者になって猟をしているとき、 偶然母親(熊)と再開する。 カリスト(熊)はよろこびのあまり我を忘れて息子の元へと向かうが、 母が熊になったことを知らされていないアルカスは、 しめしめ獲物が現れたわいと槍で刺し殺そうとする。

親殺しの悲劇が起ころうとするその瞬間、 憐れに思ったゼウスがアルカスを小熊に変え、 空に放り投げて星座にしてしまった。

それで北の空にはおおぐま座とこぐま座があるというわけ。 おおぐま座の尻尾(北斗七星の柄の部分)がやたら長いのは、 ゼウスが投げたときに伸びたんだそうだ。

早朝

イギリスにある中華料理チェーン「マックチャイナ」が、 名前がまぎらわしいとマクドナルドから訴訟を受けていたが、 マクドナルドが負けたとのこと。この中華料理屋は見たことがなかったが、 それで思いだすのは、 ロンドンにいたときにブリクストンで見たMFC。 これも相当やばいパクリだと思うけど、どうなんだろうか。 (CNNの記事)

お昼前

科研費の書類を提出するために大学へ。

研究室のWindows機がまともにメンテされてないようなので、 哀れに思い少し更新してやる。

小学校の動物園に飼育部があったように、 コンピュータにはコンピュータ係が必要なので、 来年からは誰かちゃんと係を決めて面倒を見てあげてほしい。 って、今年はおれが係なんだっけ?

昼下がり

某ルネに寄って少し本を買ったあと、下宿に戻ってくる。

クレジットカード会社から請求書が来ていた。 一つどうしても調べがつかない請求項 (cybernet *ventureとかいう会社からの請求) があったので、 たいした額ではなかったが念のためクレジットカード会社にその旨を伝えたら、 その項目は消してくれることになった。

う〜ん、ちょっと心配だ。 おれのカード番号が出回っているのか、 あるいは何かを買ったことをおれが度忘れしているのか。

コタツでドロのように眠る。つかれていたようだ。 コタツはよく眠れる気がするのだが、 実はそうでもないのだろうか。

夜2

ネットで新聞を読むのに1時間使っている。 これに某君が講読している朝日の朝刊を毎日読み、 The Guardian Weeklyも読んでいる…。

真夜中

銭湯。刺青の男、おらず。逝ったかな。

銭湯の値段がみな一緒なのは、 戦後すぐ昭和21年の物価統制令とかいう法律に則っているらしい。 「第一条 本令ハ終戦後ノ事態ニ対処シ物価ノ安定ヲ確保シ以テ社会経済秩序ヲ維持シ国民生活ノ安定ヲ図ルヲ目的トス」だって。 ココラヘンモ構造改革シテクレナイカナ、恋済主将。

あれ、なんだか誤変換文化に染まりつつあるな。


29/Nov/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

カレーを食べる。あと一食分残っている。

昨日の朝刊読む。 ニュージーランドの首相ヘレン・クラークは美人だ。 日本の政治家もより一層の若返りが期待される。

何でも米国テロにかこつけて言い訳することを「オサマ・エクスキューズ」 と言うらしい。いろいろ想像力が働くが不謹慎なのでやめておこう。

「賞というのは一生懸命やった結果を認めてもらうものだ。 取りに行くものではない」という野依良治の主張について。 以前も書いたかもしれないが、なぜ取りに行ってはいけないのか。

これが単に野依氏の美学だとしたら、 単なる意見の表明なので納得できなければ無視したらよい。 賞を取りに行くと「卑しい」と非難されるという意味なら、 スポーツ選手の大半は卑しい人種であることを認めると思われる。 賞金は取りに行くものではなく努力の結果を認めてもらうためのものだ というのはどうにも偽善くさい。

もう一つ思いつくのは、 快楽のパラドクスと同じで、 「ノーベル賞を目指して研究したらかえって賞を取れなくなる」 ということを述べていると解することもできる。 しかし、こう解釈したとしても、 どの程度根拠のある発言なのか謎である。

真夜中2 (午前)

すこしうたた寝する。

外に出てみると空が曇っており星は見えず。すこしストレッチする。 ストレッチというとかっこいいが、体操をしたと言いかえてもよい。

某仙人から 「やはり野依氏は卑しい動機から研究(させようと)することを非難しているんだろう」とメイル。 しかし仙人も書かれているように、 こういう禁欲主義が 「そもそも賞をやると言われてもらうようなやつは不純だ、真の研究者なら断れ」 という倒錯した(してないと言う人もいるかもしれないが) 考え方を促進するのではないだろうか。 ノーベル賞目当てでも女目当てでも名誉目当てでもいいじゃないかと思うのは、 やっぱり悪しき功利主義的思考に染まっているからだろうか。

