日本家庭医療学会マーク 日本家庭医療学会
HOME学術集会・教育集会学会認定研修プログラムの認定について学会について会誌『家庭医療』会報会員ページ関連リンク
学術集会・教育集会
HOME学術集会・教育集会その他の教育集会など > 第3回 家庭医療後期研修プログラム構築のためのワークショップ(2006.1.28〜29)

開催しました

その他の教育集会など

日本家庭医療学会主催
第3回 家庭医療後期研修プログラム構築のためのワークショップ

TOPページ 記録(テープ起こし)版
1月28日午前
記録(テープ起こし)版
1月28日午後
記録(テープ起こし)版
1月29日

◆ 期日 : 平成18年1月28日(土)〜29日(日)
◆ 場所 : 都道府県会館 (東京永田町)
◆ 対象者 : 日本家庭医療学会理事(旧運営委員)、若手家庭医部会、現在家庭医療後
期研修プログラムを運営している指導者、または将来立ち上げを計画している指導者
(学会員に限る*)
*非学会員の方は当日入会手続きをしていただけます。

記録(テープ起こし)版

1月28日(土) 午後

Vocational Training for general practice in the UK
Dr. Roger Neighbour (00〜43.50)

葛西 それでは質問の時間をとりたいと思います。今お話になったことについて10分くらい質疑応答をして。その後、また午前中のディスカッションに戻ります。その後、2番目のお話に。コメントなどございませんか。
○○ (英語による質問、44.57〜45.30)
Neighbour (応答、45.31〜48.53)
葛西 そのほか、いかがでしょうか。
○○ 日本語できいていいですか。(英語による質問、49.15〜49.35)あのう、trainingにtrainerを選べるのか。もし相性が悪くなったり、関係が悪くなったとき、トレーナーを変えることは出来るのか。そういうセクションはあるのか。
Neighbour (応答、50.05〜51.57)
葛西 そのほか、いかがでしょうか。
○○ (英語による質問、52.10〜52.50)
Neighbour (応答、52.51〜55.10)
葛西 そのほか、いかがでしょうか。
○○ シンプルな質問なんですけど。A&Eっていうのは何でしょうか。
葛西 アクシデント アンド エマージェンシーです。まあ救急ですね。はい、よろしいですか。Neighbour先生は明日までおられますし、懇親会にも出ていただけますので、親しく質問もできると思いますので。一応このセッションはこれまでとして、5分間の休憩の後に、午前のディスカッションの続きをしたいと思います。

