日々のことなど

インデックス

2021年7月30日(金)

フェアであること。それは兜が、息子に対して言う台詞でもあった。...
「親父、曖昧すぎるよ」と克己は最近になり、その教えに、教えというほど大仰なものではないのだが、文句を言った 。「具体的にどうすればいいのか分からない」
「まあ、具体的にはいろいろあるさ。例えば、誰かの悪口を言う時に」
「口喧嘩なんて、小学生じゃないんだから」
「あくまでも例だ。いいか、相手の名前が変だと馬鹿にしたり、顔や体が変だと馬鹿にするのはやめろ」
「どうして」
「そいつの努力で変えられないからだ。どうにもならないことを攻撃しても、フェアとは言えない。そうだろ?」
「じゃあ、何を罵倒すればいいんだよ」
「そうだな。たとえば」兜は少し考える。「間食とかな。ああいうのは、そいつの努力次第だ。やーいやーい、おまえは夜の間食やめられないのかよ、とかな」
「まったくびんと来ない悪口だよ」克己があきれる。
伊坂幸太郎, 『AX』, 角川書店, 2017年, 30頁.

どうしてこれがフェアの事例なのか、なかなか難しい。批判の対象とすべきは相手の責任を問いうる事柄、つまり相手が自由に変更しうる事柄に限られるということろまでは何となく分かるのだが...。しかしとにかく、この作品も素晴らしかった。

2021年7月25日(日)

この4連休も1日を除いて仕事をしたが、まぁとにもかくにも片付かない。いや正確に言うなら、片付け方が分からない...か。

BLOGOSの記事。SDGsが能力主義を基盤とした人間中心主義であることは、9月に担当するSDGsをテーマにした静岡市のリレー講座でも触れるつもり(「だから使えない」と切り捨てない形で)。

次に、社会がしっかりと整備されれば、潜在能力は開花するし、開花させるべきだというテーマ。多数派向けの社会によって、障害を持つ人の潜在能力が、その発揮を妨げられているのはアンフェアであろうと。ノーベル賞の経済学者・アマルティア・センがいう「潜在能力アプローチ」(ケイパビリティ・アプローチ)や、SDGsなどもこの考えで、広く受けいれられています。
しかしそれはどこか能力主義的ですよね。能力を高めることが良いことだという前提があります。バリアを取り除くことは大切ですし、実際に能力の発揮を妨げられている部分もある。ただ能力主義の枠の中の話であると自覚する必要はあると思います。優生思想に対する切れ味は悪い。
山本ぽてと「アスリートも「悪夢で目が覚める」 熊谷晋一郎さんに聞く、スポーツと能力主義 - 「スポーツぎらい」第5回」, BLOGOS, 12月4日.

2021年7月18日(日)

少し状況が落ち着いてきたので、これからは自分の研究時間を増やす。もちろん他にもやらなければならないことは山積しているけど、それを言い訳に研究をおそろかににはしたくない。

2021年7月14日(水)

「現実をより望ましいものにしていく」という軸さえぶれなければ、癇癪を起こして過激な行動をとることも、達観して世界に背を向けることもないはずだ。

2021年7月10日(土)

ここ数年間、事態を正常化するために取り組んできたことに一区切りついた。とりあえず、明日は休もう。