米国兵士(CIA工作員らしい)がこないだの戦闘で一人死んだことが確認され、 それが米国で大きなニュースになっているようだ。 どうもアフガン人とアメリカ人だと人命の価値が違うような気がして仕方がない。 おおざっぱには1:250ぐらいなのではないか。

夜明け

翻訳の推敲中。

ideaを「観念」と訳すのには抵抗があるが (「民主主義は単純かつ複雑な観念である」とか)、 かと言って「思想」とか訳すとおれの日本語観を少なからず歪めてしまう気がする。 ときどき「考え」「考え方」と訳したりするが、 それだと困るときもある。 「アイデア」と書いて知らんぷりする手もあるが、 それも負けを認めたことになるような気がして認めがたい。

…こういうことを一人で悩んでもあとで監訳者の鶴の一声によって一蹴されるかも しれないので悩むのはやめよう。時間の無駄だ。

翻訳の推敲。えらい。毎日コツコツがんばれ。

夕方

お昼まで少し寝る。 そのあと、烏丸北大路に行き某大田煮大学の某知人と食事する。 一人でベラベラしゃべっていた気がして、あとで少し反省。

雨が降りだす。某所で買物をしてから帰宅。

こないだアイデンティティについて質問してきた某高校生が無事第一志望の某K大に合格したらしい。えらい。

産経の社説

英語学者の渡部昇一氏は近著「国民の教育」で、若い時期から俳句や和歌など で大和言葉を学び、日本人の伝統的な心や感覚を身につけることの大切さを訴 えている。数学者の藤原正彦氏は今月、東京都内の教育シンポジウムで「国語 を通じて日本人としてのアイデンティティーを持たせるべきだ」と強調した。

国際化が進み、一部で英語公用化論が唱えられているが、そういう時代だから こそ、健全な国家意識をはぐくむための国語教育が大切なことも忘れてはなら ない。

(「主張 評価したい文化審の提案」11月29日)

国語を勉強したら日本人の(健全な)アイデンティティができるというが、 どういう勉強したらどういうアイデンティティができるんだろうか。 光源氏を読むと立派な日本人になれるんだろうか。 おれのようにGuardian Weeklyなどを読んでいると歪んだ日本人になって しまうのだろうか。 いや、冷笑的になっているわけではなく本当に訊いてみたい。 いったい「国語を通じて日本人としてのアイデンティティーを持たせるべきだ」 と言うとき、どういう勉強が念頭にあるんだろうか。

しかし、学生に日本人としてのアイデンティティを確立させるには、 国語を勉強させるより、あるいはそれよりも先に、 日本人でない人々に接触させることが重要だと思う。 日本にいて日本人に囲まれていたら「日本人とは何なのか」 という問いを真剣に考えることはむずかしいだろう。 アイデンティティを確立せよというのなら、 日本の鎖国状態を先になんとかすべきではないのか。

真夜中

左目の奥が痛くなってきたのでしばらく寝る。 風邪の前兆だ。まずい。


30/Nov/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

生命倫理読書会の準備中。熱があり、頭痛がする。まいった。 しかし、目が痛いよりはまし。目が痛いとまったく勉強できない。

こないだまでヒマだったのがウソのようだ。

来年1月になったら絶対に歯医者に行って親しらずを抜くこと。

夜明け前

某O君曰く、 「だから和辻賞ねらえって、Mヶ崎のお二人さん」

リンリー教授こたえて曰く、 「和辻賞というのは一生懸命やった結果を認めてもらうものだ。 取りに行くものではない」

こだま曰く、「そうだよ、俺はとても罪深い人間だ」

某H君曰く、「うむ……仏教ではそのことを業というな」

早朝

頭痛ときどき雨。もう寝よう。

さて、勉強勉強。

BBC Radio 2をWindows Media Playerで聴いてみる。 やはり安定度が高いようだ。

お昼すぎ

ひさしぶりに部屋の掃除をした。 ときどき掃除をしないと腰のあたりまでホコリがたまり、 たいへんなことになる。

お昼すぎ2

キムチ雑炊食べる。眠たくなってきた。

わ。ジョージ・ハリソンが死んでしまった。合掌。

英国は喪に服している模様。

夕方大学に行き、生命倫理学読書会で英国のシャム双生児事件について発表。 去年新聞で読んでいたときは倫理学的には今ひとつ盛り上がりに欠けると 思っていたが、いろいろ論文が出ているようなので、 もうすこし勉強すれば論点がいくつか出てくるかもしれない。

読書会後、某君と某お好み焼き屋で夕食。

眠い。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Jul 28 07:37:42 2000