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こだまの世界
2000年5月上旬号
われわれはものごとがうまくいった場合は実際以上に自分の功績と考える一方で、
都合の悪いことはすぐに他人やものごとに責任転嫁してしまう。
もし責任転嫁の傑作が見たいなら、自動車事故の保険調書がおすすめである。
「見えない車がどこからか来て、私の車に当て逃げしていった」だの、
「交差点で突然垣根がわき上がり、視界が遮られた」だの、
ひどいのになると「歩行者が車に体当たりしてきて、
車の下にもぐりこんだ」というのもある。
(E.B.ゼックミスタ/J.E.ジョンソン、『入門篇 クリティカルシンキング』、
宮元博章他訳、北大路書房、1996年、127頁)
5月上旬の見出し一覧
- 1日
- 古本まつりに行ってきました。
- 3コマ目の倫理学概論に出ました。
- 某所で古本を買いました。
- w3mをはじめて使ってみました。
- 2日
- 今日も古本まつりに行ってきました。
- ブリティッシュカウンシルにIELTSの申込をしてきました。
- 3コマ目の科哲の授業に出ました。
- 4コマ目の第二演習に出ました。
- 倫理学史読書会をしました。
- 3日
- 4日
- 5日
- 今日も古本市に行ってきました。
- 流行っているらしいウイルスについて。
- 編集後記
- 6日
- 7日
- 8日
- 勉強してます。
- 科研費の書類を提出しました。
- 文閲で本を借り出しました。
- 昨日某所で買った本。
- さっそくルネで本を買いました。
- 編集後記
- 9日
- 3コマ目の科哲の授業に出ました。
- 4コマ目の第二演習に出ました。
- 倫理学史読書会をしました。
- 10日
今日のニュース
- 古本まつりに行ってきました。
- 朝一番に行きましたが、
古本マニアの某君と某君にめぼしいものを買われてしまいました。
どうにか買った本。
- 3コマ目の倫理学概論に出ました。
- 完全義務と不完全義務の歴史についてでした。
完全義務はやらないと非難される義務で、たとえば約束を守ること、
人を殺さないことなどです。
不完全義務はやれば誉められるけれどやらなくても
非難されないことで、たとえば貧者への施しです。
この二分法は最初にキケロによって定式化され、
アンブロシウスとその弟子アウグスティヌスによってキリスト教に
導入されます。
しかし近代に入り自然法思想が衰退し法と道徳の分離が進むにつれ、
完全義務は法の領域、不完全義務は道徳の領域という役割分担が生じ、
その結果道徳における完全義務と不完全義務という発想は重要性を
失なっていきます。
現代においては従来不完全義務と考えられてきた慈善(社会福祉、
貧しい国に対する援助)が完全義務とみなされる傾向があり
(不完全義務の完全義務化)、
もう一度この二分法の有効性を問うてみる必要が生じている、
とのことです。
(児玉の解釈が入っているので先生がこの通りに言ったとは
思わないでください。)
- 某所で古本を買いました。
- つい。
- w3mをはじめて使ってみました。
- かなり便利ですが、bookmarkをどうするかが問題です。
あ、必要なときにはMでlynxを立ち上げればいいのか。
- H. ライヘンバッハ、『記号論理学の原理』、
石本新訳、大修館書店、1982年、1575円
- ブーバー、『孤独と愛』、野口啓祐訳、創文社、1958年、210円
実は『我と汝』の翻訳でした。
- ポール・ヴェーヌ、『差異の目録』、大津真作訳、法政大学出版局、
1983年、315円
- 鈴木三郎編、『世界倫理思想史叢書 西洋現代編』、1958年、315円
- アラン、『スピノザに倣いて』、神谷幹夫訳、平凡社、1994年、210円
かなりの書きこみがなされている。
- オグデン/リチャーズ、『意味の意味』、石橋幸太郎訳、ぺりかん社、
1260円
- 清水正徳・井上庄七編、『現代の哲学者』、福村出版、1974年、210円
- E. ジルソン、『理性の思想史』、三嶋唯義訳、行路社、1976年、840円
- ウィリアム・P・オルストン、『ことばの哲学』、
村上陽一郎訳、培風館、1968年、210円
- 森毅、『ボクの京大物語』、福武書店、1992年、200円
- 木田元編、『哲学の古典 101物語』、新書館、1996年、200円
- 竹田青嗣、『ハイデガー入門』、講談社、1995年、200円
- E.J.レモン、『論理学初歩』、竹尾治一郎・浅野楢英訳、世界思想社、
1996年(新装版)、50円
持っている気がするが、やたらに安いので。
今日のニュース
- 今日も古本まつりに行ってきました。
- 1時間もいなかったのであまりいい本は買えませんでした。
- ブリティッシュカウンシルにIELTSの申込をしてきました。
- 6月終わりか7月はじめに受けることになりそうです。
- 3コマ目の科哲の授業に出ました。
- 十分原因と必要原因の話でした。
- 4コマ目の第二演習に出ました。
- 自己についての発表でした。
- 倫理学史読書会をしました。
- 自由意思論と、英国倫理学に対するフランスの哲学者の影響
(とくにエルヴェシウス
