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協会について

ご挨拶

 腎臓病理学は、病理学の中でもユニークな分野です。腎臓は、構造と機能が合理的に結びついた臓器ですが、腎臓病理学は、腎臓に起きる様々な障害を可視化しながら病気の本質を考える学問分野です。腎臓病理学の面白さと難しさは、形態から時間軸と病変の質を読み取り、臓器障害の原因や病態、さらには予後を推定するという特徴にあります。

 日本腎病理協会は、平成16年に設立されました。主に腎臓病理学を専攻する病理医から構成され、腎臓病理学の発展と普及を通して、わが国の腎生検病理診断の質的向上を目指して活動しています。腎生検病理診断は、腎臓病の最終診断として臨床上不可欠な検査といっても過言ではありません。その的確な診断には、標本から病理形態学的に情報を抽出し、臨床所見を勘案しながら病態を包括的に考えるという、病理学と腎臓学に対する高い見識が要求されます。腎生検病理診断の意義は、疾患名を決定するだけではなく、形態から病態を読み取り、患者に有益な情報として診療に寄与することです。腎臓病が“慢性腎臓病”(CKD)と、一括りにされる前提として、的確な治療が正確な病理診断に基づいてなされている必要があります。

 日本腎病理協会は、協会としての研究会に加えて、腎臓学会、病理学会との連携を通して活発に活動しています。とくに、腎臓学会との共同プログラムとしては、腎病理夏の学校、総会での病理CME、腎生検コンサルテーション、腎病理標準化委員会、さらには厚生労働科学研究費による班会議やJapan Renal Biopsy Registryへの参画など、わが国の腎生検病理診断の質的向上に寄与しています。現在(平成26年)の会員数は約90名と少なく、また地域的には均等ではないため、全国で行われる年間約2万件の腎生検すべてを腎病理医が診断することは困難です。今後も、腎生検病理診断を行う医師の数と診断の質的向上を目指し、腎臓病の診療に携わる臨床医と議論を尽くし、ともに研鑽することに加えて、腎病理を専門としない病理医に対しても、腎病理がサブスペシャリティーのひとつとなるよう普及啓蒙活動を推進する所存です。

 日本腎病理協会の今後の発展のために、皆様のご理解とご協力、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

日本腎病理協会代表世話人

筑波大学医学医療系 腎・血管病理学教授

長田 道夫