広域災害・救急医療情報システム
の運用について

• 大友（wds-all:115）

  現時点では，各都道府県の独自の判断ということになっております。

• 越智（wds-all:116）

  　厚生省健康政策局指導課では，「災害モード」への切り替えを，「同一 災害等で，死傷者が１５名を越えた場合」を一応の目安としておられま す。しかしこの方針は意外に各自治体などに知られていないのではない かと思います。今春の東京での列車事故の際にも災害運用はされません でしたが、ワークショップに参加された東京都の関係者は厚生省の上記 方針については知らなかったと言っておられます。

  　私は広域・災害救急医療情報システムの災害モ−ドでの運用については 「地域や国、救急医療関係者への情報提供」の観点でも考えていただき たいと希望しています。その意味で、15人を越す傷病者の発生が東京などでは容易に対応可能な数なのかも知れませんが、傷病者が増えるので はないか、地域の医療施設などが混乱しているのではないかと事態を見 守っている、全国の救急医療関係者への情報提供として広域・災害救急 医療情報システムへ入力していただく価値があったのではないかと思い ます。

  　「情報提供としての災害モ−ド運用」という適応も考えるとき、厚生省が言われる「同一災害等で，死傷者が１５名を越えた場合」というのはよい目安ではないかと思いますが私は地域ごとに異った事情があり、災害の状況によっても違ってくるとは思います。しかし、全国的にゆるやかな申し合わせとして「同一災害等で，死傷者が１５名を越えた場合」 という線を頭に持っていてもよいのではないかと思っています。また誰がそれを判断するかも、全国的に一定の線をきめておくのがよいと思い ます。皆様のお考えは如何でございましょうか。

• 大友（wds-all:115）

  「北海道の災害に対して，九州や四国で支援情報をすぐさま入力する必要があるのか？」といった意見があります。

• 越智（wds-all:116）

  　実際の災害対応の動きとしては災害コーデネーターなどが適切に調整し て、比較的近距離の十分な能力のある組織が対応をし、他の地域や組織 は事態の推移を見守り出番を待つというのが実際の流れであろうと思い ます。ただ遠方の地域からの旅行客の団体が被災といった事情が次第に わかってくる場合もあります。また患者の被災地外への転送といっても、 比較的遠方の血縁を頼る患者も出てくる可能性もあると思います。救援 医療団の派遣にしても、地域性よりも病院の系列によって行動をとる場 合もあり、広域・災害救急医療情報システムを通じてそれらの動きを事 前に把握できれば有用ではないかと思います。

  　広域・災害救急医療情報システムの全国の関係者への浸透をはかり、自 院の対応能力の迅速な把握、検討結果の円滑な入力などの力量が、遠隔 地の災害を契機についてゆけば有意義ではないでしょうか。私は当分の 間、一定規模以上の災害発生の場合には、自院の対応能力を見直し、適 切な最新の情報を入力するというステップが有用ではないかと考えます。

• 大友（wds-all:115）

  被災都道府県が「災害モード運用」とする前に，「自主的に」支援情報を入力するべきとの意見もあります。

• 越智（wds-all:116）

  　ある地域の被災状況についての非被災病院等の対応のあり方は、医療施 設ごとにかなり違うと思います。その一つの目安が広域・災害救急医療 情報システムの「災害運用」だと思いますが、当然ながら災害運用をす る自治体が現れる前に支援側として入力をされるのは大変有意義なこと だと思います。災害による混乱下には結局、被災自治体が「災害モ−ド」 に切り替えることなく事態が推移することがありうるからです。

• 大友（wds-all:115）

  過去2回の実運用の際，wdsのメーリングリスト上で，支援情報の入力依頼がありましたが，メールに四六時中アクセスしていることは不可能であり，至急に入力を要請する方法としては不適切であるとの批判がありました。

• 越智（wds-all:116）

  　これはＮＴＴデータまたは厚生省健康政策局から、各自治体のキーパー ソンにポケベルなどで24時間体制で緊急連絡をとるのがよいと思います。 自治体内の関係者や災害基幹病院などには、連絡を受けたキーパーソン が連絡を回し、広域・災害救急医療情報システムへの入力を促すのがよ いと思います。

• 大友（wds-all:115）

  支援情報が，古い情報のまま1ヶ月以上も放置されている。いつのどの災害に対する支援情報か不明である。

• 越智（wds-all:116）

  　現在は支援側、被災側にとっても「災害モ−ドの運用」「平常時の運用」 の２段階しかありません。私は支援側にとっては以下の３つの段階があ ってもよいと考えています。ＮＴＴデータ様、システムの変更は難しく ないと思いますが、如何でしょうか。

  　〇平常時モ−ド（緑）：

  仮に他地域で災害がおこった場合にはどの程度 の患者を収容でき、どの位の規模の救援チームを派遣する用意があ るかを表示。

  　◎災害支援モ−ド（黄）：

  他地域の実際の災害の報に接し、現時点でど の程度の患者を収容でき、救援チームを派遣できるかを具体的に入 力、表示する。

  　●被災モ−ド（赤）：

  実際の災害下にあって被災状況、患者収容状況、 救援要請、患者収容要請などに関する情報を入力する。

  　如何でございましょうか。

• 大友（wds-all:115）

  「当院は，・・名重症患者受け入れ可能」といった報告を，いちいちメーリングリスト上で行う必要があるのか？といった批判がありました。

• 越智（wds-all:116）

  　これは勿論、否でしょう。災害時においては不要なトラフィックの増加 は自粛する必要があると思います。

  • 単に入力しましたと伝えるメールは不要。具体的な入力内容について は広域・災害救急医療情報システムの情報を閲覧していただく。
  • メールとして配送されない災害掲示板の方は、メールよりもやや自由 な情報提供が可能と思います。
  • メールとして流された情報や掲示板の情報のまとめ、真偽確認、整理 などを担当する人（災害情報コーデネーター）が必要であろうと思い ます。

提案７．支援情報を入力する数字に対する責任

• 大友（wds-all:115）

  「広範囲熱傷20名受け入れ可能」といった救命不可能な数字を入力している施設が存在しました。

• 越智（wds-all:116）

  　災害情報コーデネーター（仮称）がチェックし、確認する体制が必要と思います。特に非災害時の一般的な対応能力の表示の段階からそのよう な発信情報をチェックをしておく必要があると思います。

• 大友（wds-all:115）

  情報発信をどのようにするか？

• 越智（wds-all:116）

  　厚生省のご指導により、広域・災害救急医療情報システム非導入県から 積極的に wdsに参加していただく必要があると思います。また、導入県に協力していただき、代行入力などのシステムを整える必要があると思います。