日々のことなど

インデックス

2024年6月30日(日)

色々と間に合っていないわけだが、ここまでやれていることに我ながら驚いている。

「嫌だけど理由がもっともなので受け入れる」という場合の「理由」こそが、意見が割れた場合の議論ではとても大切。こうした議論において「好き嫌い」を持ち出すのは議論を一歩も進めない。

2024年6月27日(木)

ローズピアノの音を聴いてまず思い出すのはこの曲。「美しい」以外に形容のしようがない。

I met my old lover on the street last night
She seemed so glad to see me, I just smiled
And we talked about some old times, and we drank ourselves some beers
Still crazy after all these years
--Paul Simon, Still Crazy After All These Years (1975)

2024年6月26日(水)

久々に夜まで研究室で仕事をして、心地よい夜風に吹かれながら下山。途中、楽器を背負い帰途に就く学生や共通B棟下で練習するアカペラサークルの学生たちを目にする。「サークルも勉強もがんばれ〜」と心の中で叫んでおく。

2024年6月24日(月)

「そんなことは大したことない」と他人に言うことは、その人を傷つけるかもしれない。このことを知っておくのは大切。しかし同時に、自分が深刻に考えていることを、「人から見れば大したことないかもしれない」と考えられることも大切。とはいえ、何でもかんでも「大したことない」で済ませてしまうのも問題なので、気をつけなければいけない。

2024年6月19日(水)

その人の多忙さとその人の部屋の汚さはどの程度比例するのだろうか...ということを研究室を眺めながら考える。忙しさも部屋の乱雑さも解消しない。どうしようもないな。

困難な判断は、困難だという点ではやっかいではある。しかし、自分が何を大切にしているのかを知る機会でもある。今日、「自分はまだ変わらずこれを大切にしていたのだ」と知って、ほっと胸を撫で下ろした。

2024年6月18日(火)

ある事柄を色々な文脈に置き直し、異なる意味を与えてみる。そうやって、物事がもつ多様な側面を眺めるようにする。「〜シンキング」と呼ばれる類のものは、すべてこの作業がもつ異なる機能を取り出したものなんじゃないかな。

この歳になってもお気に入りのアーティストが増えていくのは嬉しいことだけど、最近は昔のように歌詞に動かされることが少なくなっているような気がするな。一曲一曲を大切に聞くこともないし...いやこれは、社会人になった頃にすでにそうなっていたな。そもそもタイトルを覚えていない。

2024年6月14日(金)

多くのことを並行して進めることに比較的慣れているつもりではあるけど、それにしても最近は多すぎるかな。しかしこういうときだからこそ、一つ一つのタスクに飲み込まれずに全体を俯瞰する時間をもつことが大切。

2024年6月1日(土)

「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、「滅びるね」と言った。――熊本でこんなことを口に出せば、すぐなぐられる。悪くすると国賊取り扱いにされる。三四郎は頭の中のどこのすみにもこういう思想を入れる余裕はないような空気のうちで生長した。だからことによると自分の年の若いのに乗じて、ひとを愚弄するのではなかろうかとも考えた。男は例のごとく、にやにや笑っている。そのくせ言葉つきはどこまでもおちついている。どうも見当がつかないから、相手になるのをやめて黙ってしまった。すると男が、こう言った。
「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より……」でちょっと切ったが、三四郎の顔を見ると耳を傾けている。
「日本より頭の中のほうが広いでしょう」と言った。「とらわれちゃだめだ。いくら日本のためを思ったって贔屓の引き倒しになるばかりだ」
この言葉を聞いた時、三四郎は真実に熊本を出たような心持ちがした。同時に熊本にいた時の自分は非常に卑怯であったと悟った。
ーー夏目漱石, 『三四郎』(一)