おしらせ

STASスコアリングマニュアル第3版の配布は終了いたしました

STASの概要

STAS (Support Team Assessment Schedule)はホスピス・緩和ケアにおける評価尺度の1つです。主要項目として「痛みのコントロール」「症状が患者に及ぼす影響」「患者の不安」「家族の不安」「患者の病状認識」「家族の病状認識」「患者と家族のコミュニケーション」「医療専門職間のコミュニケーション」「患者・家族に対する医療専門職とのコミュニケーション」の9項目からなります。医師、看護師など医療専門職による「他者評価」という方法をとるため、患者さんに負担を与えないという利点があります。

当初はClinical Auditのために英国のHigginson教授が開発したものですが、ケア効果の評価や、個々の患者さんとご家族をモニタリングしたりするために用いることができます。

本尺度の日本語版を開発し、それを使いこなすことによって、ホスピス・緩和ケアの成果とケアの質の高さを客観的に明らかにすることができ、それがホスピス・緩和ケアに患者、家族の信頼を得ることにつながると考え、STAS Working Group Japan(代表 的場和子)によって日本語版を作成し、その信頼性・妥当性の検証を行いました。詳細につきましては、本ページからダウンロードできるSTAS日本語版スコアリングマニュアルをご参照ください。Higginson教授による簡単な解説や、日本語版の開発過程、各項目の詳細な説明、練習用仮想症例などが記載されています。

STAS日本語版をわが国でより活用していくために、ご意見などがありましたら以下の問い合わせ先までご連絡を頂けると幸いです。

厚生労働科学研究 医療技術評価総合研究事業
緩和医療提供体制の拡充に関する研究班
主任研究者 志真泰夫(国立がんセンター東病院 緩和ケア病棟)

STAS-J(STAS日本語版)のダウンロード

■ STAS-J(STAS日本語版)(PDF:14KB)
■ STAS-J(STAS日本語版)(MS-Word:119KB)

■ STAS-J症状版(PDF:17KB)
■ STAS-J症状版(MS-Word:54KB)

* 下記の誤りを訂正し、「評価できない項目への対応」を加えた最新のバージョンです(2005年4月改訂)。STAS日本語版の英文表記は「STAS-J」です。

STAS日本語版スコアリングマニュアル第3版

STAS-J(日本語版)スコアリングマニュアル第3版は2007年11月に改訂されました。本マニュアルの配布は(財)日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団を通じて行っております。本ホームページからのダウンロードも可能です。
■ STAS日本語版スコアリングマニュアル第3版(PDF:255KB)

第1版の訂正

以下の訂正文はマニュアル第1版のものです。現在配布中の第2版では訂正されています。
第1版の訂正文(PDF:6KB) (MS-Word:24KB)
該当ページ STAS日本語版スコアリングマニュアル p36

(正)
2.症状が患者に及ぼす影響:痛み以外の症状が患者に及ぼす影響
症状名
(                                  )
0= なし
1= 時折の、または断続的な単一または複数の症状があるが、日常生活を普通に送っており、患者が今以上 の治療を必要としない症状である。
2= 中等度の症状。時に調子の悪い日もある。病状からみると、可能なはずの日常生活動作に支障をきたすことがある。
3= たびたび強い症状がある。症状によって日常生活動作や物事への集中力に著しく支障をきたす。
4= 持続的な耐えられない激しい症状。他のことを考えることができない。
(誤)
2.症状が患者に及ぼす影響
症状名
(                                  )
0= なし
1= 時折の、または断続的な単一または複数の症状があるが、日常生活を普通に送っており、患者が今以上 の治療を必要としない症状である。
2= 中等度の症状。時に調子の悪い日もある。病状からみると、可能なはずの日常生活動作に支障をきたすことがある。
3= たびたび強い症状がある。病状によって日常生活動作や物事への集中力に著しく支障をきたす。
4= 持続的な耐えられない激しい症状。他のことを考えることができない。

参考文献

STAS-J症状版(日本語版STAS)の信頼性・妥当性を検証した論文が、Eur J Cancer Care誌に掲載されました。症状の評価に関しては今後はこの論文を引用していただくようお願い申し上げます。

Miyashita M, Yasuda M, Baba R, Iwase S, Teramoto R, Nakagawa K, Kizawa Y, Shima Y. Inter-rater reliability of proxy simple symptom assessment scale between physician and nurse: A hospital-based palliative care team setting. Eur J Cancer Care. 2010; 19: 124-30.