とコント)についてです。
- イェリネック対ブトミー、『人権宣言論争』、
初宿正典編訳、みすず書房、1995年、2625円
某君の情報によれば、相場はもっと安いそうです。しまった。
- 田中美知太郎責任編集、『プラトンII』、中央公論社、
1969年、315円
二冊目でした。
- W. ケーギ、『ブルクハルトとヨーロッパ像』、坂井直芳訳、みすず書房、
1990年(新装版)、315円
- 吉田夏彦、『論理と哲学の世界』、新潮選書、1977年、315円
今日のニュース
- ミルの死刑論
も翻訳しはじめました。
- いつ終わるかわかりませんが…。
- また古本まつりに行ってきました。
- 今日は昨日に比べてずいぶん混雑していました。
- 日記の整理をしました。
- 授業とその予習で忙しくしていたようです。
- サルトル/ハイデッガー他、『生けるキルケゴール』、
松浪新三郎他訳、人文選書、1967年、210円
- カール・レヴィット、『キェルケゴールとニーチェ』、中川秀恭訳、
未来社、1967年、210円
- 天野貞祐、『カント 純粋理性批判』、大思想文庫、1935年、105円
- 野田又夫、『哲学の三つの伝統』、筑摩書房、1974年、210円
- 平井俊彦、『ロックにおける人間と社会』、ミネルヴァ書房、
1964年、210円
シャフツベリについての論文も収録されている。
- 関根正雄訳、『旧訳聖書 ヨブ記』、岩波クラシックス、1983年、210円
すばらしい訳と内容。
- 辻村公一・佐藤三千雄他編、『哲学のエポック』、ミネルヴァ書房、
1991年、210円
- 千葉茂美/東千尋/若山玄芳共著、『論理学入門』、学陽書房、1974年、210円
- ハンス・ケルゼン、『神と国家』、長尾龍一訳、有斐閣、1971年、210円
- 小野和久、『現象学の射程 フッサールとメルロ・ポンティ』、
勁草書房、1992年、210円
今日のニュース
- 今日も古本市に行ってきました。
- 明日で終わりです。
- Lee Learner Gray, Better and Faster Reading,
Cambridge [The Basic Skills Company], 1978, 525yen.
なかなかためになる本。
- Tony Buzan, The Speed Reading Book, BBC Books, 1997,
525yen.
- Colin Brown, Philosophy & The Christian Faith,
InterVarsity Press, 1968, 525yen.
- 高坂史朗編、『悪の問題』、昭和堂、1990年、1050円
- エマニュエル・レヴィナス、『時間と他者』、原田佳彦訳、1986年、105円
- 岩崎武雄/山本信編、『新版 哲学概論』、北樹出版、1978年、105円
- 粟田賢三/古在由重編、『岩波小辞典 哲学』、岩波書店、1958年、105円
- 出隆、『英国の曲線』、理想社、1939年、210円
出隆が『哲学評論』(という研究誌はまだあるのか?)
に書いていた随筆を集めたもの。「劍橋大学」(ケンブリッジ)
とか「牛津大学」(オックスフォード)という表現が見られる。
出隆のサイン付。
今日のニュース
- 今日も古本市に行ってきました。
- 今日が最終日です。今回は皆勤でした:-)
- 流行っているらしいウイルスについて。
- 例の`I Love You'という題名のウイルスです。
以下のURLを参照するといいらしいです。
- 編集後記
- ハックスリイ/オーウェル、『世界SF全集 すばらしい新世界 1984年』、
早川書房、1968年、525円
- 吉田夏彦、『デジタル思考とアナログ思考』、NHKブックス、1990年、210円
- マイケル・クロネンウエッター、『ジャーナリズムの倫理』、
渡辺武達訳、新紀元社、1993年、525円
- 森野宗明校注 現代語訳、『伊勢物語』、講談社文庫、1972年、52円
- 吉仲正和、『力学的世界の創造 ガリレイ・デカルト・ニュートン』、
中公新書、1979年、52円
- 山崎正一/市川浩編、『新・哲学入門』、講談社現代新書、1968年、52円
- 八杉竜一、『ダーウィンの生涯』、岩波新書、1950年、52円
- 柳瀬睦男、『科学の哲学』、岩波新書、1984年、52円
- H. バターフィールド/W. L. ブラッグ他、『近代科学の歩み』、菅井準一訳、
岩波新書、1956年、52円
編集者A「警察によると、バスジャックの犯人は精神病を患っていたそうですね」
編集者B「はあ」
編集者A「ある人が精神病であるということは、
その人がバスジャックをする十分な原因でも必要な原因でもないですよね」
編集者B「はあ」
編集者A「だって、
精神病を患っている人すべてがバスジャックやそれに類似した犯罪を
行なうわけでもないし、また精神病を患っていない人でもバスジャックやら
ハイジャックやらをするわけですし」
編集者B「はあ」
編集者A「しかし、それにもかかわらず、
「あのバスジャックの犯人は精神病だったらしいよ」
という発言が、ある種の説明になっているように思えるのはどうしてなんでしょうか」