竹村 ちょっとこのコンピュータのアクシデントが起こって、先ほど入力したものが消えてしまったので。もう一度、復習というか、あってるかどうか皆さんで見ていただきたいのです。まず、研修期間に関しては、後期研修3年間ということで良かったですね。研修指導者を変えることは、初期と後期で変えることは可能だけれども、後期の期間中は関しては変えない。ただしいろいろな理由、家族の転勤や妊娠などの場合は、学会の判断によって考慮するということでしたね。
場所に関しては、2つ。ただし診療所に関しては6ヶ月以上を研修するということでよかったですね。人材に関しては、医師だけではなく多くの職種の人が参加しているということを明記することと、研修指導者という名前に変えて、この方が家庭医療専門医であってかつ家庭医療指導医――この言葉の表現は多少変えるかもしれませんが、内容は変わりませんので。家庭医療指導医というものを別に定める。一番最後の※印2つですね、家庭医療指導医は学会が認定する。あと他の指導医がいること。コメディカルなんですけれども、家庭医療に必要なコメディカルでよかったんでしたっけ。
○○ さっき、そこのところは消して、上に文章を。
竹村 じゃあ、これは消させていただきます。あと、プログラムについてですが。これは「診療所等」と上に書きましたので、下には書かないと。そして「以下の項目がこの施設において実際に恒常的に行われている必要がる」ということで、詳細についてはまだ語られてなかったんですね。
じゃあ、先ほどNeighbour先生からお話のあったことに関して議論しましょうか。Neighbour先生のレクチャーを聞いて気持ちが変わったとか、いかがでしょうか。・・・よろしいですか。・・・
では、プログラムで以下に掲げたことを議論しましょうか。山田康介先生が中心となってまとめていただいて、皆さんの了承が得られたアウトカムですね。それを実現する内容になってますが。先ほど近接的なケアが1次医療機関でなきゃいけないみたいに・・・。じゃあ上からちょっといきましょうか。外来における患者中心のケア。これはよろしいですか。近接的なケア、これはカッコして、1次医療機関である必要がある。これは大学案では多少何かコメントがございましたよね、なかったですか。2次医療機関の人はこれでよろしいですか。これも残しましょうか。
次に、継続的なケア。これはいろいろと議論がなされた部分ではなかったかと思います。ハーフデイバックの話が出ていたのと、ブロック化する場合はどうしたらよいかという話がどこかで出ていたと思いますが。そもそも継続的なケアを入れられないという議論もあったんじゃないかと。
○○ 病院グループのうだですが。私どものところで出されていた意見は3年間の継続、同じ診療所内で何かの単位を受ける継続は難しいという意見がありまして。1年ぐらいの保証は出来るかもしれないということです。「原則として」というのがあるので、いいとは思うのですが。出来ない施設は確実にあるんじゃないかなと思います。たとえば診療所ベースのところであっても、遠い病院との連携とか、いろんな形があるので。
宮崎 名大病院の宮崎ですが。継続的なケアというところの表現は、その上の文面だと研修施設の場がこういう施設であるという話をしていて、そこで研修する研修医が3年間続けるべきだという話になってちょっと別な話かなと思うのが1点。3年間、継続的というものを意識するのに、1年ではだめで3年であるべきだという、そこらへんの差が、まあベターだと思うのですが、3年でなければいけないという意味合いが、わざわざここに書く必要はあまりないのかなと。物理的に、やはり遠隔地で研修するところが多いので、これを必須条件として入れられてしまうとちょっと困るかなと。
○○ 先ほど「6ヶ月以上あるという必要がある」を削除したのと同じように、期間については、具体的にどの施設をローテッドするというあたりにまとめて書けたらいいんじゃないかなと思うんですけど。同じ議論がまた出るかもしれませんけど。その場所から離していいと思います。
竹村 「3年間」ははずしたらどうかという意見がござました。いかがでしょうか、残したほうがいいという意見はございませんか。
○○ 継続的なケアのディスカッションで前の前あたりだったかもしれないんですが。ハーフデイバック的な継続ケアをイメージして、それは3年間だとなったと思います。それは施設のことでいいと思うのですが。継続的なケアをどう受け入れるのかというと、6ヶ月の間ひとつの診療所に属するという形の継続ケアなのか、1週間の中の継続ケアなのか。そういう分かりにくい定義を入れるのか、それとも、もうこれは同じ予約外来的なイメージの外来をある一定期間やらなきゃいけないっていう。「継続」の部分をどういうふうにするかをまず決めないと「継続的なケア」そのものが何かっていうことに戻ってしまう。僕自身はそういう意味では3年間の継続ケアはいろいろな工夫で出来るかもしれないなと思っています。
竹村 いかがでしょうか、解釈を変えれば出来るんじゃないかというご意見ですが。
山田 ここで、プログラムの中に放り込むということは、プログラム認定のときにも必要条件になるでしょうし。あるいは評価のときにも何かそれなりのレポートをだしてもらうということになるでしょうね。ただ明確に特定症例を1年以上追うとかいうことは、プログラムを表現する上では、一人の患者さんを1年以上フォローした症例を診るということが、たとえば非常にユニークというか、継続性を具体的にあらわしている例ではあるかなと思うので。ただ3年ずっと診るというのはどこのグループでも抵抗があると思うので。どうしても研修自体は1年で刻まれることが多いと思うので、どの程度の期間を経年的というか、あるいは年を越えるというか、1年以上というか。そういうものが具体的にあるとアピール度が違うと思います。
○○ 先ほど山下先生がおっしゃったことと同じで。継続で何を獲得するかっていうことで。おそらく一般的に診療所をやっておられる先生方はそれを当然必要なこととして無意識にしてらっしゃると思うのですが。そのプログラムを6ヶ月やるのと12ヶ月やるのと何が違うのかっていうところがはっきりすれば、別に6ヶ月でもかまわないって話になるかもしれないし、あるいは1年はほしいってことになるかもしれないと思います。
○○ 継続性に関しては、ロンチュニアコンティニュティとパーソナルコンティニュティという2種類があって、ロンチュニアコンティニュティというのは一人の医者がずっと見るということ。もう一つは、●●教授が言ったのは、1回の診療で「私はこの先生をよく知っています」と診療が出来るのがコンティニュティだと。たとえそれが2年後、3年後にあっても、よく知っている先生のところへ来るのがコンティニュティだとおっしゃった。慢性疾患を3年間毎月1回きちんと診るってことがコンティニュティではないと言われていたのですね。だから、そういう点で、もちろん慢性疾患の継続的なケアを経験することは重要なことだと思いますので、一定期間、ハイパーテンションの患者さんを月1回、10回以上診察しましたとかいう経験はすごく重要だと思いますので。「なるだけ長く特定の患者をケアする経験を持つ」とかいうぐらいにしておけばいいんじゃないかと、基本的には。何年間診たから継続性獲得とかではないというのが最近の研究なので。継続した特定疾患の患者というのは慢性疾患とか在宅など長期にわたる患者さんということになるでしょうから、そういう経験が出来るってことは重要なんで。山田先生がおっしゃったように、ある患者さんを長く診るという経験をする研修ですよっていうのは、とっても実になるんで。そのあたりをうまく表現できれば、期間っていうのはあまり関係ないんじゃないかと思いますけれど。
○○ さっきの「半年」っていうのが期間のミニマムとして設定しているんだろうなと理解しています。なので、最低半年は同じ患者さんを同じポピュレーションでの経験は出来るんだよということをそこで言ってることになるんじゃないかと。そこに期間を入れなくてもいいんじゃないかなと思います。あいまいな気がする、「なるべく長く」といわれても。
竹村 そういえば施設に関しては同じ診療所とかになるのですか。
○○ ああ、そうか。同じ診療所でないといけないんだ。
