日々のことなど

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2019年5月19日(日)

『暮らしの手帖』の編集長だった花森安治の言葉。Think globally, act locallyの人だったのではないかと思う。

人間の歴史がはじまって以来、
世界中どこの国もやったことのないこと、
やれなかったことを、
いま、日本はやってのけている。
日本国憲法第九条。
日本国民は・・・
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する。
なんという、すがすがしさだろう。
ぼくは、じぶんの国が、
こんなすばらしい憲法をもっていることを、
誇りにしている。
あんなものは、押し付けられたものだ、
画に描いた餅だ、単なる理想だ、という人がいる。
だれが草案を作ったって、
よければ、それでいいではないか。
理想なら、全力をあげて、
これを形にしようではないか。
全世界に向かって、武器を捨てよう、と
いうことができるのは、日本だけである。
日本は、それをいう権利がある。
日本には、それをいわなければならぬ義務がある。
ーー花森安治『灯をともす言葉』, 河出書房新社, 2013年, 190-1頁.