編集者B「それはあなたが精神病に対して偏見を持っているからです」
編集者A「やっぱりそうですか」
編集者B「はあ」
今日のニュース
- 必死に勉強しています。
- 許してください。まだできていません。
今日のニュース
- 勉強してます。
- 遊んでません。ほんとです。
- ちょっと引用
- こないだは野田又夫先生だったので、
今回は東大のアリストテレス学者だった出隆先生の文章を。
なお、原文は旧字体で書かれているので適宜表記を変更してあります。
実は、スチブン・マッケンナの訳出しつつあったプロチノスを求め、
かつ予約しておこうと思って、
[オックスフォードにある]某書店に立ち寄った時のことである。
私でもギリシア語の男性語尾オスがラテン[語]ではウスになり、
英語ではこのウスがアスと発音される位の事は知っている。
更に、ギリシアやラテンの字母イオタの発音イが英語ではイに限らず
長くアイと発音される場合のあることも知っている。
秩父宮様が英国人の口にかかると畏れ多くもプリンス・チャイチャイビュであり、
書店の配達小憎は私宛の包みをミスター・アイドと呼んで戸口に置いて行くそうである。
プラトンがこの国ではプレイトで、タレスがセイリズであることは勿論、
ゴルギアスがゴーヂャスと発音され、
チマイオスがタイミューズと発音されても驚かない程度にはなっていた。
だが、それなのに、何をその日は急いだものか、
私は顔見知りの店員に、ティ・アイのアイを短かく「プロティナス」
と言ってしまった。
二三度言い直してみても、店員は冷静に、「解りません、アイド様」
と繰返すだけで、さとってくれようとはしない。
ついに私は、ピー・エル・オー・ティ・アイ・エヌ・ユー・エス……
とスペルを言った。
馬鹿丁寧にこれを紙片に書取った店員は初めて笑顔を作って、
「おゝ!」と、大げさに首と手を動かし、
「プロタイナス!」と、タイに力を入れて叫んだ。
そうしたら、私の求めていた「プロチノス」が出て来た。
実に馬鹿げた話である。
(出隆、『英国の曲線』、理想社、1939年、59-61頁)
かつて学校でアリストテレスを英訳で読んでいたとき、
何でもかでもアリストテレス的の用語と見えるのか、
ある学生は、"matter of fact"という熟語をわざわざ分解して、
「事実の質料」と訳し、他のある学生は"in virtue of"を
「云々の徳において」と訳し、
更に第三の学生は"That is practically nothing"
という句を御丁寧にも「それは実践的に無である」
と訳した。
(同上、71頁)
今日のニュース
- 勉強してます。
- 今書いてます。ほんとです。信じてください。
- 科研費の書類を提出しました。
- 科研費カードをもう使ってもいいそうです。
- 文閲で本を借り出しました。
- 生命倫理関係の本です。
- 昨日某所で買った本。
- もう本を買うべきではないのですが、安いとついつい買ってしまいます。
- 藤枝澪子・松野潔子他、『英語で読む アメリカのフェミニズム』、
創元社、1991年、200円
- ロバート・M・ブラムソン、『「困った人たち」とのつきあい方』、
鈴木重吉/峠敏之訳、河出書房新社、1997年、100円
- さっそくルネで本を買いました。
- ううう。科研費カードはすばらしい。人間の購買欲を煽ります。
- 佐々木純枝、『モラル・フィロソフィの系譜学』、勁草書房、
1993年
- 田中正司、『アダム・スミスの倫理学 上・下巻』、御茶の水書房、
1997年
- 編集後記
楽しいドイツ語会話 (中級編)
編集者ツェー「さあ、このドイツ語を発音してみいっ
(と言って黒板に書いてある`Identitaet'という語を指さす)」
編集者デー「ア、アイデンティ…」
編集者ツェー「ちが〜うっ。ナインナインナインっ。ンナインっ」
編集者デー「エ、エントシュールディゲンヂー」
編集者ツェー「こっれっはっ、イデンティテートっ、
イ・デ・ン・ティ・テートと読むんだっ。
さあ、もういっぺん発音してみいっ」
編集者デー「イ、イ、イデンタ、イデンタティテュテート…」
編集者ツェー「ナイ〜ッン」
編集者デー「エ、エントシュールディゲンヂー」
☆フィクティオーンです。
☆遊んでません。ほんとです。イッヒビンマジメドッホ。
ベンキョウシテーレン。
今日のニュース
- 3コマ目の科哲の授業に出ました。
- 帰納と演繹の違い、帰納についてのミルの見解など。
- 4コマ目の第二演習に出ました。
- アダム・スミスについての発表でした。
- 倫理学史読書会をしました。
- カントでした。次回で読み終わります。
今日のニュース
- 3コマ目の応用倫理学の授業に出ました。
- 生命倫理学入門でした。
某先生による原稿はここをご覧ください。
先生によると、応用倫理学は社会的合意形成のための学であり、
「〜は〜の場合に許容される」という定式化を作ることが目標だそうです。
(たとえば、「人工妊娠中絶は〜の場合に許容される」)
- ロスマンの要約ができました。
- 明日の授業での担当分です。
KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed May 24 22:59:54 2000