宮崎 大学班の中で出ていた話ですが。一応6ヶ月以上というのならのめると。その6ヶ月も、3ヶ月ずつに刻んでいてはだめだという話で、たとえば2箇所で8ヶ月研修するんだったら2ヶ月と6ヶ月に分けるべきで4ヶ月ずつではだめだろうと。先ほどの6ヶ月というのは同一診療所でというのがこちらの判断です。さっきのプログラムの話というのは、この項目の中に3年間と入れなくても、研修する施設ではこういうことにしなければいけないよということが書かれてあるので、ここに細かい数字を入れていくとごちゃごちゃになっていく気がするので、これを削除して上の6ヶ月で、同一でいいんじゃないかと思います。
竹村 じゃあ期間はここでは明言しないということで、上の方でということにしましょうか。
○○ 最終的にですね、その3年間のプログラムを終えたときに、どのように総括的評価をやるかということと、そのあたり非常に関連していると思うんですが。たとえば、診療所という場を知るという経験が6ヶ月あってほしいという思いは皆さん共通している。あるいは何らかの形で継続性を経験するということも必要だということであれば、診療所で継続性を持っているということが同時に行われなくても、診療所という場も経験した、継続性は病院の外来で経験したということでも、それなりにいいかなと印象を持ちました。最終的にはそのあたりを何らかの形でポートフォリオや履歴などに反映させれば、それで認定するという形なのかなという印象を持ちました。
竹村 確かに診療所と限定しなくてもいいというのも、その通りかなとも思いますね・・・。どうしましょう、プログラムの中に入れるか、それともまた施設のところに入れるか。継続的なケアにいれますか。
○○ 今のことだと「継続的なケア」という言葉を残して、とりあえず上はさっき言った「6ヶ月以上は診療所」にして、評価のところでまた訂正すればいいというお話に思ったのですが。継続的なケアが出来るってことが望ましいと思いますので、その言葉は残して、他はみんなはずすというのはいかがでしょう。
○○ 評価とプログラムというのは合致しているね。見た人が分かりやすい。
竹村 じゃあ小さな病院で6ヶ月やってもそれは継続性にならないというかという問題ですね。
○○ プログラムの(1)から(6)というのは、結局診療所に限定していないですね。だから、このへんの議論はここに載ってれば矛盾しないかなと思うんですが。これを診療所と特定していないので。あえて言えば、近接的なケアの「1次医療機関である」というのが入ると多少特定されていいますけれど。
○○ 継続性でいま議論しているのは、どうなんですかね。半年同じ医療機関でやったときに半年間同じ患者を診る。普通だったらレポートを出すとき以外にはないけれど、家庭医療プログラムでは半年間ずっと継続的に診る患者がいるということで皆さん継続性が担保されると思われるのか。それ以上にハーフデイバックとかがあって研修期間を超えて、研修機関が変わってもその人を経年的に報告するような事例を求めるのか。それがなかなか難しいところであれば削除してもいいですけれど、ただハーフデイバック自体のことを意識して、研修施設が変わっても数年をかけて観察した症例の報告を義務づけるか。どっちですかね。
○○ ぼくらのところは3年間やろうかなと思っていますが、現実問題としてなかなか難しいというのが結構あれば、さっきのコンティニティについてきちっと認識したとか、別に3年間学んぶことが必須というのはあまり意味がないので、先ほどの意見でいいんじゃないでしょうか。期間は問わないという。
岡田? 亀田メディカルセンターの●●です。視点がそれてしまうかもしれなんいんですが、今の話で思ったことを。私のところの施設では2年ほど前に1時間半ほど離れたサテライトクリニックに出るようになったのですが、その際に本院で診ていた、その地域から通われていた患者さんをサテライトで診るようになったのです。そして春に新しく出来るサテライトにいま診ている患者さんを連れて行くんですよ。つまり施設でずっと診ることでなくても、ずっと診ているのです、同じ患者さんを。なので、場所での継続性にこだわるのではなくて、あるときの患者さんをどのくらい診たかということ、その方向で考えないといけない。何度も意見が出ていますが、診療所というセッティングの経験と継続性の経験というものは別に考えなくてはいけない。
もうひとつは逆にある程度の大きな病院の外来を診ていますと、セカンドオピニオン的に、地域にかかりつけの診療所はあるけれども、なんらかの理由で来られる方がおられます。10年かかっているのに「ちょっとこのことはいえないから来ました」という患者さんがいます。これは10年継続して診ていることの意味は何だということを思うわけです。だからいわゆる3分診療で表面的な診療を10年やっても継続性をやったということなのか。継続性とは何かということをちょっと考えて。長期間ではなくても、場合によっては、ごく重症の患者の入院期間の前後を診ることによって濃厚な医師患者の関係を構築することもありますし。続けて診ることで副次的に生まれる効果というのは、たくさん話をしなくても通じるということだったり、最初から問診をしなくても自分の中に入っているということなどで。継続で診ることは必要条件ではあるけれども、継続したからO.K.ということではないということなんだろうと思います。そのへんをもう少し細かく区分けして考える必要があるかなと思いました。
○○ Sauitz先生がコンティニィティの●●を出されていて、そこでコンティニィティの定義が3つになっていて。1つがインフォメーションで、その患者さんのケアに先の3分間診療で10年かかったけれど何もたまらずに、インフォメーションもたまらずに患者さんのソーシャルな部分もきちんと継続的に診ていなかったと。ロングキューディアルというのは同じ施設にきちっと患者さんが来つづけているという意味での●●。最後にインターパーソナルで、患者と医師自身が●●ですが、これはひとつの定義だと思いますが。この先の継続性に関してはもう少し掘り下げていて、評価のところにきちっと、これを3つに分けて●●をみるというのであれば何も問題はないと。多分コンセンサスは6ヶ月がまあ。ちょっとごっちゃになっていると思いますが、診療所での6ヶ月というのはみんな経験したいと。それ以外の継続性についてはプログラムの作り方だと思うのです。カリキュラムの組み方の中にそういう視点が入って作られていて、かつ利用者がその視点をきちっと尊重する態度が●●された。かつ●●スキルがある。というふうになればいいんじゃないかなと。
このプログラムの継続的なケアの説明が、継続として何らかの形で継続して特定の患者をケアするという定義にみえますが、これだけじゃないものが継続的なケアに入ってしまうというところがあって、みんなが●●らない。ここの部分をもし定義するのであれば、ここはカットもしくは他のところに●●するという形でカットする。
○○ 大学班です。うちの班で継続性についていろいろ意見がありました。いま皆さんがいってくれた通りで、大事なのは皆さん分かってもらえたと。ここをどう表示するかということで。ぼくは山田先生の意見に賛成で、他の専門認定医のプログラムとかを見たときに、家庭医としてどこが違うかっていうと、結構このプログラムの1のところが非常にユニークで大切なところで。そこで我々だけじゃなくて一般の患者さんとか他の研修医がみたときに何が違うか認識できる形で書かれたほうがいいのかなと。以前アメリカから来られた先生のとき、われわれは継続性が重要だと思っているけれど患者さんはあまり関係なかったという話がありましたけれども。だから一方的でもいけないんだと思いますが、そういうところを何か重視した表現を。だから強調したいということで3年間と書いたんだと思うんですが。何かいい表現があれば。
竹村 定義に関しては時代とともに、またしっかりとしたものが出来るかもしれないので、それを待つというのも手かもしれない。だんだんとふくらんでくるんじゃないか、みんなが同じ視点に立てばなおさら深みが出てくると思うので。・・・じゃあどうしましょう。期間は特定しないでよろしいですか。・・・じゃあ特定しないということで。
宮崎 プログラムの「以下の項目がこの施設において恒常的に行われる必要がある」というところをちょっと変えて。結局これは継続性のほうですし。こういう施設で研修しつつ、こういうことをすべての研修期間を通して認識としてちゃんと身につけることが大事で、それを評価するっていうことをはじめに書けば、さっき言った継続性も含めて満たされるというか。このプログラムの1というのは冒頭にそういうことを書けばいいかなと思います。
