日々のことなど

インデックス

2018年11月14日(水)

次男を病院へ連れて行く。待ち時間で『アイネクライネナハトムジーク』を読了。

「弟君は、今度の試合も楽しみにしてるのかな」佐藤が言う。
女子高生は強くうなずいた。「来月、その試合の日、わたしのバイトが入っているかどうか気にしていたから」
「どういうこと」
「一人で観たいんじゃないの。興奮しているのをわたしに観られるのは恥ずかしいから、バイトでわたしがいなければいいな、って。でも、テレビから応援して、チャンピオンにも届くの?」
「届くって何が」藤間は訊ねる。
「応援というか気持ちというか」
答えた彼女の視線が宙をふらつき、何を追っているのかと思えば、風で散った桜の花弁が舞い、落下する経路を眺めているのだと分かる。遊泳し、舞い落ちるそれは最終的に三人の中間あたりの地面に落ち、それぞれの視線がそこに集まった。
ーー伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』, 幻冬社, 2014年, 252頁.

2018年11月5日(月)

土岐麻子を聴きながら、伊坂幸太郎の小説を読む、そんな一日を夢見て働く。