STAS-J(日本語版STAS)の信頼性・妥当性を検証した論文が、Palliative and Supportive Care誌に掲載されました。今後はこの論文を引用していただくようお願い申し上げます。

Miyashita M, Matoba K, Sasahara T, Kizawa Y, Maruguchi M, Abe M, Kawa M, Shima Y. Reliability and Validity of Japanese version STAS ( STAS-J). Palliative and Supportive Care 2004; 2(4): 379-384.

STAS-Jの日本語での紹介記事は以下のようなものがあります。STASを導入する際のポイントやなどについて解説しています。看護管理の記事はわが国での活用事例にも触れています。中島氏の論文では、STAS導入時のキーポイントについて、実際の経験をもとに詳細に解説されています。

  1. 宮下光令, 笹原朋代. STAS-Jを用いた緩和ケアの自己評価. 看護管理 2005; 15(12): 993-998.
  2. 宮下光令, 笹原朋代, 河正子, 志真泰夫. 自己評価の実際-クリニカル・オーディットとSTAS. ターミナルケア 2003; 13(2): 109-14.
  3. 中島信久, 秦温信, 小嶋裕美, 森田真由美. 急性期病棟におけるSTAS日本語版の導入と問題点 −アンケート調査の結果から−. 緩和ケア 2006; 16(6): 561-65.
STAS-Jに関するワークショップの開催報告です。
  1. 宮下光令. 「STAS-Jの使用経験とこれからの課題2008」開催報告. 緩和ケア. 2009; 19(2): 178-82.
  2. 宮下光令. 「STAS-Jの使用経験とこれからの課題2007」開催報告. 緩和ケア. 2007; 18(1): 73-6.
  3. 宮下光令. 「STAS-Jの使用経験とこれからの課題」開催報告 -STAS-J導入の成功と継続使用のために-. 緩和ケア. 2007; 17(2): 166-9.
以下はわが国におけるSTAS-Jを用いた研究です。
  1. Morita T. Fujimoto K. Tei Y. Palliative care team: the first year audit in Japan. Journal of Pain & Symptom Management 2004; 29: 458-65.
  2. 中島信久 秦温信. がん告知の内容からみた終末期ケアの質の検証 ―STAS日本語版によるクリニカル・オーディット. 緩和医療学 2006; 8(1): 55-61.

またオリジナルのSTASに関しては以下のものなどが引用文献として考えられます。

  1. Higginson I.(ed) Clinical audit in palliative care. New York: Radcliffe Medical Press, 1993.(STASの開発者Higginson教授によるクリニカル・オーディットに関するテキスト。当然STASにも詳しい)
  2. Higginson I, McCarthy M.. Validity of the support team assessment schedule: Do staffs' rating reflect those made by patients or their families? Palliat Med 1993: 7 : 219-228.(Higginson教授による英国におけるSTASのValidation論文)
  3. Carson MG, Fitch MI, Vachon ML. Measuring patient outcomes in palliative care: a reliability and validity study of the support team assessment schedule. Palliat Med 2000; 14 : 25-36.(CarsonによるカナダによるSTASのValidation論文。日本のValidation Studyはこれを参考にしている)

リンク

STAS開発者:Prof.Higginsonの所属するKing's Collegeのページ
Department of Palliative Care and Policy, King's College London

過去の講習会の記録

第32回日本死の臨床研究会年次大会 ミニワークショップ「STAS-Jの使用経験とこれからの課題2008」

2008年10月5日(日) 第32回日本死の臨床研究会年次大会(札幌)にてミニワークショップ「STAS-Jの使用経験とこれからの課題2008」が行われました。当日は定員180名のところ220名を越える方にご参加いただきました(資料のみ配布を含む)。演者の方々およびご参加いただいた方々に深く感謝いたします。当日のプログラム・抄録集と、スライドをアップいたしました。

当日のプログラム・抄録集(WORD:66KB)