竹村 たとえばどういう。
宮崎 たとえば。すみません、少し用語が。誰か上手に表現できる人がいれば。
中村 大学班の中村です。「この施設において」としてしまうと、1次医療機関である必要があるとか、病院の研修はどうなるんだとかになってしまうので、「後期研修を通じてそれを意識した研修を行う」としたらどうでしょうか。
竹村 「この施設において」というのが。
○○ 「この施設において」ではなくて、後期研修の期間中は以下の6つを意識した患者さんのケアを行うようなプログラム。
竹村 じゃあ「この施設において」を削ったほうがいいとおっしゃるのですね。
○○ このプログラムには1と2があったんですよね。それぞれに、1と2をうまく表現できる簡単な用語があればいいですね。2のほうは家庭医に必要な知識と技術か。●●先生のでは、定義がもつ医学的な知識と技術。上のほうはどちらかというと家庭医を特徴づける能力ってことが表現されてあるんですけれど。
竹村 いろいろな案がいっぱいあって分からなくなってきて。じゃあ「この施設において」は削りましょうか。「以下の項目が実際に恒常的に行われている施設において研修の全期間を通じて研修の必要がある」でよろしいですか。一応これでよろしいでしょうか。
○○ やっぱり最初の議論でいわれたような、家庭医に必要な能力だとか、家庭医が持つべき態度というのがないと、わかりづらくなって。施設においてどうといわれても分からないですし。やっぱりコンポーネントですよね。家庭医療をやる人にとって必要なコンポーネントだということなんで。コンポーネントしてきちんとまとめて、それも分かりやすく。外来における患者中心のケアは分かるかもしれないけれど。近接的なケアってなんですか。家庭医療学会のここにいらっしゃる方はもちろん、それに決まってるよねとなるんですけど、対外的に出すとき近接的なケアって何かってことが分からなくなってしまう。それをちゃんと分かるように定義して、そういうもののケアを出来る能力というふうにして文章にしておかないといけないのかと。それから包括的なケアっていったい何ですかってなったときに、非常に曖昧模糊としているので、その定義はあるわけですから、それをきちっと入れて、こういうものが出来る能力っていうのが。プログラムの中で培うべき能力とか、必要なコンポーネントとしてずっとまとめていくかと。たとえば保健・介護の活動を分離しているわけですけれども、包括的なケアの中に通常は入ってくると思うのですが、そういうときに分けてしまうのはどうなのかと。
竹村 一応1回目と2回目のワークショップでアウトカムの議論は終わっていると。その部分を抽出しただけで、他意はないということで。それに関してはひとつひとつの文言に定義が書かれていますのでいいかなと。
○○ すみません、私は部外者みたいな者ですから。見たときに分かるようにしていただいた方がいいのかなと。そうしないとプログラムをパッと見たときに、よく分かってる先生方は見て、ああそうだなと思うんだけど。外から見た人間がこれは何を意味してるの、っていうときに全然分からない。1回目、2回目は出ていないので、それを見ていただかないと分かりませんと言われると、プログラムをパッとながめた人間が困るんじゃないかなと。
竹村 これは前に出ている問題で。
○○ 分けていただいて。私の思うには、包括的なケアと保健介護の活動というのが分かれるというのも分からないし。活動というのとケアが同列に並んでいるというのがよく分からないし。だから、そのへんを整理していただいて、それが必要なコンポーネントなり能力だというのならまとめていただくといいかなと思います。
山田 2回ふまえた議論もありますし、これをまとめてしまうとまた説明が必要になってくるのも必然ではありますが。いま議論されていること、これは今日おわってから、執行部をはじめ数人でもう1回まとめて提示する作業をしようと思ってますので。明日提示した時点でまた訂正を加えていただければいいんじゃないかな。だいたい今皆さんが議論されている内容が盛り込まれるようにうまくまとめることが重要で。意見をいっぱい言っていただいて。最終的な表現はこちらにまかせていただいて提案するということにしたらどうでしょう。
竹村 よろしいでしょうか。さすがに継続的なケアはいろいろとご意見がありますね。じゃあ一応この形でおいて、何かあったらまた言っていただくということで。包括的なケアは文言としておいていてもよろしいですか。・・・では、これはよいということで、(5)の「保健や介護関連の活動」というのがちょっと重複しているかなという意見がありましたが、いかがでしょうか。
山田 説明するようですが。(4)の包括的なケアというのはコンプリシブケアというものを意識して、全身が広く見渡せるような感じの意味合いが強かったと思います。(5)はどちらかというと、コーディネイティブケアというか他職種の人たちとセッティングしなきゃいけない仕事に関してそういった仕事が出来るといった意味合いで多分分けたんじゃないかと思います。そして(6)はコンテクチュアルケアというか、患者さんのコンテクスト、地域や家族をふまえたケアが出来るということで。
(5)(6)は比較的今まであるようなエッセンスのようなことが分かれていて。(1)を強調したのは、外来における患者中心のケアというのが、皆さんの中心的課題になったので、あえて1番にしました。(2)から(6)は今までにもプライマリ・ケアや家庭医療でも言われている要素をそのまま、少し分かりやすく。分かりにくいという話もありましたけれど、もう少しこれは表現をしなおした方がいいのかな。
○○ 非常に重要な概念の紹介ということになると思いますが。プログラムを通じて家庭医とはどういうものか、知らない人にもわかるようにやるというのは非常にいいと思います。……●●……。多少、用語の説明がこの間に入るといいかなと思います。
山田康 北海道家庭医療センターの山田です。確認ですが、ここに書いてある文言は、研修施設を認定するのに要する条件ですね。それであって、家庭医療学会が認定したい施設が育てる研修ゴールをここに書いてあるわけではありませんよね。確認したかったんですけれど。だから、そういうことの説明は多分この施設の認定条件の前にゴールがちゃんと書かれるものと思うのですが。特に詳しく載っていれば大丈夫なのかなと。
○○ プログラムの3年間の間にいくつかが組み合わさってこれが全部出来ればいいってことですね。1施設がこれを全部もっているということではないですね。
山田 ないです。
○○ というのを、ここに1文書いてもらいたい。プログラムの中で「この施設」というと1施設になってしまいそうなので、プログラムの中でこういうことが出来るような施設が「施設群」であると上に書いてもらえると分かる。
竹村 「これらの施設」にしましょうか。
山田 全体を通して文脈を理解してもらえるようにしましょう。
竹村 ここでは日本語として不適切なところも多いと思いますので、あとで精神を保存しながら、日本語のうまい人に校正してもらって、明日提示させていただきますので。
○○ 項目に入っていないもので、入れたものかどうか難しいと思うのですが。何らかの形で業務改善企画の2の「研究」というものを入れるか入れないかということを。
竹村 一応入っているというか、ここには入っていないですが、アウトカムには入ってはいるんですよね。
○○ アウトカムに入れるということですか。
竹村 いえ、入るべきかもしれませんが。一応、学生研修医の教育、●●、研究とありますが。これ、入れますか。
○○ どこにあるのですか。
竹村 この中にはないのです。アウトカムの中に。明日またもう一度ご説明しますが、それはここでは反映されてません。
○○ 施設要件ですね、これは。アウトカムじゃなくて。
竹村 いや、研究はしたほうがいいとかっていう。それは、この下の2番のところに。後ほど議論になるんでしょうけれど。じゃあ先ほどのものはこの中で議論するということで。
では、ここでネイバー先生のほうからカリキュラムの要件について詳しいお話、イギリスの例をお示しいただく方が、さらに議論も深まるかと思いますので。5分間休憩ののち、次のショートレクチャーを始めたいと思いますので、よろしく。


