がんの患者と家族に対する緩和ケア提供の現況に関する調査の公表について



終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインの改訂について



送付状



終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン



終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン解説編



人生の最終段階における医療に関する意識調査 集計結果(速報)の概要



第21回アンケート結果



厚生労働省からのお知らせ



日経メディカル オンライン
在宅死を妨げる“医師法20条問題”で厚労省が通知 2012. 9. 4
診察後24時間を過ぎての死亡でも、死亡診断書は交付できる

厚生労働省医政局は2012年8月31日、都道府県の医務主管部局長宛に通知「医師法第20条ただし書の適切な運用について」(医政医発0831第1号)を発出。医師の立会いがない状況で在宅死した患者について、診察から24時間を過ぎての死亡であっても、診察を行えば死亡診断書が交付できることを改めて周知した。

医師法第20条は、医師が自ら診察や検案をせずに、診断書や処方箋、検案書などを交付してはならないと定めている。ただし、条文には「診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りではない」というただし書きが付く。つまり、診察後24時間以内の死亡であれば、医師は臨終に立ち会っていなくても、改めて診察する必要なしに死亡診断書を交付できることを示している。

しかし近年、このただし書きに対する医師の誤解が、在宅死の妨げになるとして問題になっていた。その誤解とは、診察後24時間を過ぎての死亡で医師が立ち会っていなかった場合、「死亡診断書を書くことはできない」から「警察に届け出なければならない」というもの。終末期の患者を自宅に抱えた家族が、警察への届け出が必要になると聞いて、在宅死をあきらめる例もあった。

実際には、第20条の条文およびただし書きはそこまで規定したものではなく、診察から24時間を過ぎての死亡でも、医師が診察を行えば死亡診断書を交付できる。そのため、厚労省は今回発出した通知で、「医師が死亡の際に立ち会っておらず、生前の診察後24時間を経過した場合であっても、死亡後改めて診察を行い、生前に診察していた傷病に関連する死亡であると判定できる場合は、死亡診断書を交付できる」と明示。診察後の経過時間に関わらず、死亡診断書の交付が可能であることを改めて説明した。

なお、通知には、生前に診察していた傷病に関連する死亡であると判定できない場合には、「死体の検案を行うことになる。この場合において、死体に異状があると認められる場合には、警察署へ届けなければならない」とも記載。第20条およびただし書きの正確な解釈の周知を求めた。