発表演題とスライド
■「STAS-J導入プロセスと看護師への影響」 宮城千秋(沖縄県立精和病院) スライド(PPTファイル:171KB)
■ 「STAS-Jでの情報収集に困難を感じるのはケアの困難さと関連があるのか〜一般病棟でSTAS-Jを5ヶ月間使用して〜」 湯川弘美(市立三次中央病院) スライド(PPTファイル:615KB)
■ 「STAS-Jの評価をケアに生かす」 片山玲子(国立病院機構 山口宇部医療センター 緩和ケア病棟) スライド(PPTファイル:1491KB)
■「STAS-Jの施設・自治体レベルでの普及のために」齋藤義之(新潟県厚生連 豊栄病院 外科) スライド(PPTファイル:2320KB)
■「緩和ケアチーム設立に伴う電子カルテ運用上の工夫〜STASを利用した情報共有ツールとしてのExcelチャート活用〜」田辺公一(富山県済生会高岡病院 緩和ケアチーム) スライド(PPTファイル:5208KB)
■「緩和ケアチーム介入患者のSTAS-Jによる評価−外来化学療法室での取り組みと今後の課題−」入江佳子(筑波大学附属病院 緩和ケアセンター・外来化学療法室) スライド(PPTファイル:451KB)
■「在宅ホスピス緩和ケアにおけるSTAS-J利用の取り組み」白山宏人(大阪北ホームケアクリニック) スライド(PPTファイル:593KB)

第31回日本死の臨床研究会年次大会 ミニワークショップ「STAS-Jの使用経験とこれからの課題2007」

2007年11月11日(日) 第31回日本死の臨床研究会年次大会(熊本)にてミニワークショップ「STAS-Jの使用経験とこれからの課題2007」が行われました。当日は300名を越える方々にご参加いただき、積極的に討論が行われました。演者の方々およびご参加いただいた方々に深く感謝いたします。当日のプログラム・抄録集と、スライドをアップいたしました。

当日のプログラム・抄録集(WORD:82KB)

発表演題とスライド
■「STAS-J症状版について」 宮下光令(東京大学緩和ケア看護学) スライド(PPTファイル:1898KB)
■「一般外科病棟におけるSTAS-J導入による看護師の認識変化」 惣市こずえ(倉敷中央病院 1棟9階東 外科病棟) スライド(PPTファイル:1771KB)
■「STAS-Jを用いた取り組み−今後の可能性にむけて−」迫万美子(広島市医師会運営 安芸市民病院 緩和ケア病棟) スライド(PPTファイル:79KB)
■「緩和ケア病棟におけるSTAS-J導入と工夫」加藤恵子(綜合病院 山口赤十字病院 緩和ケア病棟) スライド(PPTファイル:9046KB)
■「STAS-Jと看護診断の連動への取り組み」清水里香(総合病院 国保旭中央病院 緩和ケア病棟) スライド(PPTファイル:201KB)
■「外来化学療法室におけるSTAS-Jの活用と今後の課題」入江佳子(筑波大学附属病院 緩和ケアセンター・外来化学療法室) スライド(PPTファイル:427KB)
■「ホスピス外来におけるSTAS-Jを活用した看護の実際」田村恵子(淀川キリスト教病院 ホスピス) スライド(PPTファイル:1065KB)

第30回日本死の臨床研究会年次大会 ミニワークショップ「STAS-Jの使用経験とこれからの課題」

第30回死の臨床研究会にて、ミニワークショップ「STAS-Jの使用経験とこれからの課題」を開催いたしました。STASを用いた経験を発表するワークショップで初の試みです。当日は8名の方から様々なセッティング・視点でのSTASの活用経験と導入の際の留意点などをご発表いただきました。180名の定員に、立ち見の方も出る盛況でした。ご参加頂いた方に感謝申し上げます。当日のプログラム・抄録集と、掲載許可が得られた方のスライドをアップいたしました。なお、当日のまとめを、雑誌「緩和ケア」に掲載する予定になっております。

当日のプログラム・抄録集(WORD:36KB)

発表演題とスライド
■「STAS導入を試みての経過報告と今後の課題」函館おしま病院緩和ケア病棟 堺千代 スライド(PPTファイル:1201KB)
■「STASカンファレンス導入の取り組みと今後の課題」筑波メディカルセンター病院緩和ケア病棟 佐々木智美 スライド(PPTファイル:708KB)
■「STAS-Jを1年半使用してみて」聖ヶ丘病院ホスピス 小池真木子 スライド(PPTファイル:6471KB)
■「緩和ケアコンサルテーションにおけるSTAS-Jの活用の実際」筑波大学緩和ケアセンター 馬場玲子 スライド(PPTファイル:207KB)
■「STAS日本語版を「導入」、「継続」していく上での問題点とその解決策−これまでに関わった諸施設からの「現場の声」をもとに−」天使病院 中島信久 スライド(PPTファイル:109KB)
■「STASを用いた苦痛のスクリーニングシステムについて:pilot study」聖隷三方原病院ホスピス病棟 清原恵美 スライド(PPTファイル:1297KB)
■「在宅ホスピスケア実施におけるSTAS-Jの有用性」大阪北ホームケアクリニック 白山宏人 スライド(PPTファイル:472KB)
■「デイホスピスの質の評価〜STASの導入を試みて〜」広島県緩和ケア支援センター 阿部まゆみ