竹村


時間になりましたので、2番目のセッションを始めさせていただきたいと思います。


The vocational training curriculum
Dr. Roger Neighbour (02.08.55〜02.52.42)

葛西 やっぱり他の専門分野ではなくて、家庭医療のカリキュラムという話なので、非常に考えるところが深いですね。私たちも今までカリキュラムを作って、研修プログラムを作っているわけですけれども。家庭医療ならではの専門のカリキュラムの作り方、何を加えるのか、どういうところを考えておかなければいけないのか。そういったことをNeighbour先生からいっぱいクエスチョンをもらって。我々も考えていかねばならないと課題をもらったという感じのレクチャーでした。
Neighbour先生の言ったRCGPの新しいカリキュラムですね。今度始まるわけですが、この会話は全部いただきましたので、どういう形にするかはまた詳しく相談しますけれども、それぞれのプログラムにいかせるような形にして公開したいと思います。非常に膨大なファイルデータになると思います。一部はRCGPのホームページから見ることも出来るのでしょうが、出来るだけたくさん公開出来るようにしたいと思っています。
で、ざっと見たところ2ページ目のコンテンツで、クリニカルマネジメントでいろいろと系統別、問題別に分かれているんですね。で、それぞれのところに、2ページ目の左上にあるプライマリ・ケアマネジメントとかパーソンセンターだとか、眼科の問題についても、それぞれの項目についての記述があるので、これが特徴的ですね。
我々の北海道家庭医療センターでも、そのような形で循環器系のほうでも患者中心の医療の方法はこうだとか、作ってはみたんですけどね。そういうのが徹底してやられている。だから子どものケアをするチャプターのところでも、子どものケアの中でプライマリ・ケアマネジメントはどうなのか、パーソナルセンターはどうなのかといったことが書かれている。明らかに小児科医と我々とは見方がこう違うんだということが分かりますよね。
○○ 質問が。日本語でお願いします。地域によってカリキュラムのバリエーションというものは結構あるのか。つまりコアコンポーネントは示されているのですが、シーケンスの仕方だとか、使う施設だとかでいろいろなバリエーションがあるのかお聞きしたいのですが。
Neighbour (02.57.50〜03.01.15)
葛西 そのほか、いかがでしょうか。
松下? このように6つの項目がきちんと掲げられて、その上で各また●●とかメンタルヘルスとかがあがってくると。そうするとSix key domainsが、たとえばPerson-centred careとかCommunityというところを、やや系統的な疾患の学びの中にも取り入れていくということになると。たとえば病院で、先ほどのように小児科で研修をする何ヶ月という時期というのは、先ほどの話だと小児科を専攻するレジデントと同じような位置づけで研修を受けるわけですよね。そういった部分の位置づけっていうのは、質、ドメインとかをそんなに意識せずに純粋に割り切った形にしているのか。それとも、そういうところにも何か工夫をしているのか。僕らが今から作ろうとするレジデンシーというのも最初の1年間、あるいは病院の研修が入ってくると思うんですが。そういったときの●●というものはどういうふうに考えているのか、ちょっと気になりました。
Neighbour (03.03.12〜03.06.40)
葛西 (質問 03.06.42〜03.07.54)
Neighbour (03.07.55〜03.11.15)
葛西 今おっしゃったことに関連してますけれども。ここにお集まりの方でも指導医講習会の講師をしている方もいらっしゃいますよね。そういったことで、やっぱりわれわれ教育に対して熱心なのが。今は初期研修の指導医の講習会にでかけていろいろお手伝いをしているわけですが。●●教育も受けられるんだなと、他の専門医の人たちにも●●。ひとつの我々の役割を●●示してほしいなと思いました。すでに何人かの人が●●やられてるわけですよね。
それではここで5分間休憩して、本日最後のセッションをしたいと思います。もう一度Neighbour先生に拍手を。(03.12.22)

竹村 では皆さん。とうとう最後になりましたが、あと1時間がんばっていきましょうか。
まずいくつかアナウンスを。前回前文をという話がありましたが、それに関しては執行部のほうで案が出来ておりますので、あした皆様のほうにお示しできると思います。それと関連して、キャッチコピーの話が。皆様に候補を一つずつ書いていただいたと思います。現在そのことに関しては、次回の理事会で通ればですが、いま若手家庭部会のほうでキャッチコピーを考えていただくという方向ですすんでおりますので、理事会で通ればさらに広く国民の皆様を含めてよいキャッチフレーズを問うていただけるということになります。最終的には理事会のほうにかけて案を絞り込むということになると思います。プログラムの2にうつる前に、岡田先生から人材のところでコメントがおありになるということです。
岡田 人材のところに、ぜひいわゆる事務系の人を。プログラムコーディネーターというか、対外的に、評価表を各指導医に配るなど事務的なことを調整する人をインファイムドに書いてもらったほうが組織に言いやすので。書いてなくてもそういう人を用意出来るところは出来るのですが。書いてあるから用意しないと認定が通らないというほうが組みやすい。事務系の人の存在はやはり重要だと思うので。私も今のところ専属の事務系なしで、かなりそちらのほうに業務が取られているので。指導医が本当に教育のところに集中できる、研修医が研修に集中できるっていう意味では。うちの研修医もスケジュール的なところではかなり事務的なアレンジメントで必要な時間をとられているところがあるので。ぜひそのへんは、プログラムにおくようにというか、努力規定でもいいので書いていただけると組みやすないと思います。
竹村 先ほどコメディカルの時にかなり議論をした部分にも通じるものかと思いますが、いかがでしょう。コメディカルは診療には絶対に要るだろうが、教育的にはどうかなと。要るんでしょうけれど、一応削除したのですよね。
山田 今の岡田先生のお話ですが、本当にプログラム責任者にとっては悲痛な叫びで。新しくプログラムを作るときには、そういった事務的なサポートがないとかなり厳しくて。現実的にはどこの研修責任者もそういったことで悩んでいるということが理解できて。こういったことが書かれていると病院側にも言いやすくなることはあり得るでしょうね。ただ、このプログラムの中にそのまま載せるっていうか、ちょっと目的が。普通、初期研修のときなどは事務官のところに事務連絡者の名前を書く欄があるんですよね。だからそういうところで済ませるのか、それともこういったプログラムを新しく始めるためにぜひともそういった事務的連絡者をおくことが望ましいとか。その程度ですかね。ただ、こういった研修プログラムを作るのに、他のしぼった職種と比べるとプライオリティが低いかなと思いますので、そのあたりの表現をどうするかは、ちょっと考えさせていただき。ぜひとも入れたいという他の人の意見もございましたら。これを入れたほうがプログラムが広がりやすいということであれば。
竹村 ではまた、これは今度ということで。先ほどのプログラムの内容に関して。2のところで、科別ではなくて、系統別にというお話があったので。これは実は、あしたお配りするアウトカムに書かれていることで、この文言を具現化できる内容なのですが・・・。アウトカムの部分には、こういうことが出来る医者を養成する、ということが書かれていて、ここの部分で実際にこのような研修をやって下さいという記述になっていると思っているんですけれども。このようにアウトカムの部分と同じ形で入れたほうがよろしいでしょうか。アウトカムを具体的に読んでいくと、健康増進と疾病予後、幼少期・思春期のケア、高齢者のケア、終末期のケア、女性・男性の健康問題、リハビリ、メンタルヘルス、救急医療。臓器別の問題ということで心臓、血管、神経、消化器、代謝内分泌、血液系、呼吸器、腎、●●、リューマチ、筋、骨、皮膚、耳鼻のど、目、その他。と書いてあります。こんな感じでここにも記述したほうがよろしいですか。
○○ 医療論理やクリニックのマネジメントの部分はどうですか。
竹村 いかがでしょうか。違うところに入れたほうがいいとか。
○○ 何か議論が混乱しているように思えるのですが。いま議論しているのは研修の目標やゴールではなくて。診療所での研修はこんなことを教えている施設であるべきだ。病院での研修はこんなものが含まれているべきだ、という話ですね。この1と2のところは、研修目標をそのまま解説したようなものなので。研修目標が達成されるべき施設であればO.K.というのが施設の認定要件だと思うのですが。さらに、それを達成するのに、いま出ているのでは、診療所は6ヶ月連続でいてほしいということだけが決まってはいるのですが。あとは出来るだけ継続性とか、いくつか書いてあるのですが、こんなに書きすぎなくてもいいのかと。これは勉強すべき疾患を書いているのですけれども、これを施設の認定要件として書くとまた複雑だなと。いいんですかね、「次の領域における研修が含まれていること」と書いてあれば。ごめんなさい、私も混乱して。
○○ 今の、最終的に説明を……
竹村 プログラム案の構成は、まず前文があって、次にアウトカムが書いてあって、その次に研修期間がきて、研修場所が書いてあって、その次に人材が書いてあって、最後にプログラムが。プログラムでは、まず、1番目にこういったことが達成されるべき。2番が、今のところ、系統別に書かれて。後ほど議論していただかなければいけないのですが、3番目に領域のところがあがってきます。
○○ 領域というのは何の領域ですか。
竹村 具体的には、内科何ヶ月とか、小児科何ヶ月ということを明記するかどうかということを、また後で議論になると思うのですが。
○○ それは必修ローテーションという形ですか。
竹村 それは大学のほうでは分けていましたし。
○○ なんとなく全体の構成が先に分かるといいと思いますけれど。
たとえば、分け方の問題だと思うのですが、いろいろなグループのディスカッションごとに作られているのでわかりにくいのかなと思いますが。たとえば、上の部分と下の部分が。「次の領域における研修が含まれていること」と、いま先生がおっしゃった下のことは、見方を違えて書くということなんですか。そうすると、すごく分かりにくい気がして。むしろ、下の部分は、ぼくがイメージしたのは。おそらく内科のローテーションをしなさいとか、いうことを入れていくとイメージしているのであれば、必ず入らなければいけないいわゆるローテーションというもので。その上の部分がむしろ、こういったものの領域の経験をすること、もしくは経験すべき領域。それで倫理研究に関してはむしろ教育されるコンテントとして別に分ければいいのかなと思いました。だから、ここをちょっと決めませんかね。
山田 提示の仕方が不完全であって、皆さんに混乱させて申し訳ありませんでした。ま、一応1回目、2回目でアウトカムベースというか研修目標がたったわけで。これは多分この上に添付しておかないと分からないですよね。この研修目標のところに、いま言った領域における研修が含まれるところの健康増進などが入っていますよね。だから医療安全だとか医療管理なんかも入っているんで。研修目標のところをしっかり読めば、そのことは網羅されているんじゃないかなと。ここで今日まとめてほしかったのは、研修プログラムのほうで、ある程度整理しておいたほうがいいことだけ整理して。研修目標のほうは、わりかし洗練されたものが出来上がったので。それを対比したうえで、いまお話した研修期間、研修場所、人材等々を。残るところは、(03.50.39)