2006年9月23日 日本ホスピス緩和ケア協会東海北陸支部会STAS講習会(浜松)

日本ホスピス緩和ケア協会東海北陸支部会にて、STAS講習会(浜松)を開催いたしました。

当日配布資料(施設内等での普及等にご使用いただいて結構です)
■プログラム(PDF) (MS-Word)
■宮下スライド1(PPT:1696KB)
■宮下スライド2(PPT:70KB)
■宮下スライド3(PPT:60KB)
■中島先生スライド(PPT:154KB)

2005年11月13日 第29回日本死の臨床研究会年次大会(山口) ミニワークショップ

第29回死の臨床研究会にて、ミニワークショップを開催いたしました。

当日配布資料(施設内等での普及等にご使用いただいて結構です)
■プログラム(PDF) (MS-Word)
■笹原スライド(PPT:68KB)
■宮下スライド(PPT:60KB)
■中島先生スライド(PPT:135KB)

2005年7月10日 日本ホスピス・緩和ケア協会2005年度年次大会(東京) ミニワークショップ

ミニワークショップは盛会のまま終了いたしました。ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。

当日配布資料(施設内等での普及等にご使用いただいて結構です)
■プログラム(PDF) (MS-Word)
■的場先生スライド(PPT:128KB)
■笹原スライド(PPT:61KB)
■宮下スライド(PPT:60KB)
■中島先生スライド(PPT:138KB)

2005年5月21日(土)のホスピスケア研究会(東京)STAS日本語版を用いたクリニカル・オーディット:毎日のケアを見直すための演習と講義

資料のダウンロードはありません。

2004年11月28日 第28回死の臨床研究会(つくば) ミニワークショップ:STAS日本語版を用いたクリニカル・オーディット:毎日のケアを見直すための演習と講義

第28回死の臨床研究会にて、ミニワークショップ:STAS日本語版を用いたクリニカル・オーディット:毎日のケアを見直すための演習と講義を開催いたしました。企画側の予想を遥かに上回る多数の方にご参加いただき、誠にありがとうございました。参加者は記帳132名、資料の配布数は後日送付を含め168名でした。当日は資料が全員に行き渡らず、申し訳ありませんでした。住所をお書き頂いた方には12/8に資料を送付いたしました。アンケートは12/31回収分までで再集計いたしました。

当日配布した資料は以下からダウンロードできます。STAS日本語版、スコアリングマニュアルはこのページにあるものと同じです。ご質問への回答につきましては、検討したうえで改訂版マニュアルに反映させます。改訂版マニュアルは準備が出来次第、本ホームページに掲載予定です。当日の写真

当日配布資料
■ 死の臨床研究会ミニワークショップ プログラム(PDF:6KB)(MS-Word:25KB)
■ STAS日本語版(訂正済みの最新版)(PDF:17KB) (MS-Word:46KB)
■ STAS日本語版スコアリングマニュアル(PDF:963KB)
■ 訂正文(PDF:6KB) (MS-Word:24KB)
■ 的場先生スライド(PPT:128KB)
■ 中島先生スライド(PPT:126KB) (PDF:262KB)
■ アンケート用紙(PDF:5KB) (MS-Word:25KB)

アンケート集計結果(12/31締め切りの追加分を加えて再集計しました)
■ 集計結果(PDF:6KB)
■ 自由回答(PDF:12KB)

問い合わせ先

本ホームページについてご質問、ご意見がある方は以下までご連絡頂けると幸いです。内容によってはSTAS Working Group Japanで議論したうえでお返事いたします。可能であれば本ホームページにその内容を記載し、今後の発展につなげていけたらよいと考えております。

ホームページ管理者
東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
TEL: 022-717-7924 FAX: 022-717-7924
宮下光令miya@med.tohoku.ac.jp