〜〜〜途中、録音が途切れています〜〜〜

1月28日(土)
午後のつづき


○○ 家庭医療っぽいなといつも一目瞭然になるのかなと。もうひとつは、この中に抜けているかなと思うコンポーネントが、どういう教育方法をとるか。カンファレンスがあってとか、あるいは指導医との振り返りが必ずあってとか。何かそのへんが入ってこないと、どこでそれを学ぶのかっていう具体的なところがみえてこない。
竹村 いかがでしょうか。では、まず先ほどの。これは確かに系統別になっているところは、アウトカムのところから引っ張ってきただけなんですね。これは目標、アウトカムにも書いてあるので、ここでは取っちゃっていいですか。
○○ 取らないほうがいいというんじゃなくて、なんというか全体の構図が分からなくなっちゃったんです。これは何をいま。さっき言われていたアウトカムとか研修目標と、いま話しているプログラムとはどういう位置づけでどういうふうにやろうとしているのか、ちょっと見えないんですが。もうちょっと全体像を教えてほしいのです。今やってるのは話題の中で何回か山田先生が言った、施設はこんなふうであるべきだという話をしていたと思うのですが、今のこれ自体は、施設の話だけしているんですか。プログラムの話ですね。
竹村 とりあえず物理的な施設の話もしてましたし・・・。あとどんな人たちが、どれくらいの期間教育して、その研修の内容はどんなで、さらに教えられるプロセスの部分も議論しようと。
○○ さっき言ってた研修目標とか、アウトカムといわれる部分はプログラムの一部ではないんですか。
竹村 その前のところです。その前にかかれる予定です。目標という形で。
○○ 構造がよく分からないんですが。プログラムの中にそういう目標というものが含まれると思ってましたので。分けてるんですね。
竹村 アウトカムの部分は、本来なら事前にお配りしなくちゃいけないんですが。今までの第1回、第2回のワークショップで決まったアウトカムをもう一度皆さんにお配りしますので。で、見ていただきながら、議論しましょうか。
○○ 第2回目で、さらに1回目をふまえた形で。そのときに皆さんにご意見をいただいて、たとえば家庭医療をもうちょっと強調してとか。………(06.44〜07.04)
○○ 前回に先生がなにか宿題をといってた内容がこれなんですね。あれがいつ出るのかと待っていたのですが、これなんですね。
  (07.10〜09.15)
竹村 ここまでですね。これに続いてこちらですね。
○○ このコンテンツをどこがナイズするかって視点でどういうローテーションを組めばいいかってことですね。このコンテンツをどういうふうに、動かないようにするためには具体的なローテーション枠を提案すればいいと思います。ということが今話し合ってる内容で。
竹村 そうですね。ということであれば、消してもいいですよね。・・・いいですね、・・・消します。そして、この内容について少し語りましょうか。各々の具体的なローテーションすべき科が出ていますが。この内容とか、期間とかもあると思います。
○○ 山梨●●から来ました(かく)と申します。山梨のほうの家庭医後期研修プログラムをぼくらは4年目ぐらいで考えさせてもらっているので、その紹介と皆さんのほうはどうされていということでお聞きしたくて。
山田 今のご指摘どおりで、個別のケースだけをとりあげるとガイドラインにならないんじゃないかなと。プログラム認定をしようとしているので、どのくらいのことまではやってほしいとか、人材や研修場所のことまでは出ましたが、研修期間のことについてもある程度はあったほうがいいんじゃないかなと思います。ただ非常に難しいのは、スーパーローテートの、必修科の2年間の質とか期間とかが適切なのかとか。それが評価されていないまま。実は必修科2年間どういう医師を育成するためにスーパーローテッドしているかは、かなりあいまいで、その評価もかなりルーズなんですね。だから、そういった十分に吟味されていないものにのっかって、我々が今また作ろうとしているので、そこに問題があるのかなと思います。だからスーパーローテートの2年の必修科を振り返ることも必要なのかなと思う反面、出来れば診療所で学べないところを何とか病院研修で学んでほしいわけです。病院研修は研修管理型病院や大学病院でない医師確保で困っている地域の中小病院を何か表現できないかなと。本来ならば100床程度の病院で、内科医が何人ぐらいいて、全科当直をやって、病棟管理や内科全般のことをやって、あるいは総合診療部のようなところでやるとか、そういうことが織り込めないかなというのが、実にモヤモヤとしているところです。今日おられる方々は割合として、地域医療や家庭医療に近いことをやっている人が多いと思うので、そこらへんの地域ニーズを何とかここに表現してほしいと思います。
○○ たとえば僻地の診療所ベースでやっている先生が、それだけじゃ学べないものがあるので、家庭医療プログラムで他のローテートをするという考え方だと思いますが。そうすると家庭医療プログラムで学べるけれども、診療所で学べないものは何かが明らかになれば、おのずと残りをどこで補完するかが分かってくると思います。この前、3つの輪があって―都市型診療所、僻地の診療所、一般病院の内科という3つの輪があって、その重なりがミニマムリクライアメントという話になって。家庭医療学会の推奨する範囲はその一回り大きな範囲だという話になったと思います。その一回り大きな範囲でないと学べないものをはっきりさせるということが、一番シンプルというか、分かりやすいんじゃないかなと思います。大枠で捉えると非常に難しいのですが、分かっていただいたでしょうか。
竹村 今ここに、大学で作っていただいた案がここにあります。こちらの方はコアと、望むべき研修と、出来たらば受けるべき研修という3段階に分けているのですね。必修に内科、外科、救急、小児科、整形、皮膚科、介護、在宅。で、「次の領域における研修が含まれていることが望ましい」というのが、産科とか。さらに「家庭医として必要な能力を習得するためのオプションとして以下のような研修内容が考えられる」とありますが。どうですか、これぐらいを少しひな形にして議論してみたらどうかなと思いますが。いかがですか。
内科に関しては、「入院、外来研修が後期研修中に3ヶ月程度。」初期研修の中で6ヶ月以上ということになっているので、合わせて9ヶ月ということなんでしょうけれども。「入院に関しては混合(総合的な)病棟で行われることが望ましい。」こんな感じでどうでしょう。
山田 個人的な考えですが。必須の6ヶ月の内科研修では、とても太刀打ちできないと思います。1年というお話もありましたが、後期研修で3ヶ月を加えてもちょっと足りないんじゃないかなと思います。地域病院なら内科で6ヶ月以上か1年でもいいんじゃないかなと思うぐらいですが。そこに注意書きが書いてあるのが、非常にいいと思います。病院に関しては「混合(総合的な)病棟で行われることが望ましい」とか、外来についても総合診療部的な、内科全般に診られるところが望ましいとか、そんな表現で。比較的、内科がコアになる部分がどうしてもあるんじゃないかなと。それで、初期研修の2年のうちの6ヶ月は少なすぎるので、それを確保するためには6ヶ月以上あるいは1年近くのことを提言してもいいんじゃないかなと。」
○○ たとえば、内科の領域を8つとか9つに分けるような分け方が、万人に認められているようなものがあるのなら。その中のある一つが30%以上占めてはいけないとか。何か客観的に分かるようなものがあるといいなと思いました。先ほど山田先生がおっしゃったのはそういうことかなと。将来そういうことが研究できたらいいなと思いますが。もう一つ、初期研修で、小児科なり内科なり、そういうことをしてよいかは、そのプログラムごとに個人ごとに認定すると。だから「次の領域における研修が含まれていること」の次に「ただし、初期研修において研修が修了していると、そのプログラムでその個人について認められる場合は省略してもよい」と。こういう表現だったら整合性がとれるんじゃないでしょうか。
○○ 先ほど言われましたように、どういうプログラムでもいいと思うのですが。ある程度こういうものというモデルのときに、専門科にわかれている、たとえば内科も8科に分かれているような大きな病院でやるところと、総合内科があるところ、さらに小さなところと、そういう形でモデルを提示したほうがいいかなと。たとえば8科に分かれている場合に、6ヶ月以上でも、ひとつは3ヶ月ぐらいいないと難しいだろうと思うのですが。そうすると、8科まわっているだけで全部になってしまう。ということで、循環器と消化器だけは別にまわってきなさいとか。ローテーションするというのは入院患者を診るということなんですが。入院患者を診たときに、将来家庭医としてやっていくうえで診なくてはいけない、絶対に診なくちゃいけないものだけをまわればいいのかと思うのです。ですから、専門科が分かれているところは、たとえば循環器と消化器だけまわって、あとは専門外来に。外来研修で補えるところは補うというふうにしておく。それによって、病院でより効率的に、専門の患者さんをきちっと診れる。診療所ですとダアーッと流れてくるので、たとえば小外科の研修を診療所でやるというのは、かなり難しいですね、症例がこないから。それよりも、外科の外来で小外科をマスターすると。外来で出来ること、病院でぜひやってほしい。外科の入院を診ることは必要ないから、外科はローテーションに入れなくてもいいんじゃないかと思います。整形もローテーションに入れなくてもいいんじゃないかと。小児科は入院患者を診ておかないと、怖くてやってられないというのなら、最低3ヶ月はまわりましょう。ということで入院患者さんを診なくちゃいけない部分のところは何ヶ月っていうミニマムを決めておいて。とりあえずモデルを設定しながら、この部分は入院で診ましょう、この部分は専門外来に行くような形でやってみましょうと。●●しながら、かつ到達するために出来ればこれくらいの症例数を必要としますよというふうにすると、分かりやすいかなと思います。そうやっておけば、たとえばうちの診療所班では2年間診療しましょうと提案していますが。それは診療所にいながら専門外来に行ける。うちの診療所にて、専門の病院の糖尿病外来に行ける。そうすれば症例数としては非常に多くなり、専門外来の患者さんも診れるという形にもなれる。というバリエーションをつけられると思います。ですから、入院で診なくちゃいけない部分と外来でもO.K.な部分に分けてモデル提唱されるといいですね。
○○ 初期研修2年間に後期が3年間という構造なんですが。先ほど言われたように、初期研修がどんな具合なのかはっきり言いにくいので、どうしても後期研修にたくさん盛り込みたくなるんですね。ぼくも特に内科系に不安があって。期間をここで設定したいところなんですけれど、2ヶ月とか半年とか入れるのは、手前の初期研修で何をやってきたかに合わなくなる部分も増えるような気がして。この内容はこなしてほしいという部分で止めるのでいいような気が最近はしています。ただ、それだとちょっとあいまいな気がして。
どうでしょうね、何ヶ月という設定は本当に難しいなというのが実感です。初期研修での個人差があまりにも大きい気がしてね。重症な患者さんのこんなところを診てほしいとか、外科でもこんな部分を特に診てほしいとかいう部分のクリアカットな明示の仕方を提示するほうがむしろ何ヶ月という明示より意味があるんじゃないかなと思います。
山田 ひとつ具体案を提案すると、総合診療部または200床以下の病院の内科とかで6ヶ月ということを提示してもいいかなと。語弊があるかもしれませんが。小児科は非常に不足していますし、小児科がしっかり診療できる家庭医がいたら助かることも事実なので、小児科にも重点をおいて3ヶ月、これは病床数を問わないとか。初期研修ではすでに2ヶ月確保していますけれども、それ以上に入れる。何かそういうふうに誘導してもいいんじゃないかなと。
宮崎 ブロックのモデルを作ってほしいということを何人かの方がいらっしゃって、それは宿題で、見やすいモデルケースを作ればいいいと思いますが。それだけだと、ミニマムなものは分からないので。今、山田先生がおっしゃった内容からすれば、「後期研修中に6ヶ月程度が望ましい」でいいと思います。初期研修でそういうのをやっていて要らないといのであれば。だから、それが必須なのか望ましいのかだけ書き分けて、大体これぐらいを提示する型を出して、あとはケースA、ケースBというのを宿題でやってくればいいと思います。とりあえず「必須」なのか「望ましい」なのか。今までの流れでいうと、たぶん「総合病棟もしくは中小病院で6ヶ月以上が望ましい」カッコで初期研修をやっているならいらないと。そういうふうでいかがでしょうか。
藤沼 僕も考えたり、他の病院の先生と話をするのですが。やっぱり小児科を必ず入れると。小児科をかなり長く入れる。他を6ヶ月としたんですが、3ヶ月以上必ずやるんだということは結構アピール度があるらしいんですよね。あとは総合的な内科を6ヶ月ぐらいで。あとは必要に応じて分ける。「総合内科を6ヶ月、小児科3ヶ月以上」というのが、なんとなく落としどころのような気がします。救急はどうなるといっても、中小病院の内科は救急をやりますからね。みんなインテリジェンスされちゃうので。縫合もやるし、オペ●●の管理もしたりするので。そのくらいが落としどころで。あとは診療所がしっかりやって、残りは個別に、当座は相談で目標設定をやってほしいというくらいしかできないんじゃないかと思います。
竹村 落としどころをもう一度。内科は6ヶ月で。
○○ ミニマム6ヶ月で。総合内科と付けたほうがいいいと思います。それはなんだと聞かれたら難しいのですが。それから小児科は絶対にいる、3ヶ月以上は入れてほしい。
○○ 総合的に診れる内科ということで。当該病院の内科に関しては臓器系統別に分かれている名称が●●されていないと。あるいは総合診療科、総合診療内科、家庭医療科等々のものがある。ということでどうでしょう。
竹村 レクチャーの内容とは違うことになると思いますが、レクチャーの内容は特に議論する予定はなかったので。時間ですので、次のレクチャーを聞きましょうか。そして最後の一番具体的なところを明日中にまとめるということにいたしましょうか。
宮崎 1点だけ。産婦人科をどうしたいのか、皆さんの意見を聞きたくて。
竹村 産婦人科はオプションになっていますよね。
宮崎 あまり意見が出なかったので、うちの班でもオプションのままにしてあるのですいが。
竹村 これはもちろん、初期に1ヶ月以上やっているという前提ですね。いかがですか、オプションでいいですか、それとも必須がよろしいでしょうか。
岡田? その他の内科とか小児科と、かぶるとは思うのですが。産婦人科というのは、やってしまうとかなり幅が広いので。やはり妊娠、授乳中の薬の知識というのは絶対にはずせないし、避妊の知識、性病の知識、不妊のカウンセリング、産後うつ病、そういったものは絶対にはずすべきではないし。産婦人科を回った、回っていないではなくて。細かいところですが、この項目については必ずカバーするべきという形で、必要なところはあると思うので、そういうカバーの仕方をした方がいいんじゃないかなと。
○○ 蒸し返しになるかもしれませんが。研修期間を明記するというのは、作る側としてはすごく安心かなと思いますが。自分が2、3年前に研修していたので、その頃のことを考えると。実際にプログラムを作るうえでは研修期間があっても、それに沿うことは難しいんじゃなかいかなと。研修のレポートにもよりますし、初期研修で小児科を4ヶ月やったり、他ではそのスキルもまた違うでしょうし。診療所にたとえば半年間いたとして、その診療所でものすごく小児科の患者さんが多かったら、ここでかなり補える部分があるんじゃないかなと思います。それこそ個別化していって、定期的、継続的、包括的な評価で。「君はまだこれが足りないね」と、最後のエルエクティブのところで、本来なら6ヶ月内科病棟へ行こうと思ったけれど、それを4ヶ月にして、もう2ヶ月この分野をまわろうかとか。そういった、ある程度の融通性をつけるためにも、期間はきっちりやらないほうがいいのかなと。
実際にいろんなリソースとネットワークするので、プログラムを作るときにあまりないと思います。それが満たすような研修場所が提携先になければ、駄目だということになるので。あくまでも個別化でリソースが使えるような可能性を残しておいたほうがいいんじゃないかなと。あとはちゃんとアウトカムのところでしっかりやっていくということを保証していけばいいんじゃないかなと思います。
山田 さっきの話からすると、診療所6ヶ月が決まっていなかったので。36ヶ月のうち6ヶ月だけだと、あまりにも自由度が大きすぎて。今おっしゃった「6ヶ月を総合内科、小児科を3ヶ月」というのを盛り込んでもまだまだ十分選択性というか自由度がかなり高いと思うので、そのくらいはあってもいいんじゃないかなと。時代の要請で小児科を入れているとか、中小病院の内科を入れているという部分はフィットするんじゃないかなと。あと、産婦人科は離島などでニーズがあって、出産にも関係することが当然でてくるので、離島研修には必須だと思います。でも、離島研修は家庭医研修のプラスアルファのところでやらざるを得ないのかなと。小児科と違って婦人科の場合は、出産をしに家庭医のところへ患者さんがやってくるということは普通は考えられないので、小児科研修を必須にすることほどは必要ないんじゃないかなというのが考えです。
○○ 期間を明記して必修にするのは、特定施設、入院の部分であって、管理科というのか●●研修というのか分からないのですが、それはプログラムとしては必修にすべきだと思います。ただ、その方法については、ここに何ヶ月と書かなきゃいけないのは多分入院の係わるところだけだと思います。そういう意味では小児科と内科と診療所の3つ以外は期間をきちっと明記する必要はないかもしれない。小児科も、入院をどのくらいやるか、小児科は入院をやりなさい、というぐらいじゃないかなと。あと、領域に関しては必修の部分は絶対にあると思うので、最初の目標のところを策定するためにははずせないみたいなところ、包括的医療があって、初期研修が……●●……あれば、それはどんな形であってもやりなさいと。
宮崎 大学班ではそこまで考えてあって、期間を決めるべきものと決めなくていいんじゃないかというものを、決められないんじゃないかということになって。最初に書いたのですが、初期のことも含めて評価してトータルで得るべきものを得られていれば、終わった人がそれを得られていればいいというふうになったのですが。大学班のところでは小児科はブロックと外来が必要という形になったので。出来ればそれに対してご意見が得られればと思います。
山田 小児科の質については、さっきの松下先生の意見もあって。内科の受け入れ側としてはシニアが回ってくるわけですから、1年ぐらいいると戦力になるんでしょうけれど、それ以下だとなかなか戦力として数えられないと。ただ1ヶ月、2ヶ月の小児科研修にきてもらっても病棟が1ヶ月、2ヶ月だととても戦力としてみなせなかったり。それが3ヶ月あるとローテーションとして何人か来れば多少戦力になりうるんじゃないかなというか、受け入れ先としてもメリットになる。3ヶ月というのは結構ミニマムというか最低じゃないかなと。2ヶ月程度スーパーローテートのときと同じようにやるよりは、やっぱり腰をすえて3ヶ月は入院管理も含めてどっぷりやって。外来はどうせ後で診療所でも出来るわけだし。そういう患者さんも来るわけですから。入院だけとはいいませんけれど、小児科3ヶ月、一般内科6ヶ月というのは、僕はいまさらながらいい意見じゃないかと思いますが。
北西 大学班のしめした案を基にされればいいかなと思います。個人的には、一般外科のブロック研修はいらなくて、外来とか救急の現場で学んだ方がいいと思いますし。岡田先生のおっしゃったように、婦人科の外来研修等は必修にしてもいいかなと思います。
竹村 一晩考えさせてください。明日、結論を出すようにがんばりますので。では、今日はこのへんでお開きにしますので。
  (この後の懇親会の予定ほか)50.10〜

参考 : 第2回 家庭医療後期研修プログラム構築のためのワークショップのページ

このページのTOPへ
CopyrightcThe Japanese Academy of Family Medicine